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速報・現地リポート

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全日本選手権大会

 39歳、男女通じてシングルス最年長出場となった西村雅裕(FEVER)が、1回戦で高木和健一(個人)に1-3で敗れた。第1ゲームをラブゲームで失うも、第2ゲームは奪取。フォアのカーブドライブ、バックフラット強打、ブロック、ロビングなどを自在に駆使する両ハンドのオールラウンドプレーで健闘したが、及ばなかった。

 女子最年長は山本真理(オークワ)34歳。41歳の偉関晴光が優勝した03年度くらいまでは、特に男子上位の平均年齢が高く、50代の出場選手もいたが、全日本もめっきりと若返った感がある。台上バックドライブレシーブや前陣両ハンドカウンターなど、若い世代のプレーでないとなかなか勝てないということだろうか。
ジュニア女子シングルスはベスト8が決定。記録は以下の通り

●ジュニア女子シングルス5回戦
谷岡(エリートアカデミー/帝京) ー10、ー14、5、7、0 永尾(横浜隼人高)
伊藤(豊田町スポ小) 10、ー5、7、8 鈴木(青森山田高)
松平(四天王寺高) 6、7、7 佐藤(就実高)
高橋(岩国商業高) 13、5、9 荒木(富田高)
平野(ミキハウスJSC山梨) 5、ー8、5、ー9、11 藤原(土佐女子高)
成本(四天王寺高) 6、1、5 小室(真岡女子高)
前田(ミキハウスJSC) ー3、7、6、8 森(青森山田中)
佐藤(尾札部中) 8、6、10 森田(エリートアカデミー)

※写真は前田(左)と松平
●女子ジュニア5回戦
伊藤(豊田町卓球スポーツ少年団) 10、-5、7、8 鈴木(青森山田高)
平野(ミキハウスJSC山梨) 5、-8、5、-9、11 藤原(土佐女子高)

10時スタートの女子ジュニア5回戦。昨夏の青森インターハイで女子シングルスを制し、本命不在と言われる中でも有力な優勝候補だった鈴木李茄が、小学5年生の伊藤美誠に敗れた。鈴木はバック対バックで伊藤の打球点の早いバックハンドに押され、3球目でも威力ある攻撃が見られず、防戦一方の展開になった。
 数年前から全日本に吹き荒れている「スーパー小学生旋風」。動きの大きさと技術の幅では高校生のほうが上のはずだが、カメラに囲まれた異様な雰囲気の中で、小学生たちに落ち着いて戦われ、意外なほどもろい試合展開になってしまう。朝一番の試合という難しさもあるが…。
 平野美宇も土佐女子高の藤原とのゲームオールジュースの激戦を乗り切り、目標としていたベスト8に名乗りを上げた。今年の女子ジュニアは、小学生チャンピオン誕生がいよいよ現実味を帯びてきた。

※写真は平野(左)と伊藤に敗れた鈴木
 5種目すべてがスタートし、盛りだくさんの大会第3日目。タイムテーブルは以下のとおり。

●1月19日のタイムテーブル
10:00~ 女子ジュニア5回戦(ベスト8決定戦)
10:00~ 男子ダブルス2回戦

10:30~ 男子シングルス1回戦
11:00~ 女子ダブルス2回戦

12:00~ 男子ジュニア5回戦(ベスト8決定戦)
12:00~ 女子シングルス2回戦

14:30~ 女子ジュニア準々決勝
14:30~ 混合ダブルス準々決勝
15:00~ 男子ジュニア準々決勝

15:30~ 男子シングルス2回戦
15:30~ 女子シングルス3回戦

17:00~ 女子シングルス4回戦(スーパーシードの初戦)
18:30~ 男子ダブルス3回戦

 女子シングルスで16人のスーパーシード選手が出場。昨年度優勝の石川佳純をはじめ、福原愛、平野早矢香、藤井寛子と世界代表組が出陣する。スーパーシード初戦は別名「魔のラウンド」。勝ち上がって勢いに乗る選手にスーパーシード勢が呑まれることも多く、何が起こるかわからない。
 また、男女ジュニアと混合ダブルスではベスト4が決まる。男女ジュニア5回戦の対戦カードはチェックしておきましょう。

●女子ジュニア5回戦
谷岡(エリートアカデミー/帝京) vs. 永尾(横浜隼人高)
鈴木(青森山田高) vs. 伊藤(豊田町卓球スポーツ少年団)
佐藤(就実高) vs. 松平(四天王寺高)
高橋(岩国商業高) vs. 荒木(富田高)
平野(ミキハウスJSC山梨) vs. 藤原(土佐女子高)
小室(真岡女子高) vs. 成本(四天王寺高)
前田(ミキハウスJSC) vs. 森(青森山田中)
森田(エリートアカデミー) vs. 佐藤(尾札部中)

●男子ジュニア5回戦
丹羽(青森山田高) vs. 後藤(尚志学園高)
東(エリートアカデミー/帝京) vs. 及川(青森山田中)
森薗(青森山田高) vs. 藤村(愛工大名電高)
村松(エリートアカデミー) vs. 有延(野田学園高)
町(青森山田高) vs. 堀(明徳義塾高)
酒井(エリートアカデミー) vs. 阿部(湘南工大附高)
田添健(希望が丘高) vs. 大塚(エリートアカデミー/帝京)
吉田(青森山田高) vs. 吉村(野田学園中)

