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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

青森・五所川原商業高3年の工藤夢が女子シングルス一回戦を突破。
実業団選手の井(中国電力)を相手に、最終ゲーム8−9からフォアへストレートのロングサービスでエース。マッチポイントを握られた10−9では逆チキータでレシーブエースを取るなど、勝負所での思い切りが活きた。
常に冷静に試合を進め、勝っても特にリアクションもない。インターハイでも1年時では当時ジュニアチャンピオンだった笹尾明日香、高校選抜では塩見真希に勝利していたが、勝利後は淡々としていた。メンタルの強い大物喰いとしても有名な選手だ。

「国体では負けていたし、実業団の選手なのでどこまで通用するのか楽しもうと思ってやりました。諦めなかったのが良かったです」(工藤)

工藤は姉の優も同じく五所川原商業高出身で、現在は青森大の4年で今大会に出場。姉は社会人では卓球を続けないので、これで引退となるという。
入れ替わるかのように高校を卒業して大学へ進む工藤夢は東京の中央大へ進学予定だ。

「父、兄、姉も卓球をやっていて、4歳から卓球をやっている卓球一家です。でもおばあちゃんが美容師をしているので、もともとは美容師になりたかったんです。中学2年の時に全日本カデットで優勝しましたが、中3の時に結果を残せなかったので、なおさら美容師になろうと思っていました。
 でもインターハイで3年連続ベスト16に入ることができて、卓球をやめるのはもったいないと思って、どこかから声をかけていただいたら卓球をやりたかった。お父さんと中央大のコーチが同級生で出身も同じだったので、声をかけてもらったんです。遠征で中央大に何度かお世話になっていて、すごくイメージが良かったです」

美容師の夢は一旦お休みし、卓球一本の夢にかけ、青森から上京する。

そんな工藤にも用具のこだわりを聞いてみた
ラケットは劉詩ウェン
ラバーはテナジー05/テナジー25(全部バタフライ)

「テナジーを使い始めたのが小学生2年生くらいです。その時は両面ともにテナジー25でした。重量があるので厚さは中。しゃがみ込みサービスを使っていたので、サービスが切れることが一番でした。その後にフォアだけ05に変更しました。05は何でもやりやすいです。
 特厚にしたのは全国で裏裏の選手に負けることが多かったからです。パワーを出そうと思って、厚くしました。テナジー25はカウンターもしやすくて、ミートもやりやすい。バックドライブが得意なので、回転量がある25は頼りになります。
ラケットは劉詩ウェン(中国)が好きなので、使っています。でも廃番になってしまったので、これから変える必要があった時に心配です」
  • ラリーセンスが抜群で、特にバックハンドのミスはほとんどない

●ジュニア男子3回戦(一部)
谷垣(愛工大名電高) 5、5、6 勝又(浜松修学舎高)
曽根(愛工大名電高) 8、6、7 西(上宮高)
松島(木下グループ) 7、5、3 小山内(弘前実業高)
伊藤(安田学園高) 10、-8、7、4 鈴木(静岡学園高)
吉山僚一(愛工大名電中) 5、4、6 芝(野田学園中)
鈴木(愛工大名電中) 9、7、5 河合(湘南工科大附高)
徳田(野田学園中) 4、5、5 林(桐蔭学園高)
篠塚(愛工大名電高) 6、5、5 東山(東京学館浦安高)
中村(明豊高) 9、-11、10、4 吉山和希(TC中原)
新名(明徳義塾) 9、9、5 星(東山高)
手塚(明徳義塾) -7、-10、3、6、5 阪(白子高)
原田(希望が丘高) -7、5、4、-9、11 西村(静岡学園高)

ジュニア男子も3回戦でスーパーシードが登場し、ベスト32が決定した。注目の小学6年生、前回ベスト8の松島輝空(そら)はストレート勝ちで4回戦進出。「今大会のジュニアはスーパーシードで、勝ち上がってきた相手と当たるのでとても緊張した」と試合後に語ったが、試合態度は堂々たるもの。動じる様子は微塵もかんじられない。フォアハンドは確実にパワーが増しているが、相手が後陣でしのぐボールを台上に落としてツーバウンドさせるあたり、実にニクい。以下は松島の試合後のコメント。

