速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート
  • H24年度インターハイ
  • H23年度インターハイ
  • H22年度インターハイ

全国高校選手権(インターハイ2013)

 7月29日〜8月2日に福岡・北九州市立総合体育館で行われたインターハイの結果は以下のとおり。大会の報道は8月21日発売の卓球王国10月号に掲載いたします。

【男子団体】
優勝:希望が丘
2位:青森山田
3位:野田学園、愛工大名電

【女子団体】
優勝:四天王寺
2位:青森山田
3位:希望が丘、愛み大瑞穂
 
【男子シングルス】
優勝:森薗政崇(青森山田)
2位:及川瑞基(青森山田)
3位:渡辺裕介(明徳義塾)、田添健汰(希望が丘)

【女子シングルス】
優勝:阿部愛莉(四天王寺)
2位:佐藤瞳(札幌大谷)
3位:森さくら(昇陽)、加藤知秋(県岐阜商業)

【男子ダブルス】
優勝:田添健汰/上村慶哉(希望が丘)
2位:森薗政崇/三部航平(青森山田)
3位:田中博己/南谷将成(明徳義塾)、定松祐輔/田添響(希望が丘)

【女子ダブルス】
優勝:宋恵佳/山本怜(青森山田)
2位:加藤知秋/加藤杏華(県岐阜商業)
3位:平侑里香/平真由香(正智深谷)、安藤みなみ/相原なつみ(青森山田)
  • 優勝カップを持って満面のスマイルを見せた阿部。小さな強打者が女王まで登りつめた

●女子シングルス決勝
阿部愛莉(四天王寺・大阪) 8、7、10、-8、10 佐藤瞳(札幌大谷・北海道)

 団体の優勝に続き、シングルスでもタイトルを獲得した阿部。準々決勝の山本(靑森山田)戦では、ゲームカウント2-3で6ゲーム目の6-10から4本連取して挽回。そして準決勝の森(昇陽)戦では、バック対バックのラリーで試合を優位に進め、決め球のフォアスマッシュをフォアに打ち込んでいきストレート勝ち。

 決勝戦では、阿部のストップに対して佐藤が前に出てきたところをすかさずスマッシュする戦術で、佐藤を前後に揺さぶった。準々決勝では松平(四天王寺)を破った佐藤でも、あれだけ何発もスマッシュを打たれては対応できなかった。

 優勝を決めた後は、ベンチに入った松平と抱擁。阿部と松平、2人でつかんだうれしいタイトルとなった。

★阿部選手の決勝後のコメント
「私は力がないから、ガンガン打っても打ちぬけないので、ツッツキやストップで変化をつけるようにしたら、それで相手が崩れてチャンスが作れた。5ゲーム目はここで受け身になったら絶対負けると思って、序盤の良いプレーを最後まで出し切ろうと思いました。団体との2冠はすごくうれしい。目標にしている選手は福原愛さんです」


写真(左):佐藤のカットにも臆することなく、スマッシュを何発も打ち込んだ阿部
写真(右):ベンチにはチームメイトの松平が入った。優勝を決め、2人でピース!
●男子シングルス決勝
森薗政崇(青森山田・青森) 8、12、7、-4、8 及川瑞基(青森山田・青森)

 男子シングルスを制したのは森薗政崇。今大会は3冠を狙っていただけに、ダブルス、団体で敗れた後のシングルスに賭ける思いは、誰よりも強かったはずだ。決勝のプレーでも、1球1球ポイントを挙げるごとに、森薗の雄叫びが体育館に響いた。

 相手は同じ靑森山田のチームメイト・及川瑞基。「部内では五分五分、県予選でも負けていた相手」(森薗)だったが、1ゲーム目からチキータで先手を取って前陣でドライブを打ち込んでいき、3ゲームを連取。4ゲーム目は及川も意地を見せたが、それでも森薗の勢いを止めることはできなかった。

「ダブルス、団体と山田に一つも金メダルを持ち帰ることができなかったので、シングルスは絶対金を持ち帰ろうと思ってプレーしました。大会を通して、戦術面やここ一本という時に高い集中力を発揮できたことが良かったと思います」(森薗)。

写真:優勝の瞬間、雄叫びをあげる森薗
●男子シングルス準決勝
森薗(青森山田・青森) 8、9、-7、7、9 渡辺(明徳義塾・高知)
及川(青森山田・青森) -8、-12、6、3、11、7 田添健汰(希望が丘・福岡)

