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中国リポート

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★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第18節 10.20 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈上海金邁馳 3ー1 寧波海天塑機〉
 尚坤 ー12、ー6、10、11、2-7 馬龍○
○許シン 8、10、ー7、3 林高遠
○王励勤/尚坤 8、4 朱世爀/林高遠
○許シン 10、7、ー3、4 馬龍

〈山東魯能 3ー0 広東陳静〉
○侯英超 4、6、ー8、8 宋鴻遠
○張超 6、6、11 尹航
○張超/呉ハオ ー9、8、7-3 宋鴻遠/劉吉康

〈江蘇中超電纜 3ー1 四川長虹〉
○林晨 8、ー8、3、9 許鋭鋒
○馬琳 2、9、ー6、4 邱貽可
 林晨/蔡偉 ー10、ー14 邱貽可/朱霖峰○
○馬琳 6、6、ー9、ー5、7-2 許鋭鋒

〈八一熔盛重工 3ー0 覇州海潤〉
○周雨 7、ー11、9、ー7、8-6 范勝鵬
○樊振東 ー10、ー12、5、10、7-4 梁靖崑
○周雨/徐晨皓 6、ー7、7-4 程靖チィ/梁靖崑

★男子第1ステージ(全18節)・最終結果
1  寧波海天塑機      14勝2敗  30点
2  上海金邁馳       12勝4敗  28点
3  山東魯能        11勝5敗  27点
4  八一熔盛重工      10勝6敗  26点
↑↑↑ 上位4チームはプレーオフ準決勝に進出 ↑↑↑

5  江蘇中超電纜・利永紫砂 10勝6敗  26点
6  渤海銀行・天津      5勝11敗 21点
7  覇州海潤         4勝12敗 20点
8  広東陳静         4勝12敗 20点
9  四川長虹         2勝14敗 18点
※点数は勝=2点/敗=1点で計算
※今シーズンは甲Aリーグとの入れ替えはなし


 超級リーグ男子の第1ステージ最終戦、第18節の結果は上記のとおり。寧波、上海、山東、八一の4チームがプレーオフ進出を決めた。第2ステージ・準決勝の2試合は、第1ステージ1位の寧波が、3位の山東と4位の八一のどちらかを対戦相手として選び、残る1チームが2位の上海と対戦する。

 八一はエース王皓がほとんどの試合で欠場しながら、若手の樊振東・周雨・徐晨皓でプレーオフの切符をつかんだのは見事。第18節では覇州に苦しめられたが、接戦を次々とものにして3ー0で勝利した。全中国運動会2位、東アジア競技大会優勝の樊振東の注目度は、中国でもかなり高くなってきた。プレーオフでどこまで暴れるか、注目だ。

★男子第1ステージ・勝利数十傑
1  閻安(寧波海天塑機/22勝6敗)
2  許シン(上海金邁馳/22勝8敗)
3  周雨(八一熔盛重工/18勝12敗)
4  尚坤(上海金邁馳/17勝11敗)
5  馬琳(江蘇中超電纜・利永紫砂/17勝12敗)
6  張超(山東魯能/16勝16敗)
7  馬龍(寧波海天塑機/15勝2敗)
8  張継科(山東魯能/15勝6敗)
9  樊振東(八一熔盛重工/14勝8敗)
10 王励勤(上海金邁馳/13勝3敗)
  • 仁王様のような「怖いバージョン」の樊振東

  • こちらは「優しいバージョン」。別人のようです

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第17節 10.16 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3ー0 渤海銀行・天津〉
○馬龍 ー5、7、9、8 李平
○閻安 ー7、8、ー4、7、7-3 ハオ帥
○閻安/馬龍 李平/張ユク

〈山東魯能 3ー1 上海金邁馳〉
○張超 ー6、9、8、7 許シン
○張継科 6、5、5 尚坤
 張超/呉ハオ ー8、ー4 王励勤/尚坤○
○張継科 4、10、ー10、ー7、7-1 許シン

〈八一熔盛重工 3ー0 広東陳静〉
○樊振東 7、5、7 宋鴻遠
○周雨 7、11、7 劉吉康
○周雨/徐晨皓 7、9 尹航/宋鴻遠

〈覇州海潤 3ー1 四川長虹〉
 崔慶磊 6、ー7、ー6、ー12 許鋭鋒○
○梁靖崑 8、3、1 邱貽可
○程靖チィ/崔慶磊 10、10 邱貽可/朱霖峰
○梁靖崑 10、12、10 許鋭鋒

