速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

全国高校選手権(インターハイ2017)

●女子学校対抗決勝
四天王寺 3−1 明徳義塾
 塩見 −7、−5、4、−9 三村優○
○木村 4、5、−4、10 里川
○梅村/塩見 5、8、9 三村優/井
○ 大川 8、−10、3、5 船場

 四天王寺と明徳義塾の決勝は、1番の塩見が三村優のたたみかけるような両ハンド速攻プレーの前に沈むという波乱の幕開けとなった。
 四天王寺は1、2番のシングルスを取り、その流れのままダブルスに入るというオーダーを組んだ。明徳義塾の三村優/井のダブルスは前日の女子ダブルスで優勝していて、四天王寺が明徳義塾に対してもっとも警戒していたのは3番のダブルスのはずだ。だが、1番を落としたことで計算が狂った。
 塩見は三村の表ソフトのナックル性で速いハーフボレーに押されて、1、2ゲーム目は手も足も出せなかった。3ゲーム目は回転をかけた山なりのドライブで対応して奪ったが、最後まで強気の連打を止めなかった三村が攻め切った。

 2番は四天王寺が木村で、明徳義塾が里川。木村は伸びのあるフォアドライブで里川を打ち抜いて2ゲームを連取したが、3ゲーム目になると里川は木村のフォアドライブを避けて、バック対バックの展開に持ち込んで奪い返した。ゲームを取られて堅くなったのか、木村のプレーにミスが目立ち始める。4ゲーム目も里川の伸びるブロックに押されて、7−10とゲームポイントを握られた。だが、ここから木村が踏ん張りを見せてジュースに追いつくと、5ポイント連取して12−10で勝利。試合を1対1のタイにした。

 注目のダブルスは、梅村/塩見が三村/井のフォア側を続けて攻める戦術で2人を台から下げさせて、得意のバックドライブを封じた。明徳義塾ペアは最後までのフォア攻めを攻略することができずにストレートで四天王寺ペアが勝利。この1点がチームの勝敗の分岐点となった。

 4番はカットの大川とシェーク攻撃の船場の対決。大川は糸を引くような低いカットで1ゲーム目を取ると、2ゲーム目も10−8とした。だが、船場のミスのないゆっくりとしてドライブにしびれを切らして反撃を仕掛けてミス。10−12でこのゲームを落とした。村田監督からベンチでアドバイスを受け、3ゲーム目からは攻撃を控えてカットに徹した大川。船場は大川の打球点の高いカットに決め手を打つことができず、3、4ゲームは一方的な内容で大川が奪い、四天王寺が5連覇を達成した。
  • 直線的な打球で塩見を破り、金星をあげた三村優

  • 主将の木村が嫌な流れを断ち切った

  • 完璧な戦術を見せた梅村(左)/塩見のダブルス

  • 2年生の大川が勝利を決めた

2連覇を決めて、安堵の表情を見せた愛工大名電の今枝一郎監督。
決勝を終え、その胸中を語った。

「トップの宮本は気負いすぎましたね。直前のシングルス5回戦で良くない負け方したから、加山で行こうかと考えてました。でも最終的には宮本をオーダー。あの雰囲気に飲まれてしまい、ゲームカウント1−2の1−5。でもそこから逆転しましたから、強い気持ちでやってくれたと思います。宮本には、『遊学館の応援はすごいけど、最後は強いやつが勝つ』と言いました。宮本のほうが強い。それを自信にさせました。
 
 ダブルスは向こうが気負ってくれた感があります。結果的にチキータも1本しかやってきていない。だから7−10になっても、もしかしたら逆転するんじゃないかと。

 今年は去年より自信がなかったですね。去年は松山もいたし、木造と高見ともたくさん練習できた。今は日の丸をつけるようになり、全員で調整ができなくなっています。不安がありました。

 その中で勝ってくれるのは頭が下がりますね。本当に良いやつらだから勝たせてあげたい。出てない選手たちが観客席で泣いてくれていた。勝った木造とかが笑っているのに、控えメンバーが泣いてるんですよ。本当に良いやつたちです。良いチームです」(愛工大名電・今枝一郎監督)
  • 母校の指揮をとってから2度目のインターハイ王者に導いた今枝監督

