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中国リポート

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☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第13節 8.4 ☆☆☆

[遼寧鞍山城投房産 3-1 広東深セン長園集団]
○文佳 -10、7、-1、8、10 劉詩ウェン
○郭躍 6、10、9 福原
 文佳/常晨晨 6、-5、-8、4、-7 周芳芳/蔡賽○
○郭躍 10、7、6 劉詩ウェン
(遼寧省鞍山体育センター)

[山西大土河華東理工 3-0 北京控股]
○范瑛 3、-6、2、3 リ・ジャウェイ
○郭炎 4、-8、5、9 丁寧
○帖雅娜/饒静文 9、-5、1、7 丁寧/彭雪
(山西大土河体育館)

[大同雲崗-金地砿業 3-1 八一冀中能源]
 李暁丹 12、-8、9、-7、-4 李佳○
○馮天薇 3、-8、-7、4、8 曹臻
○馮天薇/劉娟 4、8、10 木子/李佳
○李暁丹 -4、-6、4、9、10 曹臻
(河北省張家口一中体育館)

[山東魯能 3-1 内蒙古銀行]
○金キョン娥 9、-8、6、-11、3 姚彦
○李暁霞 8、-8、-6、6、6 馮亜蘭
 彭陸洋/李茜 -9、-9、-11 馮亜蘭/陳夢○
○李暁霞 3、-13、-11、5、10 姚彦
(内蒙古体育館)

☆第13節終了時点での順位
1. 大同雲崗-金地砿業(9勝3敗/21分)
2. 山東魯能(8勝4敗/20分)
3. 山西大土河華東理工(8勝3敗/19分)
4. 遼寧鞍山城投房産(7勝4敗/18分)
4. 広東深セン長園集団(6勝6敗/18分)
6. 北京控股(5勝6敗/16分)
7. 八一冀中能源(3勝9敗/15分)
7. 内蒙古銀行(3勝9敗/15分)
7. 江蘇中超電纜(3勝8敗/14分)
※分=獲得ポイント(勝:2分/負:1分で計算)

 超級リーグ女子第13節、広東深セン長園集団の福原愛(ANA)が遼寧鞍山城投房産戦に出場。前回の第3節と全く同じオーダーとなり、福原は2番で郭躍と対戦。前回は「-5、-8、7、-6」の1-3で敗れていたが、今回も競り合いながらも0-3で敗戦。かつての所属チーム(05年シーズンに遼寧鞍鋼に所属)、かつてのチームメイトとの対戦は苦い結果となり、試合後は足早に会場を後にした。今シーズンのシングルスの通算成績は1勝4敗。
 広東深セン長園集団にとって、さらに大きな誤算となったのがエース劉詩ウェンの2失点。トップでは第3節で完勝していた文佳にゲームオールデュースで競り負け、4番では郭躍にストレート負け。前節の金キョン娥戦から3連敗となった。試合前、広東の楊華杰監督は「劉詩ウェンはかなり疲労がたまっている。前節の金キョン娥戦もそれが敗因だったが、調整はしてきたし、戦えるだけの準備はしてきた」(出典『遼沈晩報』)と語っていたが、やはり万全ではないようだ。
 広東深セン長園集団はこれで6勝6敗。上位4チームが3~4敗であることを考えると、残る4試合は最低でも3勝1敗のペースで終えなければ、プレーオフ進出(4位以内)は非常に厳しくなる。各選手とも疲労のピークを迎える時期だが、広東の試合がないのは最終節の第18節で、ここからさらに4連戦という厳しい日程だ。次節はホームの深セン高級中学体育館で首位の大同雲崗-金地砿業を迎え撃つ。総力戦でこの一戦を制して、プレーオフへの望みをつなぎたい。

 その他の試合では、大同雲崗-金地砿業が八一冀中能源を下し、首位を堅持。眼の病気で十分な練習ができず、序盤戦はやや出遅れた感のある馮天薇が、単複とも徐々に勝率を上げてきている。この試合でもトップでの李暁丹の敗戦をきっちりカバーし、勝利の立て役者となった。モスクワ大会最終日の決勝でベストのプレーを見せたスタミナがあれば、終盤戦でも頼れる存在だ。

Photo上・中:ともにシングルスで敗れた福原(上)と劉詩ウェン(中)。遼寧省には縁のあるふたりだが、残念ながら勝利を挙げられず(写真は2010超級リーグ第3節)
Photo下:パワフル馮天薇、曹臻にゲームオールで勝利(写真は10年世界選手権)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第12節 8.1 ☆☆☆

[山東魯能 3-0 広東深セン長園集団]
○李暁霞 -7、8、-3、7、9 賈君
○金キョン娥 -3、7、6、-7、7 劉詩ウェン
○彭陸洋/李茜 4、8、6 姜華君/蔡賽
(山東省済南市体育館)

[北京控股 3-2 八一冀中能源]
○丁寧 -5、6、9、6 曹臻
 彭雪 -6、-6、13、-9 木子○
 リ・ジャウェイ/彭雪 10、-12、-9、8、-8 曹臻/李佳○
○丁寧 -13、11、7、7 木子
○リ・ジャウェイ -8、6、11、-9、11 李佳
(北京市広安体育館)