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第16節 10.16 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3ー2 北控燕京啤酒〉
 郭躍 5、11、ー8、ー9、1-7 郭炎○
 木子 ー7、ー9、ー9 丁寧○
○木子/曹臻 8、ー9、7-3 郭炎/李天一
○郭躍 8、7、6 丁寧
○曹臻 3、4 盛丹丹

〈山東魯能 3ー2 鄂尓多斯東方路橋〉
 顧若辰 ー1、ー5、ー10 朱雨玲○
 陳夢 ー9、ー5、7、9、7-9 趙岩○
○顧玉ティン/王シュアン 5、ー7、9-7 趙岩/朱朝暉
○陳夢 7、ー7、ー7、5、7-5 朱雨玲
○顧玉ティン 7、5 張薔

〈大同平型関・金地砿業 3ー0 大土河・華東理工〉
○武楊 10、11、10 饒静文
○李暁丹 8、7、ー4、ー5、7-4 劉詩ウェン
○李暁丹/馮天薇 ー8、10、7-5 車暁曦/江越

〈金華銀行 3ー0 広東二沙〉
○胡麗梅 4、5、4 李予冬
○楊揚 2、9、7 張遅
○周シントン/劉ジン 4、5 呉ジエ/李予冬

 16日に再開された超級リーグ、男子第17節と女子第16節の結果は上記のとおりとなった。
 山東、江蘇、八一が三つ巴のプレーオフ進出争いを展開していた男子は、山東が上海を3ー1で撃破。右肩の故障が長引き、10月25〜27日の男子ワールドカップ出場をキャンセルした張継科(閻安が代替出場)だが、さすがにここ一番には強い。山東は最終第18節の広東戦に勝てば、第1ステージ3位でプレーオフ(準決勝)進出が決定。最後の4チーム目は、最終節で江蘇と八一がともに勝利すれば、直接対決の結果によって八一のプレーオフ進出が決まる。ただし、八一の最終節の相手、覇州は侮れない相手だ。

 女子は男子より1節消化が遅れ、第16節が終了。11勝3敗で首位に並ぶ大土河・華東理工と八一冀中能源、10勝4敗の大同平型関・金地砿業がプレーオフ進出を決めている。残る1つのイスを争うのが、現在9勝6敗の山東魯能と、7勝7敗の北控燕京啤酒。山東が残るひと試合、次節の八一戦で勝利すれば、プレーオフ進出が決定。山東が八一に敗れ、北控が残り2試合に勝利して9勝7敗で並ぶと、直接対決の成績によって北控がプレーオフに進む。
 この第16節で八一に痛恨の逆転負けを喫した北控。厳しい戦況だが、なんとしても残る2試合を勝ち抜くしかない。
  • 好調とは言い難いが、要所はおさえた張継科

  • 郭躍にストレート負けした丁寧。いまだ復活ならず

 今回の全中国運動会・卓球競技の会場となったのは、鞍山市オリンピックセンター体育館(鞍山奥体中心体育館)。
 中国リポート担当は、鞍山でホテルを予約しようとして、ハタと困った。この体育館の住所が、どう調べてもわからなかったからだ。大会の公式サイトに記されている住所は「鞍山市達道湾新区千山西路南側」。……なんと道の「南側」というアバウトなものだった。それもそのはず、この体育館、開幕まで1カ月を切った8月初旬でもまだ完成していなかったそうだ。

 体育館の隣に建てられた巨大なメインスタジアム(鞍山奥体中心体育場)と屋内プールは、夜になるとLEDでライトアップ。道沿いにあるマンションや、なぜか建設現場のクレーンまでLEDでライトアップされていたのには驚いた。全中国運動会の期間だけの「お飾り」なのだろう。
 ちなみに、昼間にその20階はあろうかというマンションの横をシャトルバスで通ると、「品質保証! 60日で建設中!」の赤い垂れ幕が……。ろ、60日は早すぎるでしょ。

 街の中心部から車で20分はかかり、とても市民が手軽に利用できる場所ではない鞍山市オリンピックセンター体育館。中国の新聞記者からは、「日本にも全中国運動会のような大会はあるの?」と聞かれた後で、「大きい体育館を建てて、大会の後は全然使われないようなケースはあるの?」と何度も聞かれた。「やっぱりありますよ」と答えていた中国リポート担当、「さすがにココほどひどくはないですけど」とは言えなかった。近くに大きな池があるせいか、夜になると会場の中をチラホラと羽虫が飛び交い、選手が手で追い払っているのをよく目にした。