敗れた遊学館の植木監督。
自身初の決勝進出を果たしたが、満足はしていない。

「オーダーは後半勝負です。2〜5番に3年生をおきました。トップの川村は2年生としてとにかく思い切ってやってこいと送り出しました。勝たせられなかった。ぼくの責任です。

 初の決勝は本当に楽しかった。生徒も頑張ってくれました。でも正直、日本一しか考えていないので、全然うれしくない。出雲も川村も小学生の時からうちで面倒を見てきて、出雲は最後のインターハイで優勝させると約束してきたから、決勝後はみんなに謝りました。

 名電の選手はとにかく簡単にミスをしない。まだまだ追いつけていないです。ダブルスは絶対に取ると言ってくれたので、後半シングルスも回してあげたかった。決勝のこの時間をもう少し楽しみたかったです。

 来年は主力が抜けるので、イチからチームを作り直しです。でもこの決勝をベンチ・観客席で見て、今の1・2年生が何かを感じ、変わってくれることを期待してます」(遊学館・植木大監督)
●男子学校対抗決勝
 愛工大名電 3−0 遊学館
○宮本 7、−11、−12、9、8 川村
○木造 5、6、4 三上
○木造/高見 10、−6、7、10 出雲/五十嵐

「ゆーがくかん!」
観客席から怒濤の応援が降り注ぐ。
遊学館の大応援団が体育館の一角を占拠していた。
「さあ、楽しむぞ!」と言わんばかりの遊学館。
昨日の野田学園戦でドラマを起こした川村をトップに起用。1本ずつ観客席から大声援。遊学館が良い空気を作り、川村も全日本ジュニア2位の宮本を相手に冷静なプレーでリードを奪った。

明らかに宮本は動揺していた。3ゲーム目はゲームポイントを握りながらも決めきれず、逆転で落とす。4ゲーム目も2−6と川村にリードされたが、そこで粘れるのが名電が強固な理由だろう。6−6に追いつき、連続ポイントで最終ゲームに持ち込むと、スタートダッシュを決めて5−2と引き離した。
崩れそうで崩れない。宮本がよく耐えた。決勝全体の流れを一気に名電がつかんだ一戦だった。

2番木造は連戦を感じさせない完璧なプレーで三上を寄せ付けず。多くの大舞台を経験してきた木造。インターハイ決勝で本来のプレーができる強さがある。

遊学館が最も自信があるダブルス。しかし、相手は昨日インターハイ王者に輝いた木造/高見だ。遊学館はロングサービス、カウンター、奇襲攻撃での点数はとれるが、なかなかリードができない。連続得点を許さない名電ペアは、実にクレバーであり、最良の選択を選んでくる。
追い詰めながらも崩れなかった名電。
前評判通り、学校対抗2連覇を決めた。

優勝後、歓喜に沸く名電の選手に向けて、遊学館の応援団が「メーデン、メーデン」のコール。それに名電の応援団が「ゆーがくかん、ゆーがくかん」と返す。
お互いに健闘をたたえ合った両校。実に清々しい決勝戦だった。
  • 立て直した宮本。執念の勝利

  • 「死んでも取る」五十嵐/出雲の気迫は凄まじかった

  • 4ゲーム目、7-10から逆転し、優勝を決めた

  • 両校にエールを送った遊学館の応援団

●女子学校対抗決勝
 四天王寺 3−1 明徳義塾
 塩見 −7、−5、4、−9 三村優○
○木村 4、5、−4、10 里川
○梅村/塩見 5、8、9 三村優/井
○大川 8、−10、3、5 船場

昨年と同じ顔合わせになった決勝。四天王寺は万全のオーダーで臨んできたが、トップで塩見が三村優の速攻に敗れて先取点を許す。嫌なムードになったが、木村がきっちりと勝ってチームを立て直すと、そのまま優勝に突き進んだ。

※詳細は後ほどアップします
●男子学校対抗決勝
 愛工大名電 3−0 遊学館
○宮本 7、−11、−12、9、8 川村
○木造 5、6、4 三上
○木造/高見 10、−6、7、10 出雲/五十嵐

