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2017世界卓球デュッセルドルフ大会速報

●女子シングルス3回戦
石川佳純 10、ー7、7、5、6 リ・ヒョンシム(北朝鮮)
加藤美優 7、ー8、10、ー10、11、ー5、4 梁夏銀(韓国)

女子シングルス3回戦が終了。石川と加藤はともにベスト16進出!

石川はしゃがみ込みやアップダウンなど多彩なサービスを操る、ユニークな異質攻撃型リ・ヒョンシムを破った。緩急をつけた攻めに手を焼く場面もあったが、攻めの速さと厳しさでは石川が上。フォアドライブは試合を重ねるごとに速く、コースが厳しくなってきた。

加藤は同じ両ハンド攻守型の梁夏銀と大熱戦。緩急のあるバック対バックのラリーを軸にしながら、互いに速攻を織り交ぜる。ゲームカウント3ー3、一進一退の攻防だったが、加藤が最終ゲーム2ー0、5ー2、8ー2とリードを広げて振り切った。勝利の瞬間、加藤は珍しく両手を高く上げ、歓喜を表現した。日本勢、これで4人がベスト16入りだ。
  • このコースの厳しさ。3種目を戦いながら、調子を上げていく石川

  • フォア・バックの両面からしゃがみ込みサービスを出したリ・ヒョンシム

  • 苦戦の末の勝利に、加藤はこの笑顔

●男子シングルス2回戦
丹羽孝希 -9、10、7、8、-5、-12、4 ガオ・ニン(シンガポール)

 圧倒的に分の良いガオ・ニンに丹羽は苦戦した。前半は丹羽ペースだったが、3-1からの5ゲーム目を落として流れは悪くなった。要所で決めのボールにミスが出た。最終ゲームまでもつれ、前半リードし、試合を決めた。

試合後の丹羽のコメント。
「3-1でリードして、5ゲーム目を取られて、6ゲーム目で4-0でリードしたのに、その後ジュースで取られて、すごく嫌な流れになった。最後のゲームは9-4と大きくリードできたのが良かった。そこで離せなかったらどうなるかわからなかった。
 いつもならガオ・ニンのブロックを打てているのに、調子が上がらず、あのブロックを打ち切れなかった。最後のゲームは割と良かったので明日につながる。
 水谷さんと張本の試合は見ていないのでいまだに信じられない。この後、帰ったら見てみたい。練習場でスコアだけは見ていて、1ゲーム10-2とか、2ゲーム目10-4とかになっていて、水谷さん、ちゃんとやってるのかなと思ってた。ちょっと信じられない。ただ張本は練習していて強くなっているのはわかっていた。でも水谷さんに勝つのはビックリです。
 明日はダブルスとシングルスの両方勝って、その後に格上と当たるのでそこで勝ちたい。今回の結果次第では世界ランキングもトップ10には入れるので、そこは意識して戦っていきたい」
  • 丹羽、苦しみながらもガオ・ニンを振り切る

●男子シングルス2回戦
張本智和 7、6、12、-7、8 水谷隼

 出足から攻めまくる張本が2ゲームを先取したこのゲーム。調子の出ない水谷はどこかやりにくそうだった。
 3ゲーム目も7-5と張本がリードするも、7-8と水谷が逆転。しかし、張本は10-9でゲームポイント。すかさず10-10と水谷が追いつく。12-11で水谷が吠えるが、12-12と張本が追いつく。張本の、上から押さえつけるようなバックハンドカウンターで13-12と再びゲームポイント。ここで張本がタイムアウト。次をチキータで張本が14-12と勝利に王手を掛けた。
 
 4ゲーム目、5-2で張本リードで水谷がタイムアウト。7-4から水谷が7本連取で11-7で取り返す。5ゲーム目、張本のサービスにストップレシーブを浮かす水谷。3−0と張本がリード。4-2、6-4、水谷が下がってラリーをする場面でも、張本の攻撃はミスがない。7-4、8-4、9-5、張本勝利へ近づく。最後は11-8で13歳の張本が五輪メダリストを打ち破り、世界を驚愕させた。

●試合後の水谷のコメント。
「1ゲーム目、2ゲーム目が本当に良くなくて、相手に主導権を奪われて、立て直そうとしたけど、張本が良くてどうしようもなかった。試合前にこうしようという作戦はあったけど、彼がことごとく対応してきて、自分のやることがなくなってしまった。サービス、レシーブで張本は優位に立ったし、ぼくは得意のサービス、レシーブで点を取れなかったのが敗因。本当に彼は強かった。プレーが素晴らしかったし、ぼくが食らいつくのが精一杯だった。ぼくが彼の良さを引き出してしまった。
 今日は本当に完敗だった。張本は非常に楽しみ。彼のためにも自分が成長したいし、まだまだ引退はできない」

