勇気と笑顔、地元開催を力に変えた野村萌
前回大会はベスト8ながら、女子シングルスでサプライズの優勝を飾った野村萌。決勝の塩見戦でのプレーは圧巻。地元開催でありながら、プレッシャーとは無縁のプレーで最後まで攻め切った。「打てば入る」プレーだった。以下は優勝後のコメント。
「団体で日本一になるという目標を持ってやってきて、四天王寺に準決勝で負けてしまったので、その悔しい気持ちをシングルスにぶつけようとみんなで言っていました。すごくうれしいんですけど、まだ実感がわかないです。
地元開催なので、応援が大きい分それをプレッシャーに変えてしまう選手もいると思うんですけど、私はそれを力に変えて背中を押してもらえた。本当に応援してくださった方たちのおかげです。
決勝の塩見さんに対しては、気持ちの面でも「絶対に勝ってやろう」と思ってしまうとプレーできなくなるので、ここまで来られたのは自分でもすごいことだと思うので、「やりきる」ことを意識して、一球一球目の前のボールに集中していました。大会前は、やはり上のレベルになるとサービス・レシーブが重要だと思うので、時間があればサービス練習をやってきました」(野村)
「卓球では緊張しないです。インタビューのほうが緊張します(笑)」と笑顔で語った野村。笑顔と勇気の初優勝だった。
3冠王を逃したが、田中佑汰は前を向く!
敗れた田中に涙はなかった。
むしろどこかカラッとした表情で、結果を受け入れて納得しているように感じた。
「最後のシングルスは悔しいけどやりきれたと思います。相手のパワーを意識しすぎて、細かくやりすぎました。自分の展開にならなかった。相手に打たせてからの展開が得意なのに、自分が打ってしまったのがダメでしたね。状況を整理して、意思のあるボールが少なかった。もっと素早く判断できたら良かった。
2ゲーム目は最後にリードしたけど、取れなくて3ゲーム目の出足が悪かった。結果的に3ゲーム目は取ったけど2ゲーム目を落としたのが大きい。作戦を考えてきたけど、自分が迷ってしまいました。
どんなに点数が離れても諦めることは1回もない。今年は世界ランキング100位以内、全日本でランクを目指して頑張りたい」(田中)
そしてベンチの今枝監督は地元でのインターハイを振り返った。
「田中がいないと、団体もダブルスも優勝できていないでしょう。本当に田中が頑張った。寮でもずっと後輩を指導して、チームをまとめてくれている。自分がどう見られているかを常に考えて、どこにいてもしっかりしている。今年は田中のチームでした。毎年、インターハイが近づくと、ドキドキしていましたが、今年はいつ来ても大丈夫だと。それだけ田中がしっかりしていて、ダブルスも加山を引き締めて、意見交換をしていた。
最後にシングルスで優勝して、抱きしめたかったですよ。力があるのに勝たせてやれなかった。内容的には負けていなかったけど、作戦!作戦!と頭で考えずにもっと自分勝手にやれば良かったかな」
昨年のリベンジ達成!戸上隼輔が優勝をつかむ
●男子シングルス決勝
戸上隼輔(野田学園) 10、13、-6、9 田中佑汰(愛工大名電)
一進一退の攻防の中で、サービス・レシーブの組み立てが勝敗を分けた。
昨年2位の戸上がリベンジ。野田学園初のシングルスの優勝を達成した。
今年の東京選手権決勝で相対している両者。その時はフルゲームで戸上が勝利。しかもゲームカウント1−3からの大逆転だった。田中にとって戸上は「競るけど勝てない」鬼門の相手。
今まで勝ったことがない田中は、戸上対策を考えてきたのだろう。しかし、「意識しすぎて細かくやりすぎた」と試合後に語った。
戸上に強打を打たせたくないから、ストップで展開していくが、ぶち切った戸上の下回転に対しネットミスをしてしまう。
チキータで狙おうとすると、今度はナックルサービス。そして時折ロングサービスを見せることで、田中に台に入らせない。配球は完璧だった。
2ゲームを連取された田中、3ゲーム目も5−2とリードを許し、すかさずタイムアウト。
5−5に追いついて、6−6から5連続ポイント。大きなガッツポーズ、田中はまだ死んでない。
大胆に行きたかった4ゲーム目。田中の小さいミスが少しずつ点差を広げていく。
ここで決めるぞ!と戸上はバック対バックの打ち合いで、的確にミドルを攻めるなど、冷静なコース取りで点数を重ねていった。
9−8でフォア前へのサービスを強気のフォアフリック。
最後はサービスエースで取り、両手を広げて拳を握った!
「試合前から絶対に競ると思っていました。競った場面でも自分のプレーができた。団体・ダブルスで負けて苦しい大会だったけど、シングルスで優勝できて少しは貢献できたかな。昨夜はいろんな人からメッセージをもらって、絶対に優勝しようと思っていました。野田学園のOBの方々にも喜んでいただけるとうれしいです」(戸上)
プレーに似合わず、普段は優等生。
「いろんな人のアドバイスを全部聞くんです。でも取捨選択はできない。本当に素直な子なんですよ」と橋津監督。
心優しき王者、今年は戸上隼輔がNo.1だ
女子シングルスは地元・愛み大瑞穂の野村萌がV!
●女子シングルス決勝
野村萌(愛み大瑞穂) 10、4、6 塩見真希(四天王寺)
地元・愛み大瑞穂の野村が、塩見をストレートで破り、初優勝!
愛知・卓伸クラブの出身で、生粋の地元選手である野村が、最後の最後で大輪の花を咲かせた!
1ゲーム目、塩見が4−0とスタートダッシュをかけながら、野村が6−6に追いつき、10−8で先にゲームポイントを奪ったこの試合。塩見が10−10に追いつくが、野村が11−10の3回目のゲームポイントで、塩見のフォアに弧線の高いボール、次の1球は目にも留まらぬ速さでバックに切り返し、バックサイドを打ち抜く。
出足でリードしながら1ゲーム目を落とした塩見は、これでペースを見失ってしまった感があった。野村にフォアサイドに出されたサービスへのレシーブミス、対ツッツキの攻撃のミスが多く、野村のコースの読みにくいバックハンドにも手を焼いた。
「相手はフォア前やバック深くのサービスからの展開だと力を出してくるので、フォア表なので大胆にフォアにサービスをもっていって、持ち上げさせたボールを上から狙おうと話をしていました。ラリー戦でも強気に、上から攻めていくことができていた。本当にすごいです」と愛み大瑞穂・神谷監督。2ゲームを連取した3ゲーム目も、4−4から一気に9−4と突き放し、10−5でマッチポイント。観客席の応援団から「やりきるよ−!!」という声援が飛ぶ中、10−6で押し切って優勝を果たした。
「こういう大きな舞台は初めてで、すごく緊張したんですけど、上(観客席)で応援してくださる方がたくさんいたので、すごく心強かったです。ひたすら強気で攻めていきました。これで満足せずに、全日本とかもっと上の舞台で勝っていける選手になりたいです」(野村・優勝インタビュー)。いつも笑顔が絶えない選手だが、地元でつかんだ栄冠に満面の笑顔が輝いた。
男子シングルス優勝は戸上隼輔、初優勝!
●男子シングルス決勝
戸上隼輔(野田学園) 10、13、−6、9 田中佑汰(愛工大名電)
男子シングルス優勝は、野田学園高2年の戸上隼輔!
準優勝だった昨年度大会の雪辱を果たした。詳報は後ほどお伝えします!
女子シングルス決勝は塩見真希vs野村萌!
●女子シングルス準決勝
塩見真希(四天王寺) 8、13、9 高山結女子(札幌大谷)
野村萌(愛み大瑞穂) 8、10、14 相馬夢乃(遊学館)
女子シングルス決勝の対戦カードは、塩見真希vs野村萌に決定!
塩見は1ゲーム目に4−7、6−8と中盤でリードを許したが、ここから5点連取で逆転。「リードしてても追い上げてくるし、大事なところで絶対に一本取ってくる。私は取らないと、取らないとと思って勝ち急いでしまったのが負けの原因」と試合後に高山は語った。高山の両ハンドドライブは威力十分だったが、相手が決めにいったボールをシャットアウトする塩見の守備力は抜群。ここ一本に強い。
そして野村は、ここまで大活躍のチョッパー相馬に見事なストレート勝ち。
バック面表ソフトの野村は、序盤から無理にフォアドライブで攻めるのではなく、フォア前にサービスを出してフォア面表ソフトの相馬に軽くレシーブさせてから、バックハンドでコースを突いたり、ツッツキで振り回してからバック強打とスマッシュで狙い打つ。誰もが嫌がる相馬のナックルボールが、野村にはチャンスボールになった。
相手のドライブに対しては高い守備力を発揮し、カットの変化も巧みな相馬だが、野村に対しては変化をつけられず、反撃のタイミングも見出せなかった。3ゲーム目、10−9としてから5回ものゲームポイントを握ったが、14−14に追いつかれ、最後もミドルに野村の強烈なスマッシュを浴びた。
「これまではずっと出雲さんと一緒だったけど、シングルスで台数が少なくなって、今までで一番緊張した」と試合後の相馬。大物感を漂わせるスーパー1年生にも、インターハイの魔物は襲いかかった。「スマッシュで狙われるので、コースを厳しくして対応したかったけど、うまくいかなかった。出足があまり良くないところがあるので、1ゲーム目から3ゲーム目くらいのプレーができていたら、もっと良い試合ができていたと思います」。1年生での決勝進出はならなかったが、まだまだ伸びてほしい逸材だ。
決勝は塩見真希対野村萌。優勝候補筆頭の塩見が勝負強さを発揮するか、野村の必殺バックハンドが堅陣を打ち抜くか?