速報も中だるみと言われないように頑張ります!
●混合ダブルス4回戦
吉村/石川(野田学園高/全農) -10、9、9、5 水野/梶本(東京アート/個人)
久住/鈴木(専修大/札幌大谷高) 12、12、7 杜/山梨(TENRYU/十六銀行)
松平賢/若宮(青森大/日本生命) 6、-7、-2、14、2 軽部/小野(シチズン/サンリツ)
尾留川/土田(明徳義塾高) 2、9、7 星野/平(埼玉工業大/Shochi Jr.)
藤本/平野(近畿大/ミキハウス) 10、-3、3、8 塩野/亀崎(東京アート/KTGクラブ)
大矢/森薗(東京アート/日立化成) 8、6、5 加藤/土田(シンコー/中国電力)
吉田/小西(OVERLIGHT) 9、9、-5、5 神/平野(明治大/東京富士大)
上田/鈴木(青森大/青森山田高) -4、7、7、-7、5 阿部一/阿部恵(リコー/サンリツ)

昨年に比べ有力選手が多くエントリーしている混合ダブルス。ベスト8に残ったペアには、世界代表クラスがずらりと顔を揃えた。吉村/石川は水野/梶本との大一番を制している。「指導なんて自分には無理だけど、声をかけることならできる。昨日はふたりともスミマセン、スミマセンばかりだったから、今日はいいよ、いいよで声を掛け合うようにした」(石川)

※写真は吉村/石川(左)と松平賢/若宮に惜敗した軽部/小野
●女子ジュニア4回戦
平野(ミキハウスJSC山梨) 12、9、7 宋恵佳(青森山田高)
●女子シングルス1回戦
平野(ミキハウスJSC山梨) 1、3、6 高原(右田中)

 大会第2日目も平野美宇の快進撃は続いた。ジュニア女子の3試合、女子シングルス&ダブルスの2試合、計5試合を5連勝で乗り切った。
 今日の平野にとって、最大の関門となったのは女子ジュニア4回戦。ジュニアの国際大会でも活躍している宋恵佳(青森山田高)。昨年度大会では一般で樋浦(ミキハウス)を破ったほどのツワモノだが、平野は淡々と、そして確実に両ハンドドライブを決めていった。バックサイドへのツッツキにも安定感のあるバックドライブで対応し、台上のストップ対ストップでも慌てるそぶりは見せない。なんともつかみどころのないプレースタイルだが、確実にスケールはアップしている。何かの技術がグッと伸びているというより、器全体が大きくなっているという感じ。一般女子でも15分とかからずに試合を終わらせ、明日の2回戦へ駒を進めている。
●男子ジュニア4回戦
丹羽(青森山田高) 7、9、6 高取(野田学園中)

 丹羽は4回戦もストレート勝ちで、順当にベスト16へ駒を進めた。対戦相手の高取もセンスを感じさせる両ハンドの球さばきを見せ、フォアドライブで丹羽と堂々と引き合ったが、丹羽には「五分の力で打って徐々に調子を上げていく」という雰囲気があった。相手に一度攻めさせてから反撃するなど、プレーにはまだ余裕があった。

★試合後の丹羽孝希のコメント
「調子は普通で、とにかく早く会場に慣れよう、卓球台に慣れようと思ってやっていた。今日で大体慣れられたと思います。全日本の台は結構ボールが止まるので、レシーブでチキータなどがやりにくい時がある。
 年末年始はずっと青森で練習してました。(昨年敗れた)水谷さん用の作戦は考えているけど、それは言えないですね(笑)。ただ、他の人に対しても作戦は考えているから、水谷さんだけが特別というわけじゃないです」
 筑波大、日本生命で活躍していた重本幸恵(野田学園クラブ)が2年ぶりに全日本に戻ってきた。
タマス社のフロイラインの新作ワンピースで登場した重本。3-1で近藤(浜松北高)に勝利し、2回戦進出を決めた。両ハンドのドライブはいまだ健在だ。平野友樹(明治大)との混合ダブルスでは、3回戦で敗退。シングルスで上位を狙う。

●女子シングルス1回戦
重本幸恵(野田学園クラブ) 7、6、-9、5 近藤晃子(浜松北高)
●ジュニア男子シングルス3回戦
丹羽(青森山田高) 9、7、8 宮崎(エリートアカデミー)

全日本初戦のプレーが注目された世界ジュニアチャンプの丹羽は、得意の台上バックドライブとチキータで宮崎に主導権を渡さず、ストレート勝ちを収めた。ベンチには青森山田学園の吉田安夫総監督が入り、まずは盤石の滑り出しか。続く4回戦では高取(野田学園中)と対戦する。
●女子ジュニア3回戦
小室(真岡女子高) 10、6、14 浜本(エリートアカデミー)

 170cmを越える長身で、大器の呼び声高いエリートアカデミーの浜本由惟。女子ジュニアでも優勝候補の一角と見られていたが、3回戦でストレート負けを喫した。対戦相手の小室は浜本をさらに上回るほどの長身のチョッパー。浜本のミドルへ何気なく送るカットがよく切れていて、浜本はスマッシュミスを連発。守りの堅い相手に対して、やや深追いしすぎたきらいがあった。

 今大会、ジュニアでは小・中学生の躍進が目立ち、主役であるはずの高校生が隅に追いやられているが、小室が高校生の意地を見せた形だ。真岡女子高といえば、これまでにもカット主戦型の名選手を数多く輩出してきた伝統校。その伝統はしっかり生きていた。