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世界選手権ロッテルダム大会(個人戦)

●男子シングルス3回戦
王皓(中国) 7、10、7、-5、5 金ミン鉐(韓国)
柳承敏(韓国) -8、5、7、-6、7、-7、5 ルブツォフ(ロシア)
マテネ(フランス) 7、-3、9、14、6 ガオ・ニン(シンガポール)
馬龍(中国) 6、5、5、6 唐鵬(香港)
呉尚垠(韓国) 7、8、4、1 張
シュテガー(ドイツ) 4、-5、-9、9、10、-9、4 梁柱恩(香港)
馬琳(中国) 1、7、8、8 イオニス(ギリシャ)
王励勤(中国) 8、9、2、4 高礼澤(香港)

ただいま現地時間は午後22時45分。今日の最終試合は21時15分スタートの予定だったが、大幅に遅れている。男子シングルス3回戦は半分の試合が終了し、ベスト16のうち8人が決まった。

下写真は欧州開催の今大会で、気を吐いたヨーロッパ勢。写真左のシュテガーは豪快なラリー戦で観客を味方につけ、ベテランの梁柱恩を下した。最終ゲームは10-0になるという、珍しい場面もあった。写真右のマテネは中陣での粘り強さとクレバーなコース取りで、格上のガオ・ニンを破った。ボールにもパワーがあり、要注意の選手。明日、水谷はフェイヤー-コナート(ドイツ)を破ると、このマテネと対戦する。
女子シングルス3回戦、朴美英(韓国)を下して勝ち上がった藤井は、同じカットのリー・ジエ(オランダ)に惜敗した。リー・ジエのカットは打球点がより高く、バック面に表ソフトを使用しているため変化が大きかった。藤井のカット打ちの安定感は相変わらずだったが、終盤でやや強打にミスが出た。

女子シングルス3回戦がすべて終了。意外にも韓国勢がひとりもベスト16に残れず、日本の平野と石川、ベラルーシのVi.パブロビッチ以外は、すべて中国系の選手で占められた。

●女子シングルス3回戦
李暁霞(中国) 6、9、10、5 キム・ジョン(北朝鮮)
ション・イェンフェイ(スペイン) 4、10、-8、10、4 リー・ジャオ(オランダ)
Vi.パブロビッチ(ベラルーシ) 3、-9、-8、9、6、-7、7 金キョン娥(韓国)
武楊(中国) 4、4、3、5 リ・ジャウェイ(シンガポール)
范瑛(中国) -8、7、10、8、7 福原
平野 8、6、-7、-10、11、5 トート(ハンガリー)
呉佳多(ドイツ) 2、4、-7、7、-12、4 リ・チャンビン(オーストリア)
郭躍(中国) 5、6、1、4 フェヘル(セルビア)
丁寧(中国) 9、2、7、9 ベー・リーウェイ(マレーシア)
石川 8、5、8、-9、-8、8 梁夏銀(韓国)
帖雅娜(香港) -8、4、3、8、-11、4 フー・メレク(トルコ)
馮天薇(シンガポール) 4、1、3、1 ユ・モンユ(シンガポール)
劉詩ウェン(中国) 9、4、8、7 リー・チェン(ポーランド)
姜華君(香港) 10、-10、-6、8、6、6 王越古(シンガポール)
リー・ジエ(オランダ) 10、-6、7、-8、3、10 藤井
郭炎(中国) 10、6、-7、10、5 スン・ベイベイ(シンガポール)
●男子シングルス3回戦
呉尚垠(韓国) 7、8、4、1 張

2回戦で李廷佑を破った張一博は、2戦続けて韓国勢との対戦。呉尚垠に両ハンドドライブを高い打点でさばかれ、勝機を見出せなかった。すでに大ベテランの域に達している呉尚垠だが、強打の威力ではまだ世界のトップクラスだ。張は中盤で大きくリードした第2ゲームを取りたかったが…。「ブロックでは世界で勝てない。これからもっと練習して、鋭い攻撃を身につけたい」と試合後の張。世界トップクラスの壁を痛感した一戦だった。
●女子シングルス3回戦
范瑛(中国) -8、7、10、8、7 福原