男子シングルス決勝は戸上隼輔vs田中佑汰
●男子シングルス準決勝
戸上(野田学園)9、9、6 手塚(明徳義塾)
田中(愛工大名電)−11、6、9、8 金光(大原学園)
決勝のカードはやはり本命の二人。
戸上と田中のライバル対決となった。
戸上は手塚のスマッシュ戦術に、スピードで対抗。レシーブから一発を狙いにいき、前中陣からの両ハンドは他の選手と鋭さが違う戸上。
スマッシュで叩き落としたい手塚だったが、的を絞れずに守勢に回ってしまった。
「自分の嫌なところを攻められてしまった。自分の得意なラリーにもっていく前の細かい技術に差があって戦えなかった」(手塚)
特徴的なスタイルを武器に1年生で見事な3位。試合後に明徳応援団に拍手で迎えられたルーキーは、少し照れくさそうにお辞儀した。
前陣でのバックハンドの叩き合いになった田中と金光の一戦。
序盤は金光の強烈なボールに田中のブロックがオーバーする場面も多かったが、そこは修正力の高い田中が対応していく。
3ゲーム目の10−9でミドルへのロングサービスでエース。4ゲーム目は一気に8−1まで離した。
そこから田中が手を抜いたわけではないが、金光がことごとくラリーを取り、1点ずつ忍び寄る。10−8まで迫り、もしやと思わせたが、反撃もそこまでだった。
「いつもリードされてからじゃないと思い切り振っていけない。経験が足りない。田中には3連敗してて、最初から最後まで押されてしまった」(金光)
これで戸上、田中の頂上対決が実現。
最後の1戦がこれから始まる。
激戦の準々決勝。4強が決定!
●男子シングルス準々決勝
戸上(野田学園)−15、6、8、−19、7 岩永(帝京安積)
手塚(明徳義塾)7、13、−10、9 星(鶴岡東)
田中(愛工大名電) −10、−7、8、3、10 田原(愛工大名電)
金光(大原学園) −5、−12、7、1、10 加山(愛工大名電)
激戦しかない準々決勝。
戸上は岩永のミスのない両ハンドに押されるも、ここぞの集中力はさすが。野田学園最後のひとりとして、なんとかつなぎとめた。
愛工大名電の同士討ちとなった田中vs田原は、サービスの名手田原が2ゲームを連取。強烈な巻き込みサービスは部内でも効果は抜群。田中はチキータで狙って行けず、後手を引いた。
最終ゲームは田中のネットイン、エッジボールが続き、田原にとってはアンラッキーなポイントが続いたが、「気持ちが弱かった」(田原)と反省の弁。
しかし高校最後の年に一気に爆発した田原。「全体的には満足です。充実したインターハイでした」と笑顔を見せた。
そして劣勢から逆転で加山に勝利した金光。
最終ゲーム3−7から踏ん張り、メンタルの強さを見せた。
次の相手は田中。この試合は注目だろう!
女子シングルス準々決勝、野村が出雲との接戦に勝利
●女子シングルス準々決勝
相馬(遊学館) 7、2、5 青木(横浜隼人)
野村(愛み大瑞穂) 10、−8、−9、7、8 出雲(遊学館)
高山(札幌大谷) 7、−6、−11、8、7 中田(玲)(愛み大瑞穂)
塩見(四天王寺) 4、5、7 黒野(武蔵野)
女子シングルス準々決勝が終了!
1年生チョッパーの相馬は、横浜隼人の左腕・青木をカットの変化と攻撃で翻弄。3ゲーム目に迎えたマッチポイントもフォアの表ソフトでの反撃で仕留めた。一発の強打に威力のある青木だが、相馬のカットの変化に苦しんだ。
野村と出雲の一戦は、最終ゲームの中盤まで競り合ったが、ここで出雲に痛いミスが続いた。「昨日の女子学校対抗決勝での負けを引きずってしまった。バックハンドのミスが多かった」と出雲。バックハンド主戦でラリー戦に強い野村は、精神力の強さも見せ付けた。
札幌大谷の3年生・高山は、愛み大の守護神・中田に逆転勝利。中盤でループドライブからのスマッシュにミスが出ていたが、持ち味の重いドライブを粘り強く打ち続けて勝利をつかんだ。「ゲームをリードしたところで守りに入ってしまった。悔しいです」と試合後の中田。しかし、今大会での活躍は見事だった。
塩見はカットの黒野にストレート勝ち。フォア表ソフトの塩見は強打は少ないが、カット打ちに回転の変化をつけ、黒野のミスを誘った。学校対抗から個人戦まで、ハツラツとしたプレーを見せた黒野は試合後、「塩見さんの攻撃の、ナックルの変化に対応できなくてミスが出てしまった。ブロックが堅いので反撃も難しかった」と語った。
遊学館、経験と戦術の差を感じながらも「次は日本一」
女子学校対抗決勝で、四天王寺に0−3で敗れた遊学館。出雲美空と相馬夢乃というツインエースを擁し、戦力的には四天王寺と同等か、それ以上とも思われた。しかし、結果は0−3。トップ津隈が2ゲーム目の10−5から7点連取を許し、2番出雲は最終ゲームの9−6から逆転を喫した。3月の高校選抜で決勝進出を果たし、決勝の舞台も経験したうえで狙った頂点。しかし、四天王寺の壁は厚かった。
「悔しいですし、本当に監督の責任だと思います。そのひと言です。優勝を狙うということで、今回は事前合宿も計画的にやりましたし、いろいろ対策も立ててきた」と語った、遊学館の安達健佑監督。監督自身も、2002年の茨城インターハイで遊学館がベスト4入りを果たした時のメンバー。母校の女子卓球部監督として、インターハイで初めて学校対抗決勝のベンチに入った。
「出雲、相馬、そして出雲・相馬のダブルスか千葉で勝つというイメージを持っていたので、2番で出雲が落としたのは痛かった。出雲は昔ミキハウスにもいましたし、出雲に対しては徹底的にフォア前を突いたり、フォアに揺さぶる展開を使ってきた。それはわかっていたけど、対応できなかった。
昨年はうちも初めてのインターハイでの入賞(3位)だったので、経験値が不足していた。四天王寺と当たるというだけで選手もビビってしまった。選抜はオーダーも当たったので狙えると思ったけど、決勝の舞台で緊張してうまくできなかった。今回は決勝も経験しているから、本当に狙っていこうと。でも戦術転換の能力、引き出しの能力が向こうのほうが上でした。今後は戦術に関しては徹底してやらないといけない」(安達監督)
2番出雲が敗れ、ベンチに重苦しいムードが漂った時、「これだけ観客席で応援してくれる人たちがいて、たくさんの方の協力があったここまで来た。こんな感じで負けたらダメだぞ」とハッパをかけたという安達監督。「次は日本一を獲ります。まず国体があるので大阪にリベンジしたいし、来年のインターハイでは優勝します」と言い切った。それは自らに言い聞かせた、決意表明だったのかもしれない。戦型のバラエティに富んだ好チーム・遊学館。来年はひと回り大きくなって、インターハイの舞台に戻ってきてほしい。
四天王寺の伝統の強さ。「信じられないです」と村田監督
女子表彰後の優勝インタビューで、開口一番「信じられないです」と語った四天王寺の村田充史監督。
「決勝前は3:7か2:8くらいで分は悪いかなと思っていました。2番塩見はよく勝ってくれた。出雲さんとは五分五分くらいですけど、今の力は出雲さんのほうが上かもしれない。『よく1ゲーム取った』『おっ、2ゲーム取ったな』『えっ、勝ったの?』という感じです」(村田監督)
一方で四天王寺は、大会前に遊学館に対し、入念な対策練習を積んできた。ダブルスは出雲・千葉ペアと出雲・相馬ペアの両方を想定し、宮崎・高橋のダブルス練習もしっかりやり込んだ。
「佐藤(瞳/ミキハウス)が相手をしてくれたり、(出雲と同じ戦型の)梅村(優香/四天王寺高卒)が練習に来てくれたり、みんなに助けられて勝ち取った優勝ですね。遊学館は今年も本当に強いと思ったし、また1年かけて鍛え直して、来年は挑戦する気持ちで頑張ります」
「今大会はまるで初優勝みたいな感覚です。『こうやったら勝てる』『これならいける』というものがまったくなくて、それだけにすごく新鮮です」(村田監督)。年によって戦力は違っても、変わらない強さ。それが常勝・四天王寺の伝統の力だ。
「気持ちは入る前に作ってあるので、作戦だけ伝えました」(今枝監督)
3連覇を達成し、ふーっと大きく息を吐いた今枝監督。
豪華メンバーを揃えている愛工大名電だが、地元開催のプレッシャーは大きい。点数的には余裕が見られたが、ベンチでの今枝監督は最後まで緊張の面持ちだった。試合後、ほっと胸をなでおろした今枝監督のコメント。
「地元開催というのはかなり意識していました。長年指揮していただいた後藤淳総長が亡くなられて、喪章をつけて意識を高く持ちました。その思いを果たせて、恩返しできた思います。
鶴岡東さんとは去年もあたっていますが、去年のうちはドリームチームみたいなものだったので・・・今年は違います。個人戦で田原が中橋くんに勝っていたから、向こうもオーダーを変えてきたのかなと。
曽根がその中橋くんに0−2から盛り返しましたからたいしたもんです。気持ちは入る前に作ってあるので、作戦だけ伝えました。
田中は横綱相撲で、ダブルスも個人戦優勝の力どおりの活躍で、自分自身をコントロールしてくれました。団体は全部意識していました。初戦の福井商業さんにも田中が中村くんに当たらなければ、どうなっていたかわからない。
明日からの個人戦はベスト8に3人の残ってくれている。田原は全然実績ないのに、今大会はよく頑張ってます」
地元開催で絶対に手に入れなければならない学校対抗の優勝は守った。
最終日、残すはシングルス。名電完全制覇まであとひとつだ。
歴史を作った鶴岡東。決勝で散るも強烈な印象を残す
同校初の決勝進出を果たした鶴岡東。
ストレートでの敗戦となったが、1番で中橋が競るなど、見せ場は作っただろう。
決勝後の杉野森監督のコメント
「やはり相手は日本一の学校なので、名前負けしないようにと臨みました。
うちとしては5年連続ベスト8以上の成績を出しているので、最低の目標は8以上を目指すことでした。
今年のインターハイはいろいろなミラクル、神様が降りてきて、実力だけじゃなくて運も味方してくれました。
その中で子どもたちがてっぺんまで行こう!という思いが感じられました。敗れましたが頑張ってくれたし、すごいものを見せてくれました。ただ目標は日本一なのでまた頑張りたい。
1番の中橋は全日本ジュニアで曽根くんに勝っていた。そこを突破口にしてダブルスで勝負して、後半につなげたかった。ぶつかっていかないと相手は崩れない。中橋は曽根くんに2−0から戦術を変えられて、対応ができず、さすがナショナルチームの選手だなと。
いい試合だったし、もう少しできたからこそ、勝てる日がくると思って頑張ります」
四天王寺、タイ記録に並ぶ女子学校対抗6連覇!