「今日は下がって粘ってくる相手に対して、焦らずにプレーできたのが良かった。自信があるのはバックハンドですけど、フォアハンドを大会に向けて強化してきたので、両ハンドで攻めていけるようにしたい。ジュニアの目標はベスト4です。
 身長は148㎝で、去年から7㎝くらい延びました。身長が少し伸びただけで、取れるボールも増えると思います。トレーニングは特にやっていないですけど、周りからもガッチリしたねとは言われます」(松島)

その他の試合では、世界ジュニア代表の曽根と篠塚もきっちりストレート勝ち。吉山兄弟の兄・僚一はパワフルな攻撃で4回戦進出を決めたが、弟の左腕・和希は中村(明豊高)との接戦に惜しくも敗れた。
  • 堂々たるプレーを見せた松島

  • センスあふれる攻守の篠塚も、有力な優勝候補

  • パワフル両ハンドの吉山僚一はさらにスケールアップ

  • 吉山兄弟の弟・和希は、健闘するも3回戦で敗れる

 日本の卓球スタイルを変え、長く日本の卓球界を支えてきた男が全日本の舞台から去ろうとしている。
 2002年は日本の卓球界にとって、忘れてはいけない重要な年である。
 この年に、中学生の岸川聖也と高校生の坂本竜介がドイツに渡り、デュッセルドルフでマリオ・アミズィッチ氏のコーチを受けながらの卓球留学が始まった。
 岸川聖也(ファースト)はドイツリーグの3部からスタートし、その後、1部まで這い上がっていった。フルに戦ったのは9シーズンだ。 岸川は今までの日本選手で最も長く海外リーグでプレーした選手でもある。その間、インターハイで3連覇し、日本のシェークハンドの卓球をフォアハンド中心の卓球から両ハンド卓球に変えた選手だ。
 水谷が全日本選手権で優勝するより前に、岸川はドイツから世界の風を日本に送り込んだ。もし、岸川と水谷がドイツで鍛えられてなかったら、その後、日本で活躍してなかったら、間違いなく日本の男子の卓球の進化は遅れていただろう。

 岸川は、2003年には世界選手権に初出場し、2014年まで団体とダブルスで7個のメダルを獲得、この全日本選手権でも12回ランク入り(ベスト16以上)をしている。2000年以降では、水谷に次ぐ成功した日本選手と言えるだろう。

 32歳の岸川は去年からはナショナルチームのコーチを務めていて、TリーグのT.T彩たまでも選手兼コーチとして、指導者の道を歩み始めている。
 その岸川が今回の大会を「最後の全日本」とすることを決めた。大会2日目の今日、男子ダブルスで敗れた後に語ってくれた。
「今大会を最後の全日本にするのは、以前は特に考えてはいなかったんですけど、1年後にまた出るのは、もうちょっとないかなと。NT(ナショナルチーム)のコーチになって、全日本に出るとNTの選手とも当たる可能性が出てくる。それが(全日本に出なくなる)理由のすべてではないですけど、ドイツオープンやオーストリアオープンに帯同したり、NT合宿にもずっとコーチとして参加しているし、T.T彩たまでも今シーズンからはコーチという立場でやっている。その立場の変化は大きかったですね」

 岸川は寡黙な選手である。選手同士が話をしていても横で微笑みながら聞いているようなタイプの男だ。しかし、いざ指導の立場になると、選手からの評判は良い。もともと卓球のセンスはあったが、身体的に恵まれた選手ではなかったので、相手との駆け引き、洞察力に優れ、いわゆる「卓球をよく知る選手」だった。

 「10月に全日本予選があったので、それには出て、通過して、でもそこから自分のコーチとしての活動が大きく増えていった。全日本も『どうしようかな』という思いがあった。ダブルスは大矢と組むので絶対出ようと思っていましたけど、シングルスに出ることには迷いもあって、いろいろ考えた末にコートには立とうと決めた。今回が最後というより、1年後に選手としてまた出るのが厳しい。全日本はこれが最後です。実業団とかは契約もありますし、今後も出ますけど、1年後の全日本は自分の中で考えられなかった。寂しさとかは残念ながら、全くないです。すみません」とミックスゾーンで笑いながら語ってくれた。

