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速報・現地リポート

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世界選手権ロッテルダム大会(個人戦)

●女子シングルス4回戦(ベスト8決定戦)
范瑛(中国) -3、7、4、8、4 平野

平野、昨日福原を下した范瑛に挑み、快調に1ゲームを先取したが、第2ゲーム以降は范瑛の術中にはまった。范瑛のカットは見た目以上に変化があり、ミドルに打たれたスマッシュも平気で拾う。浮いたボールを平野が強打しても打球点の高いカットで返球され、連続強打にミスが出た。
第4ゲーム、7-3のリードから8-7まで追いつかれ、ここで平野に打ちミスが連続して8-11。このゲームを落とすと、第5ゲームは1-5、3-9と大きくリードされ、万事休した。最後も平野のスマッシュがネットを弾いてオーバー。最後までスマッシュを打たされるような展開だった。

これでロンドン五輪への推薦出場枠(1カ国につき2名まで)の獲得が難しくなった平野。「(五輪を狙っていたのは)みなさん3人というけど、もっと狙っている人はいたので、みんなが同じ気持ちだったと思う。今回は1戦目から、1試合1試合に集中しようと思っていた。これで勝ったらオリンピック、というのはあまり考えず、目の前の試合に集中しようと思った」と語った。「私は、サポートしてくれる人とか、会社の人とか、すごく良い人に恵まれている。私に対してサポートしてくれる人が多かったので、その人たちのために喜んでもらえるために頑張ってきた。私も何回も助けてもらった。その人たちへの気持ちが一番大きいです。自分一人の力で今の自分がいると思っていない」(平野)。初のベスト16入りでロッテルダム大会を終えた。


岸川/福原がメダルを決めた一戦に大興奮の伊藤条太氏からまたまた熱~い(というより暑苦しい)写真が届いた。左から3コママンガになっているそうですが・・・

ロッテルダムの熱気は日本の夜をも熱く焦がしているようです。
●男子シングルス3回戦
水谷 5、4、8、、-6、-10、7 フェイヤー-コナート(ドイツ)
オフチャロフ(ドイツ) 3、5、3、5 岸川

水谷はフェイヤー-コナートに3ゲーム連取してから2ゲーム落とし、ややプレーに集中しきれない感もあった。続く4回戦はマテネ(フランス)との対戦。準々決勝の王皓戦の前に、しっかり集中して臨みたい一戦だ。マテネは懐が深くてパワーもあり、ラリー戦に強い

岸川はオフチャロフに完敗。威力ある両ハンドドライブに押され、気がつくと岸川が中陣に下がっている展開になった。「今日はチャンスはなかった。やっぱり威力が全然違いますね。今大会のシングルスについては、3回戦まで進めたし、五輪の出場枠の争いも勝ち抜けたので、満足はしています」と試合後の岸川のコメント。これで残る種目は混合ダブルスだけとなり、「ミックスでは愛ちゃんがシングルスとダブルスで負けたのに頑張ってくれたから、ぼくもあと残ったミックスで頑張ります」と混合ダブルス準決勝での勝利を誓った。

下写真中央は水谷と対戦したフェイヤー-コナート
●混合ダブルス準々決勝
岸川/福原 9、9、9、-7、8 ヤン・ツー/王越古(シンガポール)

混合ダブルス準々決勝、岸川/福原がシンガポールペアを下し、日本に今大会初のメダルをもたらした!
対戦したヤン・ツー/王越古はサウスポーのヤン・ツーに中陣からのドライブのミスが多く、岸川/福原が競り合いながらも試合を優位に展開した。第4ゲームは相手にネットインが連続して落としたが、第5ゲームも常に岸川/福原が先手を取って攻めた。最後は岸川のパワードライブが決まり、ふたりが歓喜の抱擁!

★岸川の試合後のコメント
「愛ちゃんと組んで、メダルを獲れてうれしいけど、自分たちの目標は優勝なので次も頑張りたい。愛ちゃんは昨日シングルス、今日はダブルスも負けたので、このミックスは勝ちたかった。そして日本のみんなに少しでも喜んでもらえるように頑張ります」
★福原の試合後のコメント
「2人で話し合いながら自分たちの一番良いところが出た。ダブルスもシングルスも負けたけど、内容は悪くなかったので、気持ちを切り替えた。出発前に3種目でメダルを獲りたいと思っていたので、1種目も取れなかったらどうしようと思って、メダルを獲れたから本当にうれしかった。決勝にいけるように頑張ります」

混合ダブルス準決勝は現地時間17時30分にスタート、対戦相手は第1シードのハオ帥/木子だ。

●混合ダブルス準々決勝・その他の3試合
ハオ帥/木子(中国) -10、7、7、-7、7、9 チチェチニン/Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)
張ユク/姜華君(香港) -7、-5、5、9、4、-9、8 キム・ヒョクボン/キム・ジョン(北朝鮮)
張超/曹臻(中国) -6、7、-8、4、5、-15、6 徐賢徳/石賀浄(韓国)
 今大会、勝ち進むことはなかったが、卓球界の鉄人3人は元気な姿を見せた。3人とも1980年年代から2000年初頭まで世界の卓球界で活躍した選手たちだ。
 世界ランキング27位のスウェーデンのパーソンは45歳、91年の世界チャンピオンだ。そして、同39位のプリモラッツ(クロアチア)は93年世界選手権3位の42歳、同41位のJ.セイブ(ベルギー)は94年ヨーロッパチャンピオンの41歳。世界選手権の初出場は、パーソンが85年、プリモラッツが87年、セイブは83年。五輪への出場は3人とも88年ソウルからだ。

