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トピックス

トップニューストピックス
●男子シングルス1回戦(ベスト8決定戦)
許昕(中国)  11-5、11-8、11-7、11-9 オフチャロフ(ドイツ)
黃鎮廷(香港) 11-9、6-11、11-10、11-5、2-5、5-3 張本智和(日本)
●女子シングルス1回戦(ベスト8決定戦)
王曼昱(中国) 11-10、11-7、11-3、11-5  ポルカノバ(オーストリア)
孫穎莎(中国) 11-6、11-8、11-3、11-5 陳思羽(チャイニーズタイペイ) 

張本は分の良い黄鎮廷に対して調子が出ない。1-3と後がない状態からFAST5(5本先取)に突入。5ゲーム目を5-2で取り、2-3とするも、6ゲーム目、4-2と黄鎮廷がマッチポイント。4-3から最後はフォアのドライブがネットにかかり、張本は初戦で姿を消した。
 今日からマレーシアのジョホールバルで卓球のT2ダイヤモンドがスタートした。世界チャンピオンの馬龍(中国)をはじめとする世界のトップ男女16人ずつを集めて、3大会の賞金総額1億6200万円の大会だ。

 この大会は国際卓球連盟(ITTF)のイベントカレンダーに組み込まれ、1年間の獲得ポイント上位8大会の合算で決まる世界ラキングシステムに追加される形で、「ボーナスポイント」として加算される特殊な大会になっている。

T2ダイヤモンドの1イベントでの獲得ポイントと賞金は以下の通り。

優勝者 1000ポイント   10万ドル(約1080万円)
2位   800ポイント    5万ドル(約540万円)
3位   700ポイント    2万ドル(約216万円)
4位  600ポイント   1万2千ドル(約130万円)
ベスト8  500ポイント  7千ドル(約76万円)
ベスト16  400ポイント  5千ドル(約54万円)

 このイベントに出るか出ないかで世界ランキングが大きく変わる魅力と危険性をはらんでいる。東京五輪に向け、熾烈な国内競争を繰り広げている日本からは、男子は張本智和、水谷隼、丹羽孝希。女子は平野美宇、伊藤美誠、石川佳純、加藤美優が出場しているが、すでに今日の午後、1回戦(ベスト16)で加藤が伊藤をゲームオールで破っている。

この大会は11本制の7ゲームスマッチ、4ゲーム先取の試合方式だが、競技ルールは独自なやり方となっている。
・10-10になってからはジュースなしの1本勝負
・24分間過ぎた時点で試合が続いている場合は、24分終了時のゲームは11点制だが次のゲームからは[FAST5]というやり方で1本交代のサービスで5本先取したほうが勝ち。
・ゲーム間のアドバイスは45秒以内
・ラリー間のインターバルは15秒以内
・タオリングは6本ごとで30秒以内
という時間が設定されている。

これらのルールによって、よりスピーディで、緊張感のある試合が展開される。

 さて新しいイベントの背景にあるものはなんだろう。
このイベントのメインスポンサーはフランク・ジー氏が社長を務める「Seamaster(シーマスター)」という海運業の企業だ。3年前からITTFのワールドツアーのスポンサーにもなっている。
 自らも卓球が大好きなフランク・ジー氏はかねてから「卓球をもっと魅力的でエンターテイメントなスポーツとして見せたい」という希望を持っていた。そこで2年前に「T2 APAC」(通称T2)というイベントを立ち上げた。ほぼ同じルールで、マレーシアで行った。コートの周りにはテレビカメラを12台設置し、配信はYou Tubeのみ。
 そして今年になって、ITTFの公式なイベントとして、世界ランキングのポイントも付与される大会にしたのだ。ITTFとしても、ツアーのスポンサーであるSeamasterは無視できないために、ワールドツアーと紐付ける工夫を施した。
 2019年の5月までの中国ツアーでの獲得ポイント(ワールドスタンディングポイント)の上位15名をT2ダイヤモンドのマレーシア大会に出場できる資格を有する選手とした。特に五輪前でボーナスポイントが重要になるため、選手は当然「出場しなければならない」と認識していた。

 ただ、この特殊なボーナスポイントの仕組みに対する不満、タフなワールドツアーの中に組み込むことによって、さらに過密なスケジュールになるという選手への負担、独自ルールを持つT2をITTFが認め、獲得ポイントの対象となることへの疑問は消えていないことも事実だ。