 今回の全中国運動会のために建設された体育館・トレーニングセンターの総数は実に「25」。公式サイトには「25棟のうち9棟は大学の敷地内に建設し、大会後も継続的に学生が利用できる」「新しく建設した体育館は全体の30%を超えていない」など、少々言い訳めいた言葉が並んでいる。次回の第13回大会は天津で開催予定。首都・北京からもほど近い大都市だが、やはり郊外に巨大な体育館が建設されるのだろうか。
  • 荒野に不時着した巨大なUFOのようです

  • 場内の構造はいたってシンプル

  • ちょっと面白かったトイレの暖簾(のれん)

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第16節 9.29 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3ー0 山東魯能〉
○馬龍 9、7、7 張超
○閻安 8、ー4、8、4 張継科
○閻安/林高遠 10、5 張超/呉ハオ

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3ー1 渤海銀行・天津〉
○馬琳 11、ー8、3、3 張ユク
 呉家驥 6、ー3、ー4、ー8 ハオ帥○
○徐輝/林晨 5、4 張ユク/李平
○馬琳 5、5、ー6、8 ハオ帥

〈上海金邁馳 3ー0 八一熔盛重工〉
○尚坤 10、6、6 樊振東
○許シン ー9、ー9、6、5、7-3 周雨
○王励勤/尚坤 8、9 徐晨皓/周雨

〈広東陳静 3ー1 四川長虹〉
○劉吉康 7、6、9 許鋭鋒
 宋鴻遠 ー5、ー7、ー9 邱貽可○
○尹航/宋鴻遠 9、10 許鋭鋒/朱霖峰
○劉吉康 ー6、ー10、9、11、7-4 邱貽可

★男子第1ステージの途中順位(第16節終了時点)
1 寧波海天塑機       13勝1敗  27点 ※プレーオフ進出が確定
2 上海金邁馳        11勝3敗  25点 ※プレーオフ進出が確定
3 江蘇中超電纜・利永紫砂  9勝6敗   24点
4 山東魯能         9勝5敗   23点
5 八一熔盛重工       8勝6敗   22点
6 渤海銀行・天津      5勝10敗  20点
7 広東陳静         4勝10敗  18点
8 覇州海潤         3勝11敗  17点
9 四川長虹         2勝12敗  16点
(得点数は勝=2点/敗=1点で計算)

 一昨日の10月1日に国慶節(建国記念日)を迎え、7日まで一週間の大型連休に入っている中国。超級リーグも今月16日に男子第17節・女子第16節が行われるまで、2週間ほどの中断期間に入っている。ひとまず、すでに終了している男子第16節の結果をお伝えしましょう。

 男子第16節では、寧波が山東に完勝。2番で張継科が閻安に敗れた時点で、勝敗はほぼ決した。ここまで13勝6敗という成績は、エースとしては物足りない張継科。一方、閻安はこの勝利で通算勝利数を20勝(6敗)の大台に乗せている。一方、山東、八一とプレーオフ(4位以内)進出を争う江蘇は、馬琳の2得点で渤海から価値ある勝利を挙げた。この3チームの残る2節の対戦相手をチェックしてみよう。

[山東](第17節)vs.上海 (第18節)vs.広東
[江蘇](第17節)試合なし (第18節)vs.四川
[八一](第17節)vs.広東 (第18節)vs.覇州


 山東は残る2試合で2勝すれば11勝5敗となり、自力でプレーオフ進出を決めることができる。しかし、仮に山東が2試合で1勝1敗となり、江蘇と八一が残り試合にすべて勝利すると、3チームが10勝6敗で並ぶことになる。同成績で並んだ場合、直接対決2試合での通算成績でプレーオフ進出チームが決まるが、「江蘇 5ー3 山東(3ー0/2ー3)」[八一 5ー4 江蘇(3ー1/2ー3)][山東 4ー3 八一(3ー0/1ー3)]と三すくみの展開。2チームとの対戦での獲得試合数を合計すると、江蘇が「9ー8」、八一が「8ー8」、山東が「7ー8」。10勝6敗で並ぶと山東が5位となり、プレーオフを逃すことになる。
 山東にとって、10月16日に行われる第17節の上海戦はまさに背水の陣だ。
  • 張継科は閻安に完敗…