[大同雲崗-金地砿業 3-0 内蒙古銀行]
○李暁丹 -3、-9、8、7、8 馮亜蘭
○馮天薇 7、8、6 姚彦
○馮天薇/劉娟 6、2、7 馮亜蘭/顧玉ティン
(山西省大同大学体育館)

[山西大土河華東理工 3-0 江蘇中超電纜]
○范瑛 4、-6、10、8 王シュアン
○郭炎 -11、4、-5、7、8 王越古
○帖雅娜/饒静文 -8、6、9、4 王越古/車暁曦
(山西大土河体育館)

☆第12節終了時点での順位
1. 大同雲崗-金地砿業(8勝3敗/20分)
2. 山東魯能(7勝4敗/19分)
3. 山西大土河華東理工(7勝3敗/18分)
4. 広東深セン長園集団(6勝5敗/17分)
5. 遼寧鞍山城投房産(6勝4敗/16分)
6. 北京控股(5勝5敗/15分)

7. 八一冀中能源(3勝8敗/14分)
7. 内蒙古銀行(3勝8敗/14分)
7. 江蘇中超電纜(3勝8敗/14分)
※分=獲得ポイント(勝:2分/負:1分で計算)

 超級リーグ女子第12節。福原愛(ANA)が所属する広東深セン長園集団は、第4節では勝利していた山東魯能に0-3で完敗。福原は出場機会がなかった。

 広東深セン長園集団の最大の誤算は、シングルスで11連勝中だったエース劉詩ウェンが2番で敗れたこと。しかも相手はカット主戦型の金キョン娥。国際大会でも超級リーグでも、金キョン娥を全く苦にしていなかった劉詩ウェンだが、終盤戦へ向けた第12節での敗戦は痛い。山東魯能の于国鵬監督は「金キョン娥は本当によく頑張ったし、プレーもすばらしかった。劉詩ウェンは勝利を焦っていたようだ」(出典『華奥星空』)とコメントしている。トップで賈君が李暁霞に対し、最終ゲーム5-9から6点連取されて敗れており、このトップでの逆転負けが劉詩ウェンの心理に微妙な影響を与えたか。金キョン娥はこれで今シーズン6勝4敗、通算ではシングルス23勝を挙げており、超級リーグで勝ち越すことのできる数少ない外国籍選手のひとりだ。

 第5試合の最終ゲームまでもつれたのは、北京控股と八一冀中能源の一戦。北京控股の丁寧が期待どおりの活躍でシングルス2得点を挙げれば、八一冀中能源もエース曹臻を単複に起用する変則オーダーでダブルスを取り、勝負は第5試合へ。対戦したのはリ・ジャウェイと李佳。前節では李暁丹と李暁霞の対戦があったが、今度は「李佳薇」と「李佳」の対戦。「加油、李佳(ジァーヨゥ、リィジァ)!」の声援に、地元・北京控股のファンが「薇(ウェイ)!」を重ねるひと幕もあったとか。結果はゲームオール11点で際どくリ・ジャウェイが勝利。「李佳とはやったことがなかったので、勝つのは大変でした」(出典『中国体育報』)というリ・ジャウェイだが、超級リーグでの戦いを通じて、産休前の技術レベルを取り戻しつつあるようだ。

Photo上:「天敵」劉詩ウェンから殊勲の勝利を挙げた金キョン娥(写真は10年世界選手権)
Photo中:第8節の広東深セン長園集団戦ラストで福原をゲームオールデュースで破ったリ・ジャウェイ。再び北京控股の守護神となった(写真は10年世界選手権)
Photo下:江蘇中超電纜戦のトップで先制点を挙げた范瑛(山西大土河華東理工)。超級リーグ通算78勝は、現役選手では李暁霞・劉詩ウェン・郭躍・郭炎に次ぐ記録
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第12節 8.1 ★★★

[八一熔盛重工 3-1 寧波海天塑機]
 徐克 -3、-10、-15 馬琳○
○王皓 7、7、8 呉ハオ
○閻安/徐克 -9、8、-10、6、9 呉ハオ/王建軍
○王皓 10、9、8 馬琳
(浙江省寧海中学体育館)

[浙商銀行 3-0 上海浦宏神木]
○ハオ帥 7、-7、8、-4、6 王励勤
○馬龍 3、9、5 尚坤
○ハオ帥/呉尚垠 7、-8、11、9 尚坤/張洋
(陜西省西安交通大学体育館)

[江蘇神鷹炭繊 3-2 錦州銀行]
○陳杞 9、8、6 徐輝
 林晨 -10、10、-7、9、-10 雷振華○
○林晨/ジャン健 5、6、10 徐輝/ジャイ一鳴
 陳杞 -7、-10、-13 雷振華○
○ジャン健 9、4、3 ジャイ一鳴
(江蘇省連雲港灌雲体育館)

[廊坊銀行海潤 3-1 四川郵儲・先鋒汽車]
○許シン 5、6、9 許鋭鋒
 陳剣 -14、-8、-8 邱貽可○
○崔慶磊/張ユク 2、10、9 水谷/金義雄
○許シン -7、8、4、5 邱貽可
(河北省覇州市卓球館)