 とはいえ、実際のT2の舞台作りは素晴らしい。卓球では当たり前の長方形のフェンスで仕切られるコートではなく、コート領域は円形になっており、テレビ画面で見てもフェンスが視覚的に邪魔をしない。相変わらずカメラワークも斬新だ。
 試合のテンポがよく、1試合が40分程度で終わる。エンターテイメントとしての魅せ方もある。今回は、テレビ東京がネット配信やBSで完全放映している。
 今日7月18日から、マレーシア・ジョホールバルで行われるT2ダイヤモンド第1戦のマレーシア大会。男子シングルス1回戦の林高遠(中国) vs. 王楚欽(中国)戦から、熱戦の火ぶたが切られた。

 T2ダイヤモンドは、一昨年に行われたT2のルールを一部引き継ぎながら、独自のルールのもとで行われる。試合形式は4ゲーム先取の7ゲームズマッチだが、試合時間が24分を超えるとそれ以降のゲームは、5点先取の「FAST 5」(サービスは1本交替)で行われる。また、序盤の1ゲーム目や2ゲーム目で10ー10、あるいは「FAST 5」に入って4ー4になった場合、ジュースが続くのではなく、次の1本を取った選手がそのゲームを取るのも特筆すべき点だ。男女シングルス1回戦、4試合の結果は下記のとおり。

[T2ダイヤモンド・マレーシア大会]

●男子シングルス1回戦(ベスト8決定戦)
林高遠(中国) 8ー11、11ー7、11ー5、11ー7、5ー4 王楚欽(中国)
馬龍(中国) 11ー7、11ー9、11ー4、6ー11、5ー0 ゴーズィ(フランス)

●女子シングルス1回戦(ベスト8決定戦)
陳夢(中国) 11ー5、11ー10、7ー11、11ー2、1ー5、5ー3 杜凱琹(香港)
加藤美優 4ー11、11ー4、11ー10、11ー4、1ー5、1ー5、5ー4 伊藤美誠
 
 開幕戦となった林高遠と王楚欽のサウスポー対決は、林高遠が先輩の貫禄を見せて逆転勝利。続いて女子で世界ランキング1位の陳夢が登場し、杜凱琹との両ハンドのラリー戦を制した。
 そして日本人対決となった加藤対伊藤は、ゲームオールの大激戦。ゲームカウント3ー3の4ー4、「次の1点を取った選手が勝ち」というところまでもつれ、伊藤のレシーブドライブのミスで決着。加藤は持ち味であるバックハンドの緩急でミスを誘い、伊藤の回り込み強打もフォアブロックでクロスに弾き返した。

 馬龍対ゴーズィ戦は、終盤までリードを許した2ゲーム目を逆転で奪った馬龍が、4ー1でゴーズィに勝利。ゴーズィの多彩な球さばきを持ってしても、馬龍の攻守は崩せなかった。今日行われる男女シングルス1回戦の残り4試合は、現地時間18時(日本時間19時)に試合開始。今日の最終戦で、張本智和が黄鎮廷(香港)と対戦する。
 明日7月18日から、マレーシア・ジョホールバルで行われるT2ダイヤモンドのマレーシア大会。16人のトップ選手が出場するトーナメント戦で、1大会の賞金総額は50万ドル(約5400万円)、さらに優勝者には1000ポイント、準優勝者には800ポイント、3位には700ポイントの世界ランキングポイントが与えられる。東京五輪の日本代表の選考レースにも、大きな影響を与えるビッグゲームだ。

 男女シングルス1回戦の組み合わせ、およびタイムテーブルは下記のとおり。当初の出場予定選手の中から、男子のボルと女子の劉詩ウェンは故障のために欠場。

[7月18日] ※MS=男子シングルス/WS=女子シングルス
●12:00〜(日本時間13:00〜)

MS 王楚欽(中国) vs. 林高遠(中国)
WS 杜凱琹(香港) vs. 陳夢(中国)
WS 伊藤美誠 vs. 加藤美優
MS 馬龍(中国) vs. ゴーズィ(フランス)
●18:00〜(日本時間19:00〜)
WS 王曼昱(中国) vs. ポルカノバ(オーストリア)
WS 陳思羽(チャイニーズタイペイ) vs. 孫穎莎(中国)
MS 許シン(中国) vs. オフチャロフ(ドイツ)
MS 黄鎮廷(香港) vs. 張本智和

[7月19日]
●12:00〜(日本時間13:00〜)

