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中国リポート

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 1月28日に終了したJA全農世界卓球2014東京大会(団体戦)の中国代表選考会「直通東京」。女子は李暁霞が11勝2敗で朱雨玲と並び、直接対決で勝利しているために女子第1号の代表選手となった。最終成績は下記のとおり。

☆☆☆ 女子「直通東京」第2ステージ・最終成績 ☆☆☆
〈1.25〜28/江蘇省鎮江市・鎮江体育センター〉


1   李暁霞   11勝2敗
2   朱雨玲   11勝2敗
3   馮亜蘭   9勝4敗
3   木子    9勝4敗
3   劉詩ウェン 9勝4敗
6   陳夢    8勝5敗
7   文佳    7勝6敗
7   丁寧    7勝6敗
9   武楊    5勝8敗
10  劉高陽   4勝9敗
10  張薔    4勝9敗
12  劉曦    3勝10敗
13  周シントン 2勝11敗
13  胡麗梅   2勝11敗

※李暁霞が代表権獲得(朱雨玲との直接対決に勝利)

 初日に木子と文佳に敗れ、選考レースは後方からのスタートになった李暁霞だが、そこから一気の11連勝。単独トップを走っていた朱雨玲にも3ー0で勝利し、最終日に抜き去った。男子の張継科と同様、ここ一番の集中力はさすがで、前回の「直通巴里(直通パリ)」に続き、トップで代表権を獲得している。「代表権を獲得できたのは自分でもすごく意外です。今回は精神的にも技術的にも、ベストの状態ではなかったし、準備も十分とは言えなかった。上位6名に入るのが現実的な目標でした」(李暁霞)。

 現在26歳の李暁霞。すでにベテランの域に入っているが、意外なところからエネルギーをもらっているようだ。彼女が刺激を受けているのは、「直通東京」の直前に行われていたテニスの全豪オープンで、女子シングルスを制した中国の李娜。「彼女は32歳なのに、広いテニスコートであれだけのプレーができている。私はまだ26歳、自分の競技人生をさらに輝かしいものにするチャンスは、まだ残されている」とコメントしている。女王はまだまだどん欲だ。

 10勝1敗の単独トップで最終日を迎えた朱雨玲は、陳夢を3ー0で破って代表権獲得に王手をかけながら、最終戦で劉詩ウェンに1ー3で惜敗。つかみかけていた代表権を逃し、試合後に涙を流したという。「彼女のボールタッチとコース取りは素晴らしい。でも、これからはもっと決定力をつけないといけない」と先輩の李暁霞が述べている。
 劉詩ウェンは彼女にしては平凡な成績で同率の3位。劉国梁総監督から「自分に対する要求がまだ低い。戦うすべての相手を馮天薇(シンガポール)だと思ってプレーするべきだ」と評された。2010年世界団体戦決勝での敗戦を忘れるなということだ。丁寧は期間中、ずっと高熱に悩まされ、コートに立つのがやっとの状態。7勝6敗という厳しい結果に終わった。
  • 順当に東京大会の代表権を獲得した李暁霞

  • 朱雨玲はあと一歩のところで涙をのむ

 1月28日、JA全農世界卓球東京大会(団体戦)の中国代表選考会「直通東京」で、男女とも代表の第1号が決定した。遅ればせながら、男子の結果からお伝えしましょう。出場した12名の最終成績は下記のとおり。

★★★ 男子「直通東京」第5ステージ・最終成績 ★★★
〈1.25〜28/江蘇省鎮江市・鎮江体育センター〉


1   張継科  10勝1敗
2   馬龍    9勝2敗
3   許シン   8勝3敗
3   樊振東   8勝3敗
5   梁靖崑   7勝4敗
5   閻安    7勝4敗
7   ハオ帥   6勝5敗
8   王皓    5勝6敗
9   程靖チィ  2勝9敗
9   林高遠   2勝9敗
11  周雨    1勝10敗
11  孔令軒   1勝10敗

●代表決定戦 張継科 ー6、6、9、9 馬龍
※張継科が代表権獲得

 大会最終日の大一番、馬龍との激戦を3ー1で制した張継科が、東京大会の男子団体メンバー第1号に決定した。初戦の梁靖崑戦で敗れながらも、そこから10連勝。「天敵」馬龍を下しての代表権獲得で、復調を大いにアピールした。
 「2カ月くらい前、自分の過去を振り返りながら、たくさんのことを考えた。それがぼくを成長させてくれたよ。これからぼくは200%の努力によって、自分の責任を果たしていかなければならない。この卓球というスポーツは、自分の命と同じくらいかけがえのないものなんだ」(張継科/出典『捜狐体育』)。いかにも張継科らしい芝居がかったコメントだが、自己演出力もまたこの男の魅力か。「馬龍や許シンと良きライバルでいられるからこそ、ぼくはより自分を高めていくことができる」とも語っている。