2連覇を狙う愛工大名電と初優勝を目指す遊学館の決勝は、後半勝負のオーダーを組んできた遊学館を名電が圧倒した。

※詳細は後ほどアップします
●女子シングルス5回戦
松岡(慶誠)2、6、1 加藤(富田)
岡崎(川口総合)8、4、3 井(明徳義塾)
岩越(希望が丘)7、−11、6、−6、10 船場(明徳義塾)
千葉(遊学館)9、6、5 工藤(五所川原商)
塩見(四天王寺)6、4、3 杉本(横浜隼人)
秋山(愛み大瑞穂)6、7、5 渡辺(富田)
野村(愛み大瑞穂)−12、−9、5、6、9 青木(福井商業)
梅村(四天王寺)−8、7、6、1 出雲(遊学館)

 2回戦から5回戦まで休みなしで進んだ女子シングルス。
明日の準々決勝に進んだ8人の選手のうち、6人が学校対抗で上位に入った強豪チームの選手という中、松岡(慶誠)と岡崎(川口総合)の2人が大健闘。
 松岡は勢いに乗っている加藤のカットをゆるいドライブからのスマッシュで打ち抜いて快勝。
 岡崎は昨日ダブルスで優勝している井の両ハンドドライブを上回るプレーを見せてベスト8入りを決めた。
 本命のいない今大会の女子シングルス。ベスト8が出揃い、この中から誰が優勝を手にするのか。
  • ミスのないカット打ちで加藤を下した松岡

  • 岡崎は打たせてからの展開が得意

  • 希望が丘の最後の砦となった岩越

  • 工藤のサービスを苦にしなかった千葉

  • 塩見は初優勝を狙う

  • 学校対抗の勢いをそのまま、個人戦でも好調な秋山

  • 野村は青木との速攻対決を制す

  • 「ダブルスは負けたので、頑張りたい」と意気込みを語った梅村

●男子シングルス5回戦
木造(愛工大名電)−6、4、−10、5、7 西村(浜松修学舎)
柏(関西)8、−6、9、−9、6 出雲(遊学館)
蛭田(希望が丘)6、8、9 岩永(帝京安積)
金光(大原学園)8、7、7 三上(遊学館)
田中(愛工大名電)−7、7、−8、1、3 竹内(東山)
沼村(野田学園)7、7、7 松山(埼玉栄)
戸上(野田学園)9、7、8 加山(愛工大名電)
高見(愛工大名電)5、13、7 田中(東山)

続いて男子シングルス5回戦が行われ、ベスト8が決定した。
木造は同じ東海勢の西村に大苦戦。3ゲーム目を接戦で奪われ、木造敗れるかと思われたが、そこから息を吹き返した。最終ゲームは8−0まで突き放し、執念の勝利。

4回戦で橋本(愛工大名電)とフルゲームジュースの攻防を展開した金光は、難敵を乗り越えて勢いに乗り、5回戦は三上(遊学館)をストレートで下した。
「昨年はインターハイ独特の空気に飲まれてしまい、良いプレーができず、すぐに負けてしまった。今年は常に緊張感を持って練習してきたし、試合に入る準備を入念にするようにした。目標はもちろん優勝です」(金光)と力強く宣言。
名門校がベスト8に揃う中で、エリートアカデミー卒の金光が孤軍奮闘の活躍を見せている。

