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速報・現地リポート

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世界選手権ザグレブ大会(個人戦)

日本は惜しい試合を逃した。馬琳・王楠組を最後の最後まで追い詰めた水谷・福岡組。水谷はものすごい当たりを見せ、中国ペアを追い詰めた。
韓陽・藤沼組も許・郭炎組にゲームオール9本で惜敗した。

【混合ダブルス3回戦】
キム・ヒョクボン/キム・ジョン 4(11-9,11-4,13-11,9-11,7-11,11-7)2 岸川/福原
許シン/郭炎(中国) 4(11-8,7-11,11-8,8-11,11-6,5-11,11-9)3 韓陽/藤沼
馬琳/王楠(中国)  4(2-11,11-9,10-12,11-5,11-8,9-11,11-7)3  水谷/福岡
【男子ダブルス2回戦】
岸川/水谷 4(8-11,12-10,12-10,11-8,11-6)1 パーソン/ホーカンソン(スウェーデン)
日本ペアの良かった点は、唯一、岸川のバックハンドドライブと水谷の両ハンドの安定性で、岸川のフォアハンドのミスを補っていた。サービス、レシーブから常に先手先手で攻めたのが勝因。5ゲーム目の4-3からネットインで相手の勢いを止めて、2得点1失点の割合で優位に進めた。ダブルスで優位に立つには二人の台との距離、タイミングが合えば、持ち味を発揮することができる。
現地時間4時にスタートした女子ダブルスで、日本の2ペアはともに敗れ、女子ダブルスは全滅した。北朝鮮ペアに完敗した平野・石川組。平野は目に涙を浮かべ、悔しがった。「相手がよいボールを打ってきたことで冷静さを失ってしまった。悔しい」と平野。
 メダルを期待された藤沼と福原のアイアイコンビも韓国ペアに完敗。世界の壁を痛感した。
【女子ダブルス2回戦】
キム・ジョン/コ・ウンギョン(北朝鮮) 4(11-9,11-4,11-8,11-3)0 平野/石川
趙ハ羅/文玄晶(韓国) 4(12-10,11-3,9-11,11-9,11-8)1 藤沼/福原
【男子シングルス1回戦】
水谷隼  4(7-11,11-7,12-10,12-10,9-11,11-9)2  グルイッチ(セルビア)
格上の世界ランク58位のグルイッチ(セルビア)を破った水谷。1ゲーム目、水谷のフォアにブロックされ、2本目のフォアドライブのタイミングが遅れ、相手の攻めに対してタイミングを計るのが精一杯で、7-11で取られた。2ゲーム目、2-4とリードされ、そこから6連続得点で8-4にして、最高のラリー戦で得点を上げ、11-7と一気に試合の流れを優位にした。3,4ゲームは12-10、12-10で勝利したが、内容はサービスの切れ、ラリーでの両ハンドドライブに安定性が増し、接戦をものにした。相手もランキング上位者なので5ゲーム目は死力を尽くして、サービス、レシーブ、ラリーに気迫があふれていた。
 3-2で迎えた6ゲーム目。シーソーゲームだったが、5-5からサービス、レシーブで2得点連取し、最後の詰めで得意のフォアハンドドライブで勝利を収めた。水谷のプレーの要点は、高い集中力とコース取りが自由自在に取れることだ。世界の上位を目指すには、もう一段瞬発力を高め、両ハンド攻撃のバリエーションを高めることである。
【男子シングルス1回戦】
松平健太 4(11-9,11-4,11-7,11-9)0 コルベル(チェコ)
 相手は世界ランク22位のコルベル。1ゲーム目のポイントは、前半ラリー戦で得点上げるほどコルベルのドライブのタイミングがピッタリ合ったので、松平のプレーに余裕ができたことによって、後半6-8とリードされていたが、一気にサービスエースを2本取り、レシーブエースを1本取り、最後にはサービスで2本連取した。戦術的には絵に描いたような理想的な勝利への詰め方であった。
 2ゲーム目もレシーブがさえ渡り、レシーブでは必ず得点を上げ、連続得点が2回あった。サービスを持ったときの連続得点が後半に1回あり、2本連続得点が合計5回、勝利の方程式である連続得点を見ても、負ける要素がなく11-4で取った。
 3ゲーム目は4-4からレシーブで連続得点を取ったことでサービスに余裕が出た。後半、7-7からサービスエースを2点取り、レシーブエースを2点の連続4得点し、11-7で取った。新人とは思えない天才ぶりを発揮した。
 4ゲーム目では、お互い全力を出し合い、シーソーゲームで7-7となり、勢いに乗った松平はここでもレシーブで2得点を上げ、勝負を決めた。実力的に見て、世界ランクの差はあるがプレーの内容はそれを上回るものであった。
【女子シングルス1回戦】
福岡  4(11-9,11-3,11-6,11-3)0 レッコ(セルビア)
福原  4(10-12,11-4,14-12,11-6,11-8)1 バク(ポーランド)
第1ゲームの10-7で福原のリード。ここで低いバックに来たツッツキをフルスイングで打ちバックハンドのミスをした結果、10-8で相手のサービスになり、その後、連続4失点。10-12で逆転負けをした。この1ゲーム目の敗因を考える。福原が11-7をこのゲームを取ろうとしたが、詰めの段階で接戦の時と大量リードの時の得点の仕方は自ずと違う。福原もよく知ってはいるが、世界選手権や五輪と言った場面では1球たりとも無駄なポイントを相手に与えてはならない。
1点で取れる時には全力で、11-1で勝つのが世界選手権である。福原は4-1で勝ったが、実力的には各ゲーム4,5点で勝てる相手だった。福原が世界でメダルを取るためには、この辺の詰めに失敗をしないことだ。将棋で言えば、詰めの段階に入って1手間違うことによって、逆転される世界である。だからこそ詰めで戦術を間違わないことである。強いて言えば、強打で取るのか、ラリーで取るのか、福原であれば状況に応じてやれるはずである。
【混合ダブルス1回戦】
岸川/福原  4(11-8,11-7,9-11,3-11,11-5,9-11,11-6)3 セレダ/バラゾバ(スロバキア)
前半を2-2で迎えるが、福原が調子の波に乗り切れていない。4ゲーム目を3-11で落としたが、国際経験豊富な福原は5ゲーム目を自分らしい両ハンドの速攻スマッシュをカウンター気味に決めた。カウンター攻撃のタイミングになったことで、最終ゲーム4-4から3連続得点となる岸川のバックハンドドライブと台上バックハンド攻撃が両ハンドで決まり、勝負が付いた。ダブルスはお互いがファインプレーをすることでコンビネーションが噛み合うのである。

