■平成23年度全日本選手権の優勝者
男子シングルス 吉村真晴(野田学園高・初優勝)
女子シングルス 福原愛(ANA・初優勝)
男子ダブルス 水谷隼/岸川聖也(明治大/スヴェンソン・2年ぶり5回目)
女子ダブルス 藤井寛子/若宮三紗子(日本生命・3年連続3回目)
混合ダブルス 松平賢二/若宮三紗子(青森大/日本生命・初優勝)
男子ジュニア 丹羽孝希(青森山田高・3年連続3回目)
女子ジュニア 谷岡あゆか(エリートアカデミー/帝京・初優勝)
男女シングルスとも新しいチャンピオンが誕生し、幕を閉じた平成23年度全日本選手権。
しかし、ふたりのチャンピオンはあまりにも対照的だ。吉村は個人の全国タイトルは平成15年度の全日本カブくらいで、昨年アジアジュニア選手権を制して脚光を浴びたものの、インターハイでも全中でも優勝経験はない。一方、福原は対外的には日本女子チームのエースであり、全日本でも一番下のバンビの部からあらゆるタイトルを獲得してきた。全日本優勝の重みは変わらないが、吉村の優勝はスタートラインで、福原の優勝はゴールラインというくらい印象は異なる。
もちろん、福原のゴールラインというのは、あくまで国内でのひと区切り。世界に目をやれば、今年は世界団体選手権にロンドン五輪と、重要な大会が目白押しだ。
身長177cmでリーチが長い吉村のプレーは、しなる青竹のような強さがあった。今後の課題としてはサービスのコントロール、台上バックドライブの威力と正確性、バックドライブをバックストレートへも打てるようになることか。しかし、荒削りであるだけに伸びしろは大きい。全日本では5人目のシェークドライブ型のチャンピオン(長谷川信彦・今枝一郎・岩崎清信・水谷隼)だが、日本の卓球史上最強の攻撃力を備えたシェークドライブ型へと進化していく可能性がある。
女子シングルス優勝の福原愛(ANA)は、大会半ばから記者席で「今年(の優勝)は福原」の声が聞こえるほど調子が良かった。1カ月におよぶ中国での合宿は、毎日成長を実感できるほど充実したものだったという。フォアのドライブのスイングが改良され、強打だけでなく回転量の多いループドライブでも得点を重ねた。ロンドン五輪でのメダル獲得の可能性は十分にある。
今回の全日本選手権の詳細については、2月21日発売の卓球王国4月号に掲載。速報はほんの序の口。王国取材班は人員を総動員し、取材を重ねております。どうぞご期待ください。
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