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世界選手権ロッテルダム大会(個人戦)

●女子シングルス準々決勝
李暁霞(中国) 7、5、-10、8、6 武楊(中国)
郭躍(中国) 4、7、-4、-8、5、-5、4 范瑛(中国)

李暁霞はカットの武楊に4-1で勝利。序盤、打つ直前まで読ませない巧みなストップで武のペースを崩し、競り合いになった中盤では回転量の多いループドライブから、横殴りに叩くフォア強打で得点を重ねた。第4ゲーム4-8とされてから7点連取したあたり、やや不安定だった精神面にも成長のあとがうかがえる。

郭躍は日本勢を連破した范瑛のカットに苦しんだ。ゲームカウント2-2の第5ゲームに出足で1-4とリードされ、このゲームを何とか奪うも、第6ゲームは打ちミスが連続してゲームオールに持ち込まれた。しかし、ここで「假小子(おてんば)」郭躍の闘争心に火がつく。ループドライブから回り込み、バッククロスへスマッシュを連発して一気に突き放し、范瑛を振り切った。

第6日目を迎え、ほんの少し、ほんの少しだけ疲労の色が見える王国取材班。しかし、ここからもうひと踏ん張りです。下写真の李暁霞と郭躍は、コートサイドの主(ぬし)となったマエストロ高橋、インパクトを狙った渾身の一枚。下写真右は范瑛
国家体育総局副局長、アジア卓球連合会長、中国バドミントン協会会長、そして中国卓球協会会長。その他にも数え切れないほどの肩書きを持つ蔡振華が、VIPシートで観戦。中国チームのマッサーに肩を揉んでもらっていた。

そんなに観ていて肩が凝る試合もないだろうと思ったら、昨日の王皓vs柳承敏の一戦はちょっと緊張する試合だったかもしれない。まあ、監督としてベンチに入っていた2001年大阪大会の男子団体準決勝ラスト、劉国正vs金擇洙の一戦に比べれば…。

おや、蔡振華の後ろに映っている女性は…??
男女ダブルス、混合ダブルスの昨日までの勝ち上がりは以下のとおり。
男子ダブルスは中国から3ペア、韓国から1ペア。日本勢を連破した鄭栄植/金ミン鉐(韓国)のイキの良いプレーに期待がかかる。
★5月13日のタイムテーブル

●女子シングルス準々決勝
10:00 李暁霞(中国) vs 武楊(中国)
10:45 郭躍(中国) vs 范瑛(中国)
11:30 丁寧(中国) vs 馮天薇(シンガポール)
12:15 郭炎(中国) vs 劉詩ウェン(中国)
●女子シングルス準決勝
18:30/19:15

●混合ダブルス決勝
13:30 ハオ帥/木子(中国) vs 張超/曹臻中国)

●女子ダブルス準々決勝
15:00 郭躍/李暁霞(中国) vs 馮亜蘭/木子(中国)
15:00 藤井/若宮 vs 姜華君/帖雅娜(香港)
15:45 金キョン娥/朴美英(韓国) vs キム・ヘソン/キム・ジョン(北朝鮮)
15:45 丁寧/郭炎(中国) vs リ・ジャウェイ/スン・ベイベイ(シンガポール)

●男子シングルス4回戦(残り4試合)
16:30 張継科(中国) vs 朱世赫(韓国)
16:30 許シン(中国) vs 王励勤(中国)
17:15 サムソノフ(ベラルーシ) vs 陳杞(中国)
17:15 ボル(ドイツ) vs オフチャロフ(ドイツ)

大会第6日目、女子ダブルス準々決勝に藤井/若宮が登場。日本選手の登場は、今日はこの1試合だけです。姜華君/帖雅娜(香港)にはアジア競技大会でも勝利しており、十分にメダル獲得のチャンスがあります。
混合ダブルスは決勝が行われ、女子シングルスは準決勝まで進みます。モスクワで中国に風穴を空けた馮天薇(シンガポール)が存在感を示せるか?

下は男女シングルスの昨日までの勝ち上がりです(クリックで拡大)。
●女子シングルス4回戦
李暁霞(中国) 2、-10、4、4、6 ション・イェンフェイ(スペイン)
武楊(中国) -6、13、-7、5、9、8 Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)
范瑛(中国) -3、7、4、8、4 平野
郭躍(中国) 8、4、8、8 呉佳多(ドイツ)
丁寧(中国) 4、6、-11、3、2 石川
馮天薇(シンガポール) -6、4、7、9、-8、-6、13 帖雅娜(香港)
劉詩ウェン(中国) 5、4、7、4 姜華君(香港)
郭炎(中国) 6、7、6、4 リー・ジエ(オランダ)

なんと中国女子が、エントリーした7人全員をベスト8へ送り込んだ。残る1名も中国出身の馮天薇だ。
下写真左は同じカットの武楊とクロスゲームを演じたVi.パブロビッチ。凡ミスのない集中力の高いプレーで、勝機も十分にあったが、攻撃の正確性でわずかに及ばず。
右は郭炎に敗れたリー・ジエ。「リー!ジエ!ゴー!ゴー!」の大声援が送られたが、郭炎に落ち着いてカットを打たれ、全く勝機が見出せなかった。
●女子シングルス4回戦
丁寧(中国) 4、6、-11、3、2 石川