「選手とコーチを両立させるのは、ぼくは難しかったですね。コーチをやるようになって、練習量も間違いなく減っていますし、自分がベストではない状態で出ても意味がないですから」
 水谷とともに長く日本の男子卓球界を支えてきた。水谷と組んだ男子ダブルスでは5回の優勝を誇る岸川は、明日水曜日から始まる男子シングルスが最後の試合となる。
 卓球選手にとって、この「全日本卓球」は特別な大会だ。すべてのカテゴリーの選手が一堂に会し、競う唯一の大会。そこでの成績は卓球選手としての大きな称号にもなる。だからこそ「全日本卓球」を選手としての「最後の舞台」に選ぶ人もいるし、中途半端な気持ちでプレーできないと思う人もいる。
 「最後に花束、用意しようか」と冗談で言うと、「それは勘弁してください」と笑いながら、ミックスゾーンから消えていった。感傷的な思いなどなく、選手としての悔いも残さず、かつて日本の卓球を変えた岸川聖也は、まるで背負っていた荷物を降ろすかのように、静かに全日本の舞台から去ろうとしている。(今野)
  • 男子ダブルスで敗れ、明日からのシングルスが最後になる岸川

●ジュニア女子3回戦(一部)
木原(JOCエリートアカデミー) 8、5、7 高橋(遊学館高)
出澤(大成女子高) 5、7、7 相澤(聖和学園高)
小塩遥(JOCエリートアカデミー) 2、0、1 三村(芦屋学園中)
張本(木下グループ) 8、11、2 立川(進徳女子高)
村上(香ヶ丘リベルテ高) -8、9、7、8 小塩悠(石田卓球クラブ)
木塚(済美高) -8、7、9、9 山崎(宇都宮文星女子高)
大藤(ミキハウスJSC) 2、5、1 阿部(済美高)
花井(武蔵野中・高) −5、4、5、−7、7 相馬(遊学館高)

スーパーシードが登場するジュニア女子3回戦。優勝候補の一角であるカットの相馬が敗れる波乱があったが、その他の有力選手は4回戦(ベスト32)に駒を進めた。

男女を通じて今大会の最年少、小学5年生の小塩悠菜は1ゲームを先取したが、村上の威力あるフォアドライブに押され、シェークに持ち替えてのカットもなかなか通じず。「相手が強かったです。ドライブに威力があって、あまり自分の良いところを出せなかった」と試合後に語った。「今大会はふたつ勝つことが目標だったので、年上の相手に2回勝てたので良かった。緊張はあまりしなかったです。次の目標は全日本ホープスで優勝すること、将来はオリンピックで金メダルが獲りたい」(小塩悠)。

ちなみに試合中のペン表とシェークカットの戦型のチェンジは、基本的にレシーブ時にシェークカットになるが、切り替えるタイミングは「とっさの判断」とのこと。レシーブ時にラケットが台の下に隠れるので、相手にとっては相当やりにくいだろう。好きな選手は、意外にも「侯英超選手です」。姉・遥菜選手に教えてもらって、バックはカット、フォアはドライブで攻めるプレーを参考にしているという。

そして圧巻のプレーを見せたのが姉の小塩遥菜だ。2ゲーム目に10−0のゲームポイントから、カットで相手をフォア側に寄せて、フォアサイドからフォアドライブで反撃。サポートを迂回して「横入れ」で打ち抜き、涼しい顔でベンチに戻っていった。世界ジュニアでも挑戦していた、ゲームポイントでの「横入れ」。遊び感覚で普段の練習に取り入れているというが、この大舞台でも平然と決めるとは……。恐るべきプレーヤーだ。

下写真左は小塩悠菜、右は前回一般で準優勝の貫禄を見せてストレート勝ちの木原美悠
  • 小塩悠菜、これからどのような成長曲線を描くのか?