 世界ランキングによる五輪出場は、パーソンはほぼ確定、プリモラッツとセイブも可能性が高い位置にいる。もし3人が揃って出場となれば、五輪7回連続出場という大偉業を3人とも達成する。以前では想像もできないが、選手寿命が長くなっている昨今。しかし、この3人の卓球への愛、節制した生活があってこその記録と言えるだろう。
 
●女子ダブルス3回戦(ベスト8決定戦)
郭躍/李暁霞(中国) 8、5、4、7 石垣/山梨
キム・ヘソン/キム・ジョン(北朝鮮) 9、10、-9、-8、10、4 福原/石川
藤井/若宮 6、4、6、7 ドボラク/ラミレス(スペイン)

女子ダブルス3回戦、日本勢では藤井/若宮がベスト8へ進出した。実力差のあるスペインペアを寄せつけず、若宮も威力あるシュートドライブを見せ、好調だ。

石垣/山梨ペアは前回優勝の郭躍/李暁霞に果敢に挑んだが、中国ペアのカット打ちにミスがなく、左の郭躍、右の李暁霞が強烈なパワードライブを打ち込んだ。ダブルスのみの起用で世界選手権に初出場した山梨、試合後に「挑戦する気持ちは1ゲーム目から出せたと思う。1ゲーム目は良い展開に持っていけていたので、取れていれば展開が変わってきたと思う。自分が決まったと思うボールも普通に返ってきたし、こんなに早いボール、重い球質で返ってくるのはすごいなと思った。ただ、特に嫌なボールというのはなかった。自分たちの技術が足りなかった」とコメントした。ミックスゾーンでは涙を見せたふたりに、まだまだ未来はある。

福原/石川は北朝鮮ペアに惜敗。競り合いでもう少し積極性を出したい一戦だった。福原は混合ダブルス準々決勝でメダル獲得に挑む。
男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスのこれまでの勝ち上がりも掲載します。
朝一番の女子ダブルス、石垣/山梨が第1シードで前回優勝の郭躍/李暁霞(中国)に挑戦。攻守自在のふたりのプレーが、大金星を挙げるのか?
男女シングルスの昨日11日までの勝ち上がりは以下のとおり(クリックで拡大します)。
男子シングルス、水谷はフェイヤー-コナートに勝つと、ガオ・ニン(シンガポール)を破ったマテネ(フランス)と4回戦で対戦する。準々決勝まで勝ち上がると、王皓(中国)と柳承敏(韓国)の勝者と対戦だ。やはり王皓か?
★5月12日・日本関係のタイムスケジュール

●女子ダブルス3回戦(ベスト8決定戦)
10:30 石垣/山梨 vs 郭躍/李暁霞(中国)
10:30 福原/石川 vs キム・ヘソン/キム・ジョン(北朝鮮)
11:15 藤井/若宮 vs ドボラク/ラミレス(スペイン)

●混合ダブルス準々決勝(メダル決定戦)
12:15 岸川/福原 vs ヤン・ツー/王越古(シンガポール)
●混合ダブルス準決勝
17:30

●男子シングルス3回戦
13:00 水谷 vs フェイヤー-コナート(ドイツ)
13:45 岸川 vs オフチャロフ(ドイツ)

●女子シングルス4回戦(ベスト8決定戦)
14:30 平野 vs 范瑛(中国)
14:30 李暁霞(中国) vs ション・イェンフェイ(スペイン)

16:00 呉佳多(ドイツ) vs 郭躍(中国)
16:00 武楊(中国) vs Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)

18:15 石川 vs 丁寧(中国)
18:15 帖雅娜(香港) vs 馮天薇(シンガポール)

19:45 リー・ジエ(オランダ) vs 郭炎(中国)
19:45 劉詩ウェン(中国) vs 姜華君(香港)

●男子ダブルス準々決勝(メダル決定戦)
15:15 馬龍/許シン(中国) vs バウム/シュテガー(ドイツ)
15:15 張/松平賢 vs 鄭栄植/金ミン鉐(韓国)

20:30 陳杞/馬琳(中国) vs プラトノフ/サムソノフ(ベラルーシ)
20:30 李廷佑/呉尚垠(韓国) vs 王皓/張継科(中国)

●男子シングルス4回戦(ベスト8決定戦)
16:45/19:00(※一部は13日)
●男子ダブルス3回戦
バウム/シュテガー(ドイツ) 6、6、9、6 松平健/丹羽
鄭栄植/金ミン鉐(韓国) 11、9、10、8 水谷/岸川
張/松平賢 -7、3、-7、-6、7、9、14 張ユク/李静(香港)

松平健/丹羽、水谷/岸川は予想外のストレート負け。松平健/丹羽は前陣での強打をドイツペアに中陣から盛り返され、ラリー戦に持ち込まれて勝機を見出せなかった。前回3位の水谷/岸川は第1ゲーム11-10のゲームポイントで相手のボールがエッジ。また第3ゲームは8-10から逆転された。いずれかを取っていれば展開は変わっただろうが、攻撃的なボールが少なく、若い韓国ペアに対して守勢に回ったのは残念。最後まで戦術転換ができないまま敗れた。

そして現地時間の23時を過ぎた会場で、ただひとつ残った試合は張一博/松平賢二と張ユク/李静の一戦。張/松平賢はゲームカウント1-3とリードされながら、積極的な攻撃でゲームオールへ持ち込んだ。最終ゲームは8-10とマッチポイントを取られてから追いつき、ここからマッチポイントの取り合い。張/松平賢はここでも3球目で台上のフリック強打を連発し、最後も張のサービスから松平賢のフリック強打で熱戦に終止符を打った!

張/松平賢は明日、水谷/岸川を破った鄭栄植/金ミン鉐と準々決勝で対戦。勝てばメダル確定だ。下写真は左から水谷/岸川、鄭栄植/金ミン鉐、張/松平賢