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中国リポート

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★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第11節 9.12 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3−1 広東陳静〉
○閻安 7、5、9 宋鴻遠
 林高遠 −5、10、7、−12、5-7 劉吉康○
○朱世爀/林高遠 10、−10、7-4 宋鴻遠/尹航
○閻安 9、10、−4、−9、7-5 劉吉康

〈覇州海潤 3−1 上海金邁馳〉
 梁靖崑 −6、−6、10、8、5-7 許シン○
○崔慶磊 −4、9、4、−9、7-5 尚坤
○崔慶磊/程靖チィ 9、6 許シン/張洋
○梁靖崑 4、8、−9、−10、7-2 尚坤

〈八一熔盛重工 3−2 渤海銀行・天津〉
○周雨 5、4、−4、5 李平
 樊振東 4、−7、16、−5、5-7 ハオ帥○
 樊振東/徐晨皓 7、−8、3-7 李平/張ユク○
○周雨 9、6、−10、−9、7-5 ハオ帥
○徐晨皓 9、−8、7-4 張ユク

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3−0 山東魯能〉
○林晨 6、−9、7、5 侯英超
○馬琳 8、6、6 張超
○林晨/蔡偉 8、9 張超/呉ハオ

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第11節 9.12 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3−1 金華銀行〉
○木子 3、7、−8、8 劉ジン
○郭躍 8、−9、6、−4、7-5 胡麗梅
 曹臻/劉曦 −5、−7 周シントン/劉ジン○
○木子 9、5、8 胡麗梅

〈大土河・華東理工 3−2 大連新衡業・上方〉
 鄭詩暢 −5、−4、5、−6 文佳○
○劉詩ウェン 8、−9、10、6 常晨晨
 饒静文/車暁曦 −5、7、2-7 常晨晨/李佳イ○
○劉詩ウェン −11、7、4、6 文佳
○車暁曦 −7、8、10-8 李佳イ

〈大同平型関・金地砿業 3−1 山東魯能〉
○武楊 9、−5、8、3 陳夢
○李暁丹 10、6、8 李暁霞
 李暁丹/馮天薇 −7、−5 陳夢/顧玉ティン○
○武楊 7、−9、5、キケン 李暁霞

〈北控燕京啤酒 3−2 鄂尓多斯東方路橋〉
○郭炎 7、6、5 趙岩
 曾尖 7、9、−5、−5、5-7 朱雨玲○
○李天一/盛丹丹 9、4 趙岩/朱朝暉
 郭炎 7、−14、5、−7、3-7 朱雨玲○
○盛丹丹 6、−9、7-4 張薔

4年に1回のビッグイベント、全中国運動会の閉幕からわずか2日後、早くも超級リーグが再開された。
男子では、第10節の終了時点で首位に立っていた上海が覇州に苦杯。上海は全中国運動会で4種目を戦い抜き、疲労困憊(こんぱい)だった王励勤の欠場が響いた。覇州はこれが今シーズンの初勝利。全中国運動会で馬琳を破ってベスト8の崔慶磊、馬龍とクロスゲームを演じた梁靖崑、王皓からマッチポイントを奪った程靖チィと、これから上位チームにひと泡吹かせるだけの戦力は備えている。
寧破は全中国運動会のチャンピオンに輝いた馬龍は欠場。同大会ベスト8の閻安がシングルス2得点を挙げ、広東を下した。八一は全中国運動会2位の樊振東はさすがに疲れがあったのか、単複で2失点を喫したが、周雨が李平とハオ帥を連破して勝利に貢献した。

女子は全中国運動会優勝の李暁霞が、大同戦4番の武楊戦で途中棄権した。『捜狐体育』の報道によれば、背中を傷めて来週の女子ワールドカップ出場も危ぶまれる状態。ITTF(国際卓球連盟)も李暁霞の故障と、武楊へのエントリー交替の可能性を伝えている。全中国運動会では右ひざのテーピングが目を引いた李暁霞、やはり体は満身創痍(まんしんそうい)。山東はプレーオフ進出がかなり厳しくなってきた。

八一の郭躍も全中国での首の故障の再発で、残りの超級リーグへの参戦が不安視されていたが、金華戦で相手エースの胡麗梅に競り勝った。女子ダブルス決勝で対戦して敗れ、地元でのタイトル獲得を阻止された木子と曹臻は、超級ではチームメイトだ。
  • 上海戦で決勝点をあげた梁靖崑

  • 李暁霞、激戦の代償はさすがに大きかった

 8月20・22日、河北省保定市で英利杯・世界卓球女子『攻削大戦』が開催。『攻』は攻撃、『削』はカット、つまり攻撃型とカット型の対抗戦。中国、そして世界各国から攻撃型とカット型のトップ選手12名が集い、熱戦を展開した。
 すでに男子では中国と世界のトップ選手による『直横大戦』(シェーク対ペンホルダー大戦)が行われている。国家女子チームの孔令輝監督は、「女子の卓球界ではカット主戦型の選手はかなりいるし、攻撃とカットの対戦は見て面白い。だから我々はこの攻削大戦を思いついたんだ」と語っている。