 中国チームの劉国梁総監督も、「あの向上心にあふれる張継科が戻ってきた感じがするね。彼はコートの上でプレーする喜びと、大きな目標を取り戻すことができたんだろう」と張継科の復活に太鼓判。やはり張継科、やる時はやる男だ。
  • 眠りから目覚めた張継科

  • この大腿筋、何度見てもスゴイ!

 現在、江蘇省鎮江市の鎮江体育センターで行われている、JA全農世界卓球2014東京大会(団体戦)の中国代表選考会「直通東京」。男子は第5ステージで、いよいよ張継科・馬龍・許シンら6名の主力選手を加えて行われ、女子の第2ステージも李暁霞・丁寧・劉詩ウェンら7名が合流。男女とも今日1月28日に代表第1号が決定する。
 男子は初日の第1戦で張継科が梁靖崑に1ー3で敗れるなど、波乱の幕開けとなったが、最終日を迎えた時点で張継科と馬龍が8勝1敗で並び、許シンが7勝2敗でこれを追う展開。女子は朱雨玲が10勝1敗と単独トップで、李暁霞と馮亜蘭が9勝2敗でこれを追っている。

 選考会の詳しい結果は改めてお伝えするとして、まずは男子の珍しい記録から。第3日目に行われたハオ帥と程靖チィのサウスポー対決で、第4ゲームがなんと「ハオ帥 28ー26 程靖チィ」までもつれた。ほとんど3ゲーム分はあろうかという泥仕合……、いや大熱戦。ゲームカウント2ー1でリードしていたハオ帥がこのゲームを奪って勝利を決めた。代表選考にはあまり関係のない地味なカードだが、大いに観客の注目を集め、大歓声が送られたという。
 「ハオ帥のコツコツとマジメな試合ぶりは、チームメイトたちが学ぶに値するものだよ。卓球に対してこれほど真摯だからこそ、彼はベテランであってもチームの一員でいられるんだ。観客もその精神力に感動して、熱烈な声援を送っていたね」(劉国梁総監督/出典『捜狐体育』)

 「あるいは世界記録かもしれない」と中国でも報道されている28ー26というスコア。昨年5月の世界選手権パリ大会では、2試合で記録された21-19というスコアが最高記録だった。しかし、1月26日に終了したグローバルジュニアサーキットファイナルでは、女子準々決勝のタモルワン(タイ)vs.宋恵佳(日本)戦の第4ゲームで、「タモルワン 26-24 宋」というスコアも記録されている。世界記録というのは、少々大げさかもしれない。
  • ハオ帥、ライバルの陳杞が引退しても頑張る?

  • 健闘むなしく敗れたファイター・程靖チィ

 少々前のニュースですが、1月16〜17日に広東省・広州市の広州体育職業技術学院で行われた、「全国卓球工作会議および中国卓球協会総会」の話題をお伝えしましょう。
 この会議には中国卓球協会の会長や副会長(新規選出も含む)、各省や自治区の卓球部門の責任者、山東魯能・江蘇中超電纜などのクラブチームの責任者、スポンサーである五糧液や李寧、中国聯通の担当者など、100名以上が出席した。

 この会議の中で、中国卓球・バドミントン・サッカーの3協会を会長として束ねることになった蔡振華が興味深い構想を述べている。
 「2020年までに、15歳以下の選手たちには必ず9年間の義務教育を受けさせること。国家チームのコーチの90%、全国のコーチの70%に大学生と同レベルの学習能力を身につけさせるようにする。選手を育成するうえで、コーチが与える影響は非常に大きいものだからだ。すでに中国のコーチ陣は世界のトップレベルにあるが、長期的な発展を考えるなら、より総合的な能力を高めていく必要がある」(蔡振華)。

 「9年間の義務教育が必須」という蔡振華の発言は、日本人からすると奇妙な感じを受けるが、中国では早くからプロ的な競技環境に身を投じた結果、小学校すらまともに通っていない選手も存在する。コーチの“人間力”の向上については、次のようなコメントもある。
 「劉国梁総監督や秦志ジェンコーチも引退後に上海交通大学で学んでいる。引退後に大学でより深く学んだことと、自ら体験してきたことをうまくミックスさせれば、指導力は向上する。今後は『引退→即コーチ』というケースは少なくなっていくだろう。トップ選手でも現役引退後は、大学で数年間学ぶのが理想的だ」(蔡振華)。

 中国スポーツ界きっての切れ者、蔡振華に言われてはグウの音も出ないところ。日本のスポーツ界でも、他人事とは言い切れない。ハッキリ言ってしまえば、選手もコーチも、卓球しかできない人間は要らない、ということだ。そういう選手やコーチが、これから海外に流出してくる……可能性もある?
 