  • ジュニア初戦はストレート勝ちの木原

ジュニア2回戦を勝利した福岡乃愛(三田学園高)は、今どき珍しい両面裏ソフトのカットマンだ。
打つ、粘る、変化をつけるという基礎技術はもちろん、いきなり前について反撃したり、ドライブとミート打ちを使い分けるなど、とにかく技が多い。多彩な球種で相手を攻略する「技のデパート」と表現したいプレーは見ていてとてもおもしろい。

兵庫県神戸市育ちで地元の学校へ進学。勉強も卓球もしたいと、中高一貫の三田学園を中学受験した。今は1日2時間の練習と、土日は半日の練習だが、完成度の高いプレーは幼い時の下積みを感じる。
話を聞くと卓球に熱い父の教えで5歳でラケットを握り、小学校1年の時からカットマンへ転向したという。「用具もお父さんが決めてくれてます。これがいいぞ!と勧められるがままです(笑)」

そんな福岡選手の用具は
ラケット:スプラインN2(ダーカー)
ラバー:テナジー05(バタフライ)/ラザンターR42(アンドロ)

「お父さんのチョイスです。ここ2年くらはこの用具で落ち着いています。ラケットは攻撃もしやすくて、そこそこ弾みます。あまり飛ばないラケットだと攻撃が決まらないので、カットとのバランスが良いと思います。
 ラバーはフォア側が特厚でバック側が厚(2.0)です。バックのラバーはテナジーよりも安定して切れます。バックドライブもミートもやりやすいです。掴んで飛ばしている感じがします。
ラザンターはミートがナックルになるので、相手が落としてくれるのもいいです」

両面裏ソフトのカットが希少な理由は実に明確。難しいからだ。バック側は懐深く取ることができないので、精緻な角度と技術力が必須になる。
それでも「裏裏はできることが多いので楽しいです。ひとつ一つのミスは出ちゃうけど、楽しいし、卓球がおもしろい」と福岡。

基礎の力と用具のチョイスを父が支え、ゲーム作りの面白さを噛みしめるように娘がプレーする。
全日本での試合はまさに親子の絆の証だろう。
  • 粘り強い福岡のカット。誘い球もうまい

  • いきなり打ってくるバックドライブは得点力抜群

愛媛代表の井上一輝と高橋拓己(フジ)が男子ダブルス初戦を突破。
社会人7年目の井上が1年目の高橋を引っ張るナイスペアだ。愛媛国体後に縮小されるかと思われたフジだが、会社が卓球部を応援してくれているので、今でも定時上がりで週に5〜6日の練習ができる。

卓球部の目標としては、日本リーグへの参戦だ。上司は前向きに検討してくれており、部員たちは期待しているが、今は部員数が少ないので、一緒に戦ってくれるメンバーも募集中。
「すぐに入れますよ!」と井上。愛媛で卓球就職したいと願う人には朗報だろう。

そんな二人に用具のこだわりを聞いてみた。
井上の用具は
ラケット:呉尚垠(バタフライ/廃番)
ラバー:省キョウ3ブルースポンジ(紅双喜)/スーパーヴェンタス(TSP)

「大学の時に使っていて、2本持っていたんですが、1本折れてしまい、『キョウヒョウ皓』を使っていました。社会人になって、また使ってみようと思い、取り出したんです。
 ぼくはカーボンは難しい。中国ラバーを使っているので、みんな『ビスカリア』とかに合わせてますが、飛びすぎてコントロールができないし、スイングが遅いと回転がかからなくて棒球になってしまう。やっぱり木材合板が良いですね。
 ラバーは出身校が滝川第二なので、昔から中国ラバー。省チーム用のキョウヒョウ3ブルースポンジです。全然飛びませんが。
 バックのスーパーヴェンタスは最近変えました。もともとオメガ5ツアーDFを使っていて、もう少し引っかかりがほしかったんです。バックはあまりうまくないので、ミスは減らしたいです。定番は嫌いなので、人とは違うものを使いたいですね」

