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全国高校選手権(インターハイ2017)

●男子ダブルス決勝
木造勇人/高見真己(愛工大名電)−8、7、5、6 田中佑汰/加山裕(愛工大名電)

 3年生の木造/高見ペアと2年生の田中、1年生の加山ペアの同士討ちになった男子ダブルス決勝。田中のフォアドライブと加山のカウンターブロックが冴えて後輩ペアが第1ゲームを先取したが、木造/高見は慌てずに対応。質の高いドライブを両サイドに打ち分けて第2ゲームを取ると、その後は一方的な展開で試合を決めた。
 勝利の瞬間に派手なガッツポーズを見せなかったのは決勝を戦った後輩への配慮もあっただろうが、明日の団体決勝、そしてシングルスが終わるまでは喜んでいられない、という思いがあったのではないだろうか。
 高見は決勝で対戦した田中と組んで昨年のインターハイの男子ダブルスで優勝しているので、2年続けての栄冠。木造は男子ダブルスで1年時に続き、2度目の優勝となった。

「普段の練習試合でも負けていなかったので、自信はありました。去年は意識せずに優勝したけど、今年はぼくも木造も3冠王を狙っている。取りに来て取ったので、うれしいです」(高見)

「内容が良くなかったけど、結果が出てうれしいです。明日は学校対抗の決勝もあるし、気を引き締めます」(木造)
  • ゲームを先行されても落ち着いてプレーを続けた木造(左)/高見

  • 大きなガッツポーズは明日の団体決勝で見せるか

  • ウイニングボールで記念撮影

  • コンビネーションの良さを見せた田中(右)/加山

●男子ダブルス準決勝
木造勇人/高見真己(愛工大名電)4、10、−10、7 西村星哉/深沢大陽(浜松修学舎)
田中佑汰/加山裕(愛工大名電)6、10、−5、−6、6 出雲卓斗/五十嵐史弥(遊学館)

●女子ダブルス準決勝
笹尾明日香/杉本恵(横浜隼人) 9、9、7 梅村優香/塩見真希(四天王寺)
井絢乃/三村優果(明徳義塾) 8、−8、7、5 森本枝里/白神ひかる(白子)

男子決勝は愛工大名電の同士討ちが決定。木造/高見は学校対抗でも対戦していた西村/深沢に連勝。大きなラリーになると互角だが、前陣でのさばきは名電ペアのほうが一歩上か。1ゲームは落としたが、その後は力で押し切った。

田中/加山はゲームを先行したが、遊学館ペアの粘りにペースを崩されてしまう。出雲/五十嵐は最終ゲームは0−5のビハインドから追いつくなど、学校対抗で見せた粘り腰をここでも発揮したが、後半は続かなかった。

女子は横浜隼人の笹尾/杉本が抜群のコンビネーションを見せて、四天王寺ペアをストレートで下す殊勲。杉本のラリー力、笹尾のパワードライブが見事にマッチした。
決勝はこちらもコンビネーションには定評のある明徳義塾の井/三村ペアと対戦する。
  • 昨年優勝の田中は加山との新ペアで決勝へ

  • 白子ペアは速攻戦術でメダルをゲット

  • 四天王寺ペア、まさかの完敗

  • 横浜隼人として、インターハイ初タイトルなるか?

●男子ダブルス準々決勝
木造/高見(愛工大名電)3−1 川上/渡井(静岡学園)
西村/深沢(浜松修学舎)3−2 宮本/田原(愛工大名電)
田中/加山(愛工大名電)3−0 熊本/浦口(日南学園)
出雲/五十嵐(遊学館)3−1 柏/金光(関西)

●女子ダブルス準々決勝
梅村/塩見(四天王寺)3−1 三上/福士(五所川原商)
笹尾/杉本(横浜隼人)3−1 金崎/田中(希望が丘)
森本/白神(白子)3−0 秋山/野村(愛み大瑞穂)
井/三村(明徳義塾)3−0 板花/大島(愛み大瑞穂)

学校対抗の準決勝が終わり、次々にダブルスが入っている。
男子は西村/深沢が愛工大名電の一角に勝利。身体能力を活かした西村の躍動的なプレーと、攻撃力の高いペンドラの深沢がうまくかみ合い、歓喜のメダルを決めた。
  • 西村/深沢は歓喜の抱擁

