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速報・現地リポート

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全中国運動会・速報2009

少し遅れて始まった女子シングルス決勝は、第1ゲームから熱い戦い。張怡寧が10-6でゲームポイントを握るも、郭躍が追いつき、ここからゲームポイントを双方が取り合う展開。郭躍15-14張怡寧で迎えた郭躍の4回目のゲームポイントで、バックハンド強打を決めた郭躍が第1ゲームを奪取!
★男子ダブルス決勝
王励勤/許シン(上海) 10、-10、5、-8、5、-12、8 ハオ帥/李平(天津)

両ペアとも集中力が高く、好ラリーの連続となった男子ダブルス決勝は王励勤/許シンが優勝。王励勤は前回大会でも劉杉と組んで優勝しており、2大会連続でのダブルス制覇となった。
 戦前の予想では上海ペアがかなり有利かと思われたが、天津ペアはハオ帥が好調。ゲームを奪った第2・4・6ゲームは、いずれも終盤で許シンのドライブのコースを読み切り、素晴らしいカウンタードライブを見せた。許シンの回転量の多いボールに李平のミスがやや多く出たが、第6ゲーム8-10から3回のマッチポイントを握られながら、ゲームオールに持ち込んだ戦いぶりは見事だった。

 最終ゲームは、出足で王励勤/許シンが5-0とリード。ハオ帥/李平も4-5まで追いつくが、ここから許シンがハオ帥の厳しいボールに対し、しゃがみ込みながらカウンタードライブ2連発。9-4と突き放す。さらに王励勤/許シン9-6のリードで、なんとハオ帥がこの試合初めてのサービスミス。最後はハオ帥が3球目バックフリックをオーバーミスして、栄冠の行方は決まった。王励勤/許シンはひざまづき、観客席に向かって高々と人差し指を突き出した!
 女子シングルス準決勝、女子ダブルス準々決勝で相次いで敗れ、涙を流した郭炎。「これ以上の試合は酷なのでは…」と思う状況でも、次の試合はやってくる。劉詩ウェンとの女子シングルス3位決定戦は、ともに女子シングルス準決勝で惜敗し、涙したふたりの対決となった。

 劉詩ウェンの前陣での連続ドライブと、郭炎の中陣での両ハンドドライブがぶつかり合い、順位決定戦とは思えない迫力のラリー。劉詩ウェンはしっかり声を出して戦っていた。第6ゲーム劉詩ウェンが9-7とリードし、「郭炎、3回目の敗戦か」と見ているほうも気を揉む展開。劉詩ウェンには次回大会も十分チャンスがあるが、郭炎は今大会がラストと言われている。心情としては、どうしても郭炎を応援したくなる。郭炎、このゲームを11-9と逆転で奪い、ゲームオールに持ち込む。
 
 最終ゲームは郭炎が5-2とリードしてチェンジエンド。5-4からのスーパーラリーを制しても、郭炎にガッツポーズはない。最後は劉詩ウェンにカウンターのミスが続き、郭炎が11-4で取って銅メダル獲得を決めた。
☆女子ダブルス準々決勝
劉娟/饒静文(湖北) -7、10、-9、10、17 郭炎/丁寧(北京)
李佳/李佳イ(遼寧) 9、6、-4、3 李茜/ニエ維(四川)
郭躍/侯暁旭(遼寧) 7、-6、7、7 李暁霞/彭陸洋(山東)
李聖傑/呂雪(山東) 8、-4、9、-9、9 白楊/牛剣鋒(河北)

 女子ダブルス準々決勝は波乱の連続。第1シードの郭炎/丁寧、前回大会優勝の李暁霞/彭陸洋がベスト8で姿を消した。
 日本リーグの日本生命女子チームで活躍する李佳は、甲Bリーグでプレーする李佳イ(火が4つ)とのペアでベスト4入り。本命なき女子ダブルス、明日の準決勝が楽しみだ。 
 会場では女子ダブルス準々決勝でただひと試合残っている、饒静文/劉娟(湖北)と郭炎/丁寧(北京)の一戦が行われている。長くペアを組む左ペンドライブ型の劉娟と右シェーク異質速攻の饒静文のコンビネーションは抜群。今大会、ひときわ大きな声援で目立っている湖北応援団の熱い応援に包まれ、第1シードの郭炎/丁寧と大激戦を繰り広げ、ゲームオール19-17というスコアで競り勝った。
 シングルス準決勝で郭躍に敗れ、コートに入ってきた時はかなりだるそうな表情を見せた郭炎も良く声を出し、奮闘したが、一歩及ばず。超級リーグの山西大土河華東理工では、郭炎がエースで饒静文/劉娟が正規のダブルスのペア。チームメイトとの戦いに敗れたことになる。試合後、フェンスにしがみつくようにして涙を流し、コートを離れられなかった郭炎。女子シングルス3位決定戦までに、気持ちを切り替えられるだろうか。

