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●女子ダブルス2回戦
福原/平野 5、ー7、7、8、4 陳思羽/劉馨尹(チャイニーズタイペイ)

平野「今日は昨日よりも動きは良かったし、戦い方を試合の中で作っていくことができて後半だんだん良くなっていった。コースとか間違ってしまうともっと競ったかもしれないけど、こちらが有利な形で試合を進めることができた。次の北朝鮮の選手は力があるので、今晩しっかり話をして頑張りたい」

福原「試合前からしっかりと調整して試合には入れたし、対策が良かった。お互いシングルスやダブルスでやったことがあったので戦術を考えました。次の相手は私と石川さんが2年前に負けた相手なのでリベンジしたい」

●男子ダブルス1回戦
張一博/松平(日本) 6,3,8,3 ハルディ/マルデイヨノ(インドネシア)
岸川/水谷(日本) 9,6,6、−4,6 フェルティコウスキー/ワン・ツォンイ(ポーランド)

★張/松平賢の試合後のコメント
張一博「体が動いていて調子は上がっています。自分のペースでこれからも戦っていきたい」
松平「一戦一戦やっていきますが、次は久しぶりにヨーロッパの選手なのでそこに合わせていきます」

★岸川/水谷の試合後のコメント
岸川「(混合ダブルスで負けたが)気持ちは切り替えていたし、ダブルスの1試合目だったので、二人で気合いを入れて良い試合ができた。中国選手はダブルスのうまい選手だし、表ソフトの選手なのでこちらがやることをやればこちらが有利になると思っていた」
水谷「ぼくはダブルスしか残っていないので、昨日から気持ちを切り替えている。シングルスは初戦敗退だったので、今はダブルスしかなかったかのようにリラックスして臨めました」
岸川「一戦一戦今みたいな試合ができればメダルは取れると思う。調子も悪くないし、気持ちを入れて頑張ります」
水谷「今回はダブルスの練習もしてきたので、それを発揮できればメダルを取る可能性もある。次から相手のレベルも上がるので苦しい戦いになると思うけど、自分たちの得意なラリー戦に持ち込んで良いプレーをしたい」
●混合ダブルス4回戦
趙彦来/梁夏銀(韓国) 8、5、ー2、ー8、6、ー10、8 陳杞/胡麗梅(中国)
江天一/李皓晴(香港) 7、ー1、5、ー7、5、10 邱貽可/文佳(中国)

混合ダブルス4回戦、中国から出場した2ペアが敗れ、今大会初めて中国に土がついた。…といっても、ベストのペアリングでないことは周知の事実。初戦から中国とは思えないほど危なっかしい試合を続けていたペアだった。「中国敗れる!」というほどのインパクトはない。

ベストのペアリングをエントリーしないことの是非はともかく、メダル獲得のチャンスが広がったこと、日本ペアがこのチャンスを生かせなかったことは事実だろう。日本選手の混合ダブルスでのプレーを見ると、男女とも中陣に下がった時の動きの幅、技術の幅が落ちることと、フォアハンドの威力不足が目立つ。

下写真左は香港ペアに敗れた邱貽可/文佳、右は陳杞/胡麗梅を破って抱き合う趙彦来/梁夏銀
 混合ダブルスで唯一、残っていた日本ペア、松平/若宮が敗れた。2ゲームを先取したが、その後逆転負けを喫した。

●混合ダブルス4回戦
キム・ヒョクボン/キム・ジョン(北朝鮮) −5,−2、6,7,6,7 松平/若宮(日本)

星野美香の眼★
 一番の敗因は相手選手を勢いづけてしまった点だ。次にストレート攻撃を有効に使えなかった。出足が良かっただけに、その勢いを維持できなかったのは残念だ。
 試合というのは、好調なプレー、勢いのあるときだけではないので、勢いがなくなったとき、相手のリズムになったときに自分たちにどう引き寄せるかがポイントである。
 1、2ゲーム目を取ったが、3ゲーム目の3−3で北朝鮮の男子が若宮選手のフォアに長いツッツキを入れて、そこから若宮選手がペースを崩した。早くそこから自分たちのペースに戻せれば、勝機はあった。そこで必要だったのはストレートへの攻撃だった。6ゲーム目の日本がタイムアウトを取った後、それが見えたが少し遅かったと思う。
●混合ダブルス3回戦
李尚洙/朴英淑(韓国) −8、5、11、5、9 吉村/石川(日本)
松平/若宮(日本) 7、7、9、-5、9 イオネスク/スッチ(ルーマニア)

