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平成29年度全日本選手権速報

●男子シングルス5回戦(ランク決定戦)
吉田雅己(協和発酵キリン) 10、-6、10、10、7 丹羽孝希(スヴェンソン) 
 青森山田高の同級生対決、吉田対丹羽戦。4年前に6回戦で対戦し、その時は4-2で吉田の勝利。翌年は準々決勝で対戦するも、吉田がインフルエンザで棄権した。
 出足から早いテンポで試合が進み、ゲームカウントは1-1。3ゲーム目、序盤から一進一退。2-2、3-3、お互い凡ミスはないが、ラリー戦にもならない。斬り合うような試合展開だ。先に吉田が10-9とゲームポイントを奪うも、丹羽のチキータで10-10。最後は吉田のサイドラインを切るサービスに丹羽がレシーブミスで、12-10と吉田が取り返した。

 4ゲーム目、吉田がリードし、それを追いかける丹羽。6-6、7-7から10-7と丹羽がリードするが、10-10。ここで吉田のカウンターが丹羽のバックを打ち抜き、11-10になる。最後は丹羽が3球目をミスして12-10で、吉田がゲームを3-1とした。
 5ゲームも、出足で吉田がリード。サイドを切るサービスを丹羽のフォアに出し、持ち上げてきたドライブをカウンターで狙う吉田。3-3から5-3吉田リードで、丹羽のカットブロックで5-4。9-6と吉田が突き放し、最後は11-7で吉田が取り、4-1で丹羽を破った。日本男子で世界ランキング最高位の丹羽が早々と敗れる波乱が起きた。

★丹羽孝希のコメント
「全日本は緊張感があるので、フォアハンドとかの振りがちょっと遅くなった。出足取られたゲームが全部ジュースで、そうなると勝つのが難しい。特に4ゲーム目、10-7でリードしていて、そこから逆転されたのが痛かった。気持ちも落ちてしまった。過去にも全日本で負けているのでやりづらい相手で、世界ランキングも高いので苦しい試合になるのはわかっていた」
  • 丹羽に勝利しランク入りを決めた吉田

  • 丹羽はまさかの5回戦敗退

●男子シングルス5回戦(ランク決定)
水谷(木下グループ) 3、5、8、-8、6 松下(日鉄住金物流)
田添健(専修大) -7、6、5、-12、10、-12、8 笠原(協和発酵キリン)
藤村(日鉄住金物流) 10、4、9、8 松山(愛知工業大) 
神(シチズン時計) 3、7、6、4 戸上(野田学園高)
龍崎(明治大) 10、11、9、6 高見(愛工大名電高)
松平(協和発酵キリン) 8、7、6、-9、-9、-10、4 及川(専修大) 
松平(木下グループ) 10、7、8、-7、8 御内(シチズン時計) 
田添響(専修大) -8、13、5、8、6 平野(協和発酵キリン)

男子シングルス5回戦、前半の8試合が終了!
社会人1年目の藤村と田添健汰、田添響の田添兄弟が初ランク!

昨日、村松に完勝した藤村は、今日も後輩の松山に完勝。「大学時代はがむしゃらにやるだけだったけど、社会人になってからチームの杉井監督に戦術面のことを教わって、戦術の部分が成長したと思う。初ランクはまだ実感がないです」と試合後に語った。

田添響は前回3位の平野に勝利。2ゲーム目に4−8のビハインドから挽回し、後陣からでも一発で打ち抜くバックドライブが炸裂した。「全体のレベルも上がっていて、ランクに入るのも大変。実力不足です」と試合後に平野は語った)。
この弟のランク入りに発憤したのが兄・健汰だ。「響が勝っているのが見えたので、自分も絶対に勝とうと思いました」と試合後のコメント。経験豊富な笠原に対し、「笠原さんはサービスがうまいので、今日の試合も全然レシーブできなかったんですけど、最後攻め切れてよかったです。落としたゲームは勝ちたい気持ちが強くなりすぎてしまったけど、最後冷静になることができた」(田添健)。

田添兄弟に上村、定松と、13年北九州インターハイで団体優勝した希望が丘高の主力4名が男子シングルス5回戦に勝ち残っている。「希望が丘旋風」が、全日本の舞台に巻き起こるのか?
  • 笠原との接戦を制した田添健汰

  • 前回3位の平野に勝利した田添響

  • 大学の後輩松山にストレート勝ちした藤村

●男子シングルス5回戦
水谷隼(木下グループ) 3、5、8、-8、6 松下海輝(日鉄住金物流)