 開催地となった保定市は、73年世界男子チャンピオンの郗恩庭をはじめ、高軍や王浩(カットのほうです)、牛剣鋒らを輩出してきた卓球の街。試合は2日に分けて開催され、最終ゲームは7点先取の5ゲームズマッチという「超級リーグ方式」で行われた。各試合の結果は下記のとおり。

★8月20日
曹臻(中国/攻球隊) 3−0 イバンチャン(ドイツ/削球隊)
范瑛(中国/削球隊) 3−1 黄怡樺(チャイニーズタイペイ/攻球隊)
李暁霞(中国/攻球隊) 3−0 徐孝元(韓国/削球隊)
★8月22日
武楊(中国/削球隊) 3−1 サマラ(ルーマニア/攻球隊)
胡麗梅(中国/削球隊) 3−2 馮天薇(シンガポール/攻球隊)
丁寧(中国/攻球隊) 3−0 ビレンコ(ウクライナ/削球隊)

※2日合計で3−3となり、プレーオフとしてダブルスを開催(1ゲームズマッチ)
胡麗梅/ビレンコ 7−5 丁寧/サマラ

★合計スコア4−3で削球隊の勝利!

 試合は意外にも削球隊(カットチーム)が勝利。……というより、結局は中国選手が6戦全勝だった。中国の誇る范瑛・武楊・胡麗梅というカット3枚は強力で、この3人がいるのだから、攻撃型のカット攻略がハイレベルなものになるのも道理。他国のカット主戦型の選手たちはノーチャンスだった。
 3試合連続でカットの選手が出てくるのも、ちょっとお腹いっぱいな気はするが、なかなか興味深いこの試み。選手たちが「連衣裙(リェンイーチュン/ワンピース)」のウェアに身を包んだことでも注目を集めたが、こちらは……まだ発展途上か。孔令輝監督は「今年はスケジュールが合わなかったが、来年は可能ならぜひ参戦してほしい」と福原愛選手の参戦も熱望しているようだ。

 中国では明後日の9月1日から、遼寧省鞍山市で第12回全中国運動会・卓球競技が開催。取材陣(中国レポート担当ひとりです…)は9月2日に現地入りし、3日の団体準々決勝から取材をスタートする予定です。現地の組織委員会からは「取材IDは空港で渡すよ」「ホテルは予約しなくていい。よりどりみどり、どんな部屋でもあるよ」と優しい言葉(?)をいただいておりますが、どうなりますやら。全中国速報でディープな情報をお届けしますので、お楽しみに!
★2013中国卓球クラブ超級リーグ・男子途中順位(第10節終了時)
1 上海金邁馳(8勝1敗/17点)
2 山東魯能(6勝3敗/15点)
2 寧波海天塑機(7勝1敗/15点)
2 八一熔盛重工(6勝3敗/15点)
5 江蘇中超電纜・利永紫砂(5勝4敗/14点)
6 渤海銀行・天津(3勝6敗/12点)
6 広東陳静(3勝6敗/12点)
8 四川長虹(2勝7敗/11点)
9 覇州海潤(0勝9敗/9点)
※得点は勝利すると2点、敗れると1点で計算

☆2013中国卓球クラブ超級リーグ・女子途中順位(第10節終了時)
1 山西大土河・華東理工(9勝0敗/18点)
2 大同平型関・金地砿業(7勝2敗/16点)
3 八一冀中能源(6勝2敗/14点)
4 山東魯能(4勝5敗/13点)
4 北控燕京啤酒(4勝5敗/13点)
4 鄂尓多斯東方路橋(4勝5敗/13点)
4 金華銀行(4勝5敗/13点)
8 大連新衡業・上方(2勝7敗/11点)
9 広東二沙(0勝9敗/9点)
※得点は勝利すると2点、敗れると1点で計算

 残り4節で中断期間に入った、超級リーグ男女第1ステージ(全14節)。第10節終了時点での途中順位は、上記のとおり。男子の寧波海天塑機、女子の八一冀中能源は消化試合が1試合少ない。
 男子は新規参入の広東の健闘が目立つほかは、9チームがほぼ実力どおりの順位で並んでいる。プレーオフ進出のチャンスがあるのは、5位の江蘇までだろう。第9節で寧波との大一番を制した上海が8勝1敗で首位。3番手の尚坤が王励勤をしのぐ活躍を見せている。ダブルスが通算8勝1敗と非常に強く、対戦するチームに応じて、王励勤/許シンと王励勤/尚坤のダブルスを使い分けられるのも強みだ。山東・八一と並んで2位につける寧波も、2番手の閻安の故障が長引かなければ、プレーオフ進出は堅い。