星野美香の眼★
 相手の戦術は徹底していた。それは、1,3,5ゲーム目、相手の男子は石川のバックに集めて、パートナーのバックへ返球させたかった。2,4ゲーム目は、石川選手のフォア狙いで、特にレシーブはフォア前だった。
 勝負は1ゲーム目を取って、2ゲーム目だった。吉村選手は相手女子のボールを取るときにボールが落ちるのに、あわせきれなかった。前に位置を詰めるべきだった。
 3ゲーム目、10−6で日本はリードしたが、韓国男子は石川のフォアへ持って行っても大丈夫かと余裕が見えた。そこから日本は逆転された。ここが試合のポイントだった。
 この時点で日本の戦術が見えてこなかったのは残念だった。相手は徹底していたが日本は徹底していなかった。
 ミックスダブルスでは、男子の強打に対して女子がとれないことは何度かある。そのあとの心理状態が重要である。男子が自分で決めなければいけないとか、強引に攻めようという気持ちが強すぎて、簡単なボールをミスしてしまうケースがある。それがなくなればミックスで勝ちやすくなると思う。それは気持ちの持ち方で変わると思う。
 吉村選手に関しては、試合の中で、いろいろな状況で才能あるプレーが見られるので、気持ちの持ち方とかこれからの努力で世界で活躍できる可能性を感じることができた

下写真:1ー4で敗れた吉村/石川と、相手ペアの李尚洙/朴英淑(上2枚)。混合ダブルスで唯一ベスト16に勝ち残った松平賢/若宮(下)。松平賢/若宮は若宮の硬さがとれてきて、役割分担のしっかりしたペアリングの良さを証明している
星野美香の眼★
 相手の戦術は、1,3,5ゲーム目はストレート狙い。日本ペアは1,3ゲーム目は対応できなかった。2,4ゲーム目は福原さんのフォアで取らせる、フォアで取るとフォアサイドによったところをバックを攻めるというやり方だった。
 1,3,5ゲーム目はいかにストレートを狙わせない戦術か、ストレートを待つ戦術を使うべきだった。5ゲーム目はそれを中盤で使ったが少し遅かった。1ゲーム目の中盤か3ゲーム目から反応すべきだった。2,4ゲーム目は福原さんのバックをうまく使った時は得点できていたが、相手はなかなかそうさせてはくれなかった。
 相手の女子のコース取りが非常に良かった。岸川選手が女子のボールに合っていなかったので、もう少し早めに対応できていたら良かった。

星野美香
全日本チャンピオン7回、元五輪代表、88年五輪ダブルス4位
●混合ダブルス3回戦
バン・ボラ/フー・メレク(トルコ) 9、ー6、8、7、8 岸川/福原

岸川/福原はトルコの帰化選手ペアに敗れた。フーのバック表ソフトのボールと、バンの勝負どころでの積極的なプレーの前に、常に数点のリードを許す展開。最後までペースをつかめなかった。

★岸川/福原ペアの試合後のコメント
「初めてやったペアだったので、どういうプレーをするかはわからかったけど、ミスも少なく、勝負どころで思いきったプレーをしてきた。それに常にリードされた状態で試合が進んだ。常にリードしていかないと世界では厳しい。
 前回はすごく良い試合をしてメダルが獲れたので、またメダルという気持ちはすごく強かったけど、そんなに簡単にいくとは思っていなかった。今の試合に勝ってもメダルまであとふたつある。この結果を受け止めるしかない。まだ試合は続くので、引きずらずに気持ちを切り替えて頑張るしかない」(岸川)