  • 奥さんの王瑾さんとともに上海交通大学で学んだ劉国梁

 1月21日、中国・河北省廊坊市にある香河国家サッカー訓練基地で、第10回中国サッカー協会・会員大会が開催。その初日、中国サッカー協会の第5代会長に、国家体育総局の蔡振華副局長が無投票で選出された。2009年2月に中国卓球協会と中国バドミントン協会の会長に就任したのに続き、2010年8月から中国サッカー超級リーグでの「八百長問題」に揺れる中国サッカー協会の立て直しを行ってきた蔡振華。これで晴れて、中国サッカー協会のトップとして、思う存分手腕を発揮できることになった。

 「中国サッカー協会の会長に選ばれて、その栄誉と感謝の気持ちは言葉にできない。我々に与えられた時間は短く、その任務は重い。私の思いを6つの文字で表すなら、『決心・信心・恒心(不変の意思)』だ」(蔡振華/出典:『現代快報』)

 現役引退後は卓球ではなく、主にテニスを趣味としてきた蔡振華。しかし、現江蘇省チーム総監督の靳魯芳氏によれば、若き日の蔡振華は大のサッカー好きで、左足から繰り出すシュートは強烈、ゴールキーパーをこなすこともあったという。1985年にイタリアにコーチ留学していた際には、当時世界最強のサッカーリーグといわれたイタリア・セリエAの大ファンだったそうだ。

 蔡振華は2011年10月、中国サッカー界の代表団とともに来日。この時、元日本男子サッカーチーム監督の岡田武史氏と会談を持ち、岡田氏の杭州緑城(中国サッカー超級リーグ)の監督就任へとつながっていった。2013年5月に蔡振華が杭州を視察した際にも、岡田氏を滞在中のホテルに招待し、中国サッカー界の未来について話し合っている。 
 「中国サッカーと日本サッカーの差を、素直に認めなければいけない」(蔡振華)。90年代前半、低迷していた中国男子を再び頂点へと押し上げた男が(卓球の話です)、中国サッカーを変えるのか。彼の能力はもう、中国卓球界だけでは収まりきらないようだ。
  • 蔡振華、体がいくつあっても足りない?

 国家男子1軍チームから正式に引退し、上海卓球・バドミントン管理センターの主任となった王励勤。現役時代は物静かで、「気は優しくて力持ち」という印象があった彼だが、指導者としてのスタートはなかなか「マッチョ」なものとなった。選手たちを引き連れ、上海市郊外の武警政治学院で1週間の軍事訓練を行ったのだ。武警とは武装警察のことで、軍隊とほとんど変わりがない。

 1月3〜9日に行われたこの軍事訓練に参加したのは、上は22歳から下は10歳まで、65名の卓球とバドミントンの選手たち。毎朝6時起床で21時には消灯。武警政治学院で警察官を束ねる劉亮氏は「選手たちは、新入りの武装警察官と同様に厳しく扱う」と容赦のないコメント。王励勤は「国家チーム時代、ぼくは何度も軍事訓練に参加してきた。若い選手たちを見ていると、その頃のことを思い出すよ」と語っている。
 ……なにやら後輩選手たちをイビる先輩のようなコメントでもある。「国を愛する気持ちとチームワークを養うことは、選手たちにとって非常に重要だ」(王励勤)。

 上海市チームは、6年ほど前に女子選手の集団脱走事件や、選手の親による暴力事件などの不祥事を起こしたことがあった。現在も男子は超級リーグで活躍しているが、女子チームはなかなか浮上のきっかけをつかめないでいる。男子も有望な若手が少なく、状況は厳しい。王励勤の手腕に注目だ。
  • 王励勤は意外に鬼教官?