 八一のエース・王皓は第4節の出場を最後に欠場が続いている。故障による欠場という報道もあったが、中国オープンで松平健太に敗れた後、「結婚してからずっと計画的な練習ができていない」とコメントしているので、若手への世代交代をにらんだ「結婚休暇」か。チームは樊振東・周雨・徐晨皓という若手トリオが、危なっかしくも頼もしい戦いぶりを見せているが、第11節以降の勝負どころでは王皓が出場しそうだ。

 女子は山西が男女を通じて唯一の全勝をキープ。エース劉詩ウェンは、中国オープン決勝を右肩の故障で途中棄権するなど、かなり金属疲労がたまっている様子。一昨年まで所属した広東ほどではないにせよ、劉詩ウェン頼みのチーム事情に変わりはない。第8節で丁寧を破った馮亜蘭、続く第9節ラストで曹臻を破る金星を挙げた車暁曦など、貴重な働きを見せているチームメイトが、どれだけ彼女の負担を軽くできるか。
 女子は3位の八一まで、プレーオフ進出の可能性が濃厚になっている。問題は4勝5敗で並んでいる4位の4チーム。山東はエース李暁霞と若手の陳夢・顧玉ティンの勝ち星がなかなか噛み合わず、北控(北京)はエース丁寧が9勝7敗と不調。強豪チームが不振で、リーグ全体がもうひとつ盛り上がらない感がある。
  • 今シーズン限りで引退する王励勤、これまで単8勝2敗は見事な成績

  • 単12勝1敗、勝率は断然トップの劉詩ウェン

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第10節 7.31 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈上海金邁馳 3−0 広東陳静〉
○尚坤 7、9、7 オフチャロフ
○許シン 8、8、11 劉吉康
○許シン/王励勤 5、1 オフチャロフ/尹航

〈渤海銀行・天津 3−0 四川長虹〉
○ハオ帥 5、3、9 許鋭鋒
○荘智淵 −6、6、8、7 邱貽可
○李平/荘智淵 7、11 王建軍/朱霖峰

〈山東魯能 3−0 覇州海潤〉
○張超 −8、6、5、9 崔慶磊
○張継科 −7、−9、2、3、7-5 梁靖崑
○張超/呉ハオ 5、7 范勝鵬/梁靖崑

〈江蘇中超電纜 3−2 八一熔盛重工〉
 陳杞 −8、−9、−6 周雨○
○馬琳 8、9、6 樊振東
○陳杞/徐輝 12、3 徐晨皓/樊振東
 馬琳 −11、9、−9、−9 周雨○
○ボル 7、6 徐晨皓

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第10節 7.31 ☆☆☆

〈大土河・華東理工 3−0 金華銀行〉
○饒静文 10、7、−8、6 胡麗梅
○劉詩ウェン 4、5、−9、5 周シントン
○饒静文/車暁曦 5、7 楊楊/劉ジン

〈山東魯能 3−1 広東二沙〉
○李暁霞 7、8、−8、9 広東二沙
○顧若辰 10、4、−5、5 張遅
 顧若辰/顧玉ティン −4、−8 熊欣芸/呉ジエ○
○李暁霞 2、−9、9、7 張遅

〈大連新衡業・上方 3−1 北控燕京啤酒〉
○文佳 9、10、−8、−5、8-6 郭炎
 常晨晨 −17、8、−9、−8 丁寧○
○文佳/李佳イ −9、5、7-4 丁寧/盛丹丹
○常晨晨 キケン 郭炎

〈大同平型関・金地砿業 3−2 鄂尓多斯東方路橋〉
○武楊 7、6、4 趙岩
 李暁丹 5、−6、−8、−9 朱雨玲○
○李暁丹/馮天薇 4、3 趙岩/朱朝暉
 武楊 −9、−9、−4 朱雨玲○
○劉高陽 8、3 張薔

 誠に今さらではありますが、超級男女10節の記録です。
 男子では、江蘇のボル(ドイツ)が八一戦ラストで徐晨皓に完勝し、チームに貴重な白星をもたらした。先日もお伝えしたとおり、ボルとオフチャロフの超級参戦は、この第10節が最後。中国にアカウントを持っている自身の微博(マイクロブログ)で、次のように述べている。
 「重要な勝利、そして素晴らしいフィナーレだ。ぼくは第5戦で徐晨皓に勝ち、チームの勝利に貢献することができた。ぼくは8勝2敗という成績で、今シーズンの超級リーグを戦い終えたことになる。ブンデスリーガが始まるから、ふたつを掛け持ちすることはできないんだ。中国でのこの2カ月を、とてもハッピーに過ごすことができたよ!」

 オフチャロフの最終成績は6勝3敗。新規参戦の広東陳静の、貴重な戦力となったことは間違いない。彼も自身のフェイスブックで「超級リーグに出てくる中国選手はみんな強い。この国の卓球に対する情熱はすごいね、どこに試合に行っても観客でいっぱいだ」と語っている。

