スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第8節 7.14 ★★★

[上海浦宏神木 3-2 寧波海天塑機]
 王励勤 -6、-10、8、-8 馬琳○
○尚坤 -6、11、11、7 唐鵬
○王励勤/荘智淵 4、-2、8、-8、14 呉ハオ/王建軍
 尚坤 9、-8、5、-7、-1 馬琳○
○荘智淵 8、9、-9、9 呉ハオ
(陜西楡林体育館)

[浙商銀行 3-1 山東魯能・路安集団]
 ハオ帥 4、-9、-6、3、-4 張継科○
○馬龍 9、4、7 張超
○ハオ帥/呉尚垠 14、3、7 張超/方博
○馬龍 12、7、8 張継科
(浙江省慈渓中学体育館)

[廊坊銀行海潤 3-2 錦州銀行]
○許シン -9、9、4、-9、11 徐輝
○陳剣 -9、9、7、9 雷振華
 崔慶磊/張ユク -6、-9、-9 徐輝/ジャイ一鳴○
 許シン -7、11、-6、-7 雷振華○
○崔慶磊 8、-11、7、-6、7 ジャイ一鳴
(河北覇州市卓球館)

[江蘇神鷹炭繊 3-1 八一熔盛重工]
 韓陽 -5、11、-3、-6 王皓○
○陳杞 9、9、5 徐克
○林晨/ジャン健 -11、10、9、11 閻安/徐克
○陳杞 11、8、4 王皓
(江蘇リィ(さんずい+栗)陽天目湖城市広場体育館)

 超級リーグ男子も中盤に差しかかった第8節。国家1軍チームの主力クラスが激突し、火花を散らした。

  まず上海浦宏神木vs寧波海天塑機戦では、王励勤と馬琳の「龍虎対決」が今シーズンも実現。馬琳が3-1で勝利を収めた。2006年以降の5シーズンでは、これで3勝3敗と全くの互角。シングルスの通算成績では116勝の王励勤に対し馬琳が106勝で、「馬琳を得た者が天下を制す」と言われた馬琳が意外にもリードを許している。あと何シーズン、このふたりの対決が見られるのだろうか。試合は王励勤を単複に起用した上海浦宏神木の賭けが当たり、ダブルスで王励勤/荘智淵がゲームオール14点の激戦に勝利。ラストで荘智淵が今季初勝利を挙げ、寧波海天塑機を下した。

 ともに5勝1敗で首位に並んでいた浙商銀行と山東魯能・路安集団の対戦は、エース馬龍が2試合ともストレート勝ちを収めた浙商銀行が勝利。超級リーグの通算勝利数1位に立っているのは、実は王励勤でも馬琳でも王皓でもなく、この馬龍。まだ21歳でありながら、通算123勝という圧巻の成績。同世代のライバルと目される張継科(64勝)、許シン(33勝)とは大きな差があるのだ。この第8節の張継科との対戦でも、シーソーゲームとなった第1ゲームを奪うと、第2ゲーム以降は強烈な3球目攻撃と確実なレシーブで主導権を握り、ストレート勝ち。浙商銀行の陳健監督に「今シーズンで最高のプレー」と言わしめた。

 八一熔盛重工vs江蘇神鷹炭繊戦の4番では、09年世界選手権横浜大会の優勝ペアでもある王皓と陳杞が対戦。国家男子チームの劉国梁監督も視察に訪れる中、陳杞がストレートで王皓を下した。八一熔盛重工は若手の徐克と閻安も、緊張からかプレーに精彩を欠き、連勝は4でストップ。復調の気配はあるものの、なかなか「完全復活」宣言が出せない王皓。今シーズンは国家1軍チームの主力選手に対して1勝(王励勤)6敗(馬龍・馬琳・張継科・許シン・陳杞・ハオ帥)。八一熔盛重工の王涛監督も「こんなプレーを続けてどうなるというんだ?」と怒りのコメントを残した。「王皓は(国家チームの主力選手に対して)4勝か5勝でようやく及第点だ。チームが勝とうが負けようが、彼は全力を尽くさなければならない。若手の選手とはスタートラインが違うんだからね」(王涛)。迷えるエースは、八一熔盛重工をプレーオフへ導くことができるのか?

Photo上:きっちり2点を挙げ、チームを単独首位へ押し上げた馬龍
Photo中:唐鵬を破り、馬琳にもゲームオールと食い下がった尚坤
Photo下:陳杞にストレート負け、王皓の悩みは深い…(写真はすべて09年全中国運動会)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第8節 7.14 ☆☆☆

[北京控股 3-2 広東深セン長園集団]
 曹麗思 -7、-7、-11 劉詩ウェン○
○丁寧 6、-8、-8、1、7 賈君
○彭雪/リ・ジャウェイ 10、9、7 周芳芳/蔡賽
 丁寧 -10、3、-7、-8 劉詩ウェン○
○リ・ジャウェイ 12、-7、12、-6、10 福原
(広東深セン高級中学体育館)

[江蘇中超電纜 3-2 大同雲崗-金地砿業]
 王シュアン -5、10、-4、-6 馮天薇○
 車暁曦 1、-5、-5、-11 李暁丹○
○王越古/車暁曦 7、-10、8、4 馮天薇/劉娟
○王シュアン -5、9、7、-6、10 李暁丹
○聶維 9、-11、10、-7、8 武楊
(山西大同大学体育館)