★第12節終了時点での順位
1. 浙商銀行(9勝2敗・20分)
2. 山東魯能・路安集団(8勝2敗・18分)
2. 八一熔盛重工(7勝4敗・18分)
4. 江蘇神鷹炭繊(7勝3敗・17分)
5. 錦州銀行(5勝6敗・16分)
6. 廊坊銀行海潤(4勝7敗・15分)
7. 寧波海天塑機(4勝6敗・14分)
8. 四川郵儲・先鋒汽車(2勝9敗・13分)
8. 上海浦宏神木(2勝9敗・13分)
※分=獲得ポイント(勝:2分/負:1分で計算)

 男子第12節、浙商銀行が上海浦宏神木を一蹴して単独首位をキープ。水谷隼(明治大・スヴェンソン)がダブルスに出場した四川郵儲・先鋒汽車は廊坊銀行海潤に敗れ、上海浦宏神木とともに最下位となっている。水谷はここまでシングルスの出場はわずか2試合。第1ステージで最下位という緊急事態に、世界ランキング9位の選手をダブルスでしか起用しないのはなぜか。第13節は首位の浙商銀行との対戦、四川にとっては相当に厳しい相手になる。

 第12節が行われた8月1日は、中国では「八一建軍節(建軍記念日)」。1927年8月1日、中国共産党の周恩来らが江西省南昌で武装蜂起した「南昌起義」が人民解放軍の創立記念日となり、人民解放軍の徽章(きしょう)や軍旗にも漢字で「八一」の字があしらわれているのだ。軍隊内では祝日として休暇が与えられるのだが、休むどころか決して負けられない戦いを迎えたのが、八一熔盛重工のメンバーだ。そのチーム名からも分かるように、人民解放軍所属のれっきとした軍人で構成されている八一熔盛重工。チーム力がほぼ互角の寧波海天塑機戦では、エース対決が勝負の明暗を分けた。4番で王皓が馬琳にストレートで完勝し、チームを勝利へ導いたのだ。
 シーズンの出足は五分五分の勝率で、なかなか調子の波に乗れなかった王皓。しかし、第9節から連勝街道に入ってハオ帥や張継科に完勝し、馬琳戦の勝利でついに7連勝。シングルス15勝は張継科・馬琳の14勝、馬龍の12勝を上回る成績で、チームも久々にプレーオフ進出が狙える位置につけている。建軍節の負けられない戦いを制した八一熔盛重工の范長茂監督は、「この勝利を八一建軍節に捧げたい。王皓と馬琳の試合は難しい戦いだったが、王皓はメンタルの状態が良く、自信を持ってプレーしていた。残り5試合、プレーオフを目指して戦いたい」(出典『華奥星空』)。八一熔盛重工は次節で廊坊銀行海潤と対戦。王皓は第3節で2-3で競り負けた許シンにリベンジを期す。

 その他の試合では、江蘇神鷹炭繊が休みだった第10節を挟んで5連勝。錦州銀行とともに中堅チームの代表格だが、エース陳杞の調子の波が小さく、単複で9勝を叩き出しているジャン(瞻の右側)健の存在が大きい。シングルスでは4勝0敗、しかもその4勝がすべてチームの決勝点と抜群の勝負強さだ。01年世界選手権の混合ダブルスで銅メダルを獲得し、日本リーグのグランプリでのプレーで日本のファンにも馴染みが深い。本来の所属である湖北省男子チームはなかなか超級リーグの舞台に立てないが、シェークフォア表ソフトの前陣攻守で、ベテランらしい渋い働きを見せている。

Photo上:現世界チャンプに復活の気配。馬琳をストレートで破った王皓(写真は10年世界選手権団体戦)
Photo中:もうすぐ30歳のベテラン選手、ジャン健。写真はグランプリ所属時代のプレー
Photo下:錦州銀行戦では1勝1敗の陳杞。全中国運動会でのサービスショットです
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第11節 7.28 ☆☆☆

[広東深セン長園集団 3-2 山西大土河華東理工]
○劉詩ウェン 5、6、8 帖雅娜
 賈君 8、-4、8、-7、-10 郭炎○
 周芳芳/蔡賽 7、-7、-8、-9 帖雅娜/饒静文○
○劉詩ウェン -8、4、3、-8、6 郭炎
○姜華君 6、3、9 范瑛
(深セン市高級中学体育館)

[大同雲崗-金地砿業 3-2 山東魯能]
○武楊 9、5、-9、12 金キョン娥
○李暁丹 4、10、10 李暁霞
 馮天薇/劉娟 8、-11、8、-9、-8 彭陸洋/李茜○
 武楊 -8、-11、-2 李暁霞○
○馮天薇 8、6、10 彭陸洋
(山西省大同大学体育館)

[遼寧鞍山城投房産 3-2 八一冀中能源]
 文佳 -7、-3、-3 木子○
○郭躍 9、-12、7、-3、4 曹臻
 文佳/常晨晨 -8、-7、-6 曹臻/李佳○
○郭躍 9、-6、9、-8、7 木子
○常晨晨 8、10、-10、9 李佳
(河北省張家口一中体育館)

[江蘇中超電纜 3-1 内蒙古銀行]
 王シュアン -4、-7、7、-9 姚彦○
○王越古 5、9、7 馮亜蘭
○王越古/車暁曦 -9、8、-8、7、7 姚彦/陳夢
○王シュアン 9、8、-9、8 馮亜蘭
(内蒙古体育館)

 超級リーグ女子第11節、広東深セン長園集団は福原愛(ANA)が出場しなかったものの、劉詩ウェンの2得点の活躍で優勝候補の山西大土河華東理工に勝利。また、大同雲崗-金地砿業が総力戦で山東魯能を破り、首位を堅持している。