「JA全農世界卓球2014東京大会」の中国代表選考会である「直通東京」。女子は1月4日の第1ステージが行われ、第2ステージへの推薦選手である李暁霞、丁寧、劉詩ウェン、武楊、陳夢、朱雨玲、文佳の7名を除く、16名の選手が出場した。
 特筆すべきは、体調不良を訴えた郭躍が推薦選手のリストから外れ、第1ステージにも出場しないこと。第1ステージには、郭躍の代わりに遼寧省チームの後輩である李佳イが出場した。まだ推薦枠での世界戦出場の可能性はあるが、もし欠場することになれば、03年パリ大会から続いていた世界選手権の連続出場記録(11大会)、世界選手権団体戦の連続出場記録(5大会)が途切れることになる。これは中国の現役選手では、男子の王皓に並ぶ記録だ。

 女子の「直通東京」第1ステージは、選手たちは4つのリーグに分かれ、各リーグ1位の選手は無条件で第2ステージ進出。2位の選手4名で順位決定トーナメントを行い、7位まで第2ステージに進めるシステムだ。結果は下記のとおり。

■女子「直通東京」第1ステージ・リーグ戦
A 1位:張薔 2位:馮亜蘭 ※3位以下:盛丹丹、李佳イ
B 1位:木子 2位:劉斐 ※3位以下:車暁曦、江越
C 1位:胡麗梅 2位:劉曦 ※3位以下:李暁丹、顧玉ティン
D 1位:劉高陽 2位:周シントン ※3位以下:趙岩、顧若辰
★張薔、木子、胡麗梅、劉高陽は第2ステージ進出

■順位決定トーナメント

馮亜蘭 W/L 周シントン 劉曦 W/L 劉斐
★馮亜蘭、劉曦は第2ステージ進出
周シントン W/L 劉斐
★周シントンは第2ステージ進出

 ……詳細なスコアや順位が不明なのですが、ご容赦ください。
 女子第1ステージでは、超級リーグで活躍する李暁丹や、長身の右シェークドライブ型・趙岩などが敗退。趙岩は試合後に孔令輝監督からお叱りの言葉を受けている。また、昨年12月の世界ジュニアで優勝した顧玉ティンは第2ステージに進めず、同大会2位の劉高陽がD組1位通過と明暗を分けた。
 右ペンドライブ型の張薔、右ペン粒高攻守型の周シントンの第2ステージ進出は、ペンホルダーファンにはうれしいニュース。第2ステージの日程は現在調整中とのことだ。
  • 女子では貴重なペンドラ、張薔

  • 陳静(88年五輪優勝)に近いセンスを感じる劉高陽

 皆様、明けましておめでとうございます。中国リポート、本年も宜しくお願いいたします!

 2014年のニュース第1弾は、現在行われている世界卓球2014東京大会(団体戦)の中国代表選考会「直通東京」の結果からお伝えしましょう。まずは男子の結果から。
 前回の「直通巴黎(パリ)」では、ファンによるネットでの人気投票なども選抜システムに組み込むなど、新たな試みを行った中国卓球協会だが、今回の男子「直通東京」は「遊び」はなし。全国24の省・直轄市の選手たちによるリーグ戦からスタートし、国家2軍チームの選手を加え、1軍チームの下位選手を加え、代表候補のトップ選手を加え……と計8ステージものリーグ戦によってひとりずつ代表を決定していくという、地獄の連続リーグ戦方式だ。

 12月28日から1月1日にかけては、推薦選手である王皓・張継科・馬龍・許シン・樊振東・閻安の6名を除いた国家1軍チームの選手たちと、第3ステージまでのリーグ戦を勝ち抜いた国家2軍チーム&省・市チームの選手たちによる2グループのリーグ戦(第4ステージ)が行われた。その結果は下記のとおり。

A 1:ハオ帥(7勝2敗)/2:梁靖崑(6勝3敗)/3:程靖チィ(6勝3敗)
※上記の3名は「直通東京」の第5ステージ進出

4位以下:劉イ、徐晨皓、任皓、方博、崔慶磊、張ユ東、尹航
B 1:林高遠(7勝2敗)/2:周雨(7勝2敗)/3:孔令軒(6勝3敗)
※上記の3名は「直通東京」の第5ステージ進出

4位以下:劉吉康、尚坤、鄭培峰、馬特、呉ハオ、范勝鵬、朱霖峰

 この第4ステージを通過したハオ帥・梁靖崑・程靖チィ・林高遠・周雨・孔令軒という6名の顔ぶれを見ると、なんと右利きは梁靖崑だけ。6名中5名がサウスポーという結果になった。一方で、張継科ら推薦選手6名のうちサウスポーは許シンだけなので、「直通東京」の男子第5ステージは、右利き6名・左利き6名の12名で行われるという興味深い結果となっている。
 第5ステージは1月16〜23日に開催。優勝者が世界卓球2014東京大会の中国男子代表第1号となる。第6ステージは8名まで人数が絞られ、2月25日〜3月3日に行われ、優勝者は同じく中国男子代表に内定する仕組みだ。
  • ハオ帥、まだまだ健在?