WS ハン・イン(ドイツ) vs. 鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
MS 林昀儒(チャイニーズタイペイ) vs. 水谷隼
WS 馮天薇(シンガポール) vs. 平野美宇
MS 樊振東(中国) vs. カルデラノ(ブラジル)
●18:00〜(日本時間19:00〜)
MS 丹羽孝希 vs. ファルク(スウェーデン)
WS スッチ(ルーマニア) vs. 丁寧(中国)
MS 梁靖崑(中国) vs. フランチスカ(ドイツ)
WS 朱雨玲(中国) vs. 石川佳純

[7月20日]男女シングルス準々決勝
[7月21日]男女シングルス準決勝・3位決定戦・決勝


 T2ダイヤモンド・マレーシア大会の模様は、BSテレ東で7月18日(木)の21時から4夜連続放送。また、テレビ東京卓球チャンネル(YouTube)では全試合をLIVE配信で視聴できる(7月18〜21日・いずれも13時から配信開始)。卓球王国も現地に飛んで総力取材、熱戦の興奮を8月発売号でお伝えしますので、お楽しみに!

※写真提供:T2 APAC
 7月9〜14日にオーストラリア・ジーロングでITTFワールドツアープラチナ・オーストラリアオープンが開催され、女子シングルスで石川佳純(全農)と伊藤美誠(スターツ)が3位入賞を果たした。また、混合ダブルスでも水谷隼/伊藤美誠(木下グループ/)が準優勝、女子ダブルスでは木原美悠/長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー/大原学園)が3位に入った。

 女子シングルス1回戦で木原、2回戦で佐藤瞳(ミキハウス)との同士討ちを制し準々決勝へ進んだ石川は、準々決勝で第1シードの陳夢(中国)と対戦。ゲームカウント1-3と後がなくなった石川だったが、そこから3ゲームを連取し世界ランキング1位の陳夢を破り準決勝進出を決めた。続く準決勝では孫穎莎(中国)にストレートで敗れ、ワールドツアー3大会連続で孫穎莎の壁を破れなかったが、3位入賞を果たした。また、伊藤も2回戦で平野美宇(日本生命)との同士討ちを、準々決勝で李佳燚(中国)をそれぞれ4-2で制し準決勝進出。準決勝では丁寧(中国)にゲームカウント3-2と王手をかけるもその後、2ゲームを連取され決勝進出はならなかった。優勝は孫穎莎。丁寧をストレートで下し今季2勝目をあげた。

 男子シングルスでは、1回戦で丹羽孝希(スヴェンソン)が林昀儒(チャイニーズタイペイ)に、張本智和(木下グループ)が前週の韓国オープンに続き王楚欽(中国)に、水谷がグルーツ(デンマーク)にそれぞれ敗れ上位進出はならなかった。優勝は許昕(中国)。決勝で王楚欽(中国)に1ゲームも与えず、ワールドツアー3連覇を飾った。

 また、ミックスダブルスでは水谷/伊藤が決勝に進出も黃鎮廷/杜凱琹(香港)に破れ準優勝。黃鎮廷/杜凱琹は前週の韓国オープンに続く連勝となった。

 各種目の優勝者と日本選手の上位は以下のとおり。

ITTFワールドツアープラチナ・オーストラリアオープン記録
● 男子シングルス優勝:許昕(中国)  
● 女子シングルス優勝:孫穎莎(中国) 3位:石川佳純、伊藤美誠
● 男子ダブルス優勝:鄭栄植/李尚洙(韓国) 
● 女子ダブルス優勝:陳夢/王曼昱(中国) 3位:木原美悠/長﨑美柚 
●混合ダブルス優勝:黃鎮廷/杜凱琹(香港) 2位:水谷隼/伊藤美誠
 7月11日までイタリア・ナポリで行われていた学生スポーツの祭典、第30回ユニバーシアード・卓球競技は全日程を終了。大会前半の団体戦で、男子が銅メダル、女子が銀メダルを獲得した日本は、男子ダブルスで五十嵐/定松と酒井/坪井が銅メダル、女子ダブルスで安藤/笹尾が銅メダル。銅メダル3枚を獲得し、大会全体での獲得メダル数は「銀1・銅4」となった。個人戦5種目のメダリストは下記のとおり。

●男子シングルス
優勝:于子洋(中国)
準優勝:趙子豪(中国)
3位:イスマイロフ(ロシア)、朱霖峰(中国)

●女子シングルス
優勝:王芸迪(中国)
準優勝:張瑞(中国)
3位:范思琦(中国)、郭艶(中国)