 北京控股と江蘇中超電纜に連敗し、プレーオフ進出に向けて苦しい立場にある広東深セン長園集団は、ホームの深セン市高級中学体育館で山西大土河華東理工と激突。劉詩ウェンが帖雅娜と郭炎を連破したが、2番賈君とダブルスが惜敗して決着はラストへ。ここで対カットにも強い姜華君が范瑛のカットを打ち抜き、広東深セン長園集団がこの大一番を制した。
 2連敗した北京戦と江蘇戦でもシングルス2得点を挙げ、この日もきっちり2得点を挙げた劉詩ウェン。「ここまで2-3で2連敗して、もし負けたら3連敗。試合前のプレッシャーはかなり大きかったです。みんなで気持ちをひとつにして、試合前には十分な準備をしてきた。自分のプレーはまあまあだったと思います」(出典『華奥星空』)と試合後にコメント。ダブルスの調子が下降気味なのに加え、07年シーズンに張怡寧を破るなど16勝を挙げた賈君が長いスランプに陥っており、今シーズンも0勝6敗と惜しい試合を落とし続けている。日本のエース福原、香港のエース姜華君を抱えるだけに、今シーズンはきっちりプレーオフに進出したいところだ。

 その他の試合では、大同雲崗-金地砿業が強豪・山東魯能にこちらも3-2で勝利。2番で名前がそっくりな李暁霞をストレートで破った李暁丹は、ここまでシングルス11勝5敗。地道に実績を積み重ねてきたが、今シーズンの活躍は「アヒルの子が鳳凰に化けた」と形容するマスコミもあるほど。大同雲崗-金地砿業の卜幇民コーチは以前次のようなコメントを残している。「今シーズンの第2節でリ・ジャウェイと丁寧を破って自信をつけたようだ。順調に勝ち星を伸ばしているね」(出典『中国体育報』)。李暁霞にとって飛躍のシーズンになれば、ダークホースだった大同雲崗-金地砿業が大きなサプライズを起こす可能性もある。

Photo上:ラストに起用され、范瑛に完勝した姜華君
Photo下:1990年3月6日生まれの李暁丹、充実のシーズンを過ごしている
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第11節 7.28 ★★★

[四川郵儲・先鋒汽車 3-1 錦州銀行]
○許鋭鋒 8、13、3 雷振華
○邱貽可 3、7、5 徐輝
 許鋭鋒/金義雄 5、8、-8、-6、-9 徐輝/ジャイ一鳴○
○邱貽可 -6、9、7、1 雷振華
(成都市成飛体育館)

[山東魯能・路安集団 3-2 八一熔盛重工]
 張継科 -5、-6、-2 王皓○
○朱世赫 2、2、11 閻安
○張継科/張超 8、7、6 閻安/柳洋
 朱世赫 -6、8、-7、2、-5 王皓○
○張超 7、6、-3、7 侯英超
(吉林省松原油田体育館)

[江蘇神鷹炭繊 3-2 上海浦宏神木]
 陳杞 -8、-6、5、5、-5 王励勤○
○林晨 6、10、-9、-8、9 荘智淵
 林晨/ジャン健 -10、-8、5、-4 王励勤/尚坤○
○陳杞 6、-8、9、-5、10 荘智淵
○ジャン健 14、6、-5、5 尚坤
(陜西省楡林市体育館)

[浙商銀行 3-1 廊坊銀行海潤]
○馬龍 10、6、7 ジャイ超
 ハオ帥 -9、6、-3、-9 許シン○
○ハオ帥/呉尚垠 3、6、8 崔慶磊/張ユク
○馬龍 9、9、6 許シン
(河北省覇州市卓球館)

 超級リーグ男子第11節、浙商銀行と山東魯能・路安集団がともに勝利し、8勝2敗で同率首位。この2チームはプレーオフ進出の可能性が高くなっている。
 単独最下位で苦戦が続く四川郵儲・先鋒汽車は、水谷隼(明治大・スヴェンソン)が欠場したものの、錦州銀行に3-1で勝利。トップで許鋭鋒が雷振華をストレートで破り、邱貽可が2得点の活躍を見せた。邱貽可はこれで今シーズン通算7勝8敗、勝率では全体で10位。相手チームのエースを倒して2得点を挙げたかと思えば、次の試合では2点起用であっさり連敗し、首脳陣の期待を裏切るパターンが多かったが、今シーズンは健闘が目立つ。苦しい戦いが続く四川郵儲・先鋒汽車だが、第11節で同じく最下位候補の上海浦宏神木が敗れたため、8位に浮上した。

 その他の試合では、国家チームの主力級が対戦。八一熔盛重工vs山東魯能・路安集団戦では、王皓が張継科にストレートで完勝。開幕戦でゲームオール9点で敗れた雪辱を果たした。「王皓のプレーは素晴らしかったね、特にサービス・レシーブと3球目攻撃までの展開だ。前回の対戦では張継科がその部分で優勢に立っていたけど、今日は逆に王皓のサービスがうまくレシーブできていなかった」とは山東の谷青成監督のコメント。サービス・レシーブで差がつくと、世界ランキング2位と5位の対戦でも、ここまで一方的なスコアになってしまう。幸先よく先制点を挙げた八一熔盛重工だが、前節の殊勲者である閻安が朱世赫に完敗するなど、単複で失点。ラストでカット主戦型の侯英超が強打の張超に敗れ、連勝は2でストップした。