  • 林高遠、第4ステージ突破は大健闘だ

 先日の中国リポートで、馬琳が国家男子1軍チームを正式に引退することをお伝えした。劉国梁総監督は、馬琳の結婚式に際し、馬琳を含む8名の選手が国家男子1軍チームを引退することを発表した。馬琳、王励勤、陳杞、邱貽可、張超、ジャイ(曜の右側)超、ジャイ一鳴、許鋭鋒の8名だ。

 中国男子チームの「龍虎」と呼ばれた馬琳と王励勤のライバル関係は、国家チーム引退をもって終止符を打つことになる。王励勤が大逆転勝利を収めた07年世界選手権決勝、馬琳が王励勤のラケット破損を見逃さず、動揺を誘って勝利を収めた08年北京五輪準決勝。思い起こせば数々の名勝負があるが、最後の大一番となったのは、10年世界団体選手権の代表選考会「直通モスクワ」の第5代表決定戦か。
 馬琳は中国の卓球雑誌「ピンパン世界」で「国家チームの中でも、ぼくらほど長く戦ってきたふたりの選手というのはいない。今のチームの主力は張継科と馬龍だけど、彼らはまだビッグゲームで対戦したことがない。ぼくたちのライバル関係とは比べることはできない」と語っている。

 王励勤は上海市卓球・バドミントン管理センターの副主任から主任に昇格し、馬琳は広東省卓球・バドミントン管理センターの副主任に就任。陳杞も江蘇省男子チームの監督となるなど、国家チームの一線級で活躍した選手たちには、指導者としての第二の人生が約束されている。
 一方、まだ21歳の許鋭鋒(07年世界ジュニア選手権2位)などは、国家チームで「芽が出なかった」選手。海外でのプレーを希望しているという。すでに中国以外の国の代表選手として、世界選手権やワールドカップに出場することはできないが、ヨーロッパなどのプロリーグで活躍し、五輪出場を目指して代表チームに入る可能性はあるだろう。

 2013年も中国リポートをご覧頂き、ありがとうございました。卓球に関するニュースがあふれている中国、来年はもっとスピーディな更新を心がけたいと思います。2014年も宜しくお願いいたします!
  • 王励勤、結婚はまだしばらく先……?

  • 馬琳は波乱に富んだ競技人生だった

 少し前のニュースになってしまったが、12月8日、北京の四季飯店(フォーシーズンズ・ホテル)で、08年北京五輪金メダリストの馬琳と張雅晴さんの結婚披露宴が行われた。国家チームの劉国梁総監督、孔令輝女子監督をはじめ、多くの卓球関係者が出席。馬龍と許シンが介添人(アテンダー)を務めた。
 張雅晴(チャン・ヤァチン)さんは今年31歳。河北省邯鄲市の出身で、馬琳の2歳年下。スラリと長身の美人で、以前は新体操のプロ選手だったという。すでに後輩の王皓、陳杞がひと足先にパパになっているが、馬琳は「その時がくれば自然にできるものだから、無理に子どもを作ろうとは思わないよ」とコメントしている。

 ちなみに、馬琳にとってこれは二度目の結婚。前妻である女優の張寧益さんとは、財産分与などを巡って泥沼の離婚裁判が繰り広げられ、卓球ファン以外からも注目を集めてしまった。張雅晴さんに「自分の人生の暗黒期を支えてくれた」と感謝の言葉を述べた馬琳だが、「張寧益が裁判でその存在を主張した愛人こそ、張雅晴その人だ」と告発するネットユーザーもいて……。まあ、めでたいニュースに蛇足はやめておきましょう。

 この披露宴に際して馬琳は、正式に国家男子1軍チームを引退したことを発表し、広東省卓球・バドミントン管理センターの副主任の座に就くことが明らかになった。馬琳と同時に、王励勤ら多くの選手が国家1軍チームから引退。それはまた次のリポートでお伝えします。

※写真提供:『ピンパン世界』。下3枚はふたりで撮影した記念写真