●試合後の張本のコメント
「今まで卓球をやってきて一番うれしい。サービスが良くて、レシーブでもストップも良く、チキータも効いていたし、すべてが良かった。3ゲーム目、ジュースで取って、これは絶対勝たなければいけないと思いました。タイムアウトは3回目のゲームポイントだったので、一度気持ちを落ち着かせようと思いました。そこで次はチキータしか点が取れないと思った。
 試合前の作戦は、レシーブはチキータで攻め、サービスは上回転と下回転を出して、ラリーで勝とうとしました。前に水谷さんに教えてもらったYGを1ゲーム目の10-7で出して、得点できた。
 試合前は勝つ可能性は5%だと思っていたけど、勝とうとする気持ちだけは100%だった。相手は水谷さんで緊張はしていた。
 勝った瞬間は、本当に勝ったのかとビックリしてた。9-5から9-8まできて、水谷さんが怖いと思ったし、ここで負けたら一生後悔すると思った。
 憧れの水谷さんにほめてもらえてとてもうれしい。水谷さんはメダルを目指していたと思う。ぼくは初心に戻って、次の試合も、その次の試合もひとつでも多く勝ちたい」
●男子シングルス2回戦
張本智和 7、8、12、ー7、8 水谷隼

張本の猛攻が、水谷の堅陣を破った!大金星!

序盤からサービスがよく効き、水谷を後ろに下げて前陣での両ハンドカウンターを連発した張本。攻撃にミスがなく、一方的に攻め続けて3ゲームを連取。4ゲーム目に7ー4のリードから7点連取を許して7ー11と1ゲームを返されたが、5ゲーム目に入っても流れは変わらず。会場がざわつく中、最後は10ー8のマッチポイントで、水谷のフォアに強烈なカウンターのバックドライブを決めた。詳細は後ほど!
●女子シングルス3回戦
伊藤 6、2、8、9 蘇慧音(香港)
平野 8、ー8、10、7、5 陳思羽(チャイニーズタイペイ)
サマラ(ルーマニア) ー5、ー8、7、8、ー4、8、8 佐藤

女子シングルス3回戦、伊藤と平野は会心のプレーで勝ち上がったが、佐藤はルーマニアの左腕サマラに惜敗。ヨーロッパチャンピオンの実績もある相手に対し、連続スマッシュもロビングでしのぎ、低く切れたカットで盛り返す粘りのプレーを見せた佐藤。幸先良く2ゲームを先取したが、サマラの猛攻に強化していた攻撃が出せなかった。観客を魅了した素晴らしい一戦だったが…。

試合後、涙を見せた佐藤は「リードしていて、最後勝ちきれなかったのがすごく悔しいです。相手は要所で勝負にきていたのに、自分は勝負しなければいけない時に守りに入ったり、相手のミス待ちになってしまったのが大きな差だった。攻めるとしたらサービスからなんですけど、サービスのあまさや自分の攻撃力不足が出てしまった試合だと思います」と語った。
  • 拾って拾って、拾いまくった佐藤だが、僅差で勝利を逃した

  • しつこかったサマラの攻め。さすがの集中力

  • 絶好調モードになってきた伊藤。「本当にスッキリしました」とコメント

  • 平野の攻めも速さを増してきた

●男子ダブルス3回戦
丹羽孝希/吉村真晴 -8、8、9、-7、-9、10、6 K.カールソン/M.カールソン(スウェーデン

 1ゲーム目先取されるも、2ゲーム目、4-8から7本連取し、逆転で11-8。1-1となった3ゲーム目、なかなか追いつけずに6-8から8-8に追いつき、長いラリーを制し、9-8と逆転。ここでスウェーデンがタイムアウト。吉村のサービスエースで10-8。10-9から丹羽のチキータが決まり、11-9でゲームを連取した。
 4ゲーム目は前半リードしたが、途中からプレーがやや雑になり、7-11で落として2-2となった。
 5ゲーム目、6-4、7-5、8-7と一進一退。8-8から丹羽の3球目が決まり、9-8。9-9からスウェーデンの攻めが決まり、9-11と大事なゲームを落とした。
 6ゲーム目、4-4から6-9、8-9、9-9から相手が9-10のマッチポイント。ここから12-10と逆転して、3-3の最終ゲームにもつれ込んだ。
 最終7ゲーム目、3-1と出足でリード。7-6、9-6、最後は丹羽の3球目攻撃で11-6と日本がマッチポイントを奪われながら見事な逆転勝ちを収めた。
  • 丹羽/吉村、絶体絶命のピンチを脱出!

  • ダブルスに懸けていたスウェーデンペア、敗れたとはいえ見事なプレー

●男子ダブルス3回戦
森薗政崇/大島祐哉 2、-6、5、5、10 アレグロ/ランビエ(ベルギー)

森薗/大島、ベルギーペアを下し、前回に続いてベスト8進出!
ベルギーペアの強打にも慌てることなく、大島がうまくフォアハンドのコースを打ち分け、ペースをつかんだ森薗/大島。第5ゲーム、9ー7から9ー10と逆転されたが、11ー10と再び逆転。最後は大島がバッククロスへの豪快なパワードライブで打ち抜いた。

「相手は荒さはあるけど、どんどん打ってくるペアでペースがつかみにくくて、1ゲームを落としてしまったけど、それが全部入ってくるわけじゃない。こちらも仕掛けられるボールはどんどん仕掛けて、少しずつぺースがつかめてきた」と試合後の森薗。2年前に僅差で逃したメダルに王手をかけた!
  • 森薗/大島、ベスト8進出!

