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速報・現地リポート

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世界選手権横浜大会(個人戦)

●女子シングルス2回戦
石川佳純 -8、-8、-5、10、9、5、8 帖雅娜(香港)

日本女子のホープ、石川佳純が日本の負の連鎖を断ち切った。福原、平野と日本女子のツインエースが敗れる中、石川も0-3とリードされ、4ゲーム目も3-9と敗戦濃厚。しかし、ここで石川は本来持っている勝負強さを発揮し、大逆転勝ち。両サイドが強い帖雅娜のフォアミドルにボールを集め、さらにコースの厳しいバックハンドから、積極的なフォア強打を見せた。
 まさに「ゾーン」に入った状態だった石川。そのプレーにはまったく迷いがなく、怒気さえ含んだ顔つきは、普段のあどけない石川とはまるで別人だった。試合後、緊張から解き放たれたかのように涙を流した石川。今日の戦いは、石川佳純という選手にとって大きなターニングポイントになるだろう。
 福原、平野が敗れ、また夜遅い試合ということで観客はかなり減っていたが、最後まで会場に残り、この一戦の目撃者になった人たちは本当に幸せだ。
 
 また逆の面から見てみると、卓球というのは、勝負というのは本当に怖い。帖雅娜にとっても、ひとつのピリオドとなる試合だったのかもしれない。
●男子シングルス2回戦
松平健太 4、-6、-10、5、-8、7、8 呉尚垠(韓国)

 松平健太が、世界ランキング12位の呉尚垠にゲームオールで劇的勝利! 最終ゲームは観客の声援を一身に集め、一進一退の攻防の中からわずかに抜け出した。正面からぶつかっては、呉尚垠のパワーに吹き飛ばされるのは目に見えている。松平は強打で打ち抜く場面こそ少なかったものの、ループドライブで緩急をつけ、打球点の早いバックハンドで呉尚垠のミスを誘った。

 明日の対戦相手はガルドス(オーストリア)。横回転の入った、クセのあるドライブを放つ選手だが、勝機は十分にあるだろう。このガルドスを破り、(順当にいけば)第2シードの馬琳(中国)との対戦をぜひ見てみたい。
● 高島の目
「平野は1ゲーム目9本で落とし、2ゲーム目は4本で取り、3ゲーム目を9本で取った。3ゲーム目はラリー戦で平野が取り、両ハンドとフットワークで自分の積極的な攻撃で押していた。ところが、4ゲーム目10-12で落とし、5ゲーム目を13-15で落とした。前半リードしていながら後半で追いつかれた。それまでは打点が高かったのに、後半で打点が落ちていて、押され気味になり、コースが甘くなった。攻め込めなかった。ジュースになって、得点の仕方が攻めるでもなく、守るでもなく、流れが悪くなった。第6ゲームも出足で大量リードされた。ジュースで取られてから消極的になって、思い切った手が打てなかった。特にフォアへ飛びついてバックに返された時に返すボールを狙われた。もっと打点を前にして攻撃卓球に徹する部分がなかった。ジュースでの逆転負けは大きかった。開き直りがほしかった」

●女子シングルス2回戦
藤沼亜衣 8、4、7、7 ミャオ・ミャオ(オーストラリア)
オドロバ(スロバキア) 9、-4-、9、10、13、6 平野早矢香

平野「まだ負けたことが自分でも良くわからないです。途中で、なかなか自分の流れにならなかったので少し焦ったりとか、落ち着いて戦うことができなかった。今は自分でもどうして負けたのかわかりません……(涙)。(福原選手が負けた試合を遠く見ていましたが)勝ってほしいと思って見てました。(負けたことがなかった相手でしたが)相手は最後まで粘り強くプレーしてました。今日中には必ず気持ちを切り替えます。シングルスの分までダブルスで結果を出すように頑張ります。プレッシャーは自分で考えないようにしてました。今はちょっとわかりません、すいません」

Photo右は、勝利を決め、チームメイトに祝福されるオドロバ
●男子シングルス2回戦
王励勤(中国) 7、1、2、5、-9、8 松平賢二 
ガチーナ(クロアチア) 10、-5、-9、12、3、7 韓陽
韓陽「すごく悔しいとか、すごくショックということはありません。今日は自分の力を出したと思っています。敗因はサービスとレシーブです。特に1ゲーム目にサービスをいきなりミスに取られたので、あとでびびってしまった。何回も激しいラリーの中で何本か凡ミスがでてしまったのが大きかった。世界選手権は日本で開催するのは、帰化選手として興奮して、喜んでいるし、ファンの人もたくさん応援してくれたので私自身は一生懸命頑張るつもりでした」