●男子ダブルス
優勝:于子洋/趙子豪(中国)
準優勝:孔令軒/朱霖峰(中国)
3位:五十嵐史弥/定松祐輔(日本・早稲田大/中央大)、酒井明日翔/坪井勇磨(日本・明治大/筑波大)

●女子ダブルス
優勝:范思琦/王芸迪(中国)
準優勝:郭艶/張瑞(中国)
3位:安藤みなみ/笹尾明日香(日本・十六銀行/早稲田大)、ノスコワ/シチェルバティク(ロシア)

●混合ダブルス
優勝:于子洋/王芸迪(中国)
準優勝:趙子豪/范思琦(中国)
3位:イスマイロフ/ノスコワ(ロシア)、廖振ティン/蘇珮綾(チャイニーズタイペイ)

 男子シングルスでは、日本は五十嵐と定松のベスト16が最高成績。坪井が2回戦、酒井が1回戦で敗れ、優勝戦線に加わることはできなかった。準々決勝で孔令軒(中国)を破ったイスマイロフ(ロシア)が、中国勢以外で唯一のシングルスのメダルを獲得した。

 女子シングルスは中国がベスト4を独占。日本は準々決勝で、エース安藤が張瑞(中国)に3ー4で惜敗し、メダルにあと一歩。3回戦でノスコワ(ロシア)を破って勝ち上がった前瀧(愛媛銀行)も郭艶(中国)に2ー4で惜敗した。笹尾がベスト16、瀬山(中央大)がベスト32で大会を終えた。
 今週のオーストラリアオープン(ワールドツアー/プラチナ)が終わり、来週の18日からいよいよ「T2ダイヤモンド」が始まる。
 この大会は、2年前に一度開催した「T2 APAC」がその原型だ。T2 APACは4チームに分かれ、団体戦を行い、最後には団体の優勝チームと個人成績の上位者による優勝者を決める賞金大会だった。
 「T2ダイヤモンド」はITTFのワールドツアーのスポンサーとなっている「シーマスター」(上海・シンガポール/フランク・ジー社長)が2年前の2017年に立ち上げ、独自のルールや卓球の見せ方を追求したもので、今回は電通アジア、そしてITTFと提携して、1年間の休止のあと、今年からシーズン2として復活。
 国際卓球連盟(ITTF)との交渉の末に、「T2ダイヤモンド」がワールドツアー(プラチナ6大会、レギュラー6大会)と関連付けながらも別イベントとして3大会が行われることになった。 

●T2ダイヤモンド イベント1(7月18日〜21日)/マレーシア・ジョホールバル
●T2ダイヤモンド イベント2 (9月26日〜29日)/中国・海南省海口
●T2ダイヤモンド イベント3(11月21日〜24日)/シンガポール

T2ダイヤモンドの1イベントでの獲得ポイントと賞金は以下の通り。
優勝者 1000ポイント 10万ドル(約1080万円)
2位  800ポイント 5万ドル(約540万円)
3位  700ポイント 2万ドル(約216万円)
4位  600ポイント  1万2千ドル(約130万円)
ベスト8 500ポイント 7千ドル(約76万円)
ベスト16 400ポイント 5千ドル(約54万円)

 3大会での賞金総額は150万ドル(約1億6200万円・各大会50万ドルの賞金)で、世界ランキングのボーナスポイントが付与される。通常は、世界ランキングというのは過去1年間の中から成績(獲得ポイント)の良い8大会のポイント合算によってランキングが決まっていく。つまり、世界選手権やワールドイベント(ワールドカップなど)を除くワールドツアーの獲得ポイントは1年がすぎると選手の獲得ポイントから消えていく。
 ところが、「T2ダイヤモンド」の場合は、過去の対象8大会とは別にボーナスポイントとして選手に付与される。
 例をあげれば、現在、五輪前に熾烈な順位争いをしている。世界ランキング12位の丹羽孝希は10800ポイントで、同13位の水谷隼は10695ポイントで、わずかに105ポイント差だ。
 この「T2ダイヤモンド」は参加(16名)するだけで8大会合算とは別に400ポイントが付与され、優勝すると1000ポイントもらえる。つまり、参加するかしなかというだけで、ランキングの順位が違ってくるのだ。
T2ダイヤモンドのイベント1(7月18日〜21日)には、6月3日時点(中国オープン終了)でのワールドツアースタンディング上位者15名が参加資格を得ることになっていたが、女子の何人かの中国選手などが不参加となり、15名の下にいた石川佳純、加藤美優も出場できることになった。
 日本からの出場選手は、男子は張本智和、水谷隼、丹羽孝希。女子は平野美宇、伊藤美誠、石川佳純、加藤美優が出場する。
 7月3日からイタリア・ナポリで開催されている4年に1度の学生スポーツの祭典、第30回ユニバーシアード・卓球競技。7日に男女団体が終了し、日本は女子団体で銀メダル、男子団体で銅メダルを獲得した。