福原愛、5回目の世界選手権個人戦への挑戦はベスト32でストップした。
大会前のポーランドオープンでストレートで敗れている相手・范瑛。厳しい相手であることはドローの時点でわかっていた。中国女子7人目の世界代表は、上位進出を狙わせるのではなく、他国のエースをつぶしにいく「狙撃手」であることは明らかだった。
今大会好調を続ける福原のプレーはベストに近いものだったが、普通のカット主戦型には取りにくいはずの福原のスマッシュ、バック強打を范瑛は正確にカットで返球した。カットの打球点が高いため、強打でもしっかり返されると連続で打っていくのは難しい。バック表ソフトのツッツキで粘り強くチャンスを待ったが、范瑛のプレーは崩れなかった。

「横浜大会で期待に応えられなくて、すごく落ち込んでいた時期もあったけど、モスクワとアジア大会で自信をつけることができたし、今回こそはと思っていた。実力は足りないのが一番の敗因。実力があれば誰と当たっても勝てる。ずっとこの世界選手権のために練習してきたし、それは出せたので悔いはありません」と試合後の福原。五輪への推薦出場枠を巡り、難しい状況にいるが、「このオリンピック争いが始まってから、合宿でも自分としては卓球と向き合って、やれるところまでやってきた。あとは天に任せるしかない」と語った。
●女子シングルス3回戦
平野 8、6、-7、-10、11、5 トート(ハンガリー)
石川 8、5、8、-9、-8、8 梁夏銀(韓国)

平野が初のベスト16入りを決めた。ロビングと粘りがトレードマークのトートに、2-0から2-2に追いつかれる苦しい展開だったが、「流れを持っていかれている感じがしたので、どういうふうに1点、1ゲームをとろうか考えた」と平野は冷静だった。
石川は梁夏銀に対し、3ゲーム連取の完勝ペースから足が止まり、2ゲームを返されてあわやという試合だった。第6ゲームの1-4となったところで開き直れた。「最後は思い切って自分の悔いのないようにプレーをしようと思った。正直言って、調子は良くなかったけど、何とか台に入れていこうと。今までやってきたことは間違いじゃなかったので、自信を持っていこうと思いました」(石川)。

●女子シングルス3回戦・その他の結果
李暁霞(中国) 6、9、10、5 キム・ジョン(北朝鮮)
ション・イェンフェイ(スペイン) 4、10、-8、10、4 リー・ジャオ(オランダ)
Vi.パブロビッチ(ベラルーシ) 3、-9、-8、9、6、-7、7 金キョン娥(韓国)
武楊(中国) 4、4、3、5 リ・ジャウェイ(シンガポール)
呉佳多(ドイツ) 2、4、-7、7、-12、4 リ・チャンビン(オーストリア)
郭躍(中国) 5、6、1、4 フェヘル(セルビア)
丁寧(中国) 9、2、7、9 べー・リーウェイ(マレーシア)
帖雅娜(香港) -8、4、3、8、-11、4 フー・メレク(トルコ)
馮天薇(シンガポール) 4、3、1、3 ユ・モンユ(シンガポール)

地元オランダ期待のリー・ジャオは同じ帰化選手のション・イェンフェイに敗れ、姿を消した。また、金キョン娥(韓国)がVi.パブロビッチ(ベラルーシ)に敗れている。
 日本の2番手になれば、五輪へのシングルス枠を獲得できる岸川は、この勝利でロンドンへ近づいた。しかし、本人は「それは大会後のランキングを待つだけ。今はこの世界選手権での成績に集中するだけ」とかわした。岸川はすこぶる好調である。

[男子シングルス2回戦]
岸川 -6、6、4、4、8 プロコプツォフ(チェコ)

岸川のコメント「出足は悪かったので修正しなければいけない。2ゲーム目からのプレーはすごく良かった。昨日接戦をものにしたことが今日につながった。うれしいです。日本人は残っているけど、他の国の選手が観客になっていく中で、ダブルスもシングルスもやれるので、すごく良い感じできています」

下写真右がプロコプツォフ
●女子シングルス2回戦
福原 4、8、ー7、10、ー10、7 キム・ヘソン(北朝鮮)
藤井 -4、8、10、6、-1、5 朴美英(韓国)
姜華君(香港) -7、3、8、9、6 若宮