世界ランキング3位の丁寧に挑んだ石川。膝を傷めている丁寧はトレードマークのしゃがみ込みサービスをほとんど使わず、クイックモーションのフォアサービスを使っていた。石川はバック対バックの高速ラリーを展開し、第3ゲームを奪う健闘を見せたが、やはり攻撃力の差は大きかった。レベルの高い男子選手を相手に練習している中国女子、丁寧も石川の強打をものともせず、前陣カウンターで何本も跳ね返した。

石川のコメント「自分の力は出せたけど、相手のレベルがもっと上だった。改めて自分の実力が足りないのが分かった。試合中にまだまだと感じた。とにかく相手の回転がすごい。バックを深くつかれて、その後ミドルをつかれた。相手の回転というのは女子の選手ではああいうのはなくて、本当に男子とやっている感覚です。1本も2本も3本もよけいに返ってくる。今はオリンピックに出れることがすごくうれしい」
●男子シングルス4回戦(ベスト8決定戦)
水谷 8、-4、6、7、14 マテネ(フランス)

水谷はマテネに4-2で勝利、ベスト8進出を決めた。
今や珍しい「メガネプレーヤー」のマテネ。日本の卓球ファンにはまだなじみが薄いと思うが、世界ランキングをスルスルと30位前後まで上げ、今大会でガオ・ニンを破ったことでロンドン五輪への推薦出場は確実。その攻撃は見かけによらずパワフルで、特に中陣から放つバックドライブは一発で盛り返す力がある。ボールタッチも正確で、水谷の攻撃を何本でも返し、ラリー戦に持ち込んだ。水谷はそのマテネを、コースのわかりづらいレシーブ、ナックル性のドライブや緩急をつけた攻めで攻め落とした。

「相手はガオ・ニンとか何志文とかを圧倒的なスコアでやっつけているので勢いがあった。特にバックのドライブをやらせてしまうとラリーに持ち込めないので、それを封じるための戦術を使った。今日の勝因もサービス、レシーブだけど、王皓戦もサービス、レシーブがポイントになる。サービスで点を取るか、3球目で取りに行くし、レシーブの時には1本でも多く粘る。そういう自分らしいプレーをしたい。王皓も絶好調ではないし、普通か、普通より下。自分は思いきって攻めていきたい」(水谷)

男子シングルス準々決勝は明後日の5月14日に行われる。一日空くのが残念。今から待ちきれない!
●混合ダブルス準決勝
ハオ帥/木子(中国) 4、9、4、5  岸川/福原

岸川/福原は決勝進出ならず。日本選手として混合ダブルス34年ぶりのメダルは、銅メダルだった。
中国ペアの女子選手である木子のフォアのパワードライブは抜群の威力だった。試合時間は22分。第2ゲームの5-0のリードを生かせなかったのが惜しまれる。

それでも、シングルスやダブルスでの敗戦を乗り越え、集中力を切らさずに混合でのメダルを日本にもたらした岸川/福原ペアの頑張りはすばらしい。「メダル獲得は簡単なことじゃないけど、それができたのは自信を持っていい。たださらに上を目指すのは努力が必要で、そこを目指したい。ダブルスも前回メダルで、今回もと思っていたらダメだったけど、ミックスで獲れた。全体的には満足しています」と試合後の岸川。福原は「混合が34年ぶりのメダルというのはビックリしてます。今回の世界選手権はシングルスもダブルスもメダルに手が届かなかったけども、やっぱり世界選手権のメダルは違う。練習してきた部分は全部出せたのでそこは良かったけど、まだまだ実力不足です」と語り、最後は笑顔で世界選手権を終えた。
●男子シングルス4回戦
王皓(中国) -10、6、8、-8、-7、3、6 柳承敏(韓国)

猛虎は再び蘇った。柳承敏が観衆を味方につけ、王皓をゲームカウント3-2とリード。最近は王皓の連続裏面ドライブに台から下げられ、防戦一方になる展開が多かった柳承敏だが、この試合は王皓の裏面フリックを回り込みドライブ、そしてプッシュショートで狙い打った。フォアドライブのスピード感はまさに「お帰り、柳承敏」という感じだ。最終ゲームは王皓の裏面ドライブを打ち切れなかったが、久々にインパクトのあるプレーを見せた。

韓国男子はこの柳承敏と朱世赫、呉尚垠がロンドン五輪の推薦出場枠を巡り、僅差の中で争っている。果たして柳承敏は再び五輪シングルスのコートに戻ることができるだろうか。

●男子ダブルス準々決勝
鄭栄植/金ミン鉐(韓国) 10、9、4、-9、2 張/松平賢

メダルを狙った張/松平賢は、韓国の若手ペアのパワープレーに敗れた。鄭栄植、金ミン鉐ともにレシーブではチキータを多用し、張/松平賢はこれを狙い打てず。台上のストップに対しても、韓国ペアは積極的にフォアフリック強打で攻めてきた。中陣に下がっても粘り強く、少しでも甘くなるとすかさず回り込んでパワードライブで逆襲。序盤でリードするゲームはあったが、なかなか勝機をつかめなかった。

★松平賢二・試合後のコメント
「メダルが目標だったのですごく悔しい。相手の情報はもらっていた。最初から自分たちから仕掛けること、そして相手のチキータのレシーブに気をつけるように言われてました。ぼくのバックに集められたけど、そのボールをしっかりつないで張さんに回せたら違ったと思う。もう少し回転に対応できるようになりたい」