[八一冀中能源 3-0 山西大土河華東理工]
○木子 -12、10、-10、4、6 郭炎
○曹臻 7、8、-10、6 帖雅娜
○木子/李佳 9、9、-8、-9、6 帖雅娜/饒静文
(山西大土河体育館)

[遼寧鞍山城投房産 3-1 山東魯能]
○文佳 -8、5、10、-3、11 李暁霞
○郭躍 -2、7、6、9 彭陸洋
 文佳/常晨晨 -7、3、-11、-4 彭陸洋/李茜○
○郭躍 -5、5、-5、8、9 李暁霞
(山西長治路安体育館)

 そろそろ第1ステージも折り返しの、超級リーグ女子第8節。行われた4試合のうち、上位4チームが揃って敗れるという波乱の展開となった。

 前節の内蒙古銀行戦で今季初勝利を挙げた福原愛(ANA)は、第8節でも北京控股戦に出場。広東深セン長園集団はエース劉詩ウェンがトップで曹麗思(08年世界ジュニア4冠王)、4番で同世代のライバルである丁寧を下し、勝負の行方はラストの福原vsリ・ジャウェイへ。このふたりの対戦と言えば、福原が彗星のごとくベスト8へ勝ち上がった03年世界選手権2回戦(福原が4-2で勝利)を思い出すが、リ・ジャウェイが産休に入っていたこともあり、久々の対戦。結果は、大激戦の末にゲームオールジュースでリ・ジャウェイが勝利した。北京チームの丁寧は「ダブルスとラストの勝利はリ・ジャウェイの奮闘があってこそ。全員が力を合わせて試合に臨んだけど、彼女のおかげで勝てました」(出典『北京晨報』)と北京市チームの先輩を讃えたが、福原としては勝機は十分にあっただけに、惜しまれる敗戦。広東深セン長園集団はこれで5勝3敗、同じく5勝の山西大土河華東理工と大同雲崗-金地砿業が1試合少ないため、ポイントの上ではまだ首位に立っている。

 その他の試合では、江蘇中超電纜が大同雲崗-金地砿業から今季初勝利を挙げた。前節で初黒星を喫した大同雲崗-金地砿業は、馮天薇と李暁丹が2点を先取して楽勝ペースかと思われたが、江蘇はここまで不調のダブルスで1点を挙げて流れが変わり、ラスト聶維が大同の守護神・武楊に競り勝った。この江蘇中超電纜も相当な個性派(?)チーム。「江蘇」中超電纜とは言いながら、監督の王(吉富)永剛、王シュアン・車暁曦・張瀟玉は黒龍江省女子チーム、聶維は四川省女子チーム、王越古はシンガポール女子チームの所属。スポンサーだけ江蘇省にあるため、ホームゲームもほとんど江蘇省で行われるが、江蘇出身の選手は誰もいないのだ。名門・江蘇省女子チームはジャパンオープン荻村杯にも出場した張薔、趙岩ら若手に名門復活を賭けることになる。

 また、山西大土河華東理工は郭炎、山東魯能は李暁霞とエースがともに失点、痛い星を落とした。山西大土河華東理工はエース郭炎が木子に敗れたのが大誤算。「実力的にはこちらが不利。試合前には選手たちに『負けるとしても簡単にはやられるな、食らいつけ!』と言っていました(笑)。勝てるとは思わなかった」と八一冀中能源の戴麗麗監督。山東魯能もエース李暁霞がまさかの2失点で、今シーズンはなかなか調子に乗れないでいる。

Photo上:ママさんプレーヤーのリ・ジャウェイ、福原に競り勝つ(写真は10年世界選手権)
Photo中:ラストで武楊を破る大金星を挙げた聶維(写真は09年全中国運動会)
Photo下:郭炎を破った木子。今回の写真は3人とも表ソフトユーザーですが、口の形に何やら共通性があるようで…(写真は09年全中国運動会)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第7節 7.11 ☆☆☆

[広東深セン長園集団 3-1 内蒙古銀行]
○劉詩ウェン -5、9、5、9 馮亜蘭
○福原 9、10、-7、8 姚彦
 周芳芳/蔡賽 8、-6、-9、7、-4 馮亜蘭/顧玉ティン○
○劉詩ウェン 8、6、7 姚彦
(内蒙古体育館)

[遼寧鞍山城投房産 3-1 北京控股]
 文佳 6、-9、9、-6、-9 丁寧○
○郭躍 -7、8、12、7 リ・ジャウェイ
○文佳/常晨晨 -7、5、-5、4、8 彭雪/リ・ジャウェイ
○郭躍 -6、-5、9、9、7 丁寧
(北京市広安体育館)

[山東魯能 3-0 江蘇中超電纜]
○金キョン娥 6、9、8 王シュアン
○李暁霞 8、10、1 王越古
○彭陸洋/李茜 7、4、-7、-4、4 王越古/車暁曦
(江蘇省宜興市体育館)