 女子では、北控の郭炎が大連戦トップで文佳と大激戦を演じた後、故障のため4番を棄権。体のあちこちに古傷を抱える郭炎、どの箇所の故障かは明らかではないが、開幕が間近に迫った全中国運動会に向け、大きな故障には気を付けたいところ。一方の大連は全中国運動会が地元・遼寧省での開催ということもあり、全体に調子は上向きだ。
 また、広東はダブルスで山東から1勝をもぎ取った。チームは1−3で敗れたとはいえ、第1ステージの全16節をオール0−3のストレート負け、という事態はまぬがれている。
  • 単6勝を挙げたオフチャロフ

  • 鄂尓多斯(オルドス)戦ラストで勝利した大同のサウスポー・劉高陽

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第9節 7.28 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈上海金邁馳 3−1 寧波海天塑機〉
 許シン 8、−7、9、−4、6-8 馬龍○
○尚坤 5、12、7 朱世爀
○尚坤/王励勤 5、−7、7-1 馬龍/林高遠
○許シン 2、−12、3、4 朱世爀

〈山東魯能 3−1 広東陳静〉
○張継科 8、7、11 尹航
 張超 −7、−10、7、11、3-7 オフチャロフ○
○張超/呉ハオ 7、5 劉吉康/尹航
○張継科 −3、7、6、9 オフチャロフ

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3−2 四川長虹〉
 馬琳 5、−2、8、−12、1-7 許鋭鋒○
○ボル 8、6、9 邱貽可
 陳杞/呉家驥 −8、−9 王建軍/朱霖峰○
○馬琳 −11、8、7、4 邱貽可
○呉家驥 10、−5、7-4 朱霖峰

〈八一熔盛重工 3−0 覇州海潤〉
○周雨 10、8、6 崔慶磊
○徐晨皓 2、−4、6、−3、7-2 梁靖崑/范勝鵬
○周雨/樊振東 7、6 梁靖崑/范勝鵬

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第9節 7.28 ☆☆☆

〈大土河・華東理工 3−2 八一冀中能源〉
 馮亜蘭 −9、−6、−3 郭躍○
○劉詩ウェン 10、9、12 木子
 馮亜蘭/饒静文 −7、14、3-7 木子/曹臻○
○劉詩ウェン −8、4、−5、5、9-7 郭躍
○車暁曦 5、−7、7-3 曹臻

〈北控燕京啤酒 3−0 金華銀行〉
○郭炎 10、4、−9、8 楊楊
○丁寧 7、9、3 胡麗梅
○李天一/郭炎 8、6 周シントン/劉ジン

〈鄂尓多斯東方路橋 3−0 広東二沙〉
○朱雨玲 −8、6、3、9 熊欣芸
○ユ・モンユ 7、11、−9、4 張遅
○趙岩/朱朝暉 7、8 熊欣芸/呉ジエ

〈大同平型関・金地砿業 3−1 大連新衡業・上方〉
 李暁丹 −10、−6、−12 常晨晨○
○武楊 3、2、4 文佳
○李暁丹/馮天薇 9、8 李佳イ/文佳
○武楊 10、9、5 常晨晨

 スミマセン、またやってしまいました。大変遅ればせながら、超級リーグ第9節の結果です。ちなみに8月は全中国運動会の準備期間として、超級リーグはお休み。全中国運動会閉幕後の9月12日に再開されます。

 超級リーグの男子第9節は、ここまで開幕から7連勝中の寧波海天塑機に初めて土がついた。試合当日の午前中の練習で、閻安が右肩を傷めるアクシデント。寧波には馬龍・閻安・林高遠・朱世爀と4名しか選手がおらず、ひとり欠けると人数は試合に出場できる3名ギリギリ。常にシングルス2点起用のエース馬龍をダブルスに起用して勝負に出たが、上海の尚坤/王励勤ペアに一日の長があった。寧波は続く第10節が休みなのは不幸中の幸いだ。

 また、ドイツから参戦しているオフチャロフとボルは、ともにシングルスで1勝ずつ挙げる活躍。オフチャロフは張超とのパワーヒッター対決を制し、ボルは03年パリ大会で敗れた因縁の相手・邱貽可を完封した。予想以上に活躍を見せているボルとオフチャロフだが、ドイツ・ブンデスリーガやロシアリーグ開幕のため、超級リーグ参戦は第10節が最後となる。

 女子では、唯一全勝をキープしている大土河・華東理工が、開幕から無傷の8連勝。八一冀中能源には大いに苦しめられたが、エース劉詩ウェンが4番郭躍との激戦をゲームオール9-7で乗り切り、ラスト車暁曦の殊勲の星へつなげた。
 北控燕京啤酒は金華銀行を下し、連敗を3でストップ。エース丁寧はカットの胡麗梅に完勝した。ここ3試合で1勝5敗と不調に苦しむ丁寧は「ようやく『勝てる感覚』を取り戻しました。熱いファンの声援で、会場の雰囲気は最高でした」とコメントしている(出典:『北京日報』)。
  • ボルは中国にもかなり馴染んできた様子