●女子シングルス準決勝
阿部(四天王寺・大阪) 7、11、7、7 森(昇陽・大阪)
佐藤(札幌大谷・北海道) 9、7、3、7 加藤知秋(県岐阜商業・岐阜)

 先ほど行われた男女シングルス準決勝の結果、男子は森薗と及川、女子は阿部と佐藤が決勝へ進出した。

 森薗は渡辺に対し、得意のチキータでポイントを量産。渡辺も持ち前の両ハンドで森薗を崩そうと試みたが、森薗の前陣での堅いブロックに苦しみ、なかなか打ち抜くことができなかった。また及川は、0-2から4ゲーム連取の逆転勝ち。後陣に下げられる場面も多かったが、フィッシュで落ち着いて田添のドライブを処理し、着実にポイントを重ねた。

 また女子はどちらともストレートでの決着となった。阿部は森の回転量のあるドライブに対しても、スマッシュで応戦。また佐藤も、落ち着いたプレーで加藤に完勝した。

写真(左):森薗は学校対抗の悔しさを晴らすことができるか?
写真(右):1年生でチャンピオンを目指す佐藤
 本日8月2日の15時よりNHK Eテレにおいて男女シングルス決勝を放送。
高校生の熱い戦いをぜひご覧ください。

●全国高等学校総合体育大会”2013未来をつなぐ 北部九州総体”
8月2日(金)15時〜16時36分
男子シングルス決勝
女子シングルス決勝

※放送内容は予告無く変更となる場合があります。
●男子シングルス準々決勝
森薗(青森山田・青森) -6、11、11、4、8 堀(明徳義塾・高知)
渡辺(明徳義塾・高知) 5、4、-5、10、-5、7 松下(愛工大名電・愛知)
田添健(希望が丘・福岡) -7、7、-12、5、13、4 吉村(野田学園・山口)
及川(青森山田・青森) 8、8、4、8 定松(希望が丘・福岡)

●女子シングルス準々決勝 
阿部(四天王寺・大阪) -5、10、-11、9、-9、11、9 山本(青森山田・青森)
森(昇陽・大阪) 6、8、8、-13、-11、8 宋(青森山田・青森)
佐藤(札幌大谷・北海道) -11、9、9、9、4 松平(四天王寺・大阪)
加藤知秋(県岐阜商業・岐阜) 9、5、8、8 德永(希望が丘・福岡)

 この結果により、男子準決勝は森薗と渡辺、田添健と及川、女子準決勝は阿部と森、佐藤と加藤知秋の対戦となった。

写真(左):1年生ながらベスト4入りを果たした及川
写真(右):優勝候補の松平は佐藤のカットを打ちあぐんだ
★大会6日目のタイムテーブル★
9:00~ 男女シングルス準々決勝
10:00~ 男女シングルス準決勝
11;00~ 男子シングルス決勝
12:00~ 女子シングルス決勝

 早いもので、大会もとうとう最終日を迎える。最終日は男女シングルス準々決勝からスタート。男女シングルス準々決勝の組み合わせは以下の通り。

●男子シングルス準々決勝
森薗(青森山田・青森)vs.堀(明徳義塾・高知)
松下(愛工大名電・愛知)vs.渡辺(明徳義塾・高知)
田添健(希望が丘・福岡)vs.吉村(野田学園・山口)
定松(希望が丘・福岡)vs及川(青森山田・青森)


●女子シングルス準々決勝
山本(青森山田・青森)vs.阿部(四天王寺・大阪)
森(昇陽・大阪)vs.宋(青森山田・青森)
松平(四天王寺・大阪)vs.佐藤(札幌大谷・北海道)
加藤知(県岐阜商業・岐阜)vs.德永(希望が丘・福岡)

 男子シングルスは希望が丘2名、青森山田2名、明徳義塾2名、そして愛工大名電と野田学園という、学校対抗ベスト4入賞校のエース級の選手たちがしのぎを削る。本命はやはり森薗。昨日の団体戦では、ひとしきり涙を流していた姿が印象的だった。森薗の目には、シングルスのタイトルしか見えていないだろう。