[山西大土河華東理工 3-1 大同雲崗-金地砿業]
○郭炎 3、9、-6、7 李暁丹
 范瑛 -8、7、-5、9、-5 武楊○
○帖雅娜/饒静文 8、3、-7、4 馮天薇/劉娟
○郭炎 7、4、7 武楊
(山西大土河体育館)

 超級女子第7節、広東深セン長園集団の福原愛(ANA)が、内蒙古体育館戦で姚彦を撃破。男子の水谷隼とともに、今シーズン初勝利を挙げた。
 第3節の遼寧戦以来の出場となった福原は、ジャパンオープン荻村杯後の4カ月ぶりの帰省も束の間、中国へ戻って内蒙古自治区・フフホト市へひとっ飛び。内蒙古銀行戦では2番で姚彦と対戦。175cmと長身の右シェークドライブ型で、07年世界選手権ベスト16の実績を持っているが、今シーズンはシングルス0勝7敗と全くの不調。福原は競り合いながらも2ゲームを先取し、第3ゲームは0-5のビハインドから好プレーを連発して逆転勝ちを収めた。続くダブルスが競り負けた広東深セン長園集団だが、4番で劉詩ウェンが姚彦にストレートで完勝。福原の1点がものを言って今シーズン5勝目を挙げ、消化試合数がひとつ少ない山西大土河華東理工と大同雲崗-金地砿業を抜き、今シーズン初めて首位に立った。「今日は敢えて姚彦を福原愛と対戦させ、試合を通じて復調のきっかけをつかみ、自信を取り戻してほしかった。勝つチャンスはあったと思うが、そのチャンスをものにできなかった」(内蒙古銀行・張輝コーチ)。
 アウェーの内蒙古体育館(フフホト市)でもその人気は相変わらずで、試合後にはサインや写真を求めるたくさんのファンがフロアになだれ込んだという福原。超級リーグでの通算成績は05・06年シーズンと合わせると、シングルス7勝14敗・ダブルス13勝12敗となった。05・06年シーズンはともにシングルス3勝ずつ、今シーズンはさらに勝ち星を積み重ねていきたい。

 その他の試合では、ここまで全勝を守ってきた大同雲崗-金地砿業が山西大土河華東理工に敗れ、超級リーグ女子も全勝チームがなくなった。前節で金キョン娥に敗れた郭炎が同じカット主戦型の武楊をストレートで破り、チームを勝利へと導いた。武楊と李暁丹の両輪に世界ランキング2位の馮天薇が加わり、開幕から快進撃を見せてきた大同雲崗-金地砿業だが、もともと昨シーズン最下位で甲Aへ降格したチーム。昨シーズン9位で入れ替え戦に勝利し、超級リーグ残留を決めた重慶康徳が資金不足・選手不足で超級リーグの参戦権を手放し、それを譲り受けるというウルトラCで超級リーグに復活したのだ。「失うものなどない」と覚悟を決め、これからも上位チームにひと泡吹かせたい。
 3連勝中の北京控股は、エース丁寧が郭躍に2-0から逆転負けを喫し、連勝ストップ。丁寧は苦手とする文佳との対戦を避け、単複での起用を提案したコーチ陣に対し、シングルス2点での起用を志願。トップでその文佳をゲームオール9点で振り切ったが、4番では3ゲーム目から攻撃的なプレーに切り替えた郭躍の前に屈した。

Photo上:福原、今シーズン初勝利!
Photo中:苦しいチーム事情の中、シングルス2得点を挙げた郭躍
Photo下:安定したプレーで若手を退けた郭炎(写真は10年世界選手権モスクワ大会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第7節 7.11 ★★★

[四川郵儲・先鋒汽車 3-0 上海浦宏神木]○邱貽可 -2、9、10、8 尚坤
○水谷 4、-4、11、8 王励勤
○水谷/金義雄 5、4、-7、9 尚坤/荘智淵
(成都市新都体育館)

[錦州銀行 3-2 浙商銀行]○徐輝 8、-12、8、7 馬龍
○雷振華 -6、-5、6、10、9 ハオ帥
 徐輝/ジャイ一鳴 -10、-9、-11 ハオ帥/呉尚垠○
 雷振華 -4、-7、7、-6 馬龍○
○ジャイ一鳴 8、3、2 呉尚垠
(遼寧省丹東市体育館)

[寧波海天塑機 3-2 山東魯能・路安集団]○馬琳 -6、8、8、6 張超
 唐鵬 -6、-9、8、-9 張継科○
○呉ハオ/王建軍 6、9、12 方博/張超
 馬琳 -8、9、-5、-8 張継科○
○王建軍 9、7、-6、9 朱世赫
(浙江省舟山市体育館)

[江蘇神鷹炭繊 3-2 廊坊銀行海潤] 林晨 -8、-4、-9 許シン○
○陳杞 11、6、11 張ユク
 林晨/ジャン健 -7、7、-9、9、-10 崔慶磊/張ユク○
○陳杞 4、-7、8、-10、8 許シン
○ジャン健 7、8、-6、9 陳剣
(江蘇省スー(さんずい+四)陽中学体育館)

