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世界卓球クアラルンプール大会速報

 開幕前日の2月27日、現地時間14時から始まる予定だった、ITTFヴァイカート会長やトップ選手によるプレスカンファレンス(記者会見)。しかし、開始時刻が大幅に遅れたうえ、音響設備の不備や空調の大きな音などで、会見を行う準備が整わず。出席予定だった福原愛や馬龍、丁寧がそれぞれの国のメディアに対し、囲みで取材を受ける形に変更された。

 「馬龍と丁寧に話を聞きたい人はココ! アイ・フクハラはココね!」。マイクもちゃんと使えない中、ITTFの若きメディア担当マット・パウンドが声を張り上げ、周囲からはあたたかい拍手。このまま無事に終われば良かったのだが……。多くのメディアが会見場に殺到したため、誰かが会見場と外を仕切るパーテーションのパネルに寄りかかったんでしょう。一列にならんだパネルが、「オウオウオウ……」というマット氏の声が響く中、ズズウゥ〜ンと倒壊。さすがに周囲は凍り付きました、と書きたいところでしたが、中国メディアはすぐにインタビューを再開してましたね。

 なかなかひと筋縄ではいきそうにないクアラルンプール大会。メディアルームに行っても、IDカードがすぐに受け取れなかったり、会場で使用するWi-Fiのパスワードが分からなかったり、カメラマンが使用するロッカーのカギを中に閉じ込んでしまったりと、いろいろありますが……。試合さえ素晴らしければ、あとは何とかなる! 明日は朝10時(日本時間11時)から日本女子対チェコの予選グループB・第1戦がスタート。さあ、頑張れニッポン!
  • 会見場はもはや大混乱です

  • 混乱にも動じないヴァイカート会長、さすがです

  • ばったり倒れた会見場のパネル

  • 会見場にいた周雨クンも、あ然とした表情

 「練習会場と試合会場で、感覚が全然違う。今日、試合会場で練習ができて良かったです」。会場練習を終え、石川佳純はそう語った。「(空調で)風がすごいなと思います。照明もロビングを上げられると少しまぶしいし、見づらい。早く慣れていきたい」と伊藤