●女子学校対抗決勝
〈四天王寺 3−0 遊学館〉
○宮崎 11、10、9 津隈
○塩見 −5、8、−11、8、10 出雲
○宮崎・高橋 6、4、−6、−6、3 出雲・相馬
鈴木 − 千葉
大川(千) − 相馬
四天王寺、決勝で遊学館に3−0で勝利!
1995〜2000年に記録した6連覇の記録に並んだ!
1番に宮崎、2番にエース塩見を配した四天王寺に対し、遊学館はこれまで一度も起用していない津隈(つぐま)をトップ起用。「(準決勝まで出場した)平川も力はあるんですが、四天王寺の選手にラリーに持ち込まれた時に厳しい部分がある。津隈はラリーで良いものを持っているので起用しました」と遊学館の安達監督。思いきった選手起用だった。
津隈は両面から出すしゃがみ込みサービスとバックドライブの連打で、1ゲーム目に10-9、2ゲーム目には10-5と大きくリードしてゲームポイントを握ったが、ここから宮崎が7点連取で大逆転。バックハンドのミスが増えた津隈に対し、両ハンドの緩急とループドライブで巧みに攻略した。
2番は塩見と出雲のエース対決。フォアサイドを厳しく攻める塩見のバックハンドを苦にせず、コースを突く合わせ打ち、威力あるスマッシュを何本も決めた出雲に十分勝機はあった。しかし、好プレーが続く一方で、ミスも続いた。5ゲーム目、7-4、9-6とリードし、10-9でマッチポイントを握ったが、ここも決めきれず。塩見が3点連取で逆転勝利。
2番ダブルスに塩見が「頼むで!」と声をかけ、勢いづく四天王寺ベンチと、意気消沈の遊学館ベンチ。3番ダブルスでは、四天王寺ペアが2ゲームを先取してから2−2に追いつかれたが、最終ゲームは四天王寺ペアが3−2から10−2まで一気に突き放し、女子複チャンピオンペアの出雲・相馬を下した。相馬のカットをよく見極め、左腕の高橋が出雲のスマッシュもよく返して、宮崎の強打を引き出した。
これが伝統の力か、決勝の舞台を知り尽くす強さか。四天王寺が才気あふれるタレント軍団・遊学館に貫禄の差を見せた。一方、敗れた遊学館の安達監督も「秋の国体で大阪にリベンジしたい、そして来年は日本一を獲ります」と力強く宣言した。
男子学校対抗は今年も名電!3連覇達成!
●男子学校対抗決勝
愛工大名電 3−0 鶴岡東
○曽根 −12、-11、2、4、6 中橋
○田中 5、8、5 小松
○田中・加山 6、8、8 中橋・星
圧巻の試合だった。
トップで中橋が2ゲームを連取し、もしやと思われたが、そこからゲームは一方的な展開へ。
サービスの配球など、戦術をガラッと転換。それまで効いていた中橋のサービスを狙い打つなど、曽根が完全にペースを握り、逆転勝ち。
この逆転に主将の田中が燃えないわけがない。得意のバックハンドで小松を料理すると、ダブルスでもエンジン全開。
加山もストレートコースを有効に使い、中橋・星の足を止めた。
さすが個人戦優勝のダブルスと言ったことか。
最後は観客席の名電応援団に向かって大ガッツポーズ。
地元愛知で見事な3連覇。無敵の浮沈艦隊は今年も無敗航路を進んだ。
金光のインターハイ。2日間に懸ける!
初戦の2回戦で明豊の中村に3−2の辛勝。
首を傾げながらプレーしていた金光(大原学園)。昨年3位、全日本ジュニア3位の男もインターハイ初戦の雰囲気に呑まれていた。
しかし、そこで踏ん張るのが強者の証だろう。3〜5回戦ではどのコートよりも早く終了。攻められても弾き返すオールラウンダーは、インターハイに見事に順応した。
「今日、初めてこの体育館でプレーして、最初はボールの音、打球音が聞こえなくて、飛び方がわからなかった。空振りも多かった。2試合目からは慣れて、自分のプレーができるようになりました。
今はブンデスリーガがシーズンオフなので、大学で練習したり、中国で練習しています。インターハイを年々経験して、今は試合のやり方がクリアに考えられるようになったし、気持ちの焦りも少ない。2試合目からは凡ミスも減ったので、明日もこのまま頑張りたい」(金光)
団体戦に出ていない金光のインターハイは今日からスタート。シングルスのみ、しかもシードなので今日、明日の2日間でインターハイが終わる。それだけに体も気持ちも乗らないまま力なく敗れてしまう魔の初戦を乗り切ったのは大きい。
孤軍奮闘の金光の試合に注目だ
女子シングルス、地元の愛み大瑞穂から2人が8強
●女子シングルス5回戦
相馬(遊学館) 3−0 岡崎(市立川口)
青木(横浜隼人) 3−1 永道(希望が丘)
出雲(遊学館) 3−0 桑原(正智深谷)
野村(愛み大瑞穂) 3−2 岡本(富田)
中田(玲)(愛み大瑞穂) 3−0 千葉(遊学館)
高山(札幌大谷) 3−0 青木(福井商業)
黒野(武蔵野) 3−1 工藤(五所川原商業)
塩見(四天王寺) 3−0 平川(遊学館)
2回戦から5回戦まで、一気に進行した女子シングルス。ベスト8決定戦となる5回戦が終了した。
地元・愛み大瑞穂のエース野村は、高い打球点で両ハンドを振り抜く富田・岡本の思い切りの良い攻撃に押され、ゲームカウント1−2の4ゲーム目も大きくリードされる展開。しかし、絶体絶命のピンチから「今年が最後、後悔したくない。最後まで自分を信じ抜いてやれた」(野村)と神がかりの逆転勝利をおさめた。
愛み大瑞穂からはもうひとり、非常に基礎レベルの高いカットプレーを見せる中田(玲)がベスト8。愛知・卓伸クラブの出身で、またも卓伸から楽しみなチョッパーが飛び出してきた。なんと言ってもカットの「音」がいい。低い打球点からでもしっかりボールをとらえ、確実に相手コートへカットを運んでいく。「インターハイのシングルスに出るのは初めて」というが、地元開催の大会で会心のプレーだ。
第1シードの岡崎に完勝した遊学館のスーパー1年生・相馬、カットからキレのある攻撃を見せる黒野もベスト8に勝ち上がり、ベスト8にカット型が3人残っている。遊学館の出雲は、4回戦で鈴木(四天王寺)に大苦戦しながらも勝ち上がり、この5回戦では桑原との左腕対決にストレート勝ちした。そして優勝候補筆頭の塩見は、ここまで1ゲームも落とさない圧巻の強さを披露している。
調子が上がってきた戸上、8強入り
●男子シングルス5回戦
戸上(野田学園)3−0 曽根(愛工大名電)
岩永(帝京安積)3−1 手塚(静岡学園)
星(鶴岡東)3−0 宮川(野田学園)
手塚(明徳義塾)3−1 蘇健恒(学館浦安)
田中(愛工大名電)3−0 浅利(遊学館)
田原(愛工大名電)3−0 中橋(鶴岡東)
加山(愛工大名電)3−0 上村(大阪桐蔭)
金光(大原学園)3−0 石沢(聖和学園)
男子シングルスベスト8が出揃った。
戸上は曽根と見応えのある打ち合いを展開。大きいラリー展開勝負どころで攻めきった戸上がストレートで勝利。
「すごく緊張して昨日はあまり眠れなかった。2回戦は緊張していて、いいプレーができなかったが、3回戦の松下さん(宮崎商業)の試合くらいから調子が上がっていって、次の川村さん(遊学館)の試合を乗り越えられて、いい形で曽根戦ができました。
優勝!というと、上を見すぎているので、目の前の試合を頑張りたい」(戸上)
試合での暴れん坊ぶりが嘘のよう。コメントははみ出さない優等生だ。
そして話している時に一度も視線を外さず、まっすぐにこちらを向いていた。
芯が通った目は、「明日もやってやる」と言っているようだった。
三姉妹が三つの学校から、夏の夢舞台へ
インターハイの観客席で、3つの学校のTシャツを着替えながら、元気に応援しているお母さんがいる。自身も91年の浜松インターハイに地元・誠心高から出場し、中央大でも選手として活躍した沼野(旧姓:大森)あゆ美さん。長女・薫さんは広島・進徳女子高3年、次女・朱里さんは埼玉・正智深谷高2年、そして三女・有希さんは山梨・日本航空高1年。それぞれ強豪校の一員として腕を磨き、ここ豊田の地に集まった。
静岡・ファミリースポーツ少年団で卓球を始めた三人の娘さんが、インターハイで顔を揃えるのは今年が最初で最後。「一生に一回のことだし、他の誰にも味わえないことだから、自分の中でもワクワクしていました」(沼野さん)。
沼野さんは小さい頃から父・健良さんに厳しく鍛えられ、地元で迎えた浜松インターハイでは勝つことがすべてだったという。「高校時代までは、実は卓球は嫌いでした。社会人になって、卓球ってこんなに楽しいのかと思ったんです。だから娘たちには、卓球を嫌いになってほしくなかった。進路も自分たちで選ばせました」
旦那さんの正博さんも駒澤大卒で、マスターズなどの全国大会でお馴染みの名選手。「今大会、個人戦に出られたのは三女だけですけど、こうやって全国大会で集まれるというのは中々ないこと。本当に幸せだなと思いますね。たくさんの方のご指導とご協力のおかげです」。
「高校時代は苦しいことも多いけど、『卓球をやってきて良かったな』と思ってほしい。スポーツをやっていないと味わえないものがありますから」とあゆ美さんは言う。少しの寂しさを残して、二度と来ない沼野家のインターハイは終わろうとしている。それでも卓球と紡ぐストーリーは、これからもずっと続いていくだろう。
シングルスが怒涛の連戦!