  浙商銀行vs廊坊銀行海潤戦では、4番で馬龍と許シンが対戦。今年1月にマカオで行われたITTFプロツアー・グランドファイナル決勝の対戦カードだが、超級リーグではこれまで馬龍の4勝0敗。この試合も馬龍がストレートで勝利した。若手の旗手である馬龍、張継科、許シンの3人だが、これまでのところ馬龍が他の2人に対して圧倒的な勝率を残している。張継科も『体壇周報』のインタビューに対し、「他の選手を怖がるようなことがあってはならないけど、戦いやすい相手と戦いにくい相手というのは確かにいる。僕にとって馬龍はかなり戦いにくい相手なんだ」と述べている。まだ21歳だが、馬龍はすでに厚く高い壁として、超級リーグに君臨する存在だ。

Photo上:四川郵儲・先鋒汽車の勝利に貢献した許鋭鋒
Photo中:荘智淵をゲームオール9点で破った林晨(江蘇神鷹炭繊)。上の許鋭鋒にちょっと似てます
Photo下:アウェーの戦いでありながら、2試合ともストレート勝ち。連戦でもパワーに衰えはない馬龍
(写真はすべて09年全中国運動会)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第10節 7.25 ☆☆☆

[江蘇中超電纜 3-2 広東深セン長園集団]
○王シュアン 4、8、-5、8 姜華君
 王越古 -3、-4、-4 劉詩ウェン○
○王越古/車暁曦 9、6、6 周芳芳/蔡賽
 王シュアン -2、-11、13、-8 劉詩ウェン○
○張瀟玉 7、6、5 周芳芳
(広東省深セン市高級中学体育館)

[山東魯能 3-1 八一冀中能源]
 彭陸洋 7、6、-5、-10、-8 曹臻○
○李暁霞 5、10、-9、9 楊楊
○彭陸洋/李茜 9、7、-5、7 木子/白楊
○李暁霞 7、7、9 曹臻
(山東省済南市体育館)

[内蒙古銀行 3-2 遼寧鞍山城投房産]
○馮亜蘭 -6、9、-10、11、7 文佳
 姚彦 -3、2、9、-6、-7 郭躍○
 姚彦/陳夢 -7、4、-13、-12 文佳/常晨晨○
○馮亜蘭 11、10、6 郭躍
○陳夢 -8、5、9、9 常晨晨
(内蒙古体育館)

[大同雲崗-金地砿業 3-1 北京控股]
 武楊 -6、-4、-6 丁寧○
○李暁丹 11、7、6 曹麗思
○馮天薇/劉娟 -9、12、8、10 リ・ジャウェイ/彭雪
○李暁丹 9、7、-9、8 丁寧
(北京市広安体育館)

 超級リーグ女子第10節、疲労の蓄積による体調不良から福原愛(ANA)が欠場した広東深セン長園集団は、エース劉詩ウェンの2点取りもむなしく最下位の江蘇中超電纜に惜敗。序盤で快進撃を見せながら、第7節から3連敗していた大同雲崗-金地砿業は北京控股を破って連敗を止めた。内蒙古銀行も遼寧鞍山城投房を破り、連敗は6でストップしている。

 江蘇中超電纜に敗れた広東深セン長園集団は、2番で劉詩ウェンが王越古を「3、4、4」という一方的なスコアで破り、女子団体決勝2番で王越古に敗れたモスクワ大会のリベンジ。しかし、ダブルスが予想外の完敗を喫し、4番で再び勝利した劉詩ウェンの孤軍奮闘という内容に終わった。「うちのチームは劉詩ウェンの2得点以外、もう1点を取るシングルスかダブルスが不安定。特に今日の試合は、ダブルスがここ数試合で見せたようなパフォーマンスを発揮していなかった」(出典『華奥星空』)とは広東深セン長園集団の楊華杰監督のコメント。次節の第11節は、郭炎・帖雅娜を擁する強豪・山西大土河華東理工との対戦。ホームの深セン市高級中学体育館で、福原の好プレーに期待したいところだ。

 連敗をストップし、再び首位へ返り咲いた大同雲崗-金地砿業は、4番で李暁丹が同じ1990年生まれの丁寧を撃破する大金星。トップで武楊に完勝し、前節の金キョン娥戦に続いて対カットという弱点の克服をアピールした丁寧だが、前週からの夏風邪が長引き、試合当日も発熱がある中での出場。「1試合1試合、1点1点を全力でプレーするだけだった。結果は負けてしまったかもしれないけど、自分のプレーには納得している」(出典『華奥星空』)とコメントを残したが、今シーズンの北京控股は彼女のワンマンチーム。結果を残さなければチームの勝利はない。
 この試合、監督として大同雲崗-金地砿業のベンチに入り、久々に広安体育館に姿を現したのはシンガポール女子チームの監督でもある周樹森。今シーズン、甲Aリーグに参戦したシンガポール女子(ユ・モンユ、スン・ベイベイ他)に続き、馮天薇が所属する大同雲崗-金地砿業の指揮を執る。アウェーの監督でありながら大歓声で迎えられた広安体育館では、視察に訪れた中国女子チームの施之皓監督と遭遇するひと幕も。モスクワ大会に続き、教え子の丁寧に「愛のムチ」を与えたわけだが、「競技スポーツの世界に境界はない、相手がどのチームだろうと関係ない」とプロのひと言。試合が終わるとすぐに会場を後にした。