 王者水谷のシングルス。12月上旬、マレーシアの地ではニッタクボール(大会公式球)への不安を口にしていたが、日本へ帰国後、練習をやり込み、すっかり慣れた様子の水谷。隙のない試合ぶりを見せ、3-0とゲームをリードした。
 4ゲーム目は松下が4-0、5-1でリード。6-7、8-9と水谷が追いかけるが、松下のネットインが入り8-10、結局11-8で松下が1ゲームを奪った。
 5ゲーム目、出足で競る。5-5から8-6水谷リードで、松下がタイムアウト。そこから2本連続、水谷のストップレシーブに松下がミス。結局、11-6で水谷が取り、危なげなく 初戦を突破した。

ちなみに、今回の水谷のベンチコーチは、都内で卓球場「クニヒロ卓球」を経営する国広哲弥社長。試合後、「おれ、ティッシュ渡してるだけですから」と笑った。

★敗れた松下のコメント。
「サービスに対応できなくて0-3になって、3ゲーム目の後半にやっとついていけると思ったら違うサービスを出されたりと、引き出しの多さにやられました。大学の先輩なので練習をやったことは多いけど、練習と試合では水谷さんは全く違う」
  • 松下に勝利の水谷

  • 水谷に1ゲームを奪うに留まった松下

●女子シングルス5回戦(ランク決定戦)   
橋本(ミキハウス) 6、3、-14、9、-5、6 山本(中央大)
伊藤(スターツSC) 2、4、-7、9、5 平(日立化成) 
安藤(専修大) -9、8、5、6、4 成本(中国電力)  
石垣(日本生命) -6、2、-10、7、9、-10、9 平(サンリツ) 
土井(中国電力) -6、4、9、7、8 木原(JOCエリートアカデミー) 
森(日本生命) 10、3、9、9 小道野(アスモ)
早田(日本生命) -8、7、9、-9、5、6 加藤杏(十六銀行)    
石川(全農) 7、7、7、4 松平(ミキハウス)

女子シングルスの5回戦が終了。初ランクはゼロという近年では珍しい結果になった。

ラン決で最年少の中学1年生、木原は土井に敗れた。「私はサービス・3球目で得点できればいいけど、ラリーに持ち込まれると苦しい。1ゲーム目はサービスからの3球目が効いていたけど、2ゲーム目以降は相手が思いきり攻めてきて対応できなかった。サービスも全然効かなくなった」と試合後のコメント。JOCエリートアカデミーでフットワークとフォアハンドを強化し、プレーの幅を広げている段階。まだまだ発展途上だが、それだけ伸びしろもあるはずだ。「目標はベスト8でした。今回はベスト32だったけど、来年の全日本でも良いプレーがしたいです」(木原)。

今大会が現役最後の大会となる石垣は、平との大激戦に勝利。最終ゲーム9−4、10−7のリードから10−9まで挽回されたが、最後は平の3球目フォア強打がネットミス。6回戦へ駒を進めた。
  • 大接戦に勝利の石垣

  • 中1の木原はランク入りならず

●女子シングルス5回戦
橋本帆乃香(ミキハウス) 6、3、-14、9、-5、6 山本笙子(中央大)。

前大会3位のカットの橋本帆乃香(ミキハウス)は、カットの久野(十六銀行)を4回戦で4-2で破った山本笙子(中央大)とランク決定で対戦。
1ゲーム目は橋本が6本で先取。橋本のツッツキの変化と、カットからの攻撃に山本がミスを重ねる。 山本の粘りにミスはないが、決定打に欠けるために橋本の調子がジリジリ上がっていく。2ゲーム目、11-3で橋本が連取。

3ゲーム目、出足で山本が3-1、5-2とリードするも、橋本は反撃して7-5と逆転。それまで打たなかったスマッシュを山本が連発して8-7とひっくり返し、10-7とゲームポイントを奪ったが、橋本が追いつき、ジュース。最後は16-14と山本が粘り倒した。
4ゲーム目、9-9から橋本が2本連取、最後はバックスマッシュでゲームを決めて、3-1で橋本がゲームリード。 5ゲーム目で山本が出足で強打を放ち、いきなり6-0とリード。ここから橋本が反撃するも11-5で山本が取り返した。 6ゲーム目、出足から競り合い、持久戦の様相。6-3橋本リードで山本がタイムアウト。9-6になったところで橋本がタイムアウト。最後は橋本が11-6で逃げ切り、ランク入りを決めた。

★敗れた山本のコメント
「前の試合(久野)もカットマンだったのでカットは苦手じゃない。相手が一枚上だった。1,2ゲーム目は相手の攻撃に苦しんで粘るのが精一杯で、3ゲーム目からドライブの打球点を変えたり、スマッシュを入れたけど、相手のサービスに苦しんだ。入れのが精一 杯で相手に攻められた。ここまで来たからにはランクに入りたかったけど、また来年頑張ります」
  • 山本をくだした昨年3位の橋本

  • 山本は橋本を崩せなかった

●女子シングルス5回戦
石川(全農) 7、7、7、4 松平(ミキハウス)
伊藤(スターツSC) 2、4、−7、9、5 平(日立化成)

女子シングルス5回戦、優勝候補の石川佳純、伊藤美誠はいずれも快勝で6回戦進出!