福原が北朝鮮のキム・ヘソンとのラリー戦を粘り強く制し、ベスト32に進出。続く3回戦の相手は難敵・范瑛(中国)だが、今日の福原は好調だ。競り合った場面でも表情は冷静で、気負いすぎる様子もない。技術面以上に、精神面の充実を感じさせる。勝機は必ず見出せる。福原も「范瑛とは4月にポーランドオープンでやって、悔いの残る恥ずかしい試合をしたので、1本1本粘って悔いの残らない試合をしたい」と前向きだ。

藤井は先月のスペインオープンで、マッチポイントを奪いながら逆転負けを喫した朴美英を破った。「今回、朴美英が相手とわかってから、課題として対策練習をしてきたので、それを出し切ってやろうと思った。5ゲーム目に少し意識したけど、スペインオープンでの経験があったから、気を引き締めることができた」と試合後の藤井。藤井らしい粘りのカット打ちから、ナックル性のドライブ、ミドルへの突然の強打を織り交ぜ、朴美英の壁を破った。その精神力に敬服だ。続く3回戦で、同じカット主戦型のリー・ジエ(オランダ)と当たる。ホームのオランダの選手なので、日本応援団も大声援で後押ししたい。

若宮は香港の姜華君に敗れた。混合ダブルスで逆転負けしたリベンジを果たしたかったが、かなわず。
●男子シングルス2回戦
イオニス(ギリシャ) -7、9、6、9、-7、7 パーソン(スウェーデン)
梁柱恩(香港) 9、-9、-8、-9、8、9、5 荘智淵(チャイニーズタイペイ)
柳承敏(韓国) 7、-9、4、-7、17、9 張ユク(香港)
馬龍(中国) -11、10、-9、7、9、8 トキッチ(スロベニア)
呉尚垠(韓国) 9、10、-9、5、3 J.セイブ(ベルギー)

男子シングルス2回戦、前回の横浜大会で柳承敏(韓国)をノックアウトしたトキッチが、ロッテルダムでも魅せた。馬龍との華々しいフォアクロスのドライブの引き合いに、観客は大喜び。あの馬龍のパワードライブに一歩も引かずに打ち合ったトキッチ。欧州の中堅というイメージが強いが、世界戦になるとこの男は輝くのか。
世界戦20大会連続出場のJ.セイブ、そしてセイブとともにロンドン五輪で五輪7大会連続出場を目指すパーソンはここで終戦。また、荘智淵が香港のベテラン、右ペンドライブ型の梁柱恩(04年アテネ五輪ベスト8)に手痛い逆転負けを喫した。
下写真は左からトキッチ、荘智淵、パーソン
●男子シングルス2回戦
馬琳 -9、8、11、7、7 丹羽

丹羽は第1ゲームを先取し、第3ゲームもゲームポイントを奪ったが、馬琳の横回転系ショートと打球点の早いドライブに要所を押さえられた。「チャンスはあると思ったけど、競り合いになった時に相手はサービスを変えてくるので、それに対応できなかったし、どうやって得点すればいいか分からなかった。(サービスは)競った時に下回転とか急に出されたら分からない。馬琳は下がって打ってくるので十分取れるけど、サービス、レシーブとか、早い段階で攻め込まれると厳しい。ただ相手の調子は良くなかった。相手が馬琳だからまわりから見たらしょうがないと思うかもしれないけど、もう少し良い試合がしたかった」と試合後にコメントした。
 初の世界選手権を戦い終えた谷岡。敗れた石川戦を振り返った。
「4ゲーム目で10―5でリードしていたのに、タイムアウトを取って、直後にサービスミスをした。最後の最後で、絶対取らなきゃいけない時にミスをして、4-0で負けてすごく悔しい。
 やっぱり世界の10位は違うと思った。ギリギリネットにかかったり、ギリギリオーバーしたり、技術じゃないところで世界の10位は違う。世界選手権という舞台でもうひとりの石川さんができている。これは戦わないとわからない。それを感じたのは大きな財産です」

 女子では貴重なカット主戦型・谷岡。世界の舞台でやはり緊張の色は見えたが、カットから攻撃に転じるセンスは非凡なものがある。2014年東京大会では、日本女子チームの一翼を担ってほしい選手だ。