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全日本選手権大会

撮影の舞台裏

2011/01/22

男子ダブルスの決勝の間、フロアにあったNHKのカメラの操作の様子を見てみた。

このカメラはズーム映像用だが、試合が始まってからというもの、ラリー中はもちろん、ラリーの合間もゲームの合間も一瞬も休まずに選手を追って、ズームとピント合わせを続けていた。

モニターの上に赤いランプがつくのが、自分のカメラが選ばれて放送されているという印であることが、会場のオーロラビジョンと見比べてわかった。

また、モニターには自分のカメラの映像だけではなくて、ランダムに他のカメラの映像がまるでサブリミナル映像のように挟み込まれていた。だから他のカメラの映像が映っているときは、勘で選手を追わなくてはならない。

頻繁に画像が切り替わる中でズームとピント合わせを繰り返しているモニターを見ていたら、それだけで酔いそうになった。

何の世界でもプロは凄いものだ。 (条太)
●男子ダブルス決勝
松平健/丹羽(早稲田大/青森山田高) 14、2、-6、8 水谷/岸川(明治大/スヴェンソン)

男子ダブルスは松平健/丹羽ペアが初優勝!
松平健が緩急も交えながらドライブで攻め、丹羽の大きく逃げるシュートドライブが非常に効果的だった。最後は岸川の回り込みドライブがラケットのエッジに当たって大きく吹っ飛び、フロアに落ちた瞬間に決着!
水谷/岸川は斎藤清/渡辺武弘ペアと並んで4連覇中だったが、新記録の5連覇はならなかった。

★松平健/丹羽ペアの優勝インタビュー
丹羽「最近はダブルスは国際大会でもある程度勝てるようになってきたので、自信がありました。全然緊張はしなかった。相手は4連覇しているので、こちらは思い切って打って行くだけでした。(今日のプレーは?)100点です」
松平「思い切ってやるだけ。2-0でリードできて、出足が良かった。すごくうれしいです。(今後の目標は?)やるからには世界一を目指して頑張ります」

●男子ダブルス準決勝
水谷/岸川(明治大/スヴェンソン) 2、8、5 韓/張(東京アート)
松平健/丹羽(早稲田大/青森山田高) 8、7、9 木方/田勢(協和発酵キリン)
●女子シングルス準決勝
藤井(日本生命) -6、5、5、4、6 藤沼(日立化成)
石川(ミキハウスJSC) 7、-10、3、4、9 福原(ANA)

福原の全日本タイトルへの挑戦は、頂点まであとふたつというところで叶わず。
第3ゲームからの石川の当りはすばらしく、福原のフォア強打も台からやや距離をとってブロックし、水平に振り抜くフォア強打を叩き込んだ。福原は第5ゲーム、大きくリードされてから開き直ったようなフォアドライブ攻撃で9-9まで追いついたが、最後は石川10-9のマッチポイントで、福原の3球目強打がネットに刺さった。石川のバックに強打を集め、勝負を挑んだが、以前はやや安定性を欠いた石川のバックハンドに、この試合はミスが出なかった。
試合後の石川に勝利の笑顔はなし。日本代表チームでは石川のお姉さん的存在である福原。叩き込む強打に一切の斟酌はなかったが、試合後の心境は複雑だったのか。それとも続く決勝を見据えているのか。

藤井はこれで3度目の決勝進出。最近の対戦成績で上回っている藤沼のサービスを確実にレシーブし、両ハンドの安定性で上回った。藤沼、昨年決勝で敗れたリベンジを期して準決勝に臨んだが、夢かなわず。

★福原愛の試合後のコメント
「今日の試合で反省する点も見つかったし、良い部分もあったので、それを次の世界選手権につなげていきたい。精神的には負けていないと思う。これから技術や戦術をもっと鍛えていきたい。
 石川さんは去年のプロツアーでも調子が良かったし、こちらから向かっていくつもりでプレーしました。今日の負けは決して悪い負けではない。改めて気を引き締めて、これからやっていきたい」
お互いにバック対バックのストレートでどちらがいつフォアに振るかがひとつのポイントになっていた。福原が先に石川のフォアに振ると、ほぼ確実に石川の餌食となる。最後まで石川のバックに集めたラリーの方が福原が得点しているように見えた。あいかわらず石川の体のキレは素晴らしい。

最後のゲーム、福原、石川がそれぞれタイムアウトを取り、福原が4-7から9-9まで追いついたが、最後はツッツキに対する福原のフォアドライブがネットに当たり、9-11で石川が取り、初の決勝進出を決めた。 (条太)