「相手はランクは格下だけどすごく練習を積んできたペアだと思った。ミスも少なかったし、本当に強いペアだと思った。前回大会でメダルを獲れていたので、今回は銅メダル以上を狙って頑張ってきたけど、こんな結果になってしまって、残念です」(福原)
 引退から10年経ったが、この人のフランスでの存在感は絶対だ。
 ジャンフィリップ・ガシアンだ。会場から実況中継でコメンテーターを務めた。普通、現役を退いたら、太る人が多い中、彼は全く変わらない。今でもラケットを持ったら、100メートル11秒台で走ったという健脚で、フットワークをしそうな様子だ。
 現在はパリ郊外に住み、高校生の娘と中学生の息子を持ち、半分は「コニヨール」という卓球メーカーで働き、後の半分はセミナーなどの活動をこなしている。愛車はBMW528。
 最終日にはサプライズゲストとしてラケットを握り、ある選手と対戦する。ちなみにヒントは、今月の23日が彼が世界チャンピオンになってから20年目とのこと。フランスならではの演出に期待したい。
★5月16日のタイムテーブル

●混合ダブルス3回戦
10:00(17:00) 岸川/福原 vs. バン・ボラ/フー・メレク(トルコ)
10:45(17:45) 吉村/石川 vs. 李尚洙/朴英淑(韓国)
10:45(17:45) 松平賢/若宮 vs. イオネスク/スッチ(ルーマニア)

●混合ダブルス4回戦
12:00(19:00)試合開始

●男子ダブルス1回戦
13:00(20:00) 岸川/水谷 vs. フェルチコウスキ/ワン・ツォンイ(ポーランド)
13:00(20:00) 張/松平 vs. ハルディ/マルディヨノ(インドネシア)

●女子ダブルス2回戦
14:30(21:30) 福原/平野 vs. 陳思羽/劉馨尹(チャイニーズタイペイ)
15:15(22:15) 石川/森薗 vs. レノン/ミゴ(フランス)
15:15(22:15) 藤井/若宮 vs. アバ/グルンディッシュ(フランス)

●男子ダブルス2回戦
16:00(23:00)試合開始

●女子シングルス3回戦
17:30(17日AM 0:30) 3コート 石川 vs. リ・ミョンスン(北朝鮮)
17:30(17日AM 0:30) 2コート 松平志穂 vs. 馮天薇(シンガポール)
18:15(17日AM 1:15) 3コート 平野 vs. 李暁霞(中国)
18:15(17日AM 1:15) 8コート 藤井 vs. ビレンコ(ウクライナ)

●男子シングルス2回戦
19:00(17日AM 2:00) 松平健 vs. 馬琳(中国)
19:00(17日AM 2:00) 張 vs. スカチコフ(ロシア)
19:45(17日AM 2:45) 丹羽 vs. パイコフ(ロシア)
20:30(17日AM 3:30) 岸川 vs. フェゲルル(オーストリア)
21:15(17日AM 4:15) 高木和卓 vs. 趙彦来(韓国)

ただいま、パリは5月16日の午前8時を回ったところです。隣の部屋のひとがドアを開けると、「地震か?」と思うほど衝撃が走るホテルの部屋で、速報担当は微弱なWIFIに頼りながら今日のタイムテーブルを配信しております。
今日は男女シングルスで注目カードが目白押し。女子の石川とカットのリ・ミョンスンの試合は、十分に注意したい一戦。男子シングルスはなんといっても松平健太と馬琳の因縁の一戦に注目だが、スカチコフとパイコフというロシア勢を迎え撃つ張一博、丹羽孝希もしっかり踏ん張りたい。
●男子ダブルス1回戦
松平健/丹羽 9、8、ー10、ー11、10、6 ピスチェイ/セレダ(スロバキア)
●女子ダブルス1回戦
藤井/若宮 ー6、5、6、3、8 クマハラ/ヤマダ(ブラジル)

松平健/丹羽は1回戦を苦しみながらも突破。試合後に丹羽は「ぼくたちのダブルスは序盤でいつも競るので、全然気にしていない。勝てればいい」と語った。つまり、ふたりにとっては全く問題ないスタートということだ。これから少しずつコンビネーションが良くなっていくだろう。

藤井/若宮はブラジルの日系人ペアに1ゲームを先取されながらも、4ゲームを連取して逆転勝ち。出足でプレーが硬かった若宮が調子を上げ、広角打法のフォアドライブで決定打を連発した。
日本勢、今日だけで実に25試合を消化した。会場のどこかで常に日本選手がプレーしているような状態。ナカナカ長丁場でした!