  • 敗れたベルギーペア、左が左腕のアレグロ

  • 2年前に悔しさを分かち合った田㔟監督のベンチにも熱がこもる

●女子ダブルス3回戦
平野美宇/石川佳純 -10、-9、-3、-4 丁寧/劉詩ウェン(中国)

 第1ゲームから日本ペアは積極的に攻めていくがジュースで落とした。第2ゲーム出足からお互いの打ち合い。6-4のリードから8-9、9-9、9-10、9-11と、互角の展開だがあと1本が取れない日本は、ゲームを落とし、0-2となった。
 第3ゲーム、1-7とリードを奪われる日本。中国ペアが先に攻める展開となり、3-11でゲームを奪われ、後がない状態に追い込まれた。第4ゲームは1-3でリードされたところでタイムアウト。その後、3-6から4-11で敗れた。世界選手権では初ペアだったが、1,2ゲーム目のどちらかを奪っていれば試合の流れは変わったかもしれない。

●女子ダブルス3回戦
早田ひな/伊藤美誠 -7、9、6、11、6  リ・ヒョンシン/リ・ミギョン(北朝鮮)

 第1ゲーム、北朝鮮ペアの中陣からの回転量の多いドライブに苦しむ日本ペア。第2ゲーム、次第に調子をつかむ日本ペアだが、スコアは離れない。7-7から11-9で取り返した。
 第3ゲーム、3-3から一気に11-6で連取。第4ゲーム、ジュースになり最後は伊藤の強打とレシーブで13-11で取り、勝利に王手を掛けた。
 第5ゲーム、日本は勢いに乗った。一気に11-6で下し4-1でベスト8入りを決めた。

試合後の早田のコメント
「1ゲーム目は決めに行くボールのミスが多かったので、無理に決めに行かずに7割くらいで打っていこうと話しました。自分が決めているように見えることもあるかもしれないけど、実際には美誠がチャンスを作っているので二人で得点している。二人の良いところがうまくかみ合ってきている」
  • 平野/石川、序盤にペースつかみかけるも、0ー4で敗れる

  • 早田/伊藤はベスト8進出。どんどん調子を上げている

  • 球威のみならず、ミスも非常に少なかった中国のエースペア

●混合ダブルス3回戦
吉村真晴/石川佳純 −4、7、8、11、6 パク・シンヒョク/リ・ヒョンシム(北朝鮮)
田添健汰/前田美優 7、7、−8、5、4 張禹珍/李ジオン(韓国)

要注意の張禹珍に全く仕事をさせなかった。快足でコートを走り回る張禹珍だが、日本ペアは相手にフルスイングをさせないコース取りで対応。打ち合いに強い韓国ペアだが、なかなか自分たちの展開にならずに、波に乗ることが出来ず。日本ペアのクレバーな戦術が光った試合だった。

「張禹珍はパワーがあって、足もあるので、台上から仕掛けようと思っていました。途中で女子が逆横のサービスを出してきてそれに対応が遅れたけど、途中から対応できました。メダル決定戦は死ぬ気で勝ちに行きます」(田添)
「相手は右右なのでバック側にボールを集めて動きを止めようという作戦で行きました。コース取りがうまくいきました。ここまで来たら、メダルを獲りたい。足が取れるくらい飛びついていきます」(前田)
  • 「死ぬ気で勝ちに行く」と意気込みを語った田添/前田

  • 吉村/石川、メダル決定戦の相手は李尚洙/梁夏銀だ

 昨日、メインアリーナの記者席へ向けて階段を上がった王国取材班の眼に、巨大なバナー(横断幕)が飛び込んできた。赤字に黄色い星、そして「CHINA ZHANG J.K.」の文字。百席くらいの観客席を独占して広げられている。アジア選手権ではこのバナーのために、指定席を買い占めたそうだが……。今大会も買い占めたのか。張継科の試合の前後に聞いてみたい。

 張継科の試合が始まると、相変わらずの黄色い声援。ロビング打ちで颯爽と打ち抜けば、失神しそうな悲鳴。本当に誰か失神しないでしょうか。あ、ちなみに数は少ないですが、林高遠のファンもいます。好みは人それぞれ。

 そして恐ろしいことに、今日の男子シングルス2回戦で張継科はサブアリーナに登場。サブアリーナの観客席は数百席というところで、昨日から恐ろしい混雑ぶり。今日はそこに朝早くから、張継科ガールズが場所取りで陣取るに違いない。……サブアリーナは無事か?
  • あっと驚く大横断幕

  • 張継科の一挙手一投足に熱視線が注がれる

  • 昨日のシングルス1回戦は快勝だった張継科

  • いつも混んでいるサブアリーナ、今日はパニック必至か……