  • 曹臻を破る活躍を見せた車暁曦

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第8節 7.24 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3−0 渤海銀行・天津〉
○馬龍 6、8、−5、2 張ユク
○閻安 10、3、−5、7 ハオ帥
○閻安/林高遠 8、9 張ユク/李平

〈上海金邁馳 3−2 山東魯能〉
○許シン 5、4、9 張継科
 尚坤 −10、−10、17、11、4-7 張超○
○王励勤/許シン 7、−10、7-5 張超/呉ハオ
 尚坤 −4、−2、−4 張継科○
○王励勤 6、9 侯英超

〈広東陳静 3−2 八一熔盛重工〉
 オフチャロフ −7、5、8、−9、3-7 樊振東○
○劉吉康 −8、8、9、−1、9-7 王皓
 劉吉康/尹航 −10、−11 樊振東/徐晨皓○
○オフチャロフ 3、−10、−8、9、7-4 王皓
○尹航 −4、7、8-6 徐晨皓

〈四川長虹 3−2 覇州海潤〉
○邱貽可 −8、7、4、2 ジャイ超
 許鋭鋒 −4、−4、4、−6 崔慶磊○
○王建軍/朱霖峰 4、7 ジャイ超/程靖チィ
 邱貽可 10、−8、−8、−9 崔慶磊○
○王建軍 −10、9、7-5 程靖チィ

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第8節 7.24 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3−2 山東魯能〉
○郭躍 −9、10、9、9 顧玉ティン
 木子 −7、−4、7、9、7-9 李暁霞○
○木子/曹臻 3、6 顧玉ティン/顧若辰
 郭躍 −10、3、−4、−9 李暁霞○
○曹臻 −8、4、7-4 顧若辰

〈大土河・華東理工 3−1 北控燕京啤酒〉
 劉詩ウェン −8、−8、11、−10 郭炎○
○馮亜蘭 22、−7、9、7 丁寧
○馮亜蘭/饒静文 −11、9、8-6 李天一/郭炎
○劉詩ウェン 7、5、9 丁寧

〈金華銀行 3−2 大同平型関・金地砿業〉
○周シントン −10、7、6、5 武楊
 胡麗梅 −7、−4、−9 李暁丹○
○楊楊/劉ジン 8、3 馮天薇/劉高陽
 周シントン −11、14、−7、6、2-7 李暁丹○
○楊楊 −4、6、7-2 馮天薇

〈大連新衡業・上方 3−0 広東二沙〉
○常晨晨 6、3、2 呉ジエ
○文佳 5、4、9 熊欣芸
○文佳/李佳イ 7、6 呉ジエ/張遅

 超級リーグの第1ステージも折り返しの第8節を迎えた。
 男子では、馬龍率いる寧波が渤海に快勝し、男子では唯一の7連勝。また、広東が八一を破る殊勲の星を挙げている。「王皓は世界のベストプレーヤーのひとり。最近の戦績は1勝1敗なので、全力で勝ちに行きたい」(出典:『広州日報』)と試合前に語っていたオフチャロフ。その意気込みどおり、見事に結果を残してみせた。アメリカやスウェーデンで長くプレーした王飛監督は英語がペラペラで、チームにはドイツ語が堪能な王志コーチ兼通訳もいる。オフチャロフも意外にすんなりとチームに溶け込めているようだ。一方、敗れた八一の徐晨皓は、前節の張継科戦の勝利から、一転してラストで痛恨の敗戦。まだまだ若い。

 女子は大連が広東に快勝し、開幕から7試合目でようやく初勝利。全敗対決に敗れた広東は、7試合すべて0−3でのストレート負け。第1ステージの残り8試合、このあまりに絶望的な戦いを続けていくしかない。
  • 初参戦の超級リーグで、健闘が光るオフチャロフ

  • 大同戦ラストで馮天薇を破った、金華の楊楊。07年世界ジュニア女王です

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第7節 ★★★

〈寧波海天塑機 3−0 山東魯能〉
○閻安 9、−6、7、3 方博
○馬龍 9、−7、6、8 張超
○閻安/林高遠 16、10 張超/呉ハオ

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3−1 渤海銀行・天津〉
○馬琳 7、10、3 ハオ帥
○ボル −9、1、−9、8、8-6 張ユク
 馬琳/陳杞 −11、−8 張ユク/李平○
○ボル 7、7、8 ハオ帥

〈八一熔盛重工 3−2 上海金邁馳〉
 周雨 −4、−10、13、−8 許シン○
○樊振東 10、−8、5、5 尚坤
 周雨/徐晨皓 −10、−6 王励勤/尚坤○
○樊振東 −5、8、8、11 許シン
○徐晨皓 9、10 王励勤

〈四川長虹 3−2 広東陳静〉
 許鋭鋒 −10、6、−8、−11 オフチャロフ○
○邱貽可 5、3、−7、9 劉吉康
○王建軍/朱霖峰 −6、9、9-7 劉吉康/尹航
 邱貽可 −10、8、−5、−5 オフチャロフ○
○王建軍 7、7 尹航