  • 今大会、かなりの存在感がある浜松修学舎

●男子ダブルス4回戦
木造/高見(愛工大名電)3−0 小林/川口(松徳学院)
川上/渡井(静岡学園)3−0 加賀美/高須(愛工大名電)
西村/深沢(浜松修学舎)3−0 阿南/田中(高田)
宮本/田原(愛工大名電)3−1 菅沼/上村(大阪桐蔭)
田中/加山(愛工大名電)3−0 割石/笹田(尽誠学園)
熊本/浦口(日南学園)3−2 永田/吉田(希望が丘)
柏/金光(関西)3−2 近藤/渡辺(明豊)
出雲/五十嵐(遊学館)3−0 田中/福本(東山)

●女子ダブルス4回戦
梅村/塩見(四天王寺)3−1 永目/二宮(明徳義塾)
三上/福士(五所川原商)3−0 遠藤/堀田(横浜隼人)
金崎/田中(希望が丘)3−1 皆川/村田(山陽女子)
笹尾/杉本(横浜隼人)3−1 千葉/出雲(遊学館)
秋山/野村(愛み大瑞穂)3−0 池田/加藤(華頂女子)
森本/白神(白子)3−1 鈴木/黒野(武蔵野)
井/三村(明徳義塾)3−1 青木/吉田(福井商業)
板花/大島(愛み大瑞穂)3−1 岩越/柴田(希望が丘)

男女とも4回戦が終了し、ベスト8が決定。
男子は愛工大名電勢がベスト8に3組入っている。女子は各校のエースダブルスが勝ち上がっている。
インターハイへは20年連続20回目となる遊学館。
これまでの最高成績は3位。ついに歴史の扉をこじ開けた。

「今までは出雲が前半で落としたらダメになっているチーム。でも昨日の東山もそうですが、出雲が落としても今は全員で3点を取りに行ける。特に五十嵐が成長しているので、ダブルスが安定してくれます。出雲は少し消極的になるので、五十嵐がガッツで引っ張ってくれます。ムードメーカーですよ。

 川村は小学4年の時に預かって、中学3年生まで私の家に住んでいました。高校は寮がありますが、中学まではないので、私の自宅で暮らしていました。親の気持ちですよね。
 出雲も小学5年から預かっています。ふたりは仲が良いので、出雲の涙は川村への感謝と、ふがいない自分に対してなのでしょう。でもまだ明日がありますから今泣いてはダメ。

 川村には楽しんでやれと言いました。こんな舞台、なかなか経験できるものじゃない。だから楽しんでこいと。チャンスボールをミスしても、次のボールも思い切り打ちにいく。川村の良さが出たと思います。そして最後は自分の勘に頼ってプレーしなさいと伝えました。

 OBもたくさん応援に来てくれているので、『あと一回だけ(決勝)お願いします』と言いました。私も選手も初めての決勝なので緊張すると思いますが、楽しもうと思います」(遊学館・植木監督)
  • チームを初の決勝へ導いた植木大監督

  • 遊学館は応援と一体している。まさに応援の力だ

●男子学校対抗準決勝
 遊学館 3−2 野田学園
 三上 −10、−11、−6 竹崎○
 出雲 −7、−8、−7 戸上○
○出雲/五十嵐 −7、9、10、−7、10 沼村/戸上
○川村 6、−5、8、−4、9 沼村
○五十嵐 4、10、8 宮川

最後の2本は3球目バックドライブ、そしてサービスエース。
クールな男・川村がガッツポーズ。
創部初の決勝へ。遊学館が新たな歴史を作った。

以前の遊学館ならば前半の0−2で敗戦ムードが漂っていただろう。
しかし、五十嵐が精神的主柱となり、ダブルスで出雲をうまく牽引する。部内では「イガバウアー」と呼ばれているエビぞりガッツポーズを何度も決めて、ダブルス、そして5番シングルスをもぎ取った。

勝負となった4番は圧倒的に沼村が有利。
理屈ではわかっているが、その下馬評は団体準決勝の場面では意味をなさない。
川村の臆することないプレーが沼村を呑み込んでいく。

