●男子シングルス決勝
水谷(明治大) 7、8、5、3 張一博(東京アート)
水谷隼、ついに男子シングルスで5連覇を達成した!
試合序盤からフォアクロスの引き合いでも、バック対バックの打ち合いでもミスが出なかった水谷。張のバックハンドは相変わらず精度が高く、凡ミスは少なかったが、水谷のバックハンドの精度はそれを上回り、逆に張が焦れてミスをする展開。それでも張は、第1ゲームを7点で落とした後、第2ゲーム2-8から粘り強く8-8まで追いついたのだが、このチャンスを逃すとあとは一方的な展開。張は「第1ゲームが大事なので、レシーブを入れようと思って慎重にいったけど、今考えると思い切っていった方が良かったと思う」と試合後に振り返った。
水谷が圧巻のプレーを見せたのは第4ゲーム。1-0から打点を落とし、逆モーションでバックストレートへバックフリック、さらにナックル性のフォアドライブで3-0とリード。ここで張がタイムアウトを取ったが、3-1から水谷が一気の5点連取。6-1からバックストレート、7-1からバッククロスへ強烈な3球目パワードライブを決め、会場がどよめく。今大会、かさにかかって攻めた時の水谷には迫力があった。最後も10-3のマッチポイントで、張のミドルへパワードライブ。ブロックの堅い張がまったく反応できず、体に突き刺さるようなボールだった。そのまま大きくガッツポーズする水谷、ついに男子シングルス5連覇だ。
試合後の優勝者会見では「昨年は海外の成績も僕が日本選手で一番良かったし、今大会はみんなが僕の優勝を疑わない大会だったと思う。できるだけ簡単に優勝したいと思っていた」「今日の初戦(準々決勝)で丹羽選手と当たるので、完膚なきまでに叩きたいと思っていた」と水谷節も絶好調。しかし、まったく嫌味に感じさせないほど、強い強い水谷だった。世界選手権ロッテルダム大会のプレーが楽しみだ。