  • 渤海戦で2勝、意地を見せた馬琳

 「いつ引退するのか」「まだ引退しないのか」と常にマスコミの話題を集め、今回の全中国運動会を現役生活のひとつの区切りにするとコメントしていた王励勤。男子団体では馬琳・張継科・ハオ帥・樊振東といった強豪選手に勝利。チームは惜しくも準優勝に終わったが、7戦全勝の活躍でエース許シンの不調をカバーし、男子シングルスでもきっちりベスト8まで勝ち上がった。4種目にフルエントリーするハードスケジュールで、血尿が出るほど疲労しながら、最後まで戦い抜いた。

 一球たりとも気を抜かない高い集中力もさることながら、王励勤の凄いところは、30歳を越えてからプレースタイルを変えたことだ。全盛期は前・中陣での豪快なフォアドライブがトレードマークだったが、世界選手権モスクワ大会の団体メンバーから外れた2010年頃から、前陣でのショートスイングのバックドライブを主体にしたスタイルにモデルチェンジ。今回の全中国では、張継科や樊振東の台上バックドライブにも確実に対応し、バック対バックでも引けをとらなかった。

「この2年ほど、ぼくはずっと自分を変えようとしてきた。その変化こそ、ぼくにとっては最も貴重なものだ。ピークを過ぎた選手というのは、何かを変えるのにとても勇気がいるからね。このチャレンジャー・スピリットがあれば、ぼくはこれからの人生をより力強く歩いていけるよ」(王励勤のコメント/出典『中国新聞網』)

 モデルチェンジに取り組みはじめた時、王励勤はすでに世界選手権や五輪で中国チームの主軸を担う存在ではなくなっていた。節制された競技生活で、馬琳や王皓のように太ることはなかったが、筋力が落ちはじめ、体の線も細くなってきていた。それでも彼の中にはまだ、勝利への渇望(かつぼう)があったのだ。
 王励勤と3回戦で対戦した陳杞は、いつもと変わらずフォアドライブをブンブン振り回した。そして王励勤のピッチの早いバックドライブ連打についていけず、ストレートで敗れた。変わった者と変わらなかった者の差がクッキリ出た試合だったが、陳杞のほうが普通なのだろう。

 「今の状態をキープできれば、ぼくはまだ試合を楽しむことができる。他のどの仕事でも、この充実感は味わえないものなんだ」(出典:『中国新聞網』)。バックハンド主体のプレーに一抹(いちまつ)の寂しさを感じながらも、そのプロ根性には脱帽するほかない。彼こそ真のプロフェッショナルだ。現役生活にもまだ未練がありそうだが、果たして去就はどうなるのか。
  • ショートスイングのバックドライブは安定感抜群

  • 馬龍戦の敗戦後、やっぱり悔しそうです

 4年に1回の中国スポーツ界の祭典、全中国運動会の閉幕からはや3週間あまり。熱戦の模様は10月21日発売の卓球王国12月号に掲載。その他に大会で感じたことを、少し中国リポートにも書いてみたい。題して「全中国雑記帳」。どれだけ続くかは…わかりません。

 今回の全中国のハイライトのひとつは、何と言っても団体と男子ダブルスを制し、シングルスも優勝まであと一歩と迫った樊振東の活躍。台上バックドライブのコースの打ち分けと次球への連係が、以前よりもはるかに良くなり、不用意に中・後陣に下がるプレーも減った。若手にありがちなプレーの粗さがなく、バックブロックで柔らかいボールタッチを見せつけたかと思えば、ループドライブで巧みに相手の待ちを外す。そしてパワードライブの球威は、完全にジュニアの域を越えている。
 緻密でありながら大胆、豪快でありながら柔軟。まさに卓球の申し子だ。16歳7カ月で優勝していたら、全中国運動会での史上最年少優勝だった。劉国梁総監督も「まるでロケットに乗ったみたいに、すごいペースで成長している」と賛辞を送っている。

 中国では「小胖(シャオパン)」、つまり「おデブちゃん」というあだ名がある通り、ぽっちゃりした体型は相変わらず。しかし、体の上下のブレが少なく、しゃがみ込みながらフォアドライブを打っても、すぐに体勢を戻せる体の復元力がある。「強靱なゴムまり」という感じで、柔らかくて強い筋肉の持ち主なのではないか。

 これだけの才能がありながら、卓球との出会いは少々ユーモラス。入学する予定だった小学校に「スポーツのクラブに入れば授業料を減額する」という規定があったため、両親が地元の少年宮で卓球を始めさせたのだという。そして、その小学校には卓球部しかなかったのだ。「好きも嫌いもなく卓球を始めることになったけど、卓球を退屈とは思わなかった」とコメントしたこともある。
 それからの競技人生はまさにトントン拍子。11歳で名門・人民解放軍チームの一員となり、2012年5月に15歳で国家2軍(ジュニアチーム)入り。いきなりアジアジュニア選手権で優勝すると、全中国選手権でのベスト8進出によって国家1軍チームに昇格。「直通パリ」では自力での代表権獲得はならなかったものの、王皓やハオ帥を破る活躍でパリ大会代表に抜擢された。16年リオデジャネイロ五輪の中国男子代表は、現時点では張継科・馬龍・許シンの3名が有力だが、割って入るとすればこの男だ。
 
