最近あまり卓球ができていなくて、というか運動自体ができていないんですけど、でもそれって身体にとってはやっぱり良い事ではないわけじゃないですか。
というわけで、久しぶりにランニングをしてみたんです。だけど、思いのほか走れなかった。
もう、すぐにしんどくなってしまいまして。
その時、ふと『限界』というものについて考えたことがありまして、まあせっかくなので現役の頃を思い出しながらここにつらつらと色々と書いておこうかなぁと思ったわけであります。
よく肉体的な限界の前には心理的な限界が訪れるといいますけど、これは実際の肉体的な限界よりも随分と手前にあるのだなぁと高校生の時から感じてはいたのですが、その考えは今でもあまり変わっていません。
つまりこの時僕が『これ以上走れない』『これ以上バーベルは上げられない』『これ以上勉強できない』『もう疲れたよパトラッシュ』などと思ったその瞬間に訪れているその『限界』は、まさしく心理的限界なのではないだろうか、というお話です。
ここで少し話が飛躍するんですが、目標を立てて何かを目指したことのある人なら経験があるはずなのですが、
例えばスポーツで県チャンピオンを目指しても、県チャンピオンにはなれなかったはずなんですね。
県チャンピオンを狙ってやっとベスト8〜ベスト4くらいかな。僕はそう思っています。
もちろん、『それはお前が不器用で頭も悪くて運動神経も皆無だったからでしょ?』と言われる可能性も大いにあるのですが、それはあまり考えたくないので、ほとんどの人はそうなのだということにしましょう。
ともあれ、県チャンピオンを目指すと、なかなか県チャンピオンにはなれないのですね。
これはスポーツに限らず勉強でもなんでも、目標に向かって一生懸命努力するんだけれども、なかなか目標を達成することができない人が大勢いるということをうまいこと説明してくれている気がするんです。
どうやら普通の人間というのは、目標を目指したら、そこには到達できないようにできているみたいなのです。
なんだか身も蓋もないこと言ってる気がしますけど。ただ、この事に気づいてその現実に正面から向き合った瞬間に、多くの人は目標達成への階段をようやく登り始めることができると僕は確信しています。
どういうことか。
あの、つまりですね、その事実を知った瞬間から、人はトチ狂ったかのように常軌を逸した努力をしだすのです。
県チャンピオンを目指してベスト8だったその日から、大衆の3倍くらいの努力を開始するのです。
あいつバカなんじゃねえの。
と言われるくらいの。
それくらいの努力を毎日毎日積み重ねて、ようやく県チャンピオンに近づける。
僕、今これさらっと言ってますけど、しかしこれは極めて大事なことだと思うんです。
よくスポーツの世界では人の3倍努力しなさいと言われることがあるけれど、しかしながらここで大事なのは人の3倍の努力がどうということではなくて、『目標に向かうその極めて平凡な努力では、きっと目標は達成できないよ』という悲しい事実の方です。
これを理解することなく3倍努力しまひょー。と言ったところで、それはただのスローガン以上ものにはならない。
時折、中々強くなれなくて(結果が出なくて)、どうすればいいでしょうか的な質問を色々されることがありますが、実は解決策は簡単なのかもしれないわけです。
今僕が書いてきた理屈に従えば、県チャンピオンの3倍くらいやれば、県チャンピオンくらいにはなれる。(もちろん、ちゃんと頭を使った努力でないと結果は出ません。)
僕は一度、国体で敗戦した次の日に朝4時から坂道ダッシュしている日本のトップ選手を見つけて絶望したことがあります。
すでに日本のトップにいる選手がこれほどまでのことをしている。
日本のトップには到底届かない自分がこの程度のことしかしていなくて、どうして彼らに近づくことができるのか、と。
あまりにショッキングな出来事に、僕はその場でホテルの庭に腰を下ろし30分ほど天を仰ぐことになりました。
その日から、月並みな言葉ですが心を入れ替えて猛烈に頑張りだしたのを覚えています。
今思えば、ぼくはこうやって色々な人に助けられてきたのかもしれませんね。
ともあれ、どうせ頑張るなら少しだけ常軌を逸した事をしてみても面白いよ、なーんてことを言ってみたりして。
その経験は、卓球以外のところでもきっと活きますからネ。