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用具のこだわり by ゆう

変化サービスからの両ハンドドライブ、丁寧なストップ、ツッツキとチキータなど、右シェークドライブ型の教科書のような選手が松山祐季(愛知工業大)だ。

前陣での早い卓球、そして中陣での粘り強さを併せ持つ松山。後ろから一気に逆襲するバックドライブなど、ダイナミックな卓球も見せる。

ラケットはインナーフォースZLC(ST)
ラバーは両面テナジー05(特厚)だ

「自分はラリータイプなので、イチかバチかで入る用具ではなく、『打ったら台に入る』という信頼感がほしい。今のラケットは競った場面でも、ボールをグッとつかんでくれるところがいいです。現行品の「レイヤー」ではなくて、旧型の『インナーフォース』です。
バタフライと契約してからいろいろラケットを試したんですが、部室にあった旧インナーフォースが一番良かったですね。
前はティモボルALCを使っていました。ティモのほうがボールは走ります。でも安定感を考えて今のラケットを使っています。

 ラバーは両面テナジー05です。バックは64を使っていましたが、プラボールになって、ちょっと落ちる感じがしてので、05にしました。
ぼくはプッシュ系の打法も使うので、バック側のラバーは柔らかいのを使っています。同じ05でもフォアは硬く、バックは柔らかいものにしています。

基本的にあまりこだわりがないので、用具は変えない。
変える理由は気分転換もあります。特に試合で負けたら変えます。これが一番の理由かもしれないですね」(松山)
ノーシードからあれよあれよと勝ち上がり、水谷隼に挑戦した宮澤僚太(JA十日町)。
相手がいらつきを見せるほど、広い守備範囲とカットの安定感が武器。
小澤(琉球アスティーダ)、飯野(TOM卓球三昧)など、テクニシャンを切り倒したカットマンにこだわりを聞いた。

ラケットは
松下浩二(ST)
フォア:V>01リンバー(MAX)
バック:カールP-1(特薄)

「フォアには柔らかいラバーを使っています。私は攻撃は回転をかけないフラット打ちをするので、あまりかかりすぎてしまうとオーバーしてしまう。柔らかくて食い込みが良いラバーを選んでいます。

 カットも切れ味の最大値は高くないですが、ちょっと切ったり、ナックルにしたりなど、変化はつけやすいですね。柔らかいので安定するし、粘って粘って変化をつけていきます。

 粒高はプラスチックになってからカールP-1を使っています。それまでP-4を使っていましたが、プラだと変化がつかなくなってしまいました。ラバーを変えて硬さになれるまで時間がかかりましたが、切れるのでP-1が良いですね。

ラケットは高校2年生の時から使っているので、変えられない。全部変えると、おかしくなりますから、ラケットを軸にして、ラバーを選択しています」(宮澤)
昨夏の全中で衝撃の優勝を果たし、今大会もジュニアでベスト8まで勝ち上がった手塚崚馬(明徳義塾中)

ドライブ全盛の中で、一際目立つミートの連打。ジョニー・ファン(カナダ)を彷彿とさせる速攻プレーは派手さこそないものの、着実に点数を重ねていく。

大会の使用球であるニッタクのプラボールは、打球感が硬く、ミート打法に適しているようで、世界ジュニアで大活躍した田中(愛工大名電高)に勝利。
準々決勝も金光(大原学園高)に対してもフルゲーム、あと一歩だった。

用具は全中から変わらず
ラケットは馬林エキストラスペシャル(ST)
フォア・バックともにラクザX(特厚)

「ニッタクのボールは叩きやすいですね。自分の特徴が一番出ます。スマッシュがやりやすいです。
夏からは用具は変えてませんが、技術的にはフォアの決定率を高めてきました。

 ラクザXはすごく硬いので、叩きやすい。相手の強いボールに押されないから良いですね。柔らかいと、回転に負けてしまうので、ぼくは硬いスポンジが好きです。
ラクザXは回転もかかります。打球点が下がったときはシートの硬さを活かして、ちょりっとかけます。高い打球点で打てる時だけミートします。とらえる打球点によって、打法を選択することで回転とスピードの緩急がつきます。

 ラケットはアルネイドを試しましたが、硬すぎました。飛びすぎてしまい、弾きすぎて難しかったです。7枚合板のほうが持ってから弾き飛ぶので安定します。

 ラバーはもっと硬くてもいいかもしれません。もう少し硬いラバーがあれば試してみたいですね」(手塚)
足を使い、コートを翔る青山昇太(法政大)の卓球。
平成26年度全日本ジュニアで3位に入ったが、その後はやや低迷していた。
大学に入り、練習量が減ったことで遅い卓球になってしまったと言う。
しかし、自分の卓球を見直し、今回は以前のような早い卓球が帰ってきていた。