 7月11日に行われた男子第7節。水谷隼(明治大・スヴェンソン)が出場した四川郵儲・先鋒汽車が待望の今シーズン初勝利を挙げた。
 6月30日に行われた「2010Volkswagen中国vs世界選抜チャレンジマッチ」では、王励勤に「-5、-9、9、-7」の1-3で敗れていた水谷。この第7節では1-0のリードで迎えた2番で再び王励勤と激突。得意の中陣攻守もなかなか通じない強打の王励勤に対し、多彩な変化サービスと巧みな台上処理で先手を取り、一気にリードを広げて11-4で1ゲーム先取。デュースにもつれた勝負の第3ゲームを13-11で奪い、第4ゲーム10-6でついにマッチポイントを握る。王励勤も2点を返して意地を見せたが及ばず。水谷の今季初勝利は、エース対決での実に価値ある1勝となった。水谷は続くダブルスでも、右シェークドライブ型の金義雄とのペアで尚坤/荘智淵を破り、単複で2得点。エースの大活躍で今シーズンの初勝利を挙げた四川郵儲・先鋒汽車は、上海浦宏神木を抜いて最下位から脱出した。
 2008年シーズンに浙商銀行で超級リーグに初めて参戦した水谷、この08年シーズンの通算成績はシングルス3勝7敗、ダブルス5勝3敗。これに今シーズンの成績を加えた超級リーグでの「生涯通算成績」は、シングルス4勝8敗、ダブルス6勝5敗となっている。

 この第7節は、他の試合で番狂わせが続出。断トツの優勝候補と見られていた浙商銀行が錦州銀行に敗れた。浙商銀行の最大の誤算は、トップで馬龍が徐輝に敗れたこと。馬龍は第2ゲーム7-10から逆転してゲームカウント1-1としながら、勝機をつかめなかった。徐輝は27歳と中国選手の中ではすでにベテランの域に入った右ペンドライブ型。「最近は以前よりもプレーが攻撃的になってきた。バックハンドも前陣での守備が多かったけど、裏面での攻撃力が増してきて、得点力も上がっている。馬龍はぼくがこんなに良いプレーをするとは思わなかったんじゃないかな」(徐輝)と飽くなき向上心を見せた。錦州銀行は2番雷振華も、最終ゲーム4-9から7点連取でハオ帥に大逆転勝ち。馬龍(5勝0敗)とハオ帥(6勝0敗)に初めて土をつけ、ラストまでもつれながらも浙商銀行を下した。

 山東魯能・路安集団も馬琳率いる寧波海天塑機に惜敗し、超級リーグ男子は全勝チームが消滅。この第7節で敗れた浙商銀行と山東魯能・路安集団が5勝1敗でトップを並走している。

Photo上:元世界王者・王励勤から今シーズンの初勝利を挙げた水谷隼
Photo中:徐輝、馬龍から殊勲の1勝
Photo下:山東魯能・路安集団戦のラストで朱世赫を攻略した王建軍。対カットの強さは、さすが元「柳承敏のコピー選手」だけのことはある?
※写真は上から09年世界選手権(水谷・徐輝)、09年全中国運動会(王建軍)
 7月4日に終了したITTFプロツアー・ジャパンオープン荻村杯。女子シングルスで15歳の中国選手が一気に決勝まで勝ち上がり、注目を集めた。まだ15歳、若手主体の今回の中国女子チームの中でも、最年少だった朱雨玲(ジュ・ユゥリン)だ。平野早矢香(ミキハウス)、トート(ハンガリー)、福原愛(ANA)、朴美英(韓国)という強豪を連破しての準優勝。ひとりとして同じプレースタイルではなく、またいずれも経験豊富な強者揃い。勢いだけで勝ち上がったとしても十分な価値がある。2002年に14歳でプロツアーに華々しくデビューした郭躍になぞらえ、中国では早くも「郭躍二世か?」との報道もある。

 超級リーグと日程が重なったため、国家2軍(ジュニア)クラスの選手を派遣した中国。朱雨玲のセンセーショナルな活躍が強い印象を残したが、全体としてはやはり成績は今ひとつ。男子は2回戦までに全員が姿を消し、林高遠と呉家驥のベスト32が最高成績。日本の危険なライバルかと思われた女子も、予選リーグで李佳イが森薗美咲(青森山田高)に敗れ、唯一の国家1軍チームのメンバーだった易芳賢が決勝トーナメント1回戦で福原愛(ANA)に敗れるなど、日本勢の前に次々と敗れ去った。男女シングルスに出場した12選手のうち、ベスト16に勝ち残ったのは朱雨玲ただひとり。そして、朱雨玲はこのビッグチャンスを掴んだ。

 朱雨玲は1995年1月10日生まれの15歳、出身は四川省綿陽市。2008年5月に発生した四川大地震で大きな被害を出しており、その名前をご記憶の方もいるかもしれない。朱雨玲は小学1年生の時、地元の少年宮で卓球を教えていた王強コーチの目に留まり、本格的に競技を開始。少年宮というのは子どもたちがスポーツなどの課外活動を行う施設のこと。朱雨玲は少年宮の練習が休みになる週末も王強コーチを家に招き、両親が自宅に買い入れた卓球台で練習に励んだという。その2年後には早くも四川省のジュニアチームに入り、四川省女子チームの李永生監督の指導を受け、順調に実力を伸ばしてきた。2009年に14歳で全中国ジュニア選手権ベスト8、そして今年1月のジュニア選抜集合訓練で3位となり、国家2軍(ジュニア)チーム入りを果たしている。今年6月の甲Aリーグ第1ステージでは、シングルス17勝6敗と高い勝率を記録した。