 安藤みなみ(十六銀行/専修大卒)、前瀧初音(愛媛銀行/東京富士大卒)、笹尾明日香(早稲田大)、瀬山咲希(中央大)というメンバーで臨んだ日本女子は、常にエース安藤をトップに配するオーダーで、準々決勝で韓国、準決勝でロシアに3ー0で完勝。決勝でも2番安藤が右シェーク異質の張瑞に競り勝つなど、接戦を展開したが、4番王芸迪対安藤のエース対決は僅差で王芸迪の勝利。6月の香港オープン決勝で伊藤美誠を破り、優勝した実力者が、日本の前に立ちはだかった。女子団体決勝のスコアは下記のとおり。

●女子団体決勝
 〈中国 3ー1 日本〉

○王芸迪 11、4、ー9、6 前瀧
 張瑞 ー6、6、6、ー10、ー12 安藤○
○范思琦 10、7、ー9、6 瀬山
○王芸迪 ー9、12、6、ー8、8 安藤

 一方、日本男子は定松祐輔(日鉄物流ブレイザーズ/中央大卒)、坪井勇磨(東京アート/筑波大卒)、五十嵐史弥(早稲田大)、酒井明日翔(シチズン時計/明治大卒)というメンバー。予選リーグからオールストレートで準決勝に勝ち上がったが、準決勝のチャイニーズタイペイ戦で強打者の王泰崴に2点を取られ、1ー3で敗れた。スコアは下記のとおり。

●男子団体準決勝
 〈チャイニーズタイペイ 3ー1 日本〉

○楊恆韋 7、12、ー9、7 五十嵐
○王泰崴 7、10、8 定松
 廖振ティン ー9、4、9、ー7、ー5 酒井○
○楊恆韋 4、10、11 五十嵐

 男女シングルスは今日から決勝トーナメントに入る。日本勢以外にも、中国男子は朱霖峰・孔令軒・趙子豪・于子洋という強豪揃い。日本を破ったチャイニーズタイペイも粒ぞろいだ。ヨーロッパ勢はアレグロ(ベルギー)、レンベール(フランス)など左腕の好選手が揃う。
 女子は中国の王芸迪・張瑞・范思琦をはじめ、蘇珮綾(チャイニーズタイペイ)、シャスラン(フランス)、ベルクストレム(スウェーデン)、ディアコヌ(ルーマニア)、林依諾(香港)といった選手たちが優勝戦線を賑わせそうだ。
 7月2〜7日に韓国・釜山で開催されたITTFワールドツアー・韓国オープン。日本からは男子16選手、女子18選手が参加し、混合ダブルスで水谷隼/伊藤美誠(木下グループ/スターツ)が、男子ダブルスで森薗政崇/吉村真晴(BOBSON/ファースト)が3位入賞を果たした。

 混合ダブルス、水谷/伊藤は1回戦で今シーズン3勝を上げている林昀儒/鄭怡静(チャイニーズタイペイ)を3-1で下すと準々決勝もフロール/ガスニア(フランス)を破り準決勝に進出。準決勝では世界チャンピオンの許昕/劉詩雯(中国)にゲームカウント1-1からの3ゲームをジュースで落とし、そのまま1-3で敗退。惜しくも決勝進出はならなかったが3位入賞を果たした。

 男子シングルスでは、1回戦で水谷がK.カールソン(スウェーデン)に、丹羽孝希(スヴェンソン)が趙勝敏(韓国)に敗れる中、張本は2回戦で黃鎮廷(香港)に4-2で勝利し、準々決勝に進出。準々決勝では王楚欽(中国)にゲームカウント0-3とリードを奪われ苦しい展開から2ゲームを奪い返すも反撃はそこまで。2-4で破れベスト8に終わった。優勝はジャパンオープン3冠の許昕。決勝で馬龍(中国)に4-1で勝利し優勝を決めた。許昕は樊振東との男子ダブルスでも優勝し、今大会2冠を獲得。混合複では準優勝に終わり2大会連続3冠はのがしたものの、2種目2連覇を達成した。