 あまり大風呂敷を広げるのもナンですが、個人的には彼が世界チャンピオンになることを確信しております。11月発売号(2014年1月号)では、樊振東の技術特集も掲載予定。ご期待ください!


全中国運動会・現地リポート
http://world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=146&md=1
  • 頭の中で白い割烹着を着せると…似合いすぎです

  • 自分でゼッケンをつけていた後ろ姿。デカいです

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第15節 9.25 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3ー0 江蘇中超電纜・利永紫砂〉
○閻安 ー2、11、4、8 馬琳
○馬龍 13、ー6、5、4 呉家驥
○閻安/林高遠 8、10 林晨/蔡偉

〈山東魯能 3ー0 八一熔盛重工〉
○張超 ー5、8、ー5、6、7-5 樊振東
○張継科 6、8、11 周雨
○張超/呉ハオ ー10、3、7-2 周雨/徐晨皓

〈覇州海潤 3ー1 渤海銀行・天津〉
○梁靖崑 ー10、4、ー10、7、7-1 張ユク
 ジャイ超 ー6、ー6、9、ー3 ハオ帥○
○程靖チィ/ジャイ超 8、ー9、7-3 張ユク/李平
○梁靖崑 3、4、5 ハオ帥

〈上海金邁馳 3ー0 四川長虹〉
○許シン 7、6、8 邱貽可
○尚坤 5、5、7 許鋭鋒
○王励勤/尚坤 9、5 邱貽可/朱霖峰

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第15節 9.29 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3ー2 鄂尓多斯東方路橋〉
○郭躍 ー11、ー8、9、8、7-1 趙岩
 木子 5、ー7、9、ー4、5-7 朱雨玲○
○木子/曹臻 1、13 趙岩/朱朝暉
 郭躍 ー7、7、ー11、ー4 朱雨玲○
○曹臻 7、7 張薔

〈北控燕京啤酒 3ー1 大同平型関・金地砿業〉
○丁寧 9、ー6、7、11 馮天薇
○郭炎 ー8、2、8、7 李暁丹
 郭炎/李天一 ー13、ー9 馮天薇/劉高陽○
○丁寧 6、8、5 李暁丹

〈山東魯能 3ー1 大連新衡業・上方〉
○顧玉ティン ー7、ー7、8、8、10-8 文佳
○陳夢 ー6、4、ー5、7、8-6 常晨晨
 顧玉ティン/王シュアン ー5、7、3-7 李佳イ/常晨晨○
○陳夢 ー10、ー6、9、7、7-2 文佳

〈大土河・華東理工 3ー0 広東二沙〉
○車暁曦 ー7、9、8、3 熊欣芸
○劉詩ウェン 3、6、8 張遅
○車暁曦/江越 5、ー6、7-4 張遅/呉ジエ

 超級リーグ・第1ステージも大詰めの男女第15節。第14節から、第1ステージは男女が別日程で進行しており、男子は9月25日、女子は9月29日に15節が行われた。
 男子の寧波は江蘇を3ー0で下し、危なげなく第1ステージの首位を守っている。劉国棟監督は全中国運動会の超級リーグ再開後、常に閻安を1番手として起用。トップ選手やベテラン勢と対戦させることで、「閻安に最も欠けているもの」だという試合経験を積ませようとしている。現在20歳の閻安は、日本なら大学3年生だが、日本の学生選手との環境の差は大きい。

 また、渤海戦で張ユクとハオ帥を連破した梁靖崑という選手にも少し触れておきたい。今年のアジアジュニアチャンピオンで、アジアジュニアから帰国後に出場した全中国運動会でも、シングルスで馬龍と激しい打撃戦を展開した。見るからに筋肉質な体つきで、フォアドライブの威力は十分。何より馬龍の強打に、少しも腰が引けない勝負度胸が良い。

