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速報・現地リポート

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世界選手権モスクワ大会(団体戦)

〈日本女子 3-0 スロバキア〉
 藤沼 4、3、5 マルチェコバ
 石川 9、7、8 バラージョバ
 藤井 6、2、2 フデコバ

 さすがに実力差があったか、ベンチも終始余裕の表情だった日本女子チーム。昨日のルーマニア戦に続いて、2試合連続でオールストレート、3-0での勝利を決めた。トップに出場した藤沼亜衣は今大会初めての出場だったが、ハイトスサービスからの速攻でマルチェコバを難なく下した。
 日本女子、これで予選グループ5戦全勝。準々決勝進出を決めた。今日13時からのドローで、シード下に入る2チームが決定する。下写真中央は、2番で石川に敗れたバラージョバ
●5月27日のタイムスケジュール
10:00~(日本時間15:00~) 女子予選グループ第5戦 日本女子 vs. スロバキア
16:30~(日本時間21:30~) 男子決勝トーナメント1回戦 日本男子 vs. オーストリア
19:30~(日本時間27日0:30~) 女子決勝トーナメント1回戦

 朝一番の試合で、日本女子チームがスロバキアと対戦。横浜大会で日本が痛い目にあったオドロバが今大会は出場しておらず、まったく問題ない相手だろう。スロバキアを破れば日本は全勝で準々決勝へ進出する。日本男子はオーストリアとの対戦。激戦のグループDで3位になったが、各グループの2~3位の中でも屈指の実力派チーム。しかし、決勝トーナメントに入ってからは、どこが相手だろうと関係ない。前に立ちはだかるチームを打ち倒していくだけ。今日も日本男女チームの戦いに期待しよう。
 また、女子予選グループは今日で全5試合が終了。昨日韓国が香港に1-3で敗れ、韓国が2位で決勝トーナメント1回戦に回る可能性が高い。今日行われる女子のドローにも注目が集まる。
 5月26日の現地時間22時、男子チャンピオンシップディビジョンの決勝トーナメントのドローが行われ、日本は明日16時30分(日本時間21時30分)にオーストリアと対戦することになった。
 オーストリアは激戦区の予選グループDで香港、ポルトガルに敗れ、グループ3位。Cグループ2位の日本と相対することになった。オーストリアはエースのシュラガー(03年世界チャンピオン)にガルドス、陳衛星という布陣で、08年北京五輪の銅メダル決定トーナメントでは日本を破っている。水谷がシュラガーとのエース対決を制して、試合を優位に進めたい。日本はオーストリアに勝つと準々決勝は香港、準決勝は中国と対戦する厳しい組み合わせだ。
 グループAは中国、グループBは韓国、グループCはドイツ、そしてグループDは香港。世界チームランキング1~4位のチームがシードを守り、順等に準々決勝へ駒を進めている。
 明日の男子決勝トーナメント1回戦の対戦カードは以下のとおり。

★男子決勝トーナメント1回戦
日本(グループC2位) vs. オーストリア(グループD3位)
ポーランド(グループA3位) vs. ベラルーシ(グループD2位)
チェコ(グループB3位) vs. ロシア(グループA2位)
スウェーデン(グループB2位) vs. ハンガリー(グループC3位)
 シャララ会長は記者会見で、五輪のシングルス枠に関して言及した。
「ITTFのオリンピック委員会が五輪のシングルス枠を3人から2人に減らすことに同意した。団体戦は今まで通り3人で行う。これは中国にとっては不公平で、うれしくない提案だろう。私はそのことを理解しなければならない。しかし、我々はひとつの国、ひとつの国のオリンピック委員会のことを考えているわけではなく、卓球界全体を見つめる必要がある。もしひとつの国がメダルを独占していくことになると、そのスポーツへの興味は失われてしまう。
 IOC(国際オリンピック委員会)は多くの国が五輪に参加し、多くの国がメダルを獲ることを望んでいる。テコンドーやボクシングでもひとつの国から1名しか出場できないし、水泳もひとつの種目にひとつの国から2名しか出場できない。
 卓球には多くの種目はないので、長い間、ITTFは他の競技、水泳やテコンドーなどの競技に追従するべきか考えてきた。今回、ITTFは解決方法として一国からのシングルスの出場枠を減らし、他の国に出場するチャンスが増える方法を選んだ。もちろん、それが中国に対して不公平であるように思われるだろうから、今まで中国のスポーツ機関、体育総局(スポーツ省)、そして中国卓球協会に説明をしてきた。中国卓球協会がこの提案を好んでいないけれど、それを支持しようとしているところだ。
 IOCはすでにこの変更を認めているが、執行役員会は(IOCの)最終決定を必要としている。
 シングルスの2名の決め方は世界ランキングによって決められるだろう。
 五輪出場は3つのステージで決められる。まず世界ランキングによって28名が選ばれ、次に各大陸の予選会に割り当てられ、最後は最終予選会によって決まる。28名の出場は、一国最大2名までで、もし2名ここで選ばれたら自動的にシングルスの枠に入る」
 26日、夕方6時半からのアダム・シャララ国際卓球連盟会長の記者会見で、「2013年の世界選手権個人戦はパリに決定した」ことを発表した。パリでの開催は2003年以来、10年ぶりとなる。
〈日本男子 3-2 スペイン〉
 松平 -5、-8、-8 カンテロ○
 吉田 -10、9、-8、8、-9 マチャド○
○張 4、5、-6、6 カルネロス
○松平 9、7、7 マチャド
○吉田 -7、7、9、7 カンテロ