 『綿陽日報』に掲載された李永生監督のインタビューによると、朱雨玲の利点は「非常に頭が良く、試合での対応能力、戦術転換に優れている」こと。この点でもデビュー当時の郭躍と相通じるものがある。決勝こそ王越古のバック表ソフトのボールと逆モーションのレシーブに手を焼き、完敗の内容だったが、序盤でミスを連発した準決勝の朴美英戦では、巧みな戦術転換も見せた。「朱雨玲は身長は今は160cmくらいだが、165cmくらいまで伸びるだろう。国家2軍で彼女を指導する陳振江コーチも、彼女の将来性を評価しており、施之皓監督も興味を示している。この2、3年が重要な時期になる」(李永生監督)。
 四川省女子チームが輩出した選手といえば、最近では03年の第1回世界ジュニア選手権で優勝した李茜がいるが、彼女はその後成績が伸び悩んだ。陳龍燦(88年ソウル五輪複金メダリスト:現四川省卓球チーム総監督)以来、四川から久々のビッグスター誕生となるだろうか。ただし、国家1軍チーム昇格のあかつきには、金髪に近いあの髪型には「NG」が出るかもしれない…。

Photo上:朱雨玲のパワードライブ。肩中心の豪快なスイングだが、前陣で回り込み、バックストレートに打ち抜く身のこなし、スイングスピードは素晴らしい
Photo下:決勝では百戦錬磨の王越古に翻弄され、宿題ももらった
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第6節 7.7 ☆☆☆

[北京控股 3-1 内蒙古銀行]
○丁寧 6、-2、9、6 姚彦
 曹麗思 -5、-9、-5 馮亜蘭○
○リ・ジャウェイ/彭雪 11、9、-9、9 姚彦/陳夢
○丁寧 8、8、-8、9 馮亜蘭
(内蒙古体育館)

[遼寧鞍山城投房産 3-1 江蘇中超電纜]
○常晨晨 5、8、-9、-9、10 王シュアン
○郭躍 3、9、-6、8 王越古
 常晨晨/侯暁旭 -10、-10、-7 王越古/車暁曦○
○郭躍 -8、-3、4、9、11 王シュアン
(遼寧鞍山体育センター)

[広東深セン長園集団 3-1 八一冀中能源]
○劉詩ウェン 8、7、-10、8 李佳
 賈君 -6、-7、-10 曹臻○
○周芳芳/蔡賽 6、-1、7、6 木子/李佳
○劉詩ウェン 5、9、5 曹臻
(広東深セン高級中学体育館)

[山東魯能 3-2 山西大土河華東理工]
○李暁霞 -7、9、5、6 帖雅娜
○金キョン娥 8、-9、9、7 郭炎
 彭陸洋/李茜 9、-4、-6、7、-9 饒静文/帖雅娜○
 李暁霞 -8、8、-9、-14 郭炎○
○彭陸洋 9、10、9 范瑛
(山東濱州奥体センター)

 超級女子第6節は、山西大土河華東理工が初黒星。全勝チームは、この第6節で試合がなかった大同雲崗-金地砿業のみとなった。
 福原愛の所属する広東深セン長園集団は、八一冀中能源に3-1で勝利。福原は前節で武楊に敗れた姜華君に代わってシングルスに起用され、ラストで木子と対戦予定だったが、4番劉詩ウェンが曹臻にストレート勝ち。この第6節は出場機会がなかった。
 この日の深圳は最高気温が35℃を超え、さらに広東特有の湿気が加わって猛烈な蒸し暑さ。八一冀中能源の李屹監督曰く、「選手たちは食欲がなくなり、練習場ではまるでサウナにいるようだ。水分を多くとり、長く練習した後は必ず外で風に当たらせ、練習後の休養もしっかり取らせたが、この暑さの中での試合は本当にキツい」。さすがの福原も練習中に暑さで「上火」、つまり「のぼせて」しまったとのこと。中国では6月下旬から首都・北京をはじめ、各地で記録的な猛暑が続いており、超級リーグで中国全土を転戦する選手たちにとっては厳しい環境だ。

 その他の試合では、北京控股がエース丁寧の2得点の活躍で内蒙古銀行を破り、3連勝。内蒙古銀行はホーム内蒙古体育館での開催、内蒙古自治区の幹部や大応援団が来場する中で勝利を収めたかったが、馮亜蘭が孤軍奮闘の内容。「(ダブルスの)姚彦と陳夢はまだ経験不足。ダブルスでの敗戦がチームの敗北につながってしまった」(内蒙古銀行・劉偉監督)。また、山東魯能はラスト彭陸洋がカットの范瑛を破り、山西大土河華東理工との熱戦に勝利。第1節では同じカットの武楊にストレートで敗れていた彭陸洋だが、范瑛には逆にストレート勝ちを収めている。

Photo上:シングルス通算9勝1敗。モスクワ大会の影響を感じさせず、若きエースとして北京控股を引っ張る丁寧
Photo下:長身の彭陸洋、山東魯能の守護神となった(写真はともに09年全中国運動会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第6節 7.7 ★★★