本日は男女シングルス2〜5回戦が一気に休みなく行われ、ベスト8が決定する。2・3回戦はインターバルが少なく、常に台が埋まっている状態だ。田中(愛工大名電)や戸上(野田学園)などの超エース級の試合は早いが、他の試合はかなり競っている。以前よりも選手たちの実力差はなく、2〜3本のラッキーボールがあれば、試合はひっくり返る。
遊学館の川村、大原学園の金光は2回戦からゲームオールの薄氷を踏む勝利。
うわてと言えども、全身全霊をかけてぶつかってくる相手にひるんだら呑み込まれる。
ニッタク以外のボールもABS樹脂素材に変わったことで、どのボールを選んでもラリーが続き、1発で決まるような展開は少ない。
ボールの性質を活かし、細かい台上勝負を避けて、打ち合いにもっていく選手が多いように感じる。
女子複優勝ペアにスイッチ、遊学館が接戦制す!
●女子学校対抗・準決勝
〈遊学館 3−2 明徳義塾〉
○相馬 −7、3、5、6 高田(愛)
千葉 −6、−3、8、9、−11 里川○
○出雲・相馬 10、5、8 里川・船場
平川 −9、−8、5、−7 船場○
○出雲 3、8、9 岡田
女子学校対抗、四天王寺が待つ決勝に勝ち上がったのは遊学館!
準々決勝まで出雲・千葉のダブルスを起用していた遊学館は、女子ダブルスで優勝したばかりの出雲・相馬にダブルスをスイッチ。1ゲーム目は里川・船場が10−7でゲームポイントを握ったが、ここを取り切れず、2ゲーム目以降は主導権を握れなかった。「遊学館には相馬さんと出雲さんという強いふたりがいて、それを前半と後半に分けられて、ダブルス勝負になった。やっぱりダブルスですね。1ゲーム目にリードしていて、そこをしっかり取り切れなかった。うちのエース(里川)は、出雲さんにも分は悪くないので、出雲さんか相馬さんに当てたかった」(明徳義塾・佐藤利香監督)
明徳義塾もラストまで持ち込んだが、立ちはだかったのは出雲。相手の強打をうまくいなしてコースを突き、チャンスボールはクロス・ストレートへと打ち分けるボールの「出し入れ」が抜群にうまい。3ゲーム目はややイージーミスが出たが、それでも余裕のある戦いぶりだった。
遊学館は3月の高校選抜に続く決勝進出で、再び四天王寺と対戦する。まだ相馬が入学前の選抜で、四天王寺とは2−3の接戦を演じた。出雲・相馬のダブルスという強力な武器を得た今、四天王寺とも十分に勝負できる。四天王寺の6連覇か、女子ダブルスに続いて遊学館が歴史的タイトルをつかむか。明日の決勝が楽しみだ。
無念、遊学館。パワー対決制し、鶴岡東が決勝へ
●男子学校対抗準決勝
鶴岡東(山形)3-1 遊学館(石川)
○星 8、4、−9、9 浅利
○小松 9、-2、-7、10、9 川村
中橋・星 -5、-9、-9 川村・畑○
○中橋 9、7、5 畑
佐藤 (0−3) 清野
前半戦の2−0が勝敗を大きく分けた。
鶴岡東が初の決勝進出。2番小松が相手エースの川村に金星を挙げ、鶴岡東が一気に流れを引き寄せた。
ダブルスから粘りの試合を見せた遊学館だが、4番の中橋が会心の試合で畑を押し切る。
フォアの威力があるゆえに、緩いループも相乗効果を生み、要所で得点。打ち込まれても、バックで押し返し、フォアへつなげた中橋。
星・中橋の頼もしいツインエースの活躍で鶴岡東に新しい歴史を作った。
敗れた遊学館の植木監督のコメント
「エースの川村が負けた時点で難しいと思いました。ダブルスから盛り返したかったですね。4番の畑を信じて送り出しましたが、技術的に中橋くんには厳しい。オーダーは狙いどおり完璧でしたが、残念です。
初のラストで起用した清野があれだけ頑張ったので、来年の選抜やインターハイが楽しみです。
もう1試合、彼らとの時間を楽しみたかった。残念です」
昨年の主力だった出雲・五十嵐・三上が抜けた遊学館は、正直戦力が大幅にダウンしたと思っていた。
しかし、蓋を開けてみれば選抜で3位、そして今大会も選抜とは比べ物にならないほど強くなっている。
植木監督が誇る自慢の選手たちは、堂々とした戦いぶりだった。
やはり遊学館はなにかをやってくれる。
そして勝利した鶴岡東はラストステージへ向かった。
四天王寺が6連覇に王手! 勝負のダブルスを制す
●女子学校対抗・準決勝
〈四天王寺 3−1 愛み大瑞穂〉
本井 −10、−7、−3 野村○
○宮崎 −4、9、5、8 板花
○宮崎・高橋 9、−8、7、8 野村・大島
○塩見 6、4、4 大島
大川(千) − 中田
四天王寺が女子学校対抗6連覇に王手!
地元の大声援をバックに戦う愛み大瑞穂を、3−1で破った!
絶対的エースの塩見をトップではなく、4番に起用した四天王寺の村田監督。一方、愛み大瑞穂の神谷監督は「オーダーは悩みましたが、トップ野村が塩見さんに当たって負けたらしょうがない。単複取られても、2番板花、4番大島、5番中田で3点取るオーダーでした」と試合後のコメント。トップ野村がバックハンドで本井を振り回し、台から下げてあまいボールを上から叩いて先制すれば、四天王寺の2番宮崎が、ループドライブからの粘り強い両ハンドで愛み大のキャプテン板花に競り勝つ。1−1で勝負のダブルスへ。
ダブルスは中盤まで互角の展開だったが、レシーブからバックハンドを多用する野村・大島に対し、宮崎・高橋はアップダウン(上回転と下回転)のロングサービスを多用し、優位に立った。このダブルスでの勝利が、四天王寺にとっては大きかった。四天王寺は4番塩見が、バックサイドを切る必殺のバックドライブと、相手のフォアを厳しく突くバックハンドで得点を重ね、大島を完封した。
敗れたとはいえ、ベンチには笑顔があふれ、選手たちは持てる力を出し尽くした愛み大瑞穂。「ぼくのほうがプレッシャーで熱くなってたくらいなんですけど、選手たちがウチワであおいで「先生を冷やせ〜」とか言ってくれて、元気良く戦ってくれました」(神谷監督)。地元開催の夏を爽やかに戦い抜いた。
名電の質を体感した滝川第二。準決勝で散る
●男子学校対抗準決勝
愛工大名電(愛知)3−0 滝川第二(兵庫)
田中 2、5、9 村上
田原 5、4、6 稲垣
田中・加山 7、7、7 稲垣・橋田
滝川第二の神通力、通じず。
愛工大名電の横綱相撲に跳ね返されて、オールストレートの完敗を喫した。
攻めの早さ、球の深さなど、格の違いを見せつけた名電。
滝川第二も流れを作ろうと、必死の粘りを見せたが、名電はどこ吹く風か、最後まで自分たちの卓球を貫き、決勝への切符を掴んだ。
「昨日も言ったけどラッキーでここまで来たんですよ。1回戦で負けてもおかしくない。だから3位は大満足です。昨日はOBから30件くらい電話が来ましたね。
名電さんとあたってボールの質、安定が全然違う。回転量、鋭さ、それを安定させること、すべてが上。全国上位のボールを体験できて良かった。そこに1歩でも近づけるようにしたい。
来年、兵庫県は1校しか代表枠がない。今年は2位通過だったし、県大会から勝負です。またこの地でできるように頑張ります」(滝川第二・松尾監督)
準決勝敗退、しかし同校初の3位に躍進した滝川第二は強烈な印象を残しただろう
女子ダブルス優勝は出雲美空・相馬夢乃!!
●女子ダブルス決勝
出雲美空・相馬夢乃(遊学館) −11、5、8、2 青木優佳・小畑美月(横浜隼人)
女子ダブルス優勝は出雲美空・相馬夢乃!
遊学館にインターハイ初のタイトルをもたらした!
1ゲーム目、11−11からネットインが2本入り、青木・小畑ペアが1ゲームを先制した決勝。左腕の青木にややカット打ちのミスが出たが、注意深く相馬のナックルカットを打っていた。
しかし、2ゲーム目以降は次第に出雲・相馬が優勢。試合後、「相馬さんのカットを相手が打ったボールを狙うのが得意」と出雲が語ったように、時にカウンターブロックでコースを突き、時に中陣からでも鋭いカウンターを決めた。
1年生の相馬は「初めての全国タイトルでうれしいです。私はとにかく入れていくだけでした」と、団体戦の応援で枯らした声でコメント。フォア面に変化系の表ソフトを貼る、珍しいタイプのチョッパーである相馬。カットの変化に加え、3ゲーム目10−8からは前に落とすフォアショートで相手のミスを誘うなど、巧みなプレーを見せた。時折見せるバックのカウンターも有効だった。
エースの貫禄、田中佑汰・加山裕が男子ダブルスを制す!
●男子ダブルス決勝
田中・加山(愛工大名電)10、3、7 田原・曽根(愛工大名電)
さすがの強さを見せたエースペア。
田中・加山が素晴らしい試合で優勝。同士討ちでも気合いの入ったプレーで、付け入る隙を与えなかった。
チキータを得意とする両ペアだが、田中・加山はチキータを狙い打つカウンター精度が高い。
特に田中の予測能力が高く、まるでシステム練習かのようなカウンターを何度も見せた。
加山も相手のチャンスボールを前で弾き返すなど、スーパープレーを連発。
ストレートコースを有効に使い、圧倒した。
最後も加山のレシーブエース。フォアドライブでストレート一閃。
田中は2年ぶり、加山は初優勝。
「昨年の決勝で負けていたので、優勝できて良かった。団体の慶誠戦でダブルスを落としてしまい、昨夜に加山と話し合って、もう一度気持ちを入れ直しました」(田中)
自分たちのペアの強さは相手に向かっていく気迫だという。
優勝インタビューでは田中の言葉に続いて、加山が「佑汰さんの言う通りです」と右へならえのコメント。
兄貴分の田中が引っ張って、加山が伸び伸びとプレーする。
ナイスコンビでの優勝だ。
男子ダブルス、決勝は名電の同士討ち
●男子ダブルス準決勝
田中・加山(愛工大名電)3-1 橋本・横谷(愛工大名電)
田原・曽根(愛工大名電)3-1 中橋・星(鶴岡東)
鶴岡東ペア、及ばず。決勝は名電同士の戦いに。
エースペアの田中・加山は1ゲーム目こそ奪われたが、2ゲーム目からはコースを的確に散らし、橋本・横谷の挑戦を退けた。
田原・曽根はボールの鋭さが光る。打ち合いは互角の展開だったが、サービスの精緻さ、レシーブの大胆さが1点、2点と差を離し、中橋・星に勝利した。
女子ダブルス決勝は横浜隼人ペアvs遊学館ペア!