石川に敗れた松平は、試合後に「練習相手として何回もやっているから、石川さんには慣れていた」とコメント。「試合でやるのは久々で、バックの回転量が今回は全然なくて、いつもは回転をかけてくるボールもなでるような球質。サービスもナックル系が多かった。いつもはオーバーミスが多いのに、今日はネットミスばかりで、最後までそのことで頭がいっぱいだった」と語った。果たしてこれが石川のボール対策なのか、それともやり慣れている松平対策か。続く6回戦でもそのプレーに注目だ。

伊藤はサービス・レシーブで平を圧倒して2ゲームを奪った後、1ゲームを落として4ゲーム目も5−9。出足が良すぎて集中力が切れたようにも見えたが、ここで気合いを入れ直し、6点連取で11−9。5ゲーム目も一気にリードを広げた。「サービスの変化がすごかったです。ラリーにもっていけたら自分も得点できたし、取った3ゲーム目はラリーに持ち込めたから取れた。でも、サービス・レシーブで全然得点できなかった」と対戦相手の平。平は昨日の4回戦で森薗美咲を破って勝ち上がったが、ランク入りの壁は厚かった。
  • ストレートで松平を破った石川

●女子シングルス5回戦(ランク決定戦)
芝田(ミキハウス) 6、9、6、-6、-9、6 田代(日本生命)  
森薗(サンリツ) -9、-9、10、7、6、-7、5 笹尾(横浜隼人高)
大矢(サンリツ) 6、5、9、-9、4 前瀧(東京富士大)
前田(日本生命) 7、7、-9、-4、9、7 加藤(日本ペイントホールディングス)
佐藤(ミキハウス) 9、10、2、8 平田(アスモ)

女子シングルスのラン決は、前半の8試合が終了。前回3位の佐藤らがランク入りを決めた。佐藤に敗れた平田は、全日本は今大会で最後。「1、2ゲーム目の競り合いで、カットに対する自信のない部分が出てしまった。でも対カットでは、今までで一番良い試合ができたと思う。後悔はありません」と語った。

随一の激戦となったのは、森薗対笹尾。「普段から練習はよくしている」という両者の対戦。3球目攻撃のパンチ力では笹尾が上回ったが、ラリー戦に持ち込まれると森薗のフットワークがものを言った。「ランク入りを目標にしていたので悔しいです。公式戦では二度目の対戦で、前回も負けました。最初の2ゲーム目はサービス・レシーブが良くて取れたけど、ラリーになったら森薗さんが上でした」(笹尾)。
  • 前回3位の佐藤はストレート勝ち

  • 森薗との接戦に敗れた笹尾

  • 加藤美優は昨年に続き前田に敗れる

●女子シングルス5回戦
平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園) 10、5、8、2 馬場麻裕(アスモ)
松澤茉里奈(十六銀行) 4、12、6、3 奥下茜里(日本大)
永尾尭子(アスモ) −4、5、9、5、8 塩見真希(四天王寺高)

女子シングルス5回戦、前回女王の平野美宇は実業団の成長株、左腕の馬場にストレート勝ち!
馬場とは3年前の全日本ジュニア以来の対戦となる平野。その時も平野がストレート勝ちしていたが、試合後に馬場は「平野さんは戦術の引き出しが多くなっていて、試合を進めるうちにプレーに迷いが出てしまった。10−9になった1ゲーム目を取りたかった」と語った。左右へ動かされるラリーには強い馬場に対し、平野はミドルから出す巻き込みサービスと要所でのミドルへの攻撃で、効果的に得点を重ねた。

松澤は右シェークフォア表の奥下に完勝。「松澤さんとは去年一度対戦していて、バックサービスが全然取れなかった。今回はその時よりは対応できたけど、思い切ってフォアで攻められなかったのが悔しい。普段対戦している学生のボールとは質が違いました」と奥下は語った。フォア表からの強打が少ないところを松澤に狙われ、大きく振られて展開が厳しくなった奥下。しかし、昨年は全日本学生で2位に入り、全日本では5回戦進出。その成長を証明した。
  • ストレート勝ちの平野