点数が離れない最終ゲーム。7−7、8−8、9−9。
最後にサービスを持った川村。サービスがネットに2度かかり、会場がどよめく。それが沼村にプッシャーになったかはわからないが、バック側へツッツキレシーブがやや長くなった。それを川村が打球点の早い3球目バックドライブでクロスへ抜き去った。打球点を落として安全にいきたいところで強気な選択。普段なら何気ないプレーだが、この状況で打てる川村のメンタル勝ちと言えるだろう。

次のサービスはさらに切れた下回転。沼村がネットミスをし、試合に終止符がうたれた。

クールな川村だが、ベンチで迎えたメンバーは熱い。出雲は涙を見せたが、植木監督が檄を飛ばす。
「ここで泣いてどうする。日本一を取りに来ているんだろ」
今日、歴史を変えた遊学館。明日、また歴史が変わるかもしれない。決勝で待っているのは王者・愛工大名電だ。
  • 大当たりの川村が沼村から金星

  • 涙をこらえられなかった出雲

  • 頼りになる五十嵐。これが「イガバウアー」

  • 大勢の選手&OB&父兄が応援で後押しした

●男子学校対抗準決勝
 愛工大名電 3−0 希望が丘
○木造 5、8、11 阿部
○田中 7、8、9 吉田(海)
○木造/高見 9、−8、4、7 永田/吉田(海)

名電が横綱相撲で希望が丘に勝利。2連覇をかけた決勝へと駒を進めた。
昨日、思わぬ敗戦を喫した木造だが、一夜明けてうまく気持ちを切り替えており、キレのある体が戻っている。希望が丘のルーキー阿部の強打を前中陣でうまくさばいて、貫禄の試合を見せた。
エースの復調はチームの勢いを加速させる。
今大会、抜群の安定感を誇る田中がキッチリ点を取り、ダブルスに繋いだ。

ダブルスと後半のシングルスにつないで、勝負をかけたかった希望が丘だが、前半の2点の流れを変えられず。希望が丘のフィールドに引き込むことができなかった。

「名電は4点揃っているから、どこを崩すかを考えました。爆発力のあるふたりを前半にオーダーしました。前半で1点取りたかったですね。1年生の阿部はパワーもあるし、元気もある。木造くん相手に少しでも崩せるかなと。
 ダブルスは相当にやりこんできて、木造/高見の研究もしてきました。弱点をうまくついて、2ゲーム目を取ったんですが、最終的には対応されてしまう。弱点も最初は効いても、対応してくる。最後は技術力の差が出てしまいました。
 3位では満足できない。また鍛え直して、戻ってきます」(希望が丘・石田監督)
  • ガッツマンの阿部は来年の主力になるだろう

  • エースダブルスの吉田/永田で崩したかった希望が丘

  • 2013年大会はチームを優勝に導いた石田監督

  • 盤石の名電、連覇まであと1つ

●女子学校対抗準決勝
明徳義塾 3−0 愛み大瑞穂
○井 −13、−9、10、4、7 秋山
○里川 −5、10、7、9 石田
○三村優/井 8、8、−9、6 野村/秋山

 混戦が予想された明徳義塾と愛み大瑞穂の準決勝だったが、終わってみれば3−0で明徳義塾が愛み大瑞穂を押し切り、決勝進出を決めた。
 この試合、序盤は愛み大瑞穂のペースで試合が進んでいた。1番の秋山がしっかりとボールを引きつけてから放つフォアドライブで井から2ゲームを連取し、2番の石田もナックルカットを武器に里川から第1ゲームを奪った。流れは、愛み大瑞穂に傾いていた。だが、ここから愛み大瑞穂が崩れていく。いや、崩れたというよりも明徳義塾が踏ん張りを見せて、徐々に試合のペースをつかんでいったという表現が正しい。
 秋山は3ゲーム目をジュースで落とすと、息を吹き替えた井は打球点の早いバックドライブで攻め立てて、4、5ゲームを圧勝。石田のカットを打ちあぐんでいた里川も、2ゲーム目をジュースで奪うと、3ゲーム目からは浮いたナックスカットを積極的にスマッシュで狙い、逆転勝ちした。ダブルスはスコアが離れない展開になるが、最後は明徳義塾ペアの攻撃にミスがなく、競り合いを制した。
 「日本一を目標にやってきたので準決勝で負けたのは悔しいです。うちの選手がだめだっというよりも、明徳義塾の選手が強かったと感じています。試合の前半で1、2番でもゲームを取り、流れがこちらにあると感じて、私の中で勝ちを意識してしまいました。強気でプレーしていた選手を最後までその戦い方をさせることができなかった。敗因は私のそういう部分です」(愛み大瑞穂・神谷監督)。
  • 見応えのある打ち合いの末、秋山を下した井