●女子ダブルス準決勝
青木優佳・小畑美月(横浜隼人) 3−1 大島奈々・野村萌(愛み大瑞穂)
出雲美空・相馬夢乃(遊学館) 3−0 永道麻依加・稲吉美沙(希望が丘)
女子ダブルス決勝を戦うペアは、横浜隼人の青木優佳・小畑美月と、遊学館の出雲美空・相馬夢乃!
隼人ペアは団体戦でも活躍した小畑が、強く打てるボールとつなぐボールをうまく見極め、左腕の青木とうまいコンビネーションを見せた。出雲・相馬は、左シェーク異質の出雲が3球目バックハンドを次々に決め、相馬のカットに対する永道・稲吉のドライブを、中陣から威力あるカウンターで打ち抜いた。相馬の変化のあるカットと出雲のカウンターで、相手ペアに安心してプレーさせなかった。
女子ダブルス準々決勝が終了。こちらもベスト4が出揃う
●女子ダブルス準々決勝
大島・野村(愛み大瑞穂) 3−0 白神・日口(白子)
青木・小畑美月(横浜隼人) 3−2 里川・船場(明徳義塾)
出雲・相馬(遊学館) 3−0 後木・杉渕(駒大苫小牧)
永道・稲吉(希望が丘) 3−2 浅井・原田(桜丘)
女子ダブルスは4回戦に続いて準々決勝が行われ、ベスト4が出揃った。
地元・愛み大瑞穂の大島・野村はバックハンドの強さを生かし、ストレート勝ちでベスト4進出。左シェーク異質の出雲と、右シェークカットの相馬の変則ペアは、先にゲームポイントを取られた2ゲーム目を逆転し、こちらもストレート勝ちを収めた。相馬のバックサービスは変化が激しい。
横浜隼人の青木・小畑、希望が丘の永道・稲吉はともにゲームオールの接戦を制して勝ち上がった。間もなく女子ダブルス準決勝がスタートする。
3ペアが4強入りの名電。1枠に鶴岡東が滑り込む
●男子ダブルス準々決勝
田中・加山(愛工大名電)3−0 浅利・重村(遊学館)
橋本・横谷(愛工大名電)3−0 月館・加藤(日大豊山)
田原・曽根(愛工大名電)3−1 加賀美・高須(愛工大名電)
中橋・星(鶴岡東)3−1 西・岸田(上宮)
名電勢が勝ち上がる中、孤軍奮闘しているのは中橋・星の鶴岡東だ。
前陣でのバックにミスがなく、少しでも甘いボールが来れば、フォアで叩き込んでいく鶴岡東ペア。
戸上・宮川とのスピード対決に勝利した西・岸田でさえ止めることはできなかった。
学校対抗を前にはずみをつけたい。鶴岡東が準決勝で名電ペアに挑む。
女子ダブルス4回戦、8校から8ペアが8強入り
●女子ダブルス4回戦(ベスト8決定)
大島・野村(愛み大瑞穂) 3−0 萱嶋・河野(明誠)
白神・日口(白子) 3−0 佐藤・工藤(五所川原商業)
里川・船場(明徳義塾) 3−2 宮崎・高橋(四天王寺)
青木・小畑美月(横浜隼人) 3−2 千葉・平川(遊学館)
出雲・相馬(遊学館) 3−0 桑原・川北(正智深谷)
後木・杉渕(駒大苫小牧) 3−2 板花・中田(愛み大瑞穂)
永道・稲吉(希望が丘) 3−0 青木・吉田(福井商業)
浅井・原田(桜丘) 3−0 高田・岡田(明徳義塾)
女子ダブルス4回戦の結果は上記のとおり。なんとベスト8に進出した8ペアは、いずれも違う高校のペア。愛工大名電がベスト8に4ペア入った男子とは違い、群雄割拠の状況を呈している。
ここでの波乱は、学校対抗でもダブルスに起用されている四天王寺の宮崎・高橋が、明徳義塾の里川・船場に敗れたこと。四天王寺勢はベスト8を前に姿を消した。
男子ダブルス、ベスト8が決定
●男子ダブルス4回戦
田中・加山(愛工大名電)3−0 近藤・渡辺(明豊)
浅利・重村(遊学館)3−2 岩本・神野(明徳義塾)
橋本・横谷(愛工大名電)3−1 深沢・岡田(浜松修学舎)
月館・加藤(日大豊山)3−1 田村・山下(杜若)
加賀美・高須(愛工大名電)3−1 六本木・森下(東山)
田原・曽根(愛工大名電)3−2 相沢・福原(埼玉栄)
中橋・星(鶴岡東)3−1 手塚・稲木(静岡学園)
西・岸田(上宮)3−2 戸上・宮川(野田学園)
ベスト8に名電が4つ。さすがの強さを見せつけている。
そして、戸上・宮川の野田学園ペアは西・岸田(上宮)とのレベルの高い打ち合いに敗れた。
4回戦が終わり、休みなく準々決勝が行われる。体力はもちろん集中力の勝負になるだろう。
鶴岡東、オールフォアからの脱却
学校対抗準々決勝で鶴岡東が野田学園に勝利。
波乱と表現するには失礼なほど、鶴岡東は強かった。
一時期はオールフォアの鶴岡東を呼ばれたが、今大会は印象が違った。
バックのうまさと固さがあり、むしろどの校よりもオールラウンドタイプの選手に仕上がっている。加えて、持ち前の一撃のフォアの強さは活きているので、打ち合いにも強い。
以前はフォアに自信があるゆえに、無理をして回り込んで、逆に不利な展開を呼び込んでしまったが、杉野森監督の改革により、鶴岡東は変わった。
バック技術が向上したことでフォアの打球点が早くなり、得点率も上がっている。がむしゃらにフォアを打つのではなく、決まるフォアを打つ。
特に中橋のフォアは今大会随一の一級品、2番手の星もとてつもないフォアを打つ。
他校が両ハンドをバランス良く強化する中で、バランス+必殺のフォアを持っている鶴岡東。
選手たちの体は強く、集中力も高い。よく鍛えているという印象だ。
準決勝の相手は昨年2位の遊学館。こちらもパワーのある選手ばかりだ。
肉弾戦となる準決勝、見逃せないカードだ。
プレーも、名前にも魅せられて……
インターハイを取材中の編集部タローは、結構な「苗字フェチ」。スーパーやコンビニで珍しい名札をつけている人がいると、どうしても気になってしまいます。
男子シングルス1回戦で、その「苗字センサー」をビシビシ刺激したふたりの選手。ひとりは兵庫・滝川第二高の鶴亀蓮太郎(つるかめ・れんたろう)選手。何という縁起の良い名前。滝川第二、ベスト4躍進の陰にはこの選手あり、か。シングルスでは見事に1回戦を突破。
もうひとりは名前と苗字の合わせ技、鹿児島・れいめいの指宿岬(いぶすき・みさき)選手。実に旅情にあふれてます。躍動的なフットワークで、フォアのパワードライブを連発するサウスポー。中陣でも懸命な粘りを見せていました。
シングルス1回戦スタート! 「我が県のヒーロー」を探せ!