 男子ダブルス3位決定戦は、邱貽可/王建軍がハオ帥/李平をゲームオールで破り、嬉しい銅メダル。暴れん坊・邱貽可は勝利の瞬間、大きな雄叫びを会場中に響かせた。

★男子ダブルス3位決定戦
邱貽可/王建軍(四川) -6、10、-8、9、7 ハオ帥/李平(天津)
★男子シングルス準々決勝・速報
馬龍(北京) 7、11、6、5 張継科(山東)
王皓(解放軍) 4-1 陳杞(江蘇)

 男子シングルス準々決勝のもう二試合は、馬龍と王皓が順当に準決勝進出を決めた。
 センターコートで行われた馬龍vs.張継科は、馬龍がスケールの大きい攻撃で張継科をひと呑みに呑み込んだ。張継科もキレのあるバックドライブでチャンスは作るものの、中陣からの打ち合いになるとパワーの差は歴然。張継科がフォアクロスへ曲がるドライブで馬龍をフォアに寄せ、バックサイドへ打ち込んでも、馬龍はバックドライブ一発で一気に盛り返してしまう。ツボに入った馬龍の3球目パワードライブは、相手の戦意を喪失させるほどの速さだ。団体戦のヒーロー・張継科には悪いが、ジャックナイフ(張継科)がまさかり(馬龍)に叩き折られたという感じだ。

 王皓vs.陳杞は、サウスポー陳杞の試合態度がやや淡泊だった。早期決着型のプレースタイルゆえにそう見えてしまうのかもしれないが、陳杞は決定打にミスが多い。横浜大会ではペアを組み、男子ダブルスで優勝しているふたりだが、その実力差は明らかだった。
★男子シングルス準々決勝
王励勤(上海) 3、-10、3、4、10 ハオ帥(天津)
許シン(上海) -9、-7、10、7、10、7 馬琳(広東)

 北京五輪金メダリストの馬琳が、準々決勝で敗れた!
 相手は左ペンドライブ型の許シン。序盤は台上での強フリックで打ち抜き、よく切れたツッツキで許シンの裏面ドライブのミスを誘うなど、得意の台上テクニックで優位に試合を進めた馬琳。しかし、第3ゲームを苦しみながらも奪った許シンが、飛びつきざまのフォアストレートへのパワードライブなど、好プレーを連発。前陣では小さく前へ落とし、中陣では大きく曲がりながら入る、回転量の多いフォアドライブで、馬琳のカウンターのミスを誘った。ゲームカウント2-2の第5ゲーム、許シン8-5のリードから馬琳が8-10と逆転したが、ここから許シンが12-10と再逆転。第6ゲームは許シン7-6のリードで馬琳がタイムアウトを取ったが、流れは変えられず、許シンが歓喜のベスト4進出を決めた。
 大苦戦した昨日の閻安戦に続き、勝利へ賭ける執念にやや陰りが見られた馬琳。五輪金メダリストが勝てないと言われる全中国運動会の法則に、逆らうことはできなかった。今大会で初めて波乱と言える一戦だ。

 王励勤vs.ハオ帥は、競り合ったゲームもあるものの、終始王励勤が主導権を握り続けた。王励勤を中陣に下げてハオ帥が決めに行ったドライブも、王励勤はバックのフィッシュでしっかりしのぎ、フォアドライブで逆襲。ハオ帥は技術的には高いレベルにあるが、一発の決定力がないのが苦しい。王励勤は2連覇まであとふたつだ。
☆女子シングルス準決勝
郭躍(遼寧) -8、9、5、-9、9、10 郭炎(北京)