 女子シングルスでは石川佳純(全農)、伊藤美誠(スターツ)が準々決勝に進出。石川はジャパンオープンでストレートで破れた孫穎莎(中国)にゲームオールジュースまで迫るも勝利ならずベスト8。伊藤も王曼昱(中国)から1ゲームも奪えずベスト8にとどまった。女子の優勝は陳夢(中国)。準決勝で王曼昱、決勝で丁寧(中国)をくだし今シーズン3勝目をあげた。 

 各種目の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。

ITTFワールド・ツアー・韓国オープン記録
● 男子シングルス優勝:許昕(中国) ベスト8:張本智和 
● 女子シングルス優勝:陳夢(中国) ベスト8:石川佳純、伊藤美誠
● 男子ダブルス優勝:樊振東/許昕(中国) 3位:森薗政崇/吉村真晴 ベスト8:張本智和/丹羽孝希
● 女子ダブルス優勝:陳夢/王曼昱(中国) ベスト8:平野美宇/芝田沙季、中森帆南、大藤沙月
●混合ダブルス優勝:黃鎮廷/杜凱琹(香港) 3位:水谷隼/伊藤美誠

 7月5〜7日に愛知・スカイホール豊田で行われた全日本大学総合選手権(団体の部)、通称インカレ。地元愛知の愛知工業大が男女とも決勝へ進み、男子は4年ぶり、女子は22年ぶりの優勝を果たした。

男子は明治、早稲田がベスト16で消える波乱の中、愛知工業大は布陣は崩れなかった。高見、田中が前半できっちり点を取り、木造がダブルスで盤石のプレーで落とさない。このチームから3点を取るのは至難の業だろう。終わってみれば、オールストレートの優勝だった。
森本監督は「地元開催で応援もすごくしていただいて、優勝したいという気持ちはどこよりも強かったと思います。優勝できるメンバーですが、一丸にならないと難しい。今回は出なかった選手たちが裏方に徹してくれて、プレーする選手たちが最高の仕上がりで出られました。主将の神を中心に裏方メンバーにありがとう、そしておめでとうと言いたいです」とコメントした。

●男子決勝
愛知工業大 3−0 筑波大
○高見 6、−9、2、9 梅崎
○田中 4、11、8 村田
○木造/田中 4、4、8 梅崎/原田

女子は昨年優勝の早稲田大が2回戦で敗退。早稲田はユニバーシアードで笹尾を欠いたのが相当に響き、関西学院大の勢いを止められなかった。
そのゾーンを上がってきたのは、まさかの東洋大。「いつもはベスト16に入るのも大変。宿を取ってなかったから急いで取らないと」と江尻監督もビックリするほどの勝ちっぷりで、創部初の決勝の舞台へ勝ち上がった。チームはスーパールーキーの岡崎(インターハイ3位)、趙虹ウェンの2点で確実に前半でリードし、ダブルスと後半にいい流れでつないでいく。準決勝で青山学院大をストレートで下した試合は見事だった。

しかし決勝の愛知工業大も接戦を次々にものにして勝ち上がった愛知工業大。左腕の上田が急成長しており、単複で活躍。しつこくラリーをつなぎ、相手のコースを見極めて、一撃スマッシュ。競れば競るほど上田のコース分析は冴えた。
マジックサービスとバックの変化球を操る石田の働きも大きい。決勝では最後まで冷静にプレーし、打ち急がなかったのが勝因だろう。趙に強打を打たれても、メンタルをリセットして次の1本をしっかり取りに行く。今大会の石田の活躍は素晴らしかった。
優勝後の鬼頭監督は「うれしいです。どこで負けても納得できるくらい日本一の練習をしてきました。上田はサービス力があがりましたね。サービス練習をやってきて、その成果が出ました」と語った。
地元でアベック優勝、愛知工業大にとっては最高の結果で幕を閉じた。

●女子決勝
愛知工業大 3−0 東洋大
○上田 11、−8、−5、7、9 岡崎
○石田 7、−8、8、−8、4 趙虹ウェン
○松本/上田 8、9、−9、9 岡崎/青木

最終結果
男子
優勝:愛知工業大
準優勝:筑波大
3位:専修大、関西学院大
ベスト8:中央大、法政大、埼玉工業大、日本体育大
殊勲賞:高見真己(愛知工業大)

女子
優勝:愛知工業大
準優勝:東洋大
3位:中央大、青山学院大
ベスト8:関西学院大、日本大、専修大、淑徳大
殊勲賞:石田葵(愛知工業大)

詳しい報道は卓球王国9月号(7月21日発売)に掲載予定です