大会第3日目の8月6日は、男女シングルス1回戦からスタート。この後、男女ダブルスが4回戦から決勝まで、一気に4ラウンド進み、最後に男女学校対抗の準決勝が控えている。
男女シングルスでは、各県の厳しい予選を勝ち抜いたヒーローたちが熱いプレーを見せている。王国取材班チョイスで、プレーが光った選手をご紹介しましょう。
風穴を見事に修復。名電3連覇へ盤石か
「相手はどれだけリードしようと、1本も気を抜かなかった。選抜のような試合をしようとしたが、力がなかったですね」と準々決勝後に東山の宮木監督は語った。
愛工大名電は3回戦で慶誠相手にダブルスを落としたことで喝を入れられたか。
やや不安定だった田中・加山のダブルスは別人のように強固となり、東山にストレート勝ち。緩んでいたほんの少しの隙がなくなったように思える。
1年生の曽根は慶誠、東山戦では前半に出場。競った場面もあったが、自分の間合いを崩さず、難敵に勝利。やや緊張していたが、ゲームの中で持ち直す力はさすがだった。それまで後半に控えていた曽根だが、決勝で戦うことを想定したオーダーだろう。実力以上に場慣れは大きい。
地元でのインターハイでの優勝は、愛工大名電にとって至上命題。
準決勝の相手は今大会絶好調の滝川第二だ。圧倒的有利の中で、一分の隙を見せるか、叩き潰しにいくか。準決勝の戦いぶりで決勝の行方もみえてくる。
大会6連覇へあとふたつ。四天王寺に死角はあるか
女子学校対抗の準々決勝、大会5連覇中の四天王寺は、希望が丘戦2番で期待の新人・本井が敗れ、今大会初の失点を喫した。2台進行で記録には残らないが、5番では希望が丘高の石田眞行監督も「カット打ちができる」と信頼を寄せる藤森が、四天王寺のチョッパー大川に対し、接戦を展開していた。ヒヤリとする場面だったが、4番宮崎はバック対バックでの揺さぶりに対する強さを見せ、永道にストレート勝ちを収めた。
「四天王寺の宮崎翔ちゃんは小学生の頃は熊本で、永道は小さい頃はずっと勝っていた。それは精神的に大きいだろうと話はしたんですけど、今日はちょっと出来が悪かったですね。九州大会で優勝した時はすごく攻めていて良かったけれど、今日はレシーブが下がり気味で、ちょっとプレッシャーをかけ過ぎた部分があったかもしれない」(希望が丘・石田眞行監督)。
これで四天王寺は、1995〜2000年に記録した6連覇に並ぶ、6大会連続優勝まであとふたつとした。武田明子、小西杏、藤井寛子、藤沼亜衣など多くの日本代表を輩出した前回の6連覇に比べれば、強烈な個性を備えたスター選手はいない。しかし、どの選手のプレーからも感じられるのは、圧倒的な練習量。「両ハンドのラリー戦なら、先にミスするのは相手だ」という絶対的な自信を感じさせる。鍛え込まれた強さは健在だ。
トップを任されているエース塩見に加え、宮崎が変化のある投げ上げサービスからの威力ある攻撃で、単複2点獲りが見込める存在になっている。宮崎を支えるダブルス巧者、左腕・高橋の渋い働きも光る。
女子学校対抗準決勝の対戦カードは、四天王寺対愛み大瑞穂、遊学館対明徳義塾。プロ集団のごとく、各選手が任務を遂行していく四天王寺と、エースの野村をはじめ、どの選手もコートやベンチで笑顔が弾ける愛み大瑞穂。両校の対戦は興味深い。エース・出雲とスーパー1年生・相馬を擁する遊学館に、団体戦に燃える軍団・明徳義塾が挑む一戦も楽しみだ。
本日のナイスフォト
数ある写真の中から、ナイスフォトを抜粋し少しだけ紹介
さらに迫力のある写真は本誌に登場予定です
引き締めた滝川第二。初の表彰台へ
滝川第二、初のベスト4
3回戦の調子の波は途切れなかった。
上宮との試合は3−0のストレート勝ち。あっさりと同校初の表彰台を決めた。
愛工大名電、野田学園、遊学館、鶴岡東、東山など、メダル&ベスト8常連校と言われる一角とは対戦していない。
しかし、希望が丘を倒してきた新潟産大附に競り勝ち、その勢いをしっかりと持続。
「ラッキーだよ」と滝川第二の松尾監督は笑う。
稲垣と橋田の単複、鶴亀のバック表での攻守、絶対的エースはいないが、ひとりひとりが伸び伸びと自分のプレーをし、ベンチは全力で応援する。
エースに頼らないからこそ、全員が自分が点を取るんだ!という気迫がある。
インターハイという大きな舞台は、彼らを成長させた。
「うちは全然実力がないんだ。でも失うものもない」(松尾監督)。
少しでもメダルという欲がちらついてしまったら、結果は変わっていたかもしれない。
敗れた上宮の小林監督は「よくやっている相手だから勝てるんじゃないかという受け身の気持ちになってしまった。内容は悪くなかったが、最後の1、2点を取れない。普段私たちが知ってる滝川第二より強かったですよ」
心の動きでプレーは変わる。高校生ならなおさらだ。
しっかり引き締め、メダルを決めても浮かれない。そこに滝川第二の強さを見た。
女子学校対抗の四天王はこの4校。ベスト4が出揃う
●女子学校対抗・準々決勝
〈四天王寺 3−1 希望が丘〉
○塩見 10、7、3 田中
本井 −6、−8、−7 稲吉○
○宮崎/高橋 6、6、9 稲吉/永道
○宮崎 6、11、3 永道
〈愛み大瑞穂 3−1 富田〉
○板花 7、7、−9、5 岡本
○野村 7、5、8 渡辺
大島/野村 2、−11、−7、−7 岡本/信田
○中田(玲) 7、−6、−8、6、7 谷渡
〈遊学館 3−2 横浜隼人〉
○出雲 4、6、4 青木
平川 −6、8、−9、−4 藤田○
千葉/出雲 10、−11、9、−6、−10 青木/小畑美月○
○千葉 −8、9、−8、7、7 小畑美月
○相馬 3、9、6 小畑美菜
〈明徳義塾 3−2 武蔵野〉
高田(愛) −12、7、5、−10、−6 黒野○
○里川 7、4、−5、8 青木
○里川/船場 6、9、13 青木/海保
船場 9、−1、−4、−4 海保○
○岡田 −8、11、9、5 坂元
今年の夏の女子学校対抗、ベスト4は四天王寺、愛み大瑞穂、遊学館、そして明徳義塾!
最も接戦になったのは、遊学館と横浜隼人との一戦。横浜隼人は正智深谷との大激戦から、わずかな時間を置いてのハードな準々決勝だったが、各選手とも疲れも見せずに全力プレー。3番ダブルスで青木・小畑美月ペアがまたもゲームオール12−10で競り勝ち、2−1とリード。
しかし、遊学館は後半に千葉と相馬を配し、後半でも勝負できるオーダーだった。相馬が小畑姉妹の姉・小畑美菜を下し、勝負は妹の小畑美月対千葉。千葉は1ゲームを先取され、2ゲーム目も0−4とビハインドを負う苦しい展開だったが、ゲームオールで勝利する勝負強さを見せた。
愛み大瑞穂は後半に強い富田に対し、カットの中田が4番で谷渡をゲームオールで下し、2番で勝利した福井商業戦に続いて殊勲の勝利を挙げた。先に終了した5番では、富田の信田が大島にこちらもゲームオールで勝利しており、愛み大にとっては決して楽な試合ではなかった。苦しみながらも、地元でうれしいベスト4進出だ。
男子学校対抗ベスト4が決定。野田学園、敗れる
●男子学校対抗準々決勝
愛工大名電(愛知)3-0 東山(京都)
滝川第二(兵庫)3−0 上宮(大阪)
鶴岡東(山形)3-2 野田学園(山口)
遊学館(石川)3−1 明徳義塾(高知)
波乱なのか、新時代の到来なのか。
野田学園ベスト8でストップ、東北の雄・鶴岡東が押して押して、押しまくり、ついに野田学園を下した。
前半は互いに戸上、中橋が1点ずつ取り、ダブルスは野田学園が奪取。
このまま野田学園が押し切るかと思われたが、
後半シングルスで鶴岡東がスパーク。
5番の星が遠藤をパワーの差を見せて粉砕。4番の佐藤vs宮川に勝負は託される。
ふたりともメンタルは強いほうではない。やや消極的なつなぎとレシーブでお互いにメンタルの乱れが見て取れる。準々決勝の最後で緊張しない選手もいないので当然といえば当然だ。
離れては追いつき、勝利の女神が揺れ動く中、佐藤がマッチポイントを握った。
「できる!絶対できる!」鶴岡東のベンチからの声が佐藤に力を与えたのか、最後はサービスエース。宮川がバックドライブを打ち上げて、ゲームセット。
佐藤はその場に倒れ込んだ。
試合後、戸上は涙を流し、ベンチから動けず。
「やることをやってきて、これだけできなかったんだから仕方がない。いろんな準備をしてきましたが、彼らの2割くらいの力しか出させてあげられなかった。ゼロから、いやマイナスからやり直します」(橋津監督)
女子学校対抗、ベスト8決定は好ゲームの連続!
●女子学校対抗3回戦
四天王寺(大阪) 3−0 奈良女子(奈良)
希望が丘(福岡) 3−2 進徳女子(広島)
富田(岐阜) 3−2 浜松修学舎(静岡)
愛み大瑞穂(愛知) 3−2 福井商業(福井)
遊学館(石川) 3−0 リベルテ(大阪)
横浜隼人(神奈川) 3−2 正智深谷(埼玉)
武蔵野(東京) 3−1 山陽女子(岡山)
明徳義塾(高知) 3−0 木更津総合(千葉)
女子学校対抗3回戦の結果は上記のとおり!
午前中のダブルスの進行が遅れ、4・5番は2台進行で行われる中、好ゲームの連続となった。
希望が丘と進徳女子の一戦は、前半0−2とされた進徳女子がダブルスを取ってから反撃し、接戦に持ち込んだ。惜しまれるのは2番泉田が、ゲームカウント2−1の4ゲーム目にマッチポイントを取っていたこと。ここで取っていれば、金星も大いにあり得た。単複で2勝を挙げた枝廣(進徳女子)のパンチ力のある攻撃が光った。
愛み大瑞穂と福井商業の強豪対決は、トップで福井商業のエース青木が、愛み大のエース野村を撃破。「野村さんと青木が当たらないよう、逃げるオーダーも考えましたが、それでは勝てない。青木に勝負に行くぞということを伝えたら、本人も『私もそう思っていました。私が野村さんに勝たないと、福井商業は勝てない』と言ってくれたんです」と福井商業の瓜生監督。エースの志願のトップ出場で勝利し、ペースをつかみかけた福井商業だが、2番吉田が愛み大のチョッパー中田のカットをあと一歩攻略できず、最後は競り負けた。
武蔵野は山陽女子に対し、4番清水がゲームオール6−9から逆転勝ちし、うれしいベスト8進出。横浜隼人と正智深谷という関東のライバル対決は、3番ダブルスをゲームオール19−17という大激戦の末に取った横浜隼人が勝利。「大会前に故障が多く、ベストの状態で試合をさせてあげたかった」と正智深谷の平監督は試合後に語った。
東山と滝川第二が劇的勝利で8入り
●男子学校対抗4回戦
愛工大名電(愛知)3−1 慶誠(熊本)
東山(京都)3−2 静岡学園(静岡)
上宮(大阪)3−1 瓊浦(長崎)
滝川第二(兵庫)3−2 新潟産大附(新潟)
野田学園(山口)3−0 樹徳(群馬)
鶴岡東(山形)3−1 北科大(北海道)
明徳義塾(高知)3−1 大阪桐蔭(大阪)
遊学館(石川)3−0 出雲北陵(島根)
激戦続きの4回戦が終了。これでベスト8までが出揃った。
特に競ったのは東山vs静岡学園、そして滝川第二vs新潟産大附だ。
東山は前半を1-1で折り返すも、ダブルスを取られる苦しい展開。
後半シングルスも劣勢だったが、5番の六本木が先取すると(2台進行)、4番の竹村も息を吹き返していく。最終ゲーム、竹村は静岡学園の稲木に対して、先にマッチポイントを握るが、稲木も執念の返球で追いつく。
魂を削るゲームのラストは、竹村が1本掴み取った。
滝川第二と新潟産大附は前半こそ新潟産大附が2−0とリードしたが、滝二がダブルスを取ると、そこから逆転の火蓋が切られた。
昨日、劇的な勝利を挙げた竹田(新潟産大附)も5番で敗れ、勝負の行方は4番の橋田(滝二)vs渡辺(新潟産大附)へ。
一進一退の攻防の中、最終ゲームでギアが上がったのは橋田。最後は得意のフォアをフルスイングし、渡辺のバックを打ち抜いた。
「1回戦から3−2の試合ばかりで、いつ負けてもおかしくない。そしていつもは入らないようなボールも入った。ラッキーですよ」と滝川第二の松尾監督は謙遜するも、ベスト8入りは2009年神戸インターハイ以来、9年ぶりの快挙だ。
ベスト4入りをかけて戦う相手は上宮。どちらが勝ってもおかしくないカードだ。
ダブルス1〜3回戦、団体戦に負けじと熱いぜ
ただいま会場では、男女ダブルス1〜3回戦が進行中。学校対抗には出場していない学校の選手も多数出場しており、観客席は応援団で超満員。進行がやや遅れており、学校対抗3回戦は少し遅れて始まることになりそうだ。
学校対抗でベスト4が決定、大会第2日目の注目カードは?