 日本男子、ラスト吉田が苦しみながらもカンテロを下し、3-2でスペインに勝利。予選グループDで4勝1敗となり、ドイツに次ぐ2位通過を決めた。明日の決勝トーナメント1回戦の対戦相手はドローで決定するが、A~Dグループの3位チームと対戦する。
 ラストで勝利した吉田は試合後、「この試合で負けたら引退するつもりだった」とポツリ。それほど追いつめられた試合だった。まだ好調時の動物的とも言える動き、強烈なパワードライブは陰を潜めているが、ポイントゲッターの復活は上位進出の重要なカギ。ここで開き直り、完全復活だ!
 〈日本男子 1-2 スペイン〉
 松平 -5、-8、-8 カンテロ○
 吉田 -10、9、-8、8、-9 マチャド○
○張 4、5、-6、6 カルネロス
 松平 9、マチャド
 吉田         カンテロ

 ドイツ戦で2点起用された水谷と岸川を下げ、初戦のハンガリー戦に起用した松平健太を再び出場させた日本男子。しかし、その松平がトップでカンテロに完敗。昨日「卓球オヤジ」として取り上げた中肉中背のカンテロだが、バッククロスへのシュートするスマッシュと固いショート、そして劉国梁スタイルの変化サービスで松平を翻弄した。2番吉田もマチャドの固いバックブロックを崩しきれず、惜敗。
 3番で今大会初出場の張一博が落ち着いたプレーで、クセのあるフォームのカルネロスをきっちり下した。これで日本1-2スペイン。

下写真は3番で対戦した張一博(左)とカルネロス(右)
 石川選手はフォアサイドの打法が乱れていた。体が開いているし、方向が逆向きになっていたけど、3ゲーム目にはよくなっていた。ラケットヘッドが使えていないから、余計に入れようと思って打球点を早くしょうと思うから乱れてしまう。その修正は彼女ならできると思う。

 私も左利きだからわかるのだけれど、左利きは自分のフォアへ流れるボールに対して、ゴムとボールがガシャンと当たるような感覚がある。その当たる感覚があればどんなボールでも対処できる。それがないとボールを見てしまう、そのために足が止まってしまう。

 水谷選手が良いと思ったのは、ボールを拾いに行ったり、タオルを取りに行ったりとか、待っている時の足の動きがよい。石川選手はピタッと足が止まっている。自分の思う通りにいっていれば、足も勝手に動くけど、悪いと足が止まるわけだから、調子が悪い時には意識して打球をしてない時にも足を動かしていれば、リズムも乗ってくるし、そうやって盛り上げていけば、少しくらいの打法の乱れは足の流れの中で修正は効くと思う。
 平野選手はラリーが単調だった。フォアもバックも打球点が同じところで打っている。バックを中ドライブで返すことがあるけど、それだったらライジングでとらえたほうが相手のボールにも押されない。相手のバックのハーフボレーに対して打球点が遅かった。バックドライブはライジングでもかけられるから、そこを工夫していけばよいと感じました。今日の良かったのは、甘いボールがバックに来た時に思い切って回り込んで攻めていったのが良い点です。

 フォア攻撃の打球点が常に同じで、普通の打球点か、もしくは飛ばされて遅くなる打球点。スマッシュがあればそれが決定球になるけど、彼女はスマッシュを打たないし、ドライブにパワーがあるわけでもないので打球点の早さを追求していけば、もっと強い相手にも楽に勝てる。全体が安定はしているから、リスキーな攻めをすればそれが得点源になると思う。