 女子は李暁霞を欠く山東が、ここ数試合好調の大連に競り勝った。トップで文佳を破った顧玉ティンは、10年ユース五輪での優勝後、やや低迷。「強打頼みの自滅型」というイメージがあったが、回転とコース取りをうまく使えるクレバーなスタイルに脱皮しつつある。超級女子もここからが正念場、さらなる活躍で国家チームの首脳陣にアピールしたい。
  • 高い将来性を感じる梁靖崑

  • ちょっとコワモテの顧玉ティン

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第14節 9.22 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3ー2 八一熔盛重工〉
 閻安 ー11、7、ー2、6、3-7 樊振東
○馬龍 ー10、ー9、13、8、7-5 周雨
 閻安/林高遠 ー8、ー9 周雨/徐晨皓○
○馬龍 ー6、9、ー6、7、7-5 樊振東
○朱世爀 ー7、6、7-2 徐晨皓

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3ー1 覇州海潤〉
○林晨 ー8、6、4、ー9、7-5 崔慶磊
 馬琳 ー8、8、9、ー8、5-7 程靖チィ○
○林晨/蔡偉 10、9 范勝鵬/程靖チィ
○馬琳 8、7、9 崔慶磊

〈山東魯能 3ー1 四川長虹〉
○張継科 9、キケン 許鋭鋒 
 張超 9、ー7、7、ー8、4-7 邱貽可○
○張継科/呉ハオ 9、9 邱貽可/朱霖峰
○張超 キケン 許鋭鋒
※許鋭鋒は負傷のため棄権

〈渤海銀行・天津 3ー1 広東陳静〉
 張ユク 6、ー3、8、ー7、6-8 劉吉康○
○ハオ帥 7、11、9 宋鴻遠
○李平/張ユク 9、5 宋鴻遠/尹航
○ハオ帥 ー5、10、ー4、9、7-4 劉吉康

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第14節 9.25 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3ー2 大同平型関・金地砿業〉
 郭躍 9、8、ー1、ー9、7-9 武楊○
○木子 8、8、ー8、ー6、11-9 李暁丹
○郭躍/曹臻 8、3 李暁丹/馮天薇
 木子 ー9、6、3、ー10、8-10 武楊○
○曹臻 15、ー5、7-2 馮天薇

〈大連新衡業・上方 3ー2 鄂尓多斯東方路橋〉
○文佳 8、7、11 趙岩
○常晨晨 6、ー4、12、8 朱雨玲
 李佳イ/常晨晨 ー5、ー2 趙岩/朱朝暉○
 文佳 ー4、ー1、ー12 朱雨玲○
○李佳イ 10、7 張薔

〈山東魯能 3ー1 金華銀行〉
 顧若辰 ー10、ー3、7、3、2-7 胡麗梅○
○陳夢 8、9、7 劉ジン
○顧玉ティン/王シュアン 6、4 周シントン/劉ジン
○陳夢 ー7、7、7、3 胡麗梅

〈北控燕京啤酒 3ー0 広東二沙〉
○郭炎 1、5、4 李予冬
○丁寧 11、5、6 熊欣芸
○郭炎/李天一 3、6 熊欣芸/呉ジエ

 超級リーグ男女第14節の結果は上記のとおり。
 男子では、寧波と八一が好ゲームを展開。馬龍が周雨と樊振東をともにゲームオール7ー5(第5ゲームは7点制)で破り、チームに勝利をもたらした。全中国運動会では、男子団体準決勝で周雨に1ー3で敗れ、男子シングルス決勝では樊振東に4ー3での辛勝。台上バックドライブで卓越したテクニックを見せる若手ふたりは、これからも馬龍にとって油断のできない相手だ。「馬龍は疲労が蓄積しているが、よく持ちこたえてくれた。そして多くの試合経験を通じて、彼はメンタルも非常に成長しているよ」と寧波の劉国棟監督(出典:『寧波晩報』)。八一にとっては、ラスト徐晨皓がカットの朱世爀につかまったのも不運だったか。

 女子では、プレーオフ進出が濃厚な八一と大同が激戦を展開。八一はトップ郭躍が武楊に惜敗したが、曹臻とのダブルスで勝利。首の故障とは長いつきあいになりそうだが、きっちりチームの勝利に貢献している。一方、山東の李暁霞は3試合連続での欠場となったが、チームは陳夢の2得点で格下の金華銀行を下した。山東は4位につけ、混戦の中からプレーオフ進出(4位以内)に向け、一歩抜け出している。