今日も猛暑の東海地方。ホテルから会場まで10分ほど歩くだけで、汗ダクの王国取材班。会場のスカイホール豊田はさすがに冷房が効いていて涼しいです。
今日は午前中に男女ダブルスが3回戦まで進行し、ベスト16のペアが決定する。そして12時30分からは男女学校対抗3回戦(ベスト8決定)、続いて準々決勝が行われ、早くもベスト4が決定。対戦カードは下記のとおり。
●男子学校対抗3回戦
愛工大名電(愛知) vs. 慶誠(熊本)
静岡学園(静岡) vs. 東山(京都)
上宮(大阪) vs. 瓊浦(長崎)
滝川第二(兵庫) vs. 新潟産大附(新潟)
野田学園(山口) vs. 樹徳(群馬)
北科大(北海道) vs. 鶴岡東(山形)
大阪桐蔭(大阪) vs. 明徳義塾(高知)
出雲北陵(島根) vs. 遊学館(石川)
●女子学校対抗3回戦
四天王寺(大阪) vs. 奈良女子(奈良)
希望が丘(福岡) vs. 進徳女子(広島)
富田(岐阜) vs. 浜松修学舎(静岡)
福井商業(福井) vs. 愛み大瑞穂(愛知)
遊学館(石川) vs. リベルテ(大阪)
正智深谷(埼玉) vs. 横浜隼人(神奈川)
山陽女子(岡山) vs. 武蔵野(東京)
木更津総合(千葉) vs. 明徳義塾(高知)
まだまだあるぞ、オリジナルウェア!
会場で目にとまったオリジナリティあふれるウェアを紹介しよう。
1枚目は青森の東奥学園。背中のねぶたがとても印象的!
2枚目は希望が丘。希望が高の制服をモチーフにしたデザイン。
3枚目は萩光塩学院。初出場で惜しくも1勝ならず。ウェアはとてもスタイリッシュ!
4枚目は木更津総合。ピンクの迷彩にブルーの襟。肩にはモチーフのたぬき
5・6枚目はウェアではありませんが、愛み大瑞穂のうちわには神谷監督の顔が!
「鬼」に学んで、インターハイ県予選を突破!
平野早矢香さんの著書『卓球の鬼と呼ばれて。』を手に写真に収まってくれたのは、香川県女子代表の高松商業の皆さん。「インターハイ出場校全紹介」で写真と紹介文を送っていただく際、主将の鵜尾知佳さんがこんな文章を寄せてくれた。「部員全員が1人1冊購入して、練習の合間にみんなで読んで意識を高めました。インターハイ出場を果たせたのはこの本のおかげだと、とても感謝しています」。
同校の大野真次監督は、普段のミーティングから卓球王国の特集や記事を活用し、VHSビデオの時代から卓球王国のビデオ・DVDを購入して、指導に役立てて下さっているとのこと。「競技実績のない自分が、選手たちに有益な情報を提供できるのも王国さんのお蔭です。ありがとうございます」(大野監督)。選手の皆さんにも、直接お礼を言っていただきました。
……宣伝したいわけではなく、素直にうれしいです。同時に身が引き締まりますね(汗)。取材もますます気合いが入ります!
今年のトレンドはイエロー?
全国大会での晴れ舞台ともなれば、気合いも当然入る。
そして戦いの場で着用するウェアも個性的であり、色とりどりだ。
コートを彩るウェア、今年のトレンドはイエローだ。
特に男子日本代表のVICTASウェア、しかもイエローをよく見る。一般的にはブラックやブルーなどのカラーのほうがよく売れるが、「他のチームは選ばないだろう」という理由からか、あえてイエローを選び、イエローかぶりを起こしているのか。
目立つから目にとまるのもあるが、ほかメーカーのウェアでも今年はイエローが多い。
勝負のイエローは2018年の流行カラーになっているようだ。
近年にはなかった光景だ。
女子学校対抗2回戦、初出場のリベルテが16強
●女子学校対抗2回戦
四天王寺(大阪) 3−0 札幌大谷(北海道)
奈良女子(奈良) 3−1 五所川原商業(青森)
希望が丘(福岡) 3−0 桜の聖母学院(福島)
進徳女子(広島) 3−1 文大杉並(東京)
富田(岐阜) 3−1 青藍泰斗(栃木)
浜松修学舎(静岡) 3−1 富山商業(富山)
福井商業(福井) 3−0 鹿児島城西(鹿児島)
愛み大瑞穂(愛知) 3−0 済美(愛媛)
遊学館(石川) 3−0 聖和学園(宮城)
リベルテ(大阪) 3−1 駒大苫小牧(北海道)
正智深谷(埼玉) 3−0 秋田商業(秋田)
横浜隼人(神奈川) 3−0 姫路商業(兵庫)
山陽女子(岡山) 3−1 日南学園(宮崎)
武蔵野(東京) 3−0 明秀日立(茨城)
木更津総合(千葉) 3−0 明誠(島根)
明徳義塾(高知) 3−0 名経大高蔵(愛知)
女子学校対抗2回戦は、シード勢が確実に3回戦へ駒を進めた。
その中で、オール1年生4人というメンバー構成のリベルテ(香ヶ丘リベルテ)が強豪・駒大苫小牧を下して16強進出。キャプテンの杉田陽南は3球目から威力ある両ハンドドライブを放つパワーヒッターで、単複に大車輪の活躍を見せている。
木更津総合は古豪・明誠を3−0で破ってベスト16進出。3番の小林・米満(木更津総合)と萱嶋・河野(明誠)はゲームオールジュースの大激戦になったが、最後まで攻め切った小林・米満が勝利を収めた。
シークレットウエポン炸裂!新潟産大附の3度目の正直
●男子学校対抗2回戦
新潟産大附(新潟)3−2 希望が丘(福岡)
男子学校対抗2回戦で希望が丘が敗れた。
相手は新潟産大附。昨年のインターハイ、今年の春の選抜はともに希望が丘が勝利していただけに、希望が丘有利は揺るがないと思われたが、下馬評をひっくり返す一戦だった。
「ラスト5番の竹田は県予選もブロック大会も使ってない選手ですが、オーダーに書きました。フォアは良いものを持っているので、フォアで攻めることができれば希望が丘さんにもいい勝負ができると思いました。両ハンドタイプの選手では相手が上なので、勝る部分がある選手で勝負しました。持ち味を出してくれて、びっくりするような勝利を上げてくれましたね」(山岸監督)
まさにシークレットウエポンだ。
ベスト8をかけた相手は滝川第二。
「お互いにチャンスだと思っているでしょう。もう一度、チャレンジ精神で戦いたい」と山岸監督は明日への抱負を語った。
味方も驚く大胆なオーダーで勝利をもぎ取った新潟産大附。
本日一番の魂の試合だった。
男子学校対抗2回戦結果
●男子学校対抗2回戦
愛工大名電(愛知)3−0 福井商業(福井)
慶誠(熊本)3−1 近大附福山(広島)
静岡学園(静岡)3−0 松山商業(愛媛)
東山(京都)3−1 三浦学苑(神奈川)
上宮(大阪)3−0 高田(三重)
瓊浦(長崎)3−0 東奥学園(青森)
滝川第二(兵庫)3−2 城南(徳島)
新潟産大附(新潟)3−2 希望が丘(福岡)
野田学園(山口)3−0 杜若(愛知)
樹徳(群馬)3−1 松商学園(長野)
北科大(北海道)3−0 富田(岐阜)
鶴岡東(山形)3−0 聖和学園(宮城)
大阪桐蔭(大阪)3−0 尽誠学園(香川)
明徳義塾(高知)3−1 日大豊山(東京)
出雲北陵(島根)3−0 秋田商業(秋田)
遊学館(石川)3−0 埼玉栄(埼玉)
女子学校対抗1回戦結果
●女子学校対抗1回戦
札幌大谷(北海道)3−1 日本航空(山梨)
五所商業(青森)3−0 華頂女子(京都)
奈良女子(奈良)3−0 滋賀学園(滋賀)
桜の聖母(福島)3−0 育英(兵庫)
文大杉並(東京)3−2 萩光塩学院(山口)
青藍泰斗(栃木)3−1 相原(神奈川)
富山商業(富山)3−0 コザ(沖縄)
浜松修学舎(静岡)3−0 吾妻中央(群馬)
福井商業(福井)3−1 秋草学園(埼玉)
鹿児島城西(鹿児島)3−1 北越(新潟)
済美(愛媛)3−0 鎮西学院(長崎)
聖和学園(宮城)3−2 桜丘(愛知)
リベルテ(大阪)3−1 白子(三重)
駒大苫小牧(北海道)3−1 明豊(大分)
正智深谷(埼玉)3−1 松商学園(長野)
秋田商業(秋田)3−0 鳥取敬愛(鳥取)
姫路商業(兵庫)3−0 高松商業(香川)
日南学園(宮崎)3−0 敬徳(佐賀)
明秀学園(茨城)3−1 粉河(和歌山)
武蔵野(東京)3−0 徳島市立(徳島)
木更津総合(千葉)3−1 開新(熊本)
明誠(島根)3−0 水沢(岩手)
名経大高蔵(愛知)3−2 鶴岡東(山形)
4人の1年生・リベルテ発進!
四天王寺に続く、大阪の第二代表のリベルテ。
学校対抗初出場、しかも1年生4人という構成だが、ジュニアアシストアカデミーで腕を磨く原石たちは、初のインターハイでも堂々とした戦いぶりを見せた。
1回戦で白子(三重)に3−1で勝利。なかなかの好スタートだ。
ベスト16決定の相手は北海道王者の駒大苫小牧。快進撃はどこまで続くだろうか?
女子学校対抗1回戦、九州から新鋭2校が初出場
男子に続き、女子学校対抗1回戦もスタート!