中央大学時代はインナーフォースに両面テナジーを使用していた高橋はフルチェンジ
ラケット:ゼバレート
ラバー:ラクザX/ラクザ7(すべてヤサカ)

「全部変えました。監督さんの勧めでヤサカにしました。最初はアルネイドを使ったんですが、もっと球持ちがほしかったし、回転がほしかったので、ゼバレートにしました。
ラバーはラクザXはカウンターがやりやすくて、強く来たボールを打ち返しやすい。ラクザ7は表面が引っかかるので、チキータがやりやすいですね。特に緩いボールに強いです。

ぼくはラケットは新しいのがいいです。井上さんみたいに長くは使いません。グリップが滑っちゃうし、湿気を吸ってほしくない。新品のカラッとした感じが好きです。長くても半年で変えます。贅沢ですよね(笑)」
  • 2回戦は笠原/上村(シチズン時計)に挑戦する

  • 懐かしき呉尚垠

●男子ダブルス1回戦
高須航/福澤勇太(愛工大名電高/杜若高) 10、9、6 伊藤悠里/高橋優磨(福島東稜高)

 男子ダブルス1回戦に愛工大名電高と杜若高、愛知のライバル校同士で組んだペアが登場。初戦をストレート勝利で突破し、2回戦にコマを進めた。
 
 「なぜ?」と思われるペアリングだが、きっかけは福澤が以前ペアを組んでいた選手が別のペアを組むこととなり、パートナーがおらず、同じ愛知の愛工大名電高・高須に白羽の矢が立った。もちろん普段は別の学校に通う2人、高須が杜若高の練習に何度か参加し、ペアでの練習を重ねてきた。

 学年は高須が高校3年、福澤が高校2年とひとつ違いだが、「特に気を使うこともなく、プレーもやりやすいです」と福澤。高須もサウスポーらしいテクニックで年下の好プレーを引き出した。「左利きと小学・中学とダブルスを組んでいたのでやりやすい。プレッシャーは全然ないです。今はダブルスを組んでいるので、特にライバル校だとかは気にしないです」(福澤)

 高校2年生の福澤は今年高校生活最後の夏を迎える。インターハイの舞台に立つには、最強軍団・愛工大名電高の面々が集う、日本一過酷な愛知県予選を通過しないといけない。「調子を出せれば、十分チャンスはあると思うので、誰と当たっても勝てるような実力をつけたい」(福澤)と意気込みを語った。高須/福澤の2人は今日の2回戦で平野晃生/五十嵐史弥(日野自動車/早稲田大)と対戦する。
  • 高須(左)/福澤

  • 徐々にプレーがかみ合い、ストレートで初戦突破を決めた

混合ダブルスの島根代表の立藤颯馬・岩田明峰(明治大/朝日大)ペアが快進撃。
初日の2回戦で田添健汰/森薗美月(木下グループ)に勝利し、3回戦では藤田哲弘/前瀧美音(豊田町卓球スポーツ少年団/デンソー)にはストレート勝ち。ベスト16まで駒を進めた。

ふたりは高校時代、松徳学院高と明誠高と同じ島根で腕を磨き、お互いに立藤は東京の明治大へ、岩田は岐阜の朝日大へ進学。今回ペアを組むのは初で、立藤から誘ったという。
「お互いにチキータが武器なので、相性が良いと思いました」と立藤。

県予選では1球も練習せず、今大会も前日に1時間半練習をしただけ。しかも練習時には全然コンビネーションが合わず、「1回戦飛びは確実」と思っていた。

「オールになったらだんだんフィーリングが出てきて、良かった」(立藤)
「お互いにミックスしかないから懸けてた」(岩田)
と、試合になると絶好調。
チキータからの速攻とカウンターが随所に決まり、勝ち上がっている。

実は岩田は小学6年の時に交通事故で入院し、今こうしてプレーしていることが不思議なくらいの大怪我を負った。
横断歩道を渡っている時に車ではねられて、脾臓が破裂。右足の大腿部も完全骨折。数ヶ月の入院、リハビリ、自宅療養を経て、卓球を再開した。
当時、広島のヒロタクスポーツでチームメイトが全中に出ているのが羨ましくて、負けてられないと高校は名門・明誠を選んだ。
「今でも全力で走ると足が痛い。でも卓球をやっている時はアドレナリンが出ているので痛さは感じません」と岩田。