写真はベスト8に入った選手たち
  • 王者・木造が狙うのは三冠王

  • 出雲とのクロスゲームに勝利した柏

  • スイングスピードが速い蛭田

  • 金光は昨年の借りを返す

  • 田中は苦戦が続いたが、キッチリ勝つところがさすが

  • エンジンがかかってきた沼村

  • スーパールーキー・戸上。次は高見の堅陣を崩したい

  • 高見も三冠王を目指す

●女子シングルス4回戦
加藤(富田・岐阜)7、−8、7、12平川(遊学館・石川)
松岡(慶誠・熊本)−11、9、−7、8、10大島(愛み大瑞穂・愛知)
岡崎(川口総合・埼玉)8、9、−9、−8、6高橋沙(桜の聖母・福島)
井(明徳義塾・高知)6、7、9 柳内(育英・兵庫)
船場(明徳義塾・高知)−4、9、−1、6、9 木村(山陽女子・岡山)
岩越(希望が丘・福岡)7、8、9 高山(札幌大谷・北海道)
千葉(遊学館・石川)4、8、1 桑原(正智深谷・埼玉)
工藤(五所川原商業・青森)7、−6、10、6 笹尾(横浜隼人・神奈川)
塩見(四天王寺・大阪)7、−10、5、2 篠田(明豊・大分)
杉本(横浜隼人・神奈川)−9、7、8、9 村田(山陽女子・岡山)
秋山(愛み大瑞穂・愛知)6、7、−8、7 黒野(東京・武蔵野)
渡辺(富田・岐阜)−8、8、9、10 伊藤(札幌大谷・北海道)
青木(福井商業・福井)8、−6、8、7 松井(横浜隼人・神奈川)
野村(愛み大瑞穂・愛知)10、12、9 加藤(明徳義塾・高知)
出雲(遊学館・石川)9、−7、−5、6、10 小林光(木更津総合・千葉)
梅村(四天王寺・大阪)7、5、9 竹田(愛み大瑞穂・愛知)

「ランキング入り」をかけて熱い戦いが繰り広げられた4回戦。
3回戦で第1シードの木村を下し、今大会の台風の目となっているカットの加藤は平川の強打をしのいでベスト16入りを果たした。

1年生対決になった出雲と小林光の試合は、前陣での高速ラリー戦になり、ゲームオールジュースで出雲が振り切った。
●女子シングルス3回戦
加藤(富田・岐阜)8、13、−6、9木村(四天王寺・大阪)
平川(遊学館・石川)12、3、−8、2中島(奈良女子・奈良)
松岡(慶誠・熊本)−7、5、3、5藤田(横浜隼人・神奈川)
大島(愛み大瑞穂・愛知)2、7、7吉川(育英・兵庫)
岡崎(川口総合・埼玉)6、9、6沖胡(岩国商業・山口)
高橋沙(桜の聖母・福島)8、3、5竹鼻(吾妻・群馬)
井(明徳義塾・高知)6、−7、6、11柴田(希望が丘・福岡)
柳内(育英・兵庫)−6、4、10、6森本(白子・三重)
木村(山陽女子・岡山)6、3、2青木(武蔵野・東京)
船場(明徳義塾・高知)7、4、8藤田(奈良女子・奈良)
岩越(希望が丘・福岡)8、6、4枝廣(進徳女子・広島)
高山(札幌大谷・北海道)3、−10、−9、5、9何(明秀学園・茨城)
千葉(遊学館・石川)−8、5、9、7小島(明豊・大分)
桑原(正智深谷・埼玉)9、−9、7、5皆川(昇陽・大阪)
工藤(五所川原商業・青森)7、−8、6、8謝(開志国際・新潟)
笹尾(横浜隼人・神奈川)12、6、6片山(聖和学園・宮城)
塩見(四天王寺・大阪)5、8、5木村(正智深谷・埼玉)
篠田(明豊・大分)4、−10、−6、8、7浅井(桜丘・愛知)
村田(山陽女子・岡山)−11、−13、6、8、7天野(日本航空・山梨)
杉本(横浜隼人・神奈川)−9、9、8、4原田(桜の聖母・静岡)
黒野(東京・武蔵野)8、8、12里川(明徳義塾・高知)
秋山(愛み大瑞穂・愛知)5、4、7平田(進徳女子・広島)
渡辺(富田・岐阜)−8、−8、7、9、9永道(希望が丘・福岡)
伊藤(札幌大谷・北海道)10、6、9楊(日南学園・宮崎)
青木(福井商業・福井)3、1、8奥山(秋田商業・秋田)
松井(横浜隼人・神奈川)6、10、7伊藤(北越・新潟)
加藤(明徳義塾・高知)6、4、2川崎(聖和学園・宮城)
野村(愛み大瑞穂・愛知)6、9、5岡本(佐賀商業・佐賀)
小林光(木更津総合・千葉)6、7、−12、−6、中村(岩国商業・山口)
出雲(遊学館・石川)11、8、4丸(正智深谷・埼玉)
竹田(愛み大瑞穂・愛知)−6、2、5、−8、5関(松商学園・長野)
梅村(四天王寺・大阪)6、11、3黄(瓊浦・長崎)