Photo上:江蘇中超電纜の張瀟玉は、ラストで見事な火消し役。超級リーグ女子では貴重なペンドライブ型、裏面も時おり使うが、堅固なバックショートが持ち味だ(写真は09年全中国運動会)
Photo中:今年5月の世界選手権モスクワ大会で、馮天薇にアドバイスを与える周樹森監督
Photo下:内蒙古銀行の連敗ストップに貢献した16歳の陳夢(写真は09年全中国運動会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第10節 7.25 ★★★

[八一熔盛重工 3-0 浙商銀行]
○王皓 9、5、-6、10 ハオ帥
○閻安 8、-6、9、-8、15 馬龍
○閻安/柳洋 -8、9、9、2 ハオ帥/呉尚垠
(浙江省温州市体育センター)

[寧波海天塑機 3-1 廊坊銀行海潤]
○馬琳 9、6、6 陳剣
 唐鵬 -9、9、-3、-7 許シン○
○呉ハオ/王建軍 5、6、8 陳剣/張ユク
○馬琳 -7、11、10、7 許シン
(海南省屯昌市体育館)

[錦州銀行 3-2 上海浦宏神木]
○雷振華 -7、4、-6、6、10 荘智淵
 徐輝 -6、9、-8、-10 王励勤○
 徐輝/ジャイ一鳴 9、-8、-9、9、-6 尚坤/張洋○
○雷振華 3、5、9 王励勤
○ジャイ一鳴 10、8、4 尚坤
(上海市崇明県体育館)

[山東魯能・路安集団 3-0 四川郵儲・先鋒汽車]
○張継科 11、6、2 邱貽可
○朱世赫 8、7、12 許鋭鋒
○方博/張超 1、6、-10、-14、6 許鋭鋒/金義雄
(成都市温江体育館)

 25日の日曜日、中国各地で行われた超級リーグ男子第10節。寧波海天塑機は第9節の浙商銀行戦に続き、中国最南端の海南島で廊坊銀行海潤と対戦。「東洋のハワイ」として多くの観光客を集める海南島だが、試合が行われた屯昌県は山あいにある農業県。寧波海天塑機の劉国棟監督への熱心な働きかけによって、超級リーグ2試合の主催にこぎつけている。

 この第10節の最大のサプライズは、単独首位に立っていた浙商銀行が八一熔盛重工に敗れたこと。八一熔盛重工は閻安が馬龍をゲームオール15点という大激戦の末に破った。閻安はもともと馬龍とは北京市男子チームのチームメイト。試合前に馬龍との対戦を自ら志願し、最終ゲーム7-10という絶体絶命のピンチから鮮やかな逆転劇を演じてみせた。敗れた馬龍は試合後、「今日の試合は僕もミスがちょっと多かった。閻安とは試合をやり慣れているし、彼は僕のボールに対してきっちり対応してきた」とコメント。まだシニアクラスの代表としては、昨年のポーランドオープンしか経験していない閻安だが、国家チームの首脳陣にも大いにアピールする勝利だ。閻安は続くダブルスでも柳洋とのペアで今季無敗のハオ帥/呉尚垠を破り、エース王皓のお株を奪う活躍でチームを勝利へと導いた。

 その他の試合では、錦州銀行が上海浦宏神木に3-2で勝利。上海浦宏神木は第8節で連敗を5で止め、第9節は一回休み。この第10節から反攻開始といきたかったが、エース王励勤が雷振華にストレート負けを喫し、勝機を逸した。王励勤はこれで今シーズン7勝7敗と元気がない。「王励勤には本来の調子を取り戻してほしい。彼がしっかりプレーできれば、チームは復活できるはずだ」とは、王励勤と同い年の席敏杰監督のコメント。伸び盛りだった許シンが抜けた穴も大きく、08年シーズンの優勝チームは不振にあえいでいる。

Photo上:ビシッと濃いまゆ毛がトレードマークの閻安。今シーズンはシングルス4勝1敗と好調、ダブルスでも6勝を挙げている
Photo下:波に乗り切れない王励勤、終盤戦で存在感をアピールできるか(写真はいずれも09年全中国運動会)
 7月12~15日、中国卓球界の往年の名プレーヤーたちが一堂に会した。1960年に行われた中国初の集合訓練から今年で50年目を迎え、「中国卓球108将集訓50周年記念活動」が北京で開催。集合訓練に招集された選手たちに加え、国家体育総局の蔡振華副局長らも参加した。

 1960年の集合訓練は、第26回世界卓球選手権北京大会に向けた強化策として行われたもの。1959年に行われた第1回全中国運動会、および全国青少年大会に出場していた選手の中から、まず170名あまりを選出し、北京・上海・広州の3つのブロックに分けて集合訓練を実施。ここで選手は108名に絞られ、北京へと集められた。男子では当時の北京市チャンピオンだった荘則棟や、徐寅生、李富栄、張燮林、女子では後に中国初の女子世界チャンピオンになる邱鐘恵。北京大会で好成績を収めたのは、ほとんどがこの集合訓練に招集された若い選手たちだった。その他にも上海市卓球チーム監督として、曹燕華や倪夏蓮など多くの名選手の育成に携わった楊瑞華(59年世界選手権ベスト8)、「中国の木村興治」と言われたコピー選手の余長春など、枚挙にいとまがない。「卓球王国」中国の発展の礎(いしずえ)となった世代なのだ。
 1960年当時、「大躍進運動」と言われる生産促進政策が失敗に終り、天候の不順も重なって中国全土で飢饉(ききん)が発生。集合訓練を行う選手たちには十分な食事が与えられたが、邱鐘恵は後に自伝「笑対人生」の中で、食料として街路樹の葉を摘む人々に遭遇し、「何をしているの?」と聞いて恥をかいた時の様子を叙述している。 

 北京五輪のメインスタジアムとなった「鳥巣(北京国家体育場)」や中国国家大劇院を見学し、国家チームの選手たちの練習も視察した「108将」の選手たち。およそ90名が今回の記念活動に参加したが、今年5月には湖南省の代表として集合訓練に参加した陳佑銘さんが、香港で悪質なガイドの押し売りに憤慨し、心臓発作で亡くなるという痛ましいニュースもあった。平均年齢はすでに70歳を越えているが、これからも元気に中国卓球の行く末を見守ってほしい。

Photo:昨年の全中国運動会で、選手たちの奮闘を見つめる徐寅生。記念活動の集合写真では、徐寅生・荘則棟・李富栄の3人が中央に並んだ
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第9節 7.18 ☆☆☆

[山東魯能 3-2 北京控股]
 金キョン娥 -9、-6、-10 丁寧○
○李暁霞 9、8、5 曹麗思
○彭陸洋/李茜 -7、-5、12、7、6 リ・ジャウェイ/彭雪
 李暁霞 -9、-9、11、-6 丁寧○
○彭陸洋 8、-10、7、-7、9 リ・ジャウェイ
(北京市広安体育館)

[遼寧鞍山城投房産 3-1 大同雲崗-金地砿業]
○文佳 9、9、-7、6 馮天薇
○郭躍 6、7、-8、8 李暁丹
 文佳/常晨晨 -6、-5、-7 劉娟/李暁丹○
○郭躍 4、4、10 馮天薇
(遼寧省鞍山体育センター)

[山西大土河華東理工 3-1 内蒙古銀行]
○郭炎 9、9、8 馮亜蘭
 饒静文 -2、-6、9、-11 姚彦○
○帖雅娜/饒静文 10、-7、3、12 馮亜蘭/顧玉ティン
○郭炎 5、11、-10、7 姚彦
(内蒙古体育館)

[八一冀中能源 3-1 江蘇中超電纜]
○曹臻 7、-9、1、6 王シュアン
 木子 7、-9、-7、9、-9 王越古○
○木子/李佳 -9、-7、7、4、8 張瀟玉/王シュアン
○曹臻 -8、3、4、5 王越古
(河北省張家口一中体育館)

☆第9節終了時点での順位
1. 山西大土河華東理工(6勝2敗)/2. 広東深セン長園集団(5勝3敗)/2. 遼寧鞍山城投房産(5勝3敗)/2. 大同雲崗-金地砿業(5勝3敗)/2. 山東魯能(5勝3敗)/6. 北京控股(4勝4敗)/7. 八一冀中能源(3勝5敗)/8. 内蒙古銀行(2勝6敗)/9. 江蘇中超電纜(1勝7敗)
☆女子シングルス・勝率十傑
1. 劉詩ウェン(14勝2敗)/2. 丁寧(13勝3敗)/3. 郭躍(12勝3敗)/4. 郭炎(11勝4敗)/5. 李暁霞(8勝5敗)/6. 李暁丹(7勝5敗)/7. 曹臻(7勝6敗)/8. 武楊(5勝3敗)/9. 馮亜蘭(6勝7敗)/10. 王シュアン(6勝8敗)

 超級リーグ女子も中間点となる第9節が終了。エース郭炎とダブルスの帖雅娜/饒静文が安定した成績を残している山西大土河華東理工が首位、2位には4チームが並ぶ混戦となっている。
 山東魯能と北京控股の名門対決は、5番の最終ゲームまでもつれる大接戦。山東魯能の彭陸洋が最終ゲーム10-7から10-9とされながらもリ・ジャウェイを振り切り、山東魯能の勝利を決めた。チームは敗れたものの、北京控股のエース丁寧はトップでかつて苦手としていたカット主戦型の金キョン娥にストレート勝ち。「(金キョン娥とは)アジア選手権で勝ってから何カ月も打っていなかったけど、一度もカットの対策練習を休んだことはない。その練習の成果が出せたと思う」(出典『新浪体育』)。中国女子のホープは、「対カット」という大きな壁をクリアしたようだ。一方、敗れた金キョン娥は「山東の料理にはまだ慣れていないんです。(昨シーズン所属していた)重慶の料理のほうが辛くて韓国料理に近かったし、好きだったかな」(出典『華奥星空』)。体力が資本のカット主戦型、山東料理に馴染んでくれば、成績も上昇気流に乗るか。