  • 馬場は競った1ゲームを取りたかった

  • 松澤に敗れた奥下

大会第5日目のタイムテーブルは下記のとおり。朝一番から女子シングルス5回戦、男子シングルス5回戦という「ランク(ベスト16)」決定戦が行われる。男女とも注目カードが目白押しだ。男女シングルスは6回戦も行われ、ベスト8が決定する

10:00〜
●女子シングルス5回戦
平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園) vs. 馬場麻裕(アスモ)
田代早紀(日本生命) vs. 芝田沙季(ミキハウス)
森薗美月(サンリツ) vs. 笹尾明日香(横浜隼人高)
奥下茜里(日本大) vs. 松澤茉里奈(十六銀行)
大矢未早希(サンリツ) vs. 前瀧初音(東京富士大)
塩見真希(四天王寺高) vs. 永尾尭子(アスモ)
前田美優(日本生命) vs. 加藤美優(日本ペイントホールディングス)
平田有貴(アスモ) vs. 佐藤瞳(ミキハウス)
橋本帆乃香(ミキハウス) vs. 山本笙子(中央大)
伊藤美誠(スターツSC) vs. 平真由香(日立化成)
安藤みなみ(専修大) vs. 成本綾海(中国電力)
平侑里香(サンリツ) vs. 石垣優香(日本生命)
木原美悠(JOCエリートアカデミー) vs. 土井みなみ(中国電力)
森さくら(日本生命) vs. 小道野結(アスモ)
加藤杏華(十六銀行) vs. 早田ひな(日本生命)
松平志穂(ミキハウス) vs. 石川佳純(全農)

11:40〜
●男子シングルス5回戦
水谷隼(木下グループ) vs. 松下海輝(日鉄住金物流)
田添健汰(専修大) vs. 笠原弘光(協和発酵キリン)
松山祐季(愛知工業大) vs. 藤村友也(日鉄住金物流)
戸上隼輔(野田学園高) vs. 神巧也(シチズン時計)
龍崎東寅(明治大) vs. 高見真己(愛工大名電高)
及川瑞基(専修大) vs. 松平賢二(協和発酵キリン)
御内健太郎(シチズン時計) vs. 松平健太(木下グループ)
田添響(専修大) vs. 平野友樹(協和発酵キリン)
岸川聖也(ファースト) vs. 軽部隆介(シチズン時計)
森薗政崇(明治大) vs. 坪井勇磨(筑波大)
丹羽孝希(スヴェンソン) vs. 吉田雅己(協和発酵キリン)
山本勝也(リコー) vs. 渡辺裕介(明治大)
上田仁(協和発酵キリン) vs. 上村慶哉(早稲田大)
大島祐哉(木下グループ) vs. 吉村真晴(名古屋ダイハツ)
緒方遼太郎(早稲田大) vs. 張本智和(JOCエリートアカデミー)
徳永大輝(鹿児島相互信用金庫) vs. 定松祐輔(中央大)

13:20〜 ●女子ダブルス5回戦
13:55〜 ●男子ダブルス5回戦

15:00〜 ●女子シングルス6回戦
15:50〜 ●男子シングルス6回戦

17:10〜 ●女子ダブルス準々決勝
17:45〜 ●男子ダブルス準々決勝
 男子シングルス4回戦、第1コートの最終戦で吉田海偉を4−2で破った岸川聖也。「勝ったことがない相手、初めて勝ちました。吉田さんが初優勝した全日本の準決勝で負けて以来、全部負けています」と試合後に語った。「天敵」から挙げた、初めての勝利だった。

「0-4の試合でしたね。2ゲーム目も5-9で負けてて、4ゲーム目もそんな感じで、最初の4ゲームはほぼ前半からリードできなかったけど、そこで我慢して2-2に持ち込んで、5、6ゲーム目は完璧に近い感じでできた。
 ぼくが下から勝っていって、その下にも強い相手がいたので一戦一戦という感じだった。吉田さんはこの大会で1試合目で、ぼくは会場にも慣れていたのでぼくにプラスだった。メンタルが切れないで我慢できたのが勝因です。0-2になっても、1-3になってもおそらく負けていた。そこを我慢できたのが良かった」(岸川)

 敗れた吉田は「強い相手で、負けても全然恥ずかしくない相手。しかたがない。これで卓球をやめるわけではないし、これからも頑張りたい。」とコメントした。
  • 吉田から初勝利をあげた岸川

  • 吉田、ペンホルダー代表としてまだまだがんばってほしい