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世界卓球 パリからジュテーム速報
~伊藤条太のお前にトリコロール!~

今回は、記者会見の会場が、プレスルームと一緒になっている。記者会見といえば、昨年のドルトムントでは劉国梁にコケにされたので、今年はなんとしても雪辱したいものだ。
メインアリーナで日本チームの練習が始まった。制限時間は1時間だ。
岸川、福原、張、石川、平野、吉村、賢二、志保の練習を見たが、印象に残ったのが福原の練習だ。なんと、二人を相手に打ち込んでいたのだ。二人はダブルスのように交互に打つのではなく、それぞれが自分のところに来たときに打つ方式だ。

テレビ局が「福原選手はなんと二人を相手に特訓をしています!」と大げさに宣伝するのには効果的だろう。以前、バラエティー番組でやっていた、卓球選手に対して素人のアナウンサーたちが「こっちは二人がかりで挑戦します!」と言ってシングルより数段不利なダブルスで挑んでいたバカバカしい企画を思い出したが、よく考えてみるとこれは意味のある練習だということに気がついた。

ポイントは、福原が相手のコートにランダムに左右に打ち分けているということだ。もしこれを通常のように一人で相手をすると、相手は福原が90%ぐらいの力でランダムに打ち分けるボールに反応してブロックしないといけない。これでは当然ミスが多くなって福原の練習効率が落ちる。これを二人で相手をすることで、ほとんどノーミスで練習できるのだ(福原はミドルには打たない)。

相手は福原のフォア側半分に打ってくるのだが、クロスとストレートの違いから、福原は通常のフットワーク練習の全面に近い距離を動かなくてはならない。これをオールフォアでやっていた。しかも相手のボールはすべてブロックのタイミングだから容赦なく早く、フォアサイド半面練習のはずなのにときどき福原はノータッチでフォアを抜かれたりミドルのボールを体に当てたりしていた。おかげで福原はものすごくヘトヘトになっていて、他のどの日本選手より激しい練習になっていた。

見て瞬時にこの練習の意味に気がつかなかったのが悔しい。
会場のプレスルームで、日本から取材にきた新聞記者と挨拶をした。私が仙台在住だと言うと、その方はかつてプロ野球のソフトバンクの担当だったから仙台には数え切れないほど来たことがあるという。

新聞社では、プロ野球のチームごとに担当記者がいるということを初めて知った。「やっぱり自然と担当になったチームのファンになるでしょう」と聞くと、なんと逆で、勝つと忙しくなるのでいつも「負けろ負けろ」と思っていたという。しかし負けすぎると監督が交代になったりしてまた忙しくなるので負けすぎるのも困るという。

「生かさず殺さず」というところだろうか。ファンが聞いたら激怒するだろう。

そもそも、プロ野球選手たちはサービス精神が足りなくて嫌な人が多いと言う。愛想が悪いだけではなくて無視するし、名刺を目の前で捨てられることも普通だという。

この方、卓球王国の私の記事が好きで、毎月楽しみにしていると言ってくれた。補助剤問題とかフジテレビを誉めたこととかもちゃんと読んでいるのだ。「ヘタなことは書けませんね」と今野さんに言うと「当たり前じゃないの。みんな読んでますよ。ヘタなこと書いてるつもりだったんですか!」と言われた。いや、まあ、そういうわけじゃないが、ときどき当てこすりのようなことを書いているのでちょっとね。でもまあ最終的な文責は編集部ということで、のびのびやらしていただきますわ(急に関西弁)。
会場のベルシー体育館まではホテルから800mほどだ。疑問の余地のない自転車用道路を歩いて行くと、斜面に芝生を生やしたベルシー体育館が目の前に現れた。こんな斜めなのに育つとは日陰でも育つ品種なのだろう。

受け取ったIDカードの写真は、2008年広州大会のときのと同じだ。またもや編集部に写真を送り忘れていたのでこれで5回連続同じ写真だ。記念としての価値が下がる。

試合は明日からなので、メインアリーナはまだセッティング中だが、選手たちが練習していた。赤を基調とした会場で、駐車場には合わないと思ったが、卓球の試合会場としてはべらぼうにかっこいい。どうしよう。
一夜明けてパリ初の朝を迎えた。日本時間15時がこちらの8時だ。
パリは緯度が高いわりには暖かいと聞いていたが仙台より寒い感じだ。

朝食は種類は多くないがひとつひとつが美味しい。

部屋の鍵に部屋番号が大きくかたどられていて面白い。私はジャックバウアーの24だ。太朗が17なので私が「松本伊予か」というと「それは16でしょう」と言われた。「そっか、17は南沙織か」と言うと「かつて岡崎由紀と卓球レポートの表紙を飾ったね」と今野さん。それは知らん。
ホテルでインターネットをやろうとしてフロントの人に電話でパスワードを聞いたが、やりとりに苦労した。数字は問題なかったのだが、アルファベットの部分がよく聞き取れない。「ビー・アイ・エル」と聞こえたのでBILと入れたがつながらない。再度電話をして確かめると「ビー・エイ・エル」だと言うのでBALと入れたがやはりつながらない。そこで「エイはエイ・ビー・シーのエイだよね」と聞くと「違う、ディーの次だ」と言う。なんとEのことだったのだ。それで今度こそと思ってBELと入れたがそれでもつながらない。「クソー」とあきらめてフロントに行って紙で確認すると、なんとBERだった。トホホ。

自力でわからなかったことが悔しい。よく男は道に迷ったときになかなか道を聞かないと言われるが、私ももまさにそのタイプだ。「わからないはずがない」と意地になってしまうのだ。

レストラン

2013/05/12

シャンゼリゼ通りを歩いているうちに暗くなり、目に付いたレストランに入って牡蠣とステーキを食べた。レモンをたっぷりとしぼって食べる牡蠣がとても美味しかった。あまりの美味しさに写真を撮るのを忘れた。

再び凱旋門の前を通って電車に乗り、ホテルに帰ってきた。

回転ずし

2013/05/12

パリには日本料理屋がたくさんあると聞いていたが、さっそくすし屋があった。その名も「kaiten」だそうだ。

カフェ

2013/05/12

「シャンゼリゼ通りでカフェに入った」という実績を作るため、適当なカフェに入った。カフェ・ジョージVという店だ。私はダブルエスプレッソというのを頼んだ。

飲み物ともども特に珍しいところはなかったが、入り口に近い席のお客さんたち全員が通りの方を向いて座っているのが面白かった。店に入ると、まるでこちらが舞台の上にでもいるように全員から見られるのだ。

パリではみんなこうなのだろうか。

凱旋門

2013/05/12

パリに来たら抑えなくてはならないところとして、シャンゼリゼ通りに行って凱旋門を見てきた。

卓球王国の編集部員らしく、凱旋門をバックに卓球の格好をしたが、その違和感に「まるで合成写真のよう」と語り合った。なお、この写真が卓球のフォームに見えない人は練習が足りないのでもっと練習するように。

「凱旋門は見た」ということで満足したので、この滞在中はもう来ないだろう。