神の采配

2011/01/22

隣に座っている人に「もし自分が神様で福原と石川のどちらでも勝たせられるとしたらどちらを勝たせますか」と聞いてみた。
おにぎり食ってる神様じゃ効力ないだろうな。聞いた方がどうかしてた。 (条太)
●女子ダブルス5回戦
藤井/若宮(日本生命) 9、-10、4、2 谷岡/佐藤(エリートアカデミー)
越崎/福岡(中国電力) 5、5、8 松澤/白鳥(淑徳大)
藤沼/福平(日立化成) 6、7、9 加能/原田(東京富士大)
田代/藤井(日本生命/近畿大) 3、8、9 佐藤/岡本(サンリツ)
阿部/小野(サンリツ) -9、6、8、5 石垣/大庭(淑徳大)
平野/石川(ミキハウス/ミキハウスJSC) 5、3、5 大橋/荻原(JR北海道)
樋浦/酒井(ミキハウス) -4、12、-5、8、7 福原/森薗(ANA/青森山田高) 
照井/中島(早稲田大) 7、8、3 森/森薗(えひめTTC)
いよいよ女子シングルス準決勝だ。

この試合はBS1で生中継されるという。素晴らしい。

報道の数もピークに達している。どいつもこいつもスクープだか決定的瞬間だかを狙ってカメラを構えている。 (条太)
●男子シングルス5回戦
水谷(明治大) 5、7、9、5 鹿屋(野田学園高) 
下山(協和発酵キリン) -6、-8、12、6、4、7 御内(早稲田大)
丹羽(青森山田高) -8、8、7、4、9 小野(協和発酵キリン)
韓(東京アート) 6、1、3、4 濱川(近畿大)
高木和卓(東京アート) 2、-6、-7、6、-4、4、6 吉田(青森山田高)
松平健(早稲田大) 6、4、6、5 坪口(日産横浜クラブ)
坂本(協和発酵キリン) 3、6、7、-3、-7、9 森田(シチズン)
松平賢(青森大) 8、-9、9、6、-8、-6、9 吉村(野田学園高) 
張(東京アート) 10、5、10、9 藤本(近畿大)
軽部(明治大) 8、8、-9、5、-7、2 平野(野田学園高)
岸川(スヴェンソン) 6、10、9、11 森薗(青森山田中)
田勢(協和発酵キリン) -9、1、4、10、9 町(青森山田高)
森本(愛知工業大) 6、7、5、9 有延(野田学園高)
笠原(早稲田大) -9、8、9、7、9 木方(協和発酵キリン)
時吉(時吉スクール) 8、9、3、5 柴田(東信電気) 
吉田(個人) 5、-11、-7、8、5、9 伊積(中央大)

森本、笠原、時吉が初のランク入りを決めた。有延に完勝した森本(下写真左)は「野田学園とはよく練習試合をやっていて、今までも分が良かったので自信を持って戦えた。今日は凡ミスも少ないし、狙ったコースにボールがいっている」と好調さを感じさせるコメント。
ラン決随一の激戦となった松平賢vs吉村の一戦は、両ハンドを振る右シェークドライブ型同士の好試合。最終ゲームに吉村が6-2とリードし、金星まであと一歩だったが、松平が世界代表の意地を見せ、逆転勝ちを収めた。坂本(下写真中央)は同じ左シェークドライブ型の森田に完勝、田勢(下写真右)はレシーブからフリックで積極的な攻撃を仕掛け、青森山田の後輩の町を下した。
●男子シングルス5回戦
水谷(明治大) 5、7、9、5 鹿屋(野田学園高)
韓(東京アート) 6、1、3、4 濱川(近畿大)
張一博(東京アート) 10、5、10、9 藤本(近畿大)
岸川(スヴェンソン) 6、10、9、11 森薗(青森山田中)
松平健(早稲田大) 6、4、6、5 坪口(日産横浜クラブ)

女子シングルス準々決勝に続き、会場では早くも男子シングルス5回戦、ランク決定戦がスタート。
水谷、松平健、岸川ほか、優勝候補はストレート勝ちで6回戦に進んでいる。ここまで「陰の優勝候補」と言われながら、全日本では結果の出せなかった韓陽は左シェークドライブ速攻の濱川に完勝。得意のカウンターが不発に終わった濱川は「気づいたら終わっていた。相手のドライブがかかっていなかったり、沈んだりして変化がすごくて、対応する前に試合が終わってしまった」とコメントした。