[寧波海天塑機 3-1 四川郵儲・先鋒汽車]
○呉ハオ -8、5、-7、11、3 許鋭鋒
 馬琳 -7、-5、3、-11 邱貽可○
○呉ハオ/王建軍 -8、9、-8、7、7 邱貽可/水谷
○馬琳 9、-9、8、10 許鋭鋒
(四川省成都成飛体育館)

[山東魯能・路安集団 3-1 錦州銀行]
 張超 -10、-8、5、2、-5 雷振華○
○張継科 13、8、9 徐輝
○方博/張超 8、-11、6、14 徐輝/ジャイ一鳴
○張継科 8、-9、6、5 雷振華
(山東省済南市体育館)

[八一熔盛重工 3-1 上海浦宏神木]
○王皓 6、9、-9、10 尚坤
 徐克 -8、-11、11、-13 王励勤○
○徐克/閻安 7、-9、8、4 尚坤/張洋
○王皓 -5、8、-3、6、10 王励勤
(陜西省楡林市体育館)

[浙商銀行 3-0 江蘇神鷹炭繊]
○馬龍 4、3、4 苗相仰
○ハオ帥 2、7、10 林晨
○ハオ帥/呉尚垠 4、-7、4、5 韓陽/苗相仰
(浙江省台州椒江区体育館)

 昨日、7月7日に行われた超級リーグの男女第7節。今節からは、試合が行われた会場も入れています。
 水谷隼(明治大・スヴェンソン)が出場した四川郵儲・先鋒汽車は、寧波海天塑機に惜敗。2番邱貽可が馬琳を破る金星を挙げたが、3番でその邱貽可と水谷のダブルスが呉ハオ/王建軍にゲームオールで競り負けた。四川郵儲・先鋒汽車のホームゲームだったこの試合、ラスト水谷まで回っていれば、歓喜の今シーズン初勝利は確実だったはずだが…。3番手の許鋭鋒も健闘しているだけに、早く1勝を挙げて波に乗りたい。また、韓陽が出場した江蘇神鷹炭繊は、優勝候補の浙商銀行に完敗。韓陽が若手の苗相仰と組んだダブルスが唯一のゲームを奪ったが、今シーズン無敗のハオ帥/呉尚垠の壁は厚かった。江蘇神鷹炭繊は2勝3敗と黒星がひとつ先行した。

 そして、八一熔盛重工vs上海浦宏神木戦では、4番で王皓と王励勤のエース対決。最終ゲーム、王皓10-5のマッチポイントから王励勤が5点連取で10-10まで追いついたが、最後は王皓が振り切って八一熔盛重工が勝利。開幕2連敗から4連勝とペースを上げてきた。ここまでシングルスの通算成績は5勝5敗だった王皓、国家チームの主力クラスにはことごとく敗れていたが、王励勤からの勝利で通算7勝5敗と勝ち越した。今年から解放軍男子チームの監督に就任した范長茂は、試合後「王皓はかつてのプレーを70、80%くらいまで取り戻してきている。我々のチームはすばらしいチームワークを持っていて、誰かが失点することがあっても、他の全員が励ましながら戦っていけるんだ」とコメント。今シーズンから加入した閻安が一定の成績を残せれば、プレーオフ進出も夢ではない。

Photo上:単複で2点を挙げ、エース馬琳の失点をカバーした呉ハオ
Photo下:現世界チャンプ、王皓は再び甦るのか?(写真はともに09年全中国運動会)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第5節 7.4 ☆☆☆

[北京控股 3-1 江蘇中超電纜]
○丁寧 11、11、7 張瀟玉
 彭雪 -7、-7、7、-4 王シュアン○
○リ・ジャウェイ/彭雪 6、4、7 張瀟玉/車暁曦
○丁寧 7、10、8 王シュアン

[八一冀中能源 3-0 内蒙古銀行]
○李佳 10、-7、9、-8、9 馮亜蘭
○曹臻 6、6、-9、-9、6 姚彦
○李佳/木子 -6、9、6、-6、8 姚彦/陳夢

[山西大土河華東理工 3-1 遼寧鞍山城投房産]
 帖雅娜 9、-6、-8、-13 郭躍○
○郭炎 2、7、9 文佳
○帖雅娜/饒静文 2、-5、5、8 文佳/侯暁旭
○郭炎 3、2、9 郭躍

[大同雲崗-金地砿業 3-1 広東深セン長園集団]
○武楊 9、6、7 姜華君
 李暁丹 -9、-9、-3 劉詩ウェン○
○馮天薇/劉娟 -9、3、9、-5、2 周芳芳/蔡賽
○武楊 7、-4、9、5 劉詩ウェン

 超級女子も第5節を終了し、大同雲崗-金地砿業が5連勝と予想を上回る好スタート。試合数がひとつ少ない山西大土河華東理工が4勝0敗で、この2チームが無敗を守っている。一方、まだ勝ち星がないのが江蘇中超電纜。エースの王シュアン(王+旋)は郭炎や姚彦を破るなど、シングルス5勝を挙げて孤軍奮闘している。江蘇の助っ人の王越古は、第5節が行われた7月4日にジャパンオープン荻村杯で優勝を決めており、彼女が安定して参戦できれば巻き返すチャンスはある。