★2013超級リーグ男子・第14節終了時点の順位
1 寧波海天塑機      11勝1敗 23点
2 上海金邁馳       9勝3敗  21点
  江蘇中超電纜・利永紫砂 8勝5敗  21点
4 山東魯能        8勝4敗  20点
  八一熔盛重工      8勝4敗  20点
6 渤海銀行・天津     5勝8敗  18点
7 広東陳静        3勝10敗 16点
8 覇州海潤        2勝11敗 15点
  四川長虹        2勝10敗 14点
※勝=2点/敗=1点で積算

☆2013超級リーグ女子・第14節終了時点での順位
1 大土河・華東理工   10勝2敗 22点
2 八一冀中能源     9勝3敗  21点
  大同平型関・金地砿業 9勝3敗  21点
4 山東魯能       7勝6敗  20点
5 北控燕京啤酒     6勝6敗  18点
  鄂尓多斯東方路橋   5勝8敗  18点
  大連新衡業・上方   5勝8敗  18点
  金華銀行       5勝8敗  18点
9 広東二沙       0勝12敗 12点
※勝=2点/敗=1点で積算
※試合の消化数はチームによって異なります
  • 精神的な強さが備わってきた馬龍、鬼に金棒?

  • 郭躍はダブルスで勝利を挙げた

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第13節 9.18 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3−0 覇州海潤〉
○閻安 −9、9、−6、4、9-7 梁靖崑
○馬龍 3、−9、8、1 范勝鵬
○閻安/林高遠 7、4 程靖チィ/范勝鵬

〈八一熔盛重工 3−1 四川長虹〉
○周雨 −8、9、4、−10、7-5 許鋭鋒
○樊振東 −3、10、11、−9、7-4 邱貽可
 周雨/徐晨皓 −9、4、2-7 邱貽可/朱霖峰○
○樊振東 8、6、7 許鋭鋒

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3−0 広東陳静〉
○馬琳 8、8、5 宋鴻遠
○呉家驥 −7、−11、11、4、7-4 尹航
○徐輝/林晨 −9、9、7-3 劉吉康/宋鴻遠

〈渤海銀行・天津 3−1 上海金邁馳〉
○張ユク 9、8、2 尚坤
○ハオ帥 3、7、−13、7 許シン
 張ユク/李平 −9、13、4-7 王励勤/許シン○
○ハオ帥 −9、8、3、8 尚坤

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第13節 9.18 ☆☆☆

〈大連新衡業・上方 3−0 八一冀中能源〉
○文佳 6、−6、9、9 曹臻
○常晨晨 9、10、8 木子
○李佳イ/常晨晨 7、10 曹臻/劉イ

〈大同平型関・金地砿業 3−0 広東二沙〉
○李暁丹 9、8、2 李予冬
○馮天薇 9、−8、5、10 熊欣芸
○馮天薇/劉高陽 12、3 張遅/呉ジエ

〈金華銀行 3−1 鄂尓多斯東方路橋〉
○胡麗梅 8、−3、4、−4、7-4 趙岩
 周シントン −11、−3、−8 朱雨玲○
○劉ジン/周シントン 5、−6、7-5 趙岩/朱朝暉
○胡麗梅 −5、9、−7、9、7-5 朱雨玲

〈山東魯能 3−0 大土河・華東理工〉
○顧若辰 −9、9、−7、9、7-2 車暁曦
○陳夢 12、−10、7、9 鄭詩暢
○顧玉ティン/王シュアン 9、10 饒静文/江越

 超級リーグ男女13節は男女各4試合が行われた。
 男子はホームの上海市青浦体育館に渤海を迎えた上海が敗れたほかは、寧波・八一・江蘇と上位チームが順当に勝利。上海はエースの許シン、3番手の尚坤が不調。ともに右ひざに故障を抱えているが、全中国運動会を戦い終えた「燃え尽き感」も少なからずあるのではないか。

 女子でプレーオフ進出の当落線上にいる金華と鄂尓多斯(オルドス)の対戦は、エース胡麗梅が2点を挙げた金華が勝利。朱雨玲は全中国運動会に続いて胡麗梅に敗れた。カット打ちのフォアドライブの安定性は抜群なのだが、そこからの決定打が少なく、粘っているうちに甘くなったボールを胡麗梅に狙い打ちされてしまう。非常に堅いブロックを軸に戦う朱雨玲だが、もう少し3球目での仕掛けの早さもほしい。