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第7節 7.21 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3−2 北控燕京啤酒〉
○木子 7、12、−9、11 丁寧
○郭躍 4、7、6 郭炎
 木子/曹臻 7、−9、4-7 李天一/郭炎○
 郭躍 8、−4、−7、−4 丁寧○
○曹臻 6、−8、8-6 盛丹丹

〈鄂尓多斯東方路橋 3−2 山東魯能〉
 朱雨玲 3、−10、−6、−6 顧若辰○
 趙岩 −6、9、−9、−7 李暁霞○
○趙岩/朱朝暉 8、8 顧玉ティン/王シュアン
○朱雨玲 6、−8、5、−6、7-3 李暁霞
○張薔 3、−9、8-6 王シュアン

〈大土河・華東理工 3−1 大同平型関・金地砿業〉
○劉詩ウェン 11、7、9 馮天薇
○范瑛 4、−7、5、5 李暁丹
 范瑛/鄭詩暢 −8、−8 馮天薇/劉高陽○
○劉詩ウェン −8、9、8、3 李暁丹

〈金華銀行 3−0 広東二沙〉
○胡麗梅 7、−13、10、8 熊欣芸
○楊楊 3、1、6 李予冬
○周シントン/劉ジン 12、8 熊欣芸/呉ジエ

 6月末から7月初旬の2週間の中断を経て、中2日、中3日という強行軍で日程を消化する超級リーグ。7月10日から31日までの20日あまりで実に7試合をこなすハードなスケジュールだ。その代わり7月31日の第10節が終わると、8月は超級の試合はなく、9月12日に第11節が行われる予定になっている。

 超級リーグ第7節の男子では、寧波と山東の強豪対決が実現。試合が行われたのは、「東洋のハワイ」と言われている海南島の……山の中にある屯昌県。寧波は4年連続で、「卓球の街づくり」を目指すこの屯昌県の体育館でホームゲームを行っている。会場は大入り満員。山東のエース張継科の欠場で試合がワンサイドゲームになったのは、観客にとっては残念だったに違いないが、地元の卓球ファンと選手とのエキシビションマッチなども行われた。
 エース王皓の欠場が続く八一は、樊振東と徐晨皓の活躍で上海の連勝をストップ。また、四川長虹が広東陳静との接戦を制し、久々の勝利を挙げたことも大きなトピックスだ。2011年シーズンの第6節で江蘇に勝利して以来、実に28連敗中だった四川が、656日ぶりに味わった勝利の美酒。女子の朱雨玲(四川省綿陽市出身)のような新星は現れず、ここ数年は低空飛行が続く四川省男子チームだが、女子は06年シーズンを最後に超級リーグから遠ざかっており、超級の舞台に立てるだけまだマシ、と言えなくもない。左シェークドライブ型の強打者・朱霖峰らの成長が期待されている。

 女子は大土河と大同という全勝チームが激突し、劉詩ウェンがきっちり2勝を挙げた大土河が、女子では唯一の開幕7連勝。昨シーズンに続く2連覇へ向け、快調にシーズン序盤から飛ばしている。この第7節を見ても、丁寧は木子、李暁霞は朱雨玲と格下相手に黒星を喫しているが、大土河のエース劉詩ウェンは超級リーグでの取りこぼしがほとんどなく、その勝率は圧倒的に高い。その一方で、ビッグゲームでは最後の最後で息切れしている印象がある。シングルス2勝を義務づけられていた広東から、選手層の厚い大土河へ移籍してきたのだから、「もう少し肩の力を抜いて……」と思うのは余計なお世話か。
  • 広東戦でラストを締めた、四川の王建軍。柳承敏のコピー選手という経歴、懐かしいです

  • 超級でも常に全力投球の劉詩ウェン。この連戦は結構キツいはず

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第6節 7.17 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3−2 江蘇中超電纜・利永紫砂〉
○馬龍 8、6、5 馬琳
 閻安 5、−2、−1、5、6-8 ボル○
 林高遠/閻安 −8、8、3-7 馬琳/陳杞○
○馬龍 −9、−2、7、7、7-4 ボル
○朱世爀 −7、9、7-5 陳杞

〈八一熔盛重工 3−1 山東魯能〉
 周雨 −6、6、10、−8、2-7 張継科○
○徐晨皓 9、6、−8、4 張超
○周雨/樊振東 9、11 張超/呉ハオ
○徐晨皓 8、−4、10、−9、8-6 張継科