【混合ダブルス2回戦】
岸川/福原  4(9-11,11-9,11-7,10-12,11-7,11-8)2 オフチャロフ/バーテル(ドイツ)
3-2でリードした6ゲーム目、5-3とリードし、後半の展開が難しい状況で、福原が最初にフォアハンドスマッシュでノータッチのエースを取り、続いて岸川も目の覚めるようなバックハンドカウンターを決め、勝利した。流れを引き寄せる後半の攻めは見事だった。
【男子シングルス1回戦】
岸川聖也  4(9-11,11-7,7-11,11-6,11-6,6-11,11-7)3  趙彦来(韓国)

 スロースターターの岸川は、1ゲーム目の後半に盛り返すが一歩及ばず9-11で負けた。しかし、後半の流れを自分のペースに持ち込み2ゲームを11-7で制し、波に乗りかけたが3ゲーム目7-1とリードされ、最終ゲームの3-3にもつれ込んだ。6-4リードの後のネットインで7-4とし、守りに入らず、目の覚めるようなバックハンドカウンタードライブで得点を上げ、続けざまに長いラリー戦でも2度のファインプレーで得点を上げ、逃げ切った。勝因はやはりラッキーポイントの後も守りに入らず、連続ポイントを狙った、岸川の一発。それが4-3の勝利に結びついた。
今日、23日は朝から試合がひっきりなしに続く。その中で残念ながら敗退する日本選手がいる。報道陣がコメントをもらうのはミックスゾーンという場所。しかし、次の試合が控える選手はコメントは取れない。というわけで、今日はどうしても勝者のコメントよりも敗者のコメントが多くなる。
平野早矢香「出足の入り方で凡ミスが多くてパートナーに迷惑かけた。台上で相手にうまくやられた。入れるのでいっぱいいっぱいだった」
高木和卓「前半はよかったけど、最後は弱いところを突かれて、技術が足りなかったと痛感。相手の方が戦術がよかった。ダブルスは前よりよくなったけど、今回は良い経験になった。これからプロツアーなどで世界ランクを上げていきたい。まだ技術が足りない」

松平健太「1,2セット目の出足、相手のボールに慣れなかった。もっと早くなれていれば勝てた。ガニナのバックカットがやりにくかった。攻撃選手がブロックするときにそれを狙う作戦だった」
石川佳純「出足が悪かった。最後は良いプレーができたけど。慣れるまでに時間がかかった。カットがひとりいるとタイミングが取りづらかった。昨日は少し緊張したけど、今の試合はそんなに緊張しなかった。今回はミックスの練習もできたし、声も出せてよかった」
混合ダブルス2回戦
ルブツォフ/ガニナ(ロシア) 4(11-7,11-3,6-11,3-11,11-8,12-10)2 松平/石川
岸川/福原  4(9-11,11-9,11-7,10-12,11-7,11-8)2 オフチャロフ/バーテル(ドイツ)
水谷/福岡 4(11-9,11-8,11-9,11-4)0  スッチ/ゴロタ(ポーランド)