 超級も残すところあと5節。終盤に差し掛かっているにも関わらず、八一熔盛重工の王皓、江蘇中超電纜の陳杞、八一冀中能源の郭躍、大土河・華東理工の劉詩ウェン、山東魯能の李暁霞と各チームの主力クラスに欠場が目立つ。女子ワールドカップに出場した劉詩ウェンの欠場は仕方ないにしても、各チームともプレーオフ進出に全力を尽くすというより、若手選手に経験を積ませることを重視している。今シーズンまで超級リーグは甲Aとの入れ替えがないため、リーグ全体が緊張感を欠いているようだ。
  • 全中国運動会で右ひざの故障を悪化させた許シン

  • 攻撃も切れ味鋭い胡麗梅

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第12節 9.15 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3−2 四川長虹〉
○朱世爀 6、−8、9、6 許鋭鋒
 閻安 7、−8、−6、7、2-7 邱貽可○
 閻安/林高遠 −9、−13 許鋭鋒/朱霖峰○
○朱世爀 7、−5、8、−4、7-4 邱貽可
○林高遠 9、9 朱霖峰

〈覇州海潤 3−0 広東陳静〉
○崔慶磊 7、7、8 劉吉康
○梁靖崑 6、3、9 宋鴻遠
○崔慶磊/程靖チィ 10、12 宋鴻遠/尹航

〈上海金邁馳 3−1 江蘇中超電纜・利永紫砂〉
○尚坤 3、9、1 呉家驥
○許シン 9、3、9 馬琳
 王励勤/尚坤 9、−9、5-7 馬琳/林晨○
○許シン 2、3、10 呉家驥

〈山東魯能 3−1 渤海銀行・天津〉
○張継科 5、−8、6、10 張ユク
○張超 8、10、−10、9 ハオ帥
 張超/呉ハオ −8、−8 張ユク/李平○
○張継科 8、11、6 ハオ帥

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第12節 9.15 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3−0 広東二沙〉
○郭躍 8、9、5 呉ジエ
○木子 8、7、8 熊欣芸
○木子/曹臻 4、7 呉ジエ/張遅

〈大連新衡業・上方 3−0 金華銀行〉
○文佳 4、−10、7、5 周シントン
○常晨晨 −11、10、11、6 楊揚
○李佳イ/常晨晨 5、4 周シントン/劉ジン

〈鄂尓多斯東方路橋 3−1 大土河・華東理工〉
○朱雨玲 8、−10、−9、3、7-5 馮亜蘭
 趙岩 −11、−6、−4 劉詩ウェン○
○趙岩/朱朝暉 7、−4、7-4 馮亜蘭/饒静文
○朱雨玲 −5、−2、9、8、7-3 劉詩ウェン

〈山東魯能 3−2 北控燕京啤酒〉
○顧若辰 6、3、6 曾尖
 陳夢 −3、−9、3、−5 郭炎○
○陳夢/顧玉ティン 10、−9、9 李天一/盛丹丹
 顧若辰 −10、−3、−9 郭炎○
○顧玉ティン 3、−6、7-2 盛丹丹

 第1ステージは全18節が行われる今シーズンの超級リーグ。15日に男女12節が一斉に開催され、男女とも日程の2/3を消化。残すところ6節となっている。

 男子は寧波、上海、山東といった強豪が順当に勝利。寧波はエース馬龍が2試合連続で欠場、1−2と四川にリードされた。2番で閻安を破った邱貽可、全中国運動会でそのプレーを久しぶりに見たが、直線的な弾道の両ハンドドライブの球威は健在。相手のパワードライブに対しても、中陣から強烈なバックドライブで反撃していた。4番の朱世爀戦で勝利すれば、チームに4節ぶりの白星がつくところだったが、惜しくも競り負け、チームも逆転を許した。

 女子はここまで全勝の大土河・華東理工が初黒星。鄂尓多斯(おるどす)のエース朱雨玲に2失点を喫した。11点制の5ゲームズマッチなら、スタートダッシュが勝利への定石となるはずだが、朱雨玲の試合運びにはこのスタートダッシュがあまり見られない。馮亜蘭に1-2、劉詩ウェンに0−2とゲームをリードされたことからもわかるように、出足では相手の調子やプレーを見極め、ゲームを落としても中盤からジワジワと自分のペースへ持ち込む。まだ18歳でありながら、横綱相撲とも言える試合運びだ。

 女子は第12節を終え、10勝1敗の大土河がプレーオフ進出は確実な情勢。2位に8勝2敗で八一と大同が並び、この2チームもプレーオフ進出は問題なさそうだ。残るひとつの枠を巡り、5勝6敗の山東・北控・鄂尓多斯の3チームが激しく争う展開だ。
  • 邱貽可、リストバンドと打球時の悲壮な表情も変わらない

  • バックの守りが驚異的に堅い朱雨玲