〈渤海銀行・天津 3−0 覇州海潤〉
○ハオ帥 3、8、9 崔慶磊
○荘智淵 −6、−4、9、8、7-5 ジャイ超
○ハオ帥/李平 9、4 ジャイ超/程靖チィ

〈上海金邁馳 3−0 四川長虹〉
○尚坤 8、4、8 邱貽可
○許シン 6、10、−11、7 許鋭鋒
○王励勤/許シン 5、−2、9-7 邱貽可/王建軍

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第6節 7.17 ☆☆☆

〈八一冀中能源 3−0 鄂尓多斯東方路橋〉
○木子 13、7、−4、6 朱雨玲
○郭躍 4、−7、6、7 ユ・モンユ
○木子/曹臻 7、9 趙岩/朱朝暉

〈大同平型関・金地砿業 3−1 北控燕京啤酒〉
○李暁丹 9、8、−9、−7、7-4 丁寧
 武楊 −4、−8、10、−5 郭炎○
○李暁丹/馮天薇 5、4 李天一/盛丹丹
○武楊 10、8、−11、10 丁寧

〈山東魯能 3−0 大連新衡業・上方〉
○李暁霞 9、−11、7、8 常晨晨
○陳夢 7、−15、17、4 文佳
○陳夢/顧玉ティン −11、6、7-5 常晨晨/陳幸同

〈大土河・華東理工 3−0 広東二沙〉
○馮亜蘭 5、8、−7、−6、7-2 熊欣芸
○劉詩ウェン 4、7、8 李予冬
○饒静文/馮亜蘭 9、3 張遅/呉ジエ

 超級リーグ男女第6節は、なかなか興味深い結果になった。
 まず男子。寧波と江蘇の一戦は、トップで馬龍が馬琳に完勝したが、そこから大熱戦にもつれ込む。江蘇は2番でボルが閻安を破り、馬琳/陳杞という04年アテネ五輪優勝ペアがダブルスも制して2−1とリード。4番でもボルが馬龍をゲームカウント2−0とリードして、勝利まであと一歩だった。しかし、2番でもゲームオールの試合を戦い抜いたボルは、会場の暑さと湿気に体力を奪われ、惜しくも逆転負け。ラストでも陳杞が朱世爀にあと一歩及ばず、江蘇の「ジャイアント・キリング」はならなかった。

 男子からもうひと試合。王皓が欠場し、若手主体のメンバー構成となった八一が山東を撃破した。徐晨皓がシングルス2得点を挙げ、4番では張継科を破った。
 第3ゲーム、張継科が10−9でゲームポイントを奪いながら、徐晨皓が逆転して12−10でこのゲームを奪取。最終ゲームは6−4の徐晨皓のマッチポイント(最終ゲームは7点先取)から張継科が6−6に追いつくも、徐晨皓7−6の3回目のマッチポイントで、徐晨皓のボールがエッジとなり、熱戦に決着がついた。
 ジャパンオープン荻村杯では決勝で塩野真人のカットを全く打てず、記者会見でふてくされていた徐晨皓。微博(マイクロブログ)では「ぼくにとって初めてのワールドツアー、皆さん優勝できなくてスミマセン。ここで得た経験のすべてを推進力に変えて、新しいスタートを切ります」と語っていた。堂々たる体格の持ち主で、バックハンドが非常に強いプレースタイルは現代卓球にもフィットしている。これから体を絞り、フォアの決定打を磨けば、中国代表に定着できるだろう。

 女子は北控が、エース丁寧の2失点という誤算で大同に完敗。大同はこれで開幕から無傷の5連勝。相手チームのエースに1点獲られても、総合力で勝利を収めていく。今季の超級女子は各クラブともダブルスが手薄で、李暁丹/馮天薇というダブルスを使えるのが大同の強み。ラストに馮天薇がいるのも心強い。
 八一は鄂尓多斯(オルドス)にストレート勝ちして、郭躍の25歳の誕生日を白星で飾った。
  • 表情豊かな徐晨皓。カットは苦手でも、攻撃型には強い

  • 天才少女・郭躍ももう25歳デス

★★★ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 男子第5節 7.14 ★★★
※男女とも1・2・4番は5ゲームズマッチ、3・5番は3ゲームズマッチ、すべて第5ゲームは7点先取


〈寧波海天塑機 3−0 八一熔盛重工〉
○馬龍 10、6、−7、12 周雨
○閻安 12、−10、7、−7、7-3 樊振東
○閻安/林高遠 8、5 周雨/徐晨皓

〈江蘇中超電纜・利永紫砂 3−1 覇州海潤〉
○馬琳 4、5、−9、7 ジャイ超
○徐輝 5、8、−6、10 崔慶磊
 徐輝/ボル −7、−3 ジャイ超/程靖チィ○
○馬琳 8、−6、5、6 崔慶磊

〈山東魯能 3−0 四川長虹〉
○侯英超 6、9、11 許鋭鋒
○張超 1、−5、8、12 邱貽可
○張超/呉ハオ 8、7 王建軍/朱霖峰

〈広東陳静 3−1 渤海銀行・天津〉
 劉吉康 −8、−8、−4 ハオ帥○
○オフチャロフ 12、−11、−10、9、7-5 荘智淵
○劉吉康/尹航 10、−7、7-5 荘智淵/李平
○オフチャロフ 9、7、−8、−11、8-6 ハオ帥