 5連勝の大同雲崗-金地砿業は、今シーズン好調の李暁丹がチームを引っ張っているが、開幕戦で2得点を挙げてチームを救った馮天薇、この第5節で姜華君と劉詩ウェンを連破した武楊など、主力の3人が「日替わりエース」となり、それぞれの失点を補いあっている。対カットには絶対的な強さを誇る劉詩ウェンを破った武楊は、他チームにとっても怖い存在。長身で非常にシャープな体躯だが、卓球を始めた頃も細くて力がなく、カット主戦型だったコーチの薦めでカット主戦型になったという。中国の卓球雑誌『ピンパン世界』のインタビューで、「小さい頃はカットというだけで勝てていたけど、大きくなるにつれてどんどん難しくなる。海賊船に乗ってしまって、もう下りられないような感じです」と独特な表現で自らを評している。今シーズンは海賊船が、卓球界の“無敵艦隊”の中でひと暴れするかもしれない。

 女子第5節ではもうひと試合、今シーズンの初勝利を挙げた八一冀中能源にも注目。日本リーグ(実業団)の日本生命で活躍する李佳が、世界ランキング12位の馮亜蘭を破るなど、単複2得点の活躍でチームを勝利へ導いた。内蒙古銀行は610万元(約8350万円)をつぎ込んで獲得した姚彦が、ここまでシングルス0勝5敗と大スランプ、劉偉監督も頭が痛い。次節はホームである内蒙古自治区フフホト市の内蒙古体育館での開催。100人近い地元応援団が来場するとのことで、北京控股を相手に勝利を収めたいところだ。

Photo上:とにかく守備範囲が広い武楊。国家チームのトップクラスでも、打ち抜くのは容易ではない
Photo下:ホームでの試合で大活躍を見せた李佳(写真はともに09年全中国運動会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第5節 7.4 ★★★

[八一熔盛重工 3-1 四川郵儲・先鋒汽車]
○王皓 5、5、-7、10 許鋭鋒
○侯英超 9、-9、3、5 邱貽可
 閻安/柳洋 5、-5、7、-11、-8 許鋭鋒/金義雄○
○王皓 5、8、4 邱貽可

[山東魯能・路安集団 3-1 江蘇神鷹炭繊]
 張超 -6、5、10、-9、-5 陳杞○
○張継科 5、3、-9、11 韓陽
○方博/張超 7、4、6 韓陽/林晨
○張継科 7、7、5 陳杞

[廊坊銀行海潤 3-2 上海浦宏神木]
 許シン 9、-9、-8、6、-7 尚坤○
 張ユク 9、-6、-5、-9 王励勤○
○崔慶磊/張ユク -9、8、-6、7、8 尚坤/張洋
○許シン 2、-9、-7、8、6 王励勤
○崔慶磊 11、-5、-9、7、15 荘智淵

[錦州銀行 3-2 寧波海天塑機]
 徐輝 -6、-9、7、-8 馬琳○
○雷振華 6、6、9 唐鵬
○徐輝/ジャイ一鳴 10、8、13 呉ハオ/王建軍
 雷振華 -6、9、-10、-7 馬琳○
○ジャイ一鳴 4、3、10 呉ハオ

 約2週間の中断を挟んで、超級リーグの男女第5節が7月4日(日)に開催された。昨シーズンまでは水曜日と土曜日に行われてきた超級リーグだが、今シーズンからは開催される曜日が水曜日と日曜日に変更されている。
 男子第5節では、江蘇神鷹炭繊の韓陽が今シーズン初出場。2番手として単複に起用されたが、シングルスでは2番で相手エースの張継科に敗れた。「出足の2ゲームは作戦をしっかり立てて臨めたし、リラックスして良いプレーができた。第3ゲームもリードしたけど、そこから少し焦ってしまったと思う」とは勝利した張継科のコメント。韓陽は続いて左シェークドライブ型の林晨と組んだダブルスでもストレートで敗れ、チームの勝利に貢献できなかった。山東魯能・路安集団は、これで浙商銀行とともに開幕から4連勝。2番手の張超に加え、この日はジャパンオープン出場のため欠場した朱世赫をジョーカーとして使えるのも強みで、プレーオフ進出のラインとなる4位以内には確実に入ってきそうだ。

 ここまで3勝1敗と予想外の健闘を見せているのが錦州銀行。遼寧省男子チームの選手だけで構成されており、1番手:雷振華、2番手:徐輝は不動のツートップ。超級リーグの選手入札で札束を積み上げることもなければ、外援(外国人の助っ人選手)のスター選手を加入させることもない。優勝はまず不可能だが、降格の危険性も少ないという、絵に描いたような中堅チームだ。3番手でパワフルなフォアドライブが武器のジャイ一鳴が、徐輝とのダブルスで高い勝率を残しているのが強み。超級リーグでシングルス通算85勝のエース雷振華に当たりがつけば、優勝候補のチームにとっても危険な相手だ。

Photo上:韓陽、陳杞を連破した張継科。「今年の目標は3位以上。4連勝はここ数シーズンでも最高のスタートなので、この勢いに乗って良いプレーを見せていきたい」(張継科)。写真は世界選手権モスクワ大会
Photo下:寧波海天塑機戦でラストを締めたジャイ一鳴。写真は混合ダブルスで準優勝した09年全中国運動会のもの
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第4節 6.20 ★★★