●女子シングルス2回戦
李暁霞(中国) 5、6、-9、1、6 石垣優香

Photo左:大きなラリー戦に持ち込まれ、ガチーナに敗れた韓陽
Photo右:李暁霞の強打に、果敢に立ち向かった石垣。敗れたとはいえ、粘り強いカットプレーは観客の大きな声援を受けた
●高島の眼
「1ゲーム目を10-12で落としたが、福原は有利だった。2,3ゲーム目は6点、3点で勝っている。コースはびったりあっていた。4ゲーム目以降は打ちすぎた。5点で落として、5ゲーム目は7点で落とした。丁寧な卓球から大胆な卓球に変わったが、それが自分の勝ちペースにつながらなかった。負けているときにペースを変えるのに、勝っているときに変えてしまって、自滅してしまった。相手の卓球の弱いところをどう攻めるかではなく、得点を急ぎすぎて自滅してしまった。悪循環に陥った。本来であればシャールに負けるような福原ではない」

★福原愛の試合後の会見
「たくさんの方々が応援してくれたのに2回戦というところで負けてしまった、本当に恥ずかしいです。すごく勝ちたい気持が強すぎて、自分が何をやっているのかがはっきりとわからなくなってしまったのが敗因だと思います。私が現役を続けていく中であと何回日本でやるかもわからないので、この横浜大会ではベストプレーをしたかった。期待に応えられなかった自分が情けないです」
●男子シングルス2回戦
オフチャロフ(ドイツ) -7、7、7、9、-10、8 丹羽

 ここまで予選グループから5試合を勝ち抜いてきた丹羽、持てる力を出し尽くして戦ったが、連戦の疲れが出た部分もあり、オフチャロフに惜敗。天才少年の大健闘に、観客からは大きな拍手が送られた。

■高島の眼
「丹羽のような小さい選手は、大きい選手とやる時、短いコースでストレートへ先に攻めて、次を狙う展開が有利になる。その展開でポイントを重ね、時々フォアへ強打を決めていた。最後はオフチャロフに切れたツッツキを送られ、そのボールに対してのドライブにミスが出た。打ち疲れた部分もあるのだろう。
 丹羽の良いところはコース取りのうまさ。長短をうまく使い分けて、クロスへ打つボールはほとんどサイドを切る。相手の球質をキャッチして、早い打球点でコースを攻めることができる。水谷とはまた違った前陣タイプだが、将来が非常に楽しみな選手だ。今大会は、これだけやれたら十分。このような大きい大会に出れば、世界の卓球を肌で感じることができる。彼にとって大きな財産になっただろう。ここで足踏みせず、一気に伸びていってほしい逸材だ」
●女子シングルス2回戦
福岡 9、5、-9、3、4 シルバーアイゼン(ドイツ)
田勢美 8、-6、-8、8、5、4 リー・チェン(ポーランド)
シャール(ドイツ) 10、-6、-3、5、7、3 福原

 福原愛はドイツのベテラン・シャールに左右に振り回され、逆転負け。第3ゲームまでは快調な試合運びだったのだが、ペースが悪くなってから次第に冷静さを失い、表情からは自分に対するいらだちと焦りが見て取れた。第5・6ゲームはともに序盤で大きくリードされ、流れを変えられないまま敗れた。
 4月30日にITTFの年次総会が行われ、以下のことが決定した。
 2012年に開催される世界選手権団体戦はドイツのドルトムントに決定した。ITTFへの加盟協会が205から207に増加した。
 また中国協会から、ラバーの厚さを4.0から3.8に変えようという提案をしたが、否決された。
 役員選挙が行われ、会長と副会長は以下のように決定した。
会長  アダム・シャララ(カナダ)
会長代理ヤン・シュアン(中国)
副会長 ニール・ハワード(オーストラリア)
    ペトラ・ゾーリング(スウェーデン)
    トーマス・ブェイケルト(ドイツ)
    木村興治(日本)
    シェリフ・ハジェム(チュニジア)
    カリル・アル-モハナディ(カタール)
    メレシオ・エデュアルド・リベラ(エルサルバドル)
*写真はAGM(年次総会)の様子
●男子シングルス2回戦
トキッチ(スロベニア) 12、-8、8、5、6 柳承敏(韓国)

 右膝のケガをおして出場した柳承敏だったが、この2回戦ではフォアのパワードライブが完全に不発。よもやの敗戦を喫した。体つきを見ても、その動きを見ても、ケガの状態は相当悪いようだ。韓国選手のオーバートレーニングの代償なのか。