 昨年12月のプロツアーファイナルで郭炎が郭躍を破っており、まったく互角と思われた両者の対戦。郭炎が郭躍の前陣ドライブを中陣で受け止め、ラリー戦で優位に立って第1ゲームを先取。しかし、ここから第2ゲーム1-6から11-9で郭躍、第3ゲーム0-4から11-5で郭躍と、いずれも郭炎が序盤の大量リードを守りきれず。第5ゲーム、9-8の場面で勝負と見た郭躍がタイムアウト。10-9から強烈な3球目回り込みドライブをバックストレートへ決めた郭躍が3-2とゲームをリードし、一進一退の第6ゲーム、郭躍が10-8と握ったマッチポイントを郭炎も良く追いついたが、最後は郭躍の3球目シュートドライブ、郭炎のツッツキのネットミスで勝負あり。郭炎はラケットをベンチに投げつけた。

☆女子シングルス準決勝
張怡寧(北京) -10、7、-3、-10、8、9、7 劉詩ウェン(広東)

 場内を熱くした新旧女王対決は、紙一重の差で張怡寧に軍配。第1ゲームいきなり劉詩ウェンが7-1とリードを奪い、張怡寧の鉄壁のブロックに対して一歩も引かずに前陣ドライブを打ち続けた。張怡寧にフォアサイドを突かれたボールも、強気でフォアクロスへ打ち返す。バックハンドは緩く回転のかかったボールとライジングのボールを混ぜながらチャンスを狙う。特に第3ゲームは張怡寧を出足から圧倒し、会心のプレーだった。
 この試合、勝負の大きな分かれ目となったのは第6ゲーム。徐々に圧力を増していく張怡寧の両ハンドに苦しみながら、9-9に追いついた劉詩ウェン。次の一本で、張怡寧のフォアドライブがネットに当たり、劉詩ウェンのフォアサイドをかすめて入る。劉詩ウェンはガッツポーズ、張怡寧が手を上げて「入った」とアピール。入ったかどうか非常に微妙なボールは、副審が一度劉詩ウェンにポイントを入れながらも、張怡寧の抗議で張怡寧のポイントに。劉詩ウェンは審判長も呼んで猛抗議。信じられないという表情の劉詩ウェン、騒然とする会場。しかし判定はくつがえらず、このゲームは結局張怡寧が取った。

 最終ゲームは、劉詩ウェンも精神的に切れず、奮闘したものの、張怡寧に回転量の多いボールをフォアに集められ、オーバーミスが出た。張怡寧9-6のリードから、張怡寧が勝負をかけた連続フォアドライブ。10-7から張怡寧がバック対バックからライジングのバックドライブでバッククロスへ抜き去り、熱戦に終止符を打った。試合後、涙を流し、なかなかミックスゾーンへ現れなかった劉詩ウェン。諦めきれない敗戦だった。
★男子ダブルス準決勝
王励勤/許シン(上海) 8、8、6、6 陳杞/単明杰(江蘇)
ハオ帥/李平(天津) 10、-2、7、8、6 邱貽可/王建軍(四川)

 王励勤/許シンは、陳杞/単明杰をまったく寄せ付けず。やはり許シンのプレーはダブルス向き。かつて王励勤とペアを組んでいた閻森のような、前陣ドライブの切れ味はないが、中陣からの回転量の多いドライブと逆モーションの3球目ドライブで得点を重ねた。中国に新しいダブルスのスペシャリストが誕生した感あり。前陣での攻守に抜群の安定感を誇る王励勤とのペアリングは、世界選手権に出ても十分優勝できる力がある。

 邱貽可/王建軍とハオ帥/李平は、ともに長くダブルスを組むペア同士の対戦。序盤、これまで不調の李平にミスが多かった天津ペアだが、第4ゲームから李平に徐々に当たりが戻り、前陣でのバックドライブとパワフルなフォアドライブを見せた。邱貽可/王建軍も、「元柳承敏」こと王建軍が裏面ドライブを駆使して好プレーを見せたが、ややプレーが荒削り。第5ゲームはやや精神的に切れてしまったのか、イージーミスを連発して敗れた。
 午後1時(現地時間)からスタートした男子ダブルス準決勝。ピンパン世界編集部や、中国のスポーツ系ネットの方々とお昼ご飯を食べ、直前に到着したため、メディアシートが空いているか心配しましたが…。ご覧のとおりガラガラ。国慶節と重なっているとはいえ、ちょっと寂しい。