☆☆☆ 2013中国卓球クラブ超級リーグ 女子第5節 7.14 ☆☆☆

〈大同平型関・金地砿業 3−0 八一冀中能源〉
○武楊 4、6、9 郭躍
○李暁丹 6、3、−7、14 木子
○李暁丹/馮天薇 9、−3、7-3 郭躍/劉曦

〈鄂尓多斯東方路橋 3−1 大連新衡業・上方〉
○朱雨玲 4、−10、10、6 常晨晨
 ユ・モンユ −6、−7、−10 文佳○
○趙岩/朱朝暉 16、4 常晨晨/李佳イ
○朱雨玲 9、−5、−6、7、7-5 文佳

〈北控燕京啤酒 3−0 広東二沙〉
○丁寧 5、6、4 張遅
○郭炎 5、9、9 李予冬
○李天一/盛丹丹 −9、7、7-5 張遅/呉ジエ

〈山東魯能 3−0 金華銀行〉
○李暁霞 −9、−7、8、3、7-5 周シントン
○陳夢 9、6、6 胡麗梅
○陳夢/顧玉ティン 7、6 周シントン/劉ジン

 7月14日に行われた超級リーグの男女第5節。男子の広東陳静は、オフチャロフのシングルス2点獲りの活躍で、格上の渤海銀行・天津を破った。

 もともと王励勤の紹介で、上海市チームへの入団が予定されていたというオフチャロフ。しかし、全中国運動会を控える上海市チームは、チームの選手たちの強化を重視し、オフチャロフと契約を結ばなかった。そこで王励勤から広東陳静の陳静代表へ話が行き、オフチャロフの広東入りが決まったという。
 チームの発足が遅れ、地元・広東チームのエースである馬琳らと契約できなかった広東陳静。対中国選手では実績に乏しいオフチャロフが、救世主になれるのか。それにしても、かつて中国オープンの際に食べた豚肉から禁止薬物・クレンブテロールを摂取してしまい、ドーピング違反の疑いをかけられたオフチャロフ。「中国では二度と肉は口にしない」とコメントしていたが、本当に「肉断ち」は可能なのだろうか?

 女子では早くも全勝が山西と大同の2チームだけになり、混戦模様。一方で、大連と広東はまだ初勝利を挙げていない。大連は近いうちに勝利を挙げられそうだが、オールストレートでの完敗が続く広東は、1試合の中で1点を挙げることすら難しい。左ペンドライブ型の呉ジエが絡むダブルスが、最もチャンスがありそうだが……。また、優勝候補の一角、山東魯能は金華銀行戦トップで李暁霞が右ペン粒高の周シントンに辛勝し、チームは3−0で勝利。これでも2勝3敗と黒星先行、相変わらずのスロースターターだ。
  • オフチャロフ、漢字で書くと「奥恰洛夫」

 現在では様々な企業のロゴに彩られている中国チームのウェア。中国が代表ウェアにスポンサーのロゴを入れるようになったのは、2001年の世界選手権大阪大会から。2000年から、ウェアのオフィシャルスポンサーをイタリアの『FILA(フィラ)』から国内ブランドの「李寧(LINING)』に切り替えた中国。その翌年の大阪大会では、肩に紅双喜ブランドで有名な『上海紅双喜集団有限公司』、背中にミネラルウォーターのトップブランド『農夫山泉』のロゴが入った。

 日本では、スポーツチームのスポンサー企業が変わることは少ない。「すぐにスポンサーを降りるのは、企業イメージにとってマイナス」というのが共通認識ではないだろうか。一方、中国では代表チームでも、超級リーグのクラブでも、スポンサーがコロコロ変わる。「1年か2年やって、名前を売ったらそれで十分」だからだ。五糧液の前に、背中にロゴが入っていた大手家電メーカーの『長虹(四川長虹電器有限公司)』は07〜12年まで中国チームのスポンサーだったので、かなり長くもったほうだ。

 ちなみに五糧液を製造する五糧液集団公司は、今年2月に販売価格の不当操作を指摘され、2.03億元(約32億円)という巨額な罰金を科せられた。かつてのスポンサー『農夫山泉』の農夫山泉股份有限公司は今、ミネラルウォーターへの異物混入と水質基準の甘さによって、窮地に追い込まれている。
 また、昨年から中国チームのスポンサーになった乳製品『蒙牛』ブランドの中国蒙牛乳業有限公司は、2008年に牛乳や粉ミルクへの有害物質「メラミン」の混入が大騒動になった。この時は『伊利』や『三鹿』など、他の複数の乳製品ブランドで同じ問題が発生。中国卓球チームは当時、『伊利』とイメージキャラクターの契約を結んでいたのだが、広告にも出演していた劉国梁監督が『契約料を辞退して、被害者の救済に充ててもらいたい』と発言する事態になっている。常勝軍団・中国チームを活用してイメージアップを図る企業が、逆に中国チームのイメージダウンを招くような事態は、避けてもらいたいものです。