ラケットはSK7クラシック(FL)
フォア:テナジー05(特厚)
バック:テナジー64(特厚)

「自分がダメになっていたから、一回見直そう。用具も変えようと思って、ALCから7枚合板にしました。まわりはカーボンが多いので、気になっていたけど、変えられなかったんですよね。
ちょっと自分もやりづらいけど、相手もやりづらそうです。点は取りやすくなったと思います。
重量が重くなったので、ジャストミートした時はいいですが、ちょっとずれると変なボールになる。それが相手が嫌なのかもしれません。

 グリップはずっとSTを使っていたけど、FLにしました。フォアの面が出にくいですが、バックは安定します。たぶん威力はSTのほうが出ますね。でもFLのほうが安定します。ちょっと安定志向にしてます。

ラバーはずっと変えてないので、このままいきます。慣れているのでラバーは変えられないですね。

自分の成績、卓球が沈んでいたので、何かを変える必要がありました。今回、良かったかな。今年は頑張ります!」(青山)
サービスの1球目から思い切りスイングし、強烈なスピンをかける。相手がつなげば、女子離れした豪快ドライブで襲いかかる中澤紬(中央大)。

フォアの一発ドライブを活かすために、小さい頃から中国ラバーを使い続けている。

使用用具は
馬林ハードカーボン(FL)
翔龍(特厚)
ラクザ7(特厚)

「前はX1(ヤサカ)を使っていました。廃番になってしまい、薦めてくれたのが馬林ハードカーボンです。いろんなラケットを試しましたが、一番中国ラバーに合うと思いますね。
私は小さい頃から中国製の粘着ラバーを使っていました。海夫を使ったり、青森山田中の時はキョウヒョウを使いましたが、希望が丘高に行ってからラバーを今の翔龍に変更しました。
特にプラボールになってから、中国ラバーだと全然飛ばなくて、スピードも遅い。相手に待たれてしまいます。でも翔龍は回転もあるしスピードも出ます。そして前に飛んでくれるので、深いところに入りますね。
キョウヒョウを使っていた時はカウンターが難しくて悩んでいましたが、今のラバーはカウンターが入るし、ラリーにも強い。気に入ってます。

 バックは飛び重視です。ラクザでも私は7がいいですね。ラクザXはボールがキレイすぎてやりやすいと言われてしまいました。逆にラクザ7は相手も嫌がるし、ボールが伸びると思います。
よく相手に『ボールが汚い』と言われます(笑)。でも勝つ要素のひとつなので汚さを消さないようにしたいですね」(中澤)
女子離れしたフォアのスイングスピードと、バックミートの速射砲。
シリンダー銃の連射ではなく、バズーカーを連射する野村萌(愛み大瑞穂)は用具も個性的だ。

使用用具は
ダイナウッド(ST)
フォア:オメガ5プロ(MAX)
バック:VO>101(2.0mm)

「ラケットはもともとアコースティックで、フォアはファスタークG-1を使っていました。大きく違いはない用具ですが、以前よりボールが走るし回転もかかります。用具だけの影響ではなく、打ち方も変えたのが大きいと思いますね。みずほに入ってからプレーもパワーも別人みたいになったと言われます。

 バックはモリストSPと迷いましたが、VO>101のほうが変化もスピードも両方出せて良いです。モリストはスピードが速くて弾きやすいですが、相手があまり嫌がってくれない。VO>101は相手もやりづらそうです。
でも自分も扱いにくいので、慣れが必要なラバーです。弾くには結構パワーが必要ですね」(野村)
ふわっとした誘い球で相手に打たせ、自分のフィールドに引きずり込む。
池上晴美(関西学院大)は珍しい左利きのカットマンだ。
スローカットの中にたまにややスピードがあるボールも飛んでくるため、相手はタイミングを合わせづらい。
また、左利きの独特な軌道も魅力。バックカットは相手のフォアへ逃げていき、フォアのカーブロングは相手のバック側へ高く跳ねる。背の低い選手にとって非常に打ちづらい弾道だ。

用具は
高島H3(ST)
フォア:ファスタークC-1(特厚)
バック:カールP−4(特薄)

「ラケットは10月から変えました。高島さんが薦めてくれて、前のDFカットから変更しました。
最初は弾みすぎて難しかったんですね。振り切らないと入らない。中途半端に当てると弾いてしまうので、振り切って回転をかけて飛距離を抑えます。その代わり打つ時は反発を活かします。だいぶ慣れてきました。