 また女子は、第1シードの前田が敗れ、非常に混戦模様だ。注目は、1年生で唯一のベスト8入りを果たした佐藤。カットと攻撃を武器に、松平に挑む。

写真(左):昨日のリベンジに燃える森薗
写真(右):1年生での女王誕生なるか?(佐藤)
●女子学校対抗決勝
 四天王寺 3-1 青森山田
○芝田 11、4、7 宋
○阿部 5、6、9 相原
 松平/阿部 7、-7、-9、-10 宋/山本○
○松平 -6、-4、6、6、8 安藤

 女子学校対抗の優勝は四天王寺。松平・森薗・阿部の三本柱に加え、今大会で大活躍したのは、ルーキーの芝田だ。

 決勝戦ではトップで起用され、今大会は未だ負け無しの宋に対しストレート勝ち。男子顔負けのパワーヒッターで、バックハンドドライブもガンガン振るタイプの選手。ブロックのうまい宋でも、芝田のパワードライブを抑えることはできなかった。

 また阿部は、異質型らしい緩急をつけたプレーで相原を翻弄。バックで変化をつけチャンスをつくり、フォアの強烈なスマッシュで得点を重ねた。

 ダブルスは、宋/山本ペアが今大会優勝の意地を見せ、一矢報いる。4番の安藤も2ゲームを連取したが、さすがは世界代表の松平。0-2となっても一切動揺を見せず、3ゲーム目以降は得意のしゃがみ込みサービスで安藤のペースを崩し、3ゲームを連取して逆転勝ちした。

 敗れた青森山田も、個々の選手は台上技術やラリー能力は全国トップクラスだが、四天王寺の選手たちと比べると、ややパワー不足だったか。ただ、メンバー4人という団体戦に出場できるギリギリの人数でありながら、全国2位という結果は大健闘といえるだろう。

写真(左):トップで宋に完勝した芝田
写真(右):チームの優勝を決めた松平
写真(下):試合終了後、笑顔を見せる四天王寺メンバー
●男子学校対抗決勝
 希望が丘 3-2 青森山田
○田添響 -8、-9、9、12、10 及川
 田添健 -1、-7、-7 森薗○
 田添健/上村 -9、-6、-12 森薗/三部○
○定松 5、7、9 坪井
○上村 9、-9、-9、8、8 三部

 青森山田の9連覇を阻止し、優勝を果たした希望が丘。選抜優勝、そしてインターハイも制し、まさに高校日本一の称号を手に入れた。

 今大会の希望が丘は、準決勝と決勝ともに1-2からの逆転勝ちという非常に厳しい戦いをくぐり抜けての優勝だった。野田学園戦では、4番で田添響が平野に勝利し、青森山田戦では定松が坪井に完勝。どちらも2番3番が負けてからの試合だったが、嫌なムードを断ち切り、逆に流れを呼び戻せたことが大きな勝因の一つだろう。

 特に田添響は、今日のトップの試合では2ゲームを連取されてからの逆転勝ちで、5ゲーム目は9-10から3本連取で及川を破った。非常に強力なバックハンドドライブを前・中・後陣から振る選手で、パワーでは及川を圧倒していた。

 2番ではエースの田添健が森薗に完敗し、昨日のダブルス決勝では勝利した森薗/三部ペアにもストレート負け。だが、4番で定松が坪井に完勝したことで、チームの雰囲気はグッと良くなった。

 そして5番の上村は、1ゲーム目から石田監督の「バックハンドをしっかり振っていけ」というアドバイス通りに、三部のフォアクロスを突いて試合を優位に進める。2、3ゲーム目も接戦で落としたが、最後まで両ハンドを振って、攻撃の手を緩めなかった。

 試合後の石田監督も「本当にみんなよくやってくれたと思う」とコメント。「地元開催であり選抜も優勝していたのでプレッシャーはあった。だが、選手たちは最後まで気持ちを切らすことなくプレーしたと思う。決勝はやはり(田添)響が勝ったこと、そして4番で定松が嫌な流れを断ち切ってくれたことが大きかった」(石田監督)。

 改めて希望が丘、優勝おめでとう!

写真(左から):優勝後、涙が止まらなかった田添健、上村、定松の3年生トリオ。そして希望が丘の優勝をたたえる観客、表彰時の希望が丘メンバーたち
 女子は四天王寺が青森山田を3-1で下し、2年ぶりの優勝。

 そして男子はたった今決勝戦が終わり、希望が丘が青森山田を3-2で下し初優勝!おめでとう!