時間があれば練習をしたい、卓球場があいてる限り卓球場にいるという岩田。
「私は誰よりも卓球が好き。それだけは負けません」という彼女の気持ちこそ、大きな怪我をしても乗り越えて、全日本の舞台に立てる秘訣だろう。

4回戦はベスト8をかけて硴塚将人/森田彩音(早稲田大/中央大)と対戦する。
  • 立藤のチキータは精度が高い

  • ペンドラの岩田の両ハンドが好調だ

●女子ダブルス1回戦
久田智世那・君野彩花(Lycoris) 7、9、−7、9 大田愛佳里・三好峰子(長崎大・若葉クラブ)

 男女を通じて大会最年長の43歳、長崎・若葉クラブの三好峰子が女子ダブルス1回戦に出場。接戦を展開したが、惜しくも初戦突破はならなかった。

 「いやあ……悔しいですね。あとちょっとというところができていないから、勝ちにつながらなかった。それが一番悔しいですね。子どももふたりいるし、時間的にもやるべきことは全部できないんですけど、みんな同じ条件での試合ですから」。試合後のミックスゾーンで語ってくれた三好さん。ちなみに9年前に全日本に出た時には、今回ペアを組んだ大田愛佳里さんの姉・優佳里さんとペアを組み、その優佳里さんが今回はベンチに入り、ふたりにアドバイスを送った。

 ペアの歳の差は21歳。「子どもですね(笑)。でもすごくかしこいから、試合中にひらめいたことをどんどん言ってくれて、歳の差を感じないダブルスができるのがすごく良かった」と若きパートナーを讃えた三好さん。卓球をしない日は必ず走り、体重を増やさないように日々の努力を欠かさないという。「下半身はマイナス20歳くらいなのかなと自分では思います(笑)」という言葉どおりの軽快な動きを見せていた。

 パートナーの大田さんは「(三好さんは)私より若いです(笑)。今日はここぞというところで決められなかったり、ミスが出てしまったのが悔しい。来年また出て1勝したいです」とコメント。全日本の大舞台を爽やかに戦い抜いた。
  • 女子ダブルス1回戦に出場した大田(左)・三好ペア

  • 互いにアドバイスを送り、力を合わせて戦った

 大会第2日目の1月14日。朝から青空が広がる大阪。夜は少し天気が崩れるようです。

 今日は男子シングルスを除く6種目が一気に進行し、盛りだくさん。ジュニア男女はスーパーシードが登場し、ベスト32まで決定。男子の曽根翔・篠塚大登(愛工大名電高)、手塚崚馬(明徳義塾高)、松島輝空(木下グループ)、女子の木原美悠・小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)、出澤杏佳(大成女子高)、大藤沙月(ミキハウスJSC)、相馬夢乃(遊学館高)といった優勝候補が続々登場する。世界ジュニアの代表メンバー3名が出場する女子のレベルは非常に高い。

 女子シングルスは1回戦、男女ダブルスは1・2回戦が行われ、混合ダブルスは4回戦まで進行。混合ダブルスはベスト8のペアが決定する。

 下写真は昨日のジュニア男子1回戦でストレート勝ちを収めた前出陸杜(松生TTC)。「競っても焦らず、自分のプレーをすること、声を出して自分をどんどん高めていくことを心掛けました」と堂々たるプレーを披露した。
 特筆すべきはその裏面ドライブ。裏面打法はどうしてもボールがクロスに集まりやすく、威力あるボールをストレートに打つことが難しいが、強力な裏面ドライブをバックストレートに打ち込んだ。「練習していくうちにどんどんストレートに速いボールが打てるようになってきた。この裏面を生かして上位に行けるように頑張りたい。目標はジュニアベスト4です」(前出)。ペンドラの星の躍進に期待がかかる。
  • 裏面打法が飛躍的な進化を遂げた前出