 フォアはヴェガヨーロッパを使っていたけど、もう少し回転が欲しいので、ファスタークG-1に変更。でも硬かったからC-1にしました。カットもドライブもミート打ちもできるラバーです。

 バックのラバーは高校の時から使っています。一番変化がついて、ツッツキも切ったりできます。スポンジが柔らかいので相手の打球を吸収しやすいですね。
 左カットはあまりいないので、相手が『うわ、左カット!?』と思ってくれるだけで有利かな」(池上)
陸上選手のようなスマートで筋肉質な体つきが目を引く。
打球点が早く、しなやかな両ハンドはスピード抜群!
岩城友聖(中央大)はオーソドックスな用具だが、いろいろと経由して辿り着いている。

ラケットはティモボルALC(ST)
フォア・バックともにテナジー05だ

「ラケットは中学の時からティモボルを使っています。一度、VICTASのカルテットAFCにしたことがありますが、戻りました。他にも水谷隼ZLCも使いましたが、台上が飛びすぎて難しかった。やはり長年使っているティモが一番良いですね。

 グリップはSTです。FLはバックの時にグリップエンドが手首に当たってしまって痛い。STだと手首をめいっぱい使っても当たらないのでいいです。切り替えもしやすいですね。

ぼくはバックが得意なので、バックも05を使います。80はブロックとかはやりやすいけど、チキータが落ちてしまう。チキータの質を高めたいし、威力を出したい。自分の特徴を最大限に活かすためにも05を使います」(岩城)

実は岩城選手は「取材して下さい」と自薦。
こういうのはありがたいです。自薦、他薦問いません。「自分の用具を取材してくれ!」という人、どんどん声をかけてください。
  • シャープながら、力強さにあふれる岩城(右)

岡山の強豪・就実高で腕を磨く山本真由。
綺麗なストロークから放たれるカットは鋭くコートに突き刺さる。
特にバックカットの切れ味は驚異的で、相手のコートで急激にドロップする。落下位置を予想してストップ角度でラケットをセットしている相手はミスを連発。カットを打ちあぐめば、すかさずフォア強打。実にクレバーなカットマンだ。

ラケットは松下浩二スペシャル(ST)
フォアはテナジー64(厚)
バックはグラスD.Tecs(0.5mm)

「粒高は変化を付けたいと思って挑戦しました。カットだけで点数を取るのではなくて、攻撃にも結び付けたい。バックでチャンスを作ることを大事にしています。
正直、すごく難しい粒高です。オーバーミスが多いので、横にスイングする横切れカットを覚えてからミスが減るようになりました。そのまま送り出すカットと、横切れカットを混ぜることで、難しいけど変化がついて、フォアに結びつきます。

 フォアはもっと攻撃を増やしたいと思ってテナジー05から64に変更しました。05は硬かったです。64のほうがカットも安定するし、攻撃も打ちやすいです。

ラケットも特殊素材なので、コントロールが難しい。でもクラブチームの監督に薦められて、この用具で行くと決めたので、難しくても挑戦しました。少しずつですが、慣れてきました。私は不器用なので、時間がかかりました」(山本)

グラスはツッツキが難しいと言われる。ポイントを聞いてみると、打球点を落とさないことだという。
「粒高でのツッツキは落とすと難しいので、頂点で打つようにしています。なるべく早く台に入ることが必要です。まだまだ私の課題です」

難しい用具にあえて挑戦し、彼女だけのカットの弾道を作り上げた。
彼女のドロップカットは一見の価値ありだ!
速報でも登場した橋本一輝(愛工大名電高)。
今枝監督が「みんなこいつには優しくしておけよ(笑)」と冗談を言う。
愛知・名古屋に構える卓球専門店「タクシンスポーツ」の息子であり、将来の社長候補だ。


使用用具は
フレイタスALC(FL)
フォア:テナジー05(特厚)
バック:テナジー64(特厚)

「高校1年の2月まで水谷隼ZLCを使っていました。でもなんか負けはじめて、全然勝てなくなったんです。
名電はALCを使っている人が多いので、使ってみればと薦められてALCにしました。前にティモボルALCを使ったことがあったので、違うラケットにしようと思ってフレイタスALC。
ラケットを変えてからはボールに重みが出たと思います。ALCを使って思ったのは、ZLCはもっと力がないと良いボールにならないこと。ぼくは力がないので、ALCのほうが良いですね。自分のパワーを無駄なく伝えられるのがALCでした。

ラバーは小学生の時から変えてません。一度、バックは05FXにしたけど、64のほうがしっくりきました。用具は今ので満足してます。あとは技術力を上げたいです。

将来的にお店を継ぐとなると、もっと用具の勉強をしないといけないですね」(橋本)