リベルテ(大阪)、萩光塩学院(山口)、敬徳(佐賀)、開新(熊本)の4校が初出場。佐賀の敬徳は創部2年目での出場という快挙で、男子とアベックでの出場。同じ九州の日南学園(宮崎)に0−3で敗れ、ゲームを奪うことはできなかったが、気迫満点のプレーを見せた。ここからチームの新たな歴史が生まれていく。
熊本の開新は、こちらも創部3年目の新鋭チーム。インターハイの県予選で44連覇中だった「絶対女王」慶誠を3−2で破り、初出場を決めた。木更津総合(千葉)戦では2番でキャプテンの安田が記念すべき勝利。3番ダブルスを惜しくも落として1−3で敗れた。存在感を見せた戦いぶりだったが、来年はまた熾烈な県予選が待っている。
男子学校対抗1回戦結果
●男子学校対抗1回戦
福井商業(福井)3−0 川越東(埼玉)
慶誠(熊本)3−0 近江(滋賀)
近大附福山(広島)3−2 学館浦安(千葉)
松山商業(愛媛)3−1 鳥取敬愛(鳥取)
三浦学苑(神奈川)3−1 高岡龍谷(富山)
高田(三重)3−0 宮古(沖縄)
瓊浦(長崎)3−0 岡崎城西(愛知)
東奥学園(青森)3−0 福島東稜(福島)
城南(徳島)3−0 札幌龍谷(北海道)
滝川第二(兵庫)3−2 専大北上(岩手)
新潟産大附(新潟)3−1 早稲田実業(東京)
杜若(愛知)3−1 明豊(大分)
樹徳(群馬)3−1 甲府工業(山梨)
松商学園(長野)3−0 敬徳(佐賀)
北科大(北海道)3−1 和歌山商業(和歌山)
富田(岐阜)3−2 宮崎商業(宮崎)
聖和学園(宮城)3−0 れいめい(鹿児島)
尽誠学園(香川)3−0 添上(奈良)
日大豊山(東京)3−1 湘南工大附(神奈川)
明徳義塾(高知)3−0 育英(兵庫)
出雲北陵(島根)3−1 関西(岡山)
秋田商業(秋田)3−1 岩瀬日大(茨城)
埼玉栄(埼玉)3−0 作新学院(栃木)
地元・岡崎城西、負けても前のめり。根性見せた!
●男子学校対抗1回戦
瓊浦(長崎)3−0 岡崎城西(愛知)
地元愛知と言ったら、愛工大名電と杜若が有名だが、今回は3枠の出場となり、そこに見事に滑り込んだ岡崎城西。
インターハイは初出場だが、「慣れている」というスカイホール豊田で気負うことなくプレーした。エースの日高、選抜(2部)準優勝の鈴木、ペン粒高の今泉が奮闘し、1〜3番まですべてフルゲームに持ち込むなど見せ場を作った。
団体の結果は3−0だったが、2時間半の熱戦を繰り広げた。
「インターハイに出られるチャンスは少ないので、次につなげたかったが、力不足でした。また地道に練習して、出直したい」(篠塚監督)
男子学校対抗1回戦、会場は一気にヒートアップ!
大会第1日目、男子学校対抗の1回戦から競技がスタート!
沖縄県代表としてインターハイ初出場を果たした宮古高校。高田(三重)戦のトップで、バックハンドが強い兼島(竜)がゲームオールの接戦を演じたが、惜しくもここを落として0−3で敗れた。根木貴光監督は「やはりトップで取りたかったですね。しかし、同じミスになったボールでも、これまでは守りに入ってミスが出ていたのが、今回は攻めてミスになっていた。その部分は成長があった」と語った。
部員全員が宮古島の出身で、県予選決勝ではなかなか勝てなかったというコザ高を破っての初代表は見事だ。
インターハイの開幕式が行われる。明日から熱戦スタート
名古屋市で史上初の40度越えを記録した今日。インターハイ・卓球競技が開催される愛知県豊田市も38度の猛暑の中、開会式が行われた。もちろん、会場のスカイホール豊田は冷房が効いていて快適だ。
昨年度の優勝杯返還では、男子学校対抗優勝の愛工大名電、準優勝の遊学館、女子学校対抗優勝の四天王寺、準優勝の明徳義塾が学校対抗の優勝杯を返還。男子学校対抗2連覇の愛工大名電は、昨年の主力である木造勇人、高見真己らが卒業。エースで主将の田中佑汰が、地元優勝の重責を担う。
選手宣誓を行ったのはその田中と、愛み大瑞穂高の板花美和主将。甚大な被害を出した7月の西日本豪雨へ思いを馳せた。
「平成30年7月豪雨により、今も多くの方が復旧作業や避難所生活をしています。こうした状況の中で、インターハイは家族・仲間・先生方など多くの協力・支援があってこそ開催できるものです」(板花)。「私たちは今、こうして精一杯卓球に打ち込めることの幸せを忘れず、すべての方に感謝し、ここ豊田の地において力の限りプレーすることを誓います」(田中)。
また、連続出場・通算出場の表彰校は下記のとおり。
◎連続出場
30回:滝川第二(男子)
20回:埼玉栄(男子)
10回:富田(男子)、野田学園(男子)、正智深谷(女子)、済美(女子)
●通算出場
50回:秋田商業(男子)
30回:福井商業(男子)、鎮西学院(女子)
20回:作新学院(男子)、杜若(男子)、文大杉並(女子)
学校対抗のトーナメント・対戦カードが決定!
本日16時から行われた抽選会により、学校対抗のトーナメントが決定。
男子の1回戦では明豊vs杜若、宮崎商業vs富田、日大豊山vs湘南工大附、出雲北陵vs関西など、見応えのあるカードが揃っている。
第一シードの愛工大名電は、選抜で大激戦を展開した東山が8シードに飛び込んできた。東山としては、「今回こそは!」の気持ちは強いはずだ。
ライバル野田学園はひとつずつしっかり勝利を重ねて初優勝を狙いたい。昨年は準決勝で遊学館に競り負けたが、今年の戦力では野田学園のほうがやや有利か。敵地・愛知で名電を倒すと意気込んでいる野田学園は、今年のチャンスを活かしたい。
女子の1回戦では、桜の聖母vs育英、桜丘vs聖和学園、リベルテvs白子、駒大苫小牧vs明豊など、序盤から競りそうな試合が多い。
左上の山には、第一シードの四天王寺に加えて、希望が丘、進徳女子など、有力校が並んでいる。初優勝の可能性も高い遊学館の山も強豪校揃いで、どの校と当たっても確実ではない。
四天王寺の連覇か、新たな学校がチャンピオンになるか。
トーナメント表を見るだけでわくわくしてくる。
競技は2日後の8月4日から始まる。
初日は学校対抗の1・2回戦、そこでベスト16が決まる。
55校ある学校が1日で16校に絞られる過酷なサバイバルゲームだ。
スカイホール豊田が高校生の熱気で埋まる。
女子シングルスは思わぬシンデレラガールに期待!
女子シングルスは昨年の主力たちがごっそりと抜けたことで、実力伯仲の戦いになる。
昨年3位の岡崎日和(川口市立)が第1シードだが、期待のカットマン・相馬夢乃(遊学館)が立ちはだかる。相馬は先日のワールドツアー・韓国オープンで李皓晴(香港)にストレートで勝利するなど、グイグイと実力をつけている。相馬の1年生優勝もあるだろう。遊学館勢は千葉菜月、平川咲、出雲美空など、学校対抗でも優勝を狙えるメンバーが揃っているため、今大会旋風を巻き起こすかもしれない。
大器と言われながらも、インターハイではシングルスでのメダルを獲得していない塩見真希(四天王寺)は、最後の夏に懸ける。全日本ジュニアでは決勝まで勝ち進み、同世代トップの実力を改めて証明している。フォア表から放たれるスマッシュは他の選手にない魅力だ。
愛み大瑞穂の大島奈々、野村萌、五所商業の工藤夢、大成女子の出澤杏佳など、上位進出する可能性は高い。シングルスは大会の後半に行われるので、学校対抗での各選手の調子もひとつの指標となるだろう。思わぬシンデレラガールが現れるかもしれない。
個人戦全組み合わせはこちら(全国高校体育連盟卓球専門部)
http://www.koutairen-tt.net/h30.8.3-8.inter-draw.pdf
男子シングルスは戸上か、田中か。それとも……
男子シングルスは昨年準優勝の戸上隼輔(野田学園)が第1シードだ。戸上は東京選手権でも優勝し、シニアでも力が通用することを証明している。エンジンがかかるまで時間がかかる選手だが、稲光のような超速の両ハンドが炸裂すれば初優勝が見えてくる。
大会全体での安定という意味では田中佑汰(愛工大名電)に軍配があがるだろう。好不調の波が少ないのは、日程が長い大会では強みになる。取りこぼしは少ないが、戸上には相性が悪い。決勝で戦うことになれば、大激戦は間違いない。
攻撃力が高い金光宏暢(大原学園)も優勝候補のひとりだ。昨年は3位、全日本ジュニアでも3位に入っており、実力は充分。ドイツのマスターカレッジで腕を磨いてきた金光は、持ち前の打球の鋭さに加えて、よりオールラウンドに成長している。学校対抗とダブルスには出場していないだけに、体力温存でシングルスのみに集中できるのも大きいだろう。
他には昨年の全中王者・手塚崚馬(明徳義塾)、パワーフルな留学生・劉念(日南学園)、そして地元枠などで計10名出場する愛工大名電勢が強い。
個人戦全組み合わせはこちら(全国高校体育連盟卓球専門部)
http://www.koutairen-tt.net/h30.8.3-8.inter-draw.pdf
開幕間近!インターハイがやってくる
高校生たちの夏の頂上決戦。インターハイが開幕間近だ。
今年の舞台は愛知・スカイホール豊田。これまで多くの卓球大会を開催してきた会場だけに、卓球選手にとってはお馴染みの場所だろう。
まずは大会のスケジュールを紹介しよう。
8月2日 16時〜 学校対抗公開抽選会
8月3日 16時〜 開会式
8月4日 9時〜 男女学校対抗1〜2回戦
8月5日 9時〜 男女ダブルス1〜3回戦、男女学校対抗3回戦・準々決勝
8月6日 9時〜 男女シングルス1回戦、男女ダブルス4回戦〜決勝、男女学校対抗準決勝
8月7日 9時〜 男女シングルス2〜5回戦、男女学校対抗決勝
8月8日 9時〜 男女シングルス準々決勝〜決勝、閉会式