  • 苦しみながらもカットを打ち切った里川がガッツポーズ

  • 変化カットで里川と激戦を演じた石田

  • 敗れたとはいえ、3度目のベスト4入りを果たした愛み大瑞穂

●女子学校対抗準決勝
四天王寺 3−0 遊学館
○木村 7、9、14 平川
○宮崎 9、5、−9、6 千葉
○梅村/塩見 10、−6、6、10 千葉/出雲

 4連覇中の王者・四天王寺に挑むのは、初のベスト4入りを果たして勢いに乗る遊学館。四天王寺は塩見、梅村の2枚看板を後半に置くオーダーを組み、遊学館はここまで前半に出場して勝ち星を重ねてきた出雲を下げ、調子のいい千葉を前半に起用するオーダーを組んだ。
 1番は木村が力の差を見せて平川をストレートで下し、2番の宮崎は3ゲーム目を落としたが、余裕をうかがわせるプレーで千葉を破った。3番のダブルスは四天王寺ペアが2−1とゲームをリードしたが、4ゲーム目は遊学館ペアが6−0とスコアをリード。このゲームを取って最終ゲームまで行くと思われたが、出雲のミスが目立ち、逆転負け。その結果、3−0で四天王寺が遊学館に快勝した。
 準決勝のオーダーについて遊学館の安達監督に聞いてみた。
 「オーダーはコーチとも相談して、千葉を上に使うことにしました。今大会は出雲だけではなく千葉の調子も良く、うちは出雲、千葉、千葉/出雲のダブルスの3点が鍵になるので、3番のダブルスを終えた時点で2−1にして出雲にまわしたかった。出雲は昨年まで四天王寺の選手たちと練習していたのでそういうことはないのですが、他の選手は四天王寺が相手ということで少しのまれてしまいました。同じ人間だから付け入る隙は必ずあるとミーティングで話しましたが、試合になると難しかった。ただ、うちは1、2年生が主体のチームなので、このリベンジを来年の選抜、インターハイで晴らしたいと思っています」。
 塩見、梅村を後半に下げても3−0で勝てる四天王寺。四天王寺の選手層の厚さを改めて感じさせられた準決勝だった。
  • 宮崎がしっかりと勝つことで四天王寺の強さはより強固になる

  • 梅村(左)/塩見のダブルスは最後まで攻めきった

  • 千葉は宮崎から1ゲーム奪ったが、そこで力尽きた

  • チャンスがあった千葉(右)/出雲のダブルスだったが急に失速した

大会3日目はいよいよシングルスが開始(1回戦のみ)、そして学校対抗の準決勝、ダブルスは4回戦〜決勝まで行われる。
男子ダブルスでは愛工大名電勢は木造/高見をはじめ、4ペアがベスト16まで勝ち上がっており、層の厚さを見せている。
出雲/五十嵐(遊学館)や永田/吉田(希望が丘)はその堅陣を崩したいところだろう。

また、学校対抗は明日の決勝をかけた準決勝が行われる。

学校対抗準決勝のカードは以下のとおり
男子
愛工大名電(愛知)vs. 希望が丘(福岡)
遊学館(石川)vs. 野田学園(山口)

女子
四天王寺(大阪)vs. 遊学館(石川)
愛み大瑞穂(愛知)vs. 明徳義塾(高知)
  • 学校対抗でも好調な出雲/五十嵐のダブルス

  • 希望が丘は永田/吉田が勝ち残っている