 遼寧鞍山城投房産と大同雲崗-金地砿業の一戦は、エース郭躍が2得点の遼寧鞍山城投房産が勝利。郭躍はこれで4試合連続でシングルス2勝を挙げ、チームも第6節から4連勝で上位争いに加わってきた。対照的に大同雲崗-金地砿業は、開幕5連勝から予想外の3連敗。若手主体のチームだけに、勢いが止まるとなかなか修正が効かない。次節は北京控股との対戦、エース丁寧には2点取りも覚悟しなければならず、ダブルスを取って総力戦に持ち込みたい。

Photo上:リ・ジャウェイに競り勝った彭陸洋(写真は09年全中国運動会)
Photo中:馮天薇は2失点、大同雲崗-金地砿業の連敗を止められず(写真は10年世界モスクワ大会)
Photo下:開幕からの連敗を9で止め、待望の初白星を挙げた姚彦。しかし、チームは泥沼の6連敗…(写真は09年全中国運動会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第9節 7.18 ★★★

[江蘇神鷹炭繊 3-1 四川郵儲・先鋒汽車]
 林晨 9、-6、-13、8、-5 邱貽可○
○陳杞 7、10、9 許鋭鋒
○林晨/ジャン健 -9、9、5、-9、7 水谷/金義雄
○陳杞 5、8、-6、6 邱貽可
(四川省成都成飛体育館)

[浙商銀行 3-0 寧波海天塑機]
○馬龍 6、4、-9、6 馬琳
○ハオ帥 7、2、6 唐鵬
○ハオ帥/呉尚垠 6、9、-8、8 馬琳/呉ハオ
[海南省屯昌市体育館]

[山東魯能・路安集団 3-1 廊坊銀行海潤]
 張超 12、-7、9、-4、-5 許シン○
○張継科 7、11、-9、8 崔慶磊
○方博/張超 7、-3、5、7 崔慶磊/張ユク
○張継科 -8、-10、8、9、9 許シン
(山西省長治路安体育館)

[八一熔盛重工 3-1 錦州銀行]
○閻安 -9、8、-10、9、7 雷振華
○王皓 6、5、2 徐輝
 閻安/柳洋 8、-7、-5、-7 徐輝/ジャイ一鳴○
○王皓 9、-11、5、8 雷振華
(吉林省松原油田体育館)

★第9節終了時点での順位
1. 浙商銀行(7勝1敗)/2. 山東魯能・路安集団(6勝2敗)/3. 江蘇神鷹炭繊(5勝3敗)/3. 八一熔盛重工(5勝3敗)/5. 錦州銀行(4勝4敗)/6. 寧波海天塑機(3勝5敗)/6. 廊坊銀行海潤(3勝5敗)/8. 上海浦宏神木(2勝6敗)/9. 四川郵儲・先鋒汽車(1勝7敗)
★男子シングルス・勝率十傑
1. 張継科(13勝2敗)/2. 馬龍(9勝1敗)/3. 馬琳(11勝4敗)/4. 陳杞(9勝3敗)/5. ハオ帥(7勝2敗)/6. 王皓(10勝6敗)/7. 許シン(9勝6敗)/8. 雷振華(8勝7敗)/9. 王励勤(6勝6敗)/10. 邱貽可(5勝7敗)

 超級リーグ男子は折り返しとなる第9節が終了。開幕前の予想どおり、浙商銀行が首位に立ち、山東魯能・路安集団が2位。3位以下は実力伯仲(はくちゅう)という様相だ。シングルスの勝率十傑を見ても、やはり浙商銀行の強さは際立っている。
 水谷隼(明治大・スヴェンソン)の四川郵儲・先鋒汽車は、ホームの成都市成飛体育館で江蘇神鷹炭繊と激突。今シーズン、健闘が目立つ邱貽可がトップで先制点を挙げたが、相手エースの陳杞に2失点を喫して逆転負け。水谷は金義雄とのダブルスでゲームオールで惜敗し、ラストまで回すことができなかった。水谷は今シーズン、出場した試合はすべてダブルスで起用され、シングルスでの出場はわずか2試合のみ。地元・四川省チームの邱貽可と許鋭鋒を中心とした選手起用になっている。日本のファンにとっては、シングルスで国家チームの主力クラスとガンガン対戦して勝利を挙げ、チームを上昇気流に乗せてほしいが、オーダーだけは如何ともしがたい。

 その他の試合では、浙商銀行が寧波海天塑機に3-0で完勝。寧波海天塑機は馬琳を単複で起用する奇襲に出たが、返り討ちにあった格好だ。「リーグ半ばで首位に立ったといっても、何と言うこともないよ。各チームの実力は接近しているし、どのチームにも世界チャンピオンや五輪チャンピオンがいるのだから」と陳健監督に油断はないが、少なくともプレーオフ進出は問題なさそう。馬龍とハオ帥のツートップの強さは言わずもがなだが、このチームに絶対的な安定感を与えているのがハオ帥と呉尚垠のダブルス。ここまで7勝0敗、落としたゲーム数はわずかに3と素晴らしい成績を残している。「これまで組んだことはなかったけど、シングルスでの実力と経験は折り紙付きのふたり。ペアリングはどんどん良くなっているね」(陳健)。「外援(助っ人選手)」がダブルスで成功している、超級リーグでも稀有(けう)なケースだ。

Photo上:江蘇神鷹炭繊戦のトップで林晨に競り勝った邱貽可
Photo中:超級リーグでは渋い働きで、すでにシングルス87勝を挙げているハオ帥
Photo下:許シンに0-2から逆転勝ちした張継科(写真はすべて09全中国運動会)