[八一熔盛重工 3-2 寧波回天塑機]
 徐克 -6、-8、-4 馬琳○
○王皓 3、6、-6、8 呉ハオ
○閻安/徐克 -6、6、8、6 王建軍/呉ハオ
 王皓 -4、17、-9、-5 馬琳○
○閻安 9、9、8 王建軍

[錦州銀行 3-0 江蘇神鷹炭繊]
○雷振華 9、-6、9、-2、10 林晨
○徐輝 -10、8、8、5 陳杞
○徐輝/ジャイ一鳴 4、9、12 林晨/ジャン健

[廊坊銀行海潤 3-2 四川郵儲・先鋒汽車]
 張ユク 6、-6、-9、-10 邱貽可○
 許シン -9、-13、8、10、-8 許鋭鋒○
○崔慶磊/張ユク -11、9、11、4 許鋭鋒/金義雄
○許シン 8、15、9 邱貽可
○崔慶磊 8、6、5 金義雄

[浙商銀行 3-0 上海浦宏神木]
○馬龍 8、-9、-9、9、4 尚坤
○ハオ帥 8、10、8 王励勤
○ハオ帥/呉尚垠 -9、12、9、4 尚坤/張洋

☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第4節 6.20 ☆☆☆

[北京控股 3-1 八一冀中能源]
○丁寧 9、-2、7、5 楊揚
 彭雪 -3、12、5、-4、-7 曹臻○
○リ・ジャウェイ/彭雪 10、-6、6、-1、8 木子/白楊
○丁寧 9、5、8 曹臻

[山西大土河華東理工 3-2 江蘇中超電纜]
 范瑛 -7、-9、9、7、-8 王シュアン○
○郭炎 6、4、4 車暁曦
○饒静文/帖雅娜 6、9、-8、7 王越古/車暁曦
 郭炎 4、-7、7、-8、-9 王シュアン○
○饒静文 5、-7、10、7 王越古

[大同雲崗-金地砿業 3-1 内蒙古銀行]
 馮天薇 -6、-8、7、-8 馮亜蘭○
○李暁丹 6、5、8 姚彦
○馮天薇/劉娟 -7、7、7、6 姚彦/陳夢
○李暁丹 7、-11、1、6 馮亜蘭

[広東深セン長園集団 3-2 山東魯能]
 賈君 -14、-5、7、8、-7 李暁霞○
○劉詩ウェン 12、-9、6、-6、1 彭陸洋
 周芳芳/蔡賽 -7、-7、-7 彭陸洋/李茜○
○劉詩ウェン 9、8、6 李暁霞
○姜華君 9、13、10 金キョン娥

 大変失礼致しました、中国リポート担当、超級第4節の結果のアップを失念しておりました。男女合わせて結果をお伝えします。
 男子第4節は、開幕から3連敗とまだ勝ち星がない水谷隼(明治大・スヴェンソン)の所属チーム、四川郵儲・先鋒汽車が廊坊銀行海潤と対戦。2番で07年世界ジュニア2位の許鋭鋒が許シンから金星を挙げ、初白星なるかと思われたが、ここから大逆転負けを喫した。また、八一熔盛重工はエース王皓の出身地であり、今シーズンのホームでもある長春市体育館で寧波回天塑機と対戦。王皓は4番で馬琳に競り負けたものの、ラストで閻安が王建軍にストレート勝ちして勝利を収めた。張継科、馬龍、ハオ帥、許シン、そして馬琳と各チームのエース級を相手にすでに5敗している王皓。「敗れた試合はいずれも自分がリードしていたし、感覚はひと試合ごとに良くなってきている。チームの状態もこれから良くなっていくと信じているよ」と楽観的なコメントを残しているが、昨シーズンの24勝9敗という成績には届きそうにない。

 女子第4節は、福原愛(ANA)の代わりに姜華君(香港)が出場した広東深セン長園集団が、優勝候補の山東魯能に競り勝った。広東はトップで賈君が李暁霞に競り負けたものの、劉詩ウェンがきっちりシングルス2得点。第2節から3戦連続で2得点を挙げている劉詩ウェンは、これで超級リーグ通算96勝目。今シーズン中の100勝達成は確実な状況で、断トツの史上最速ペースだ。
 また、この広東vs山東の一戦には、香港在住の張怡寧が夫婦揃って来場。同じく超級リーグを視察に訪れた李隼コーチとともに、試合前に国家チームの妹分である李暁霞にアドバイスを与え、プレーを観戦。3番ダブルスの進行中に会場を後にしたため、場内は一時騒然となった。すでに現役復帰の可能性は限りなく低いように思える張怡寧だが、李隼コーチとは常に連絡を取り続けているそうだ。その去就が公式に発表されるのは何時になるのだろうか。

 超級リーグ第5節は、昨日7月4日に開催。その結果は続けてお伝えします!

Photo上:ラストを締めて、廊坊銀行海潤を勝利に導いた崔慶磊
Photo中:選手層の薄いチームでひとり気を吐く馬琳
Photo下:トップで李暁霞に肉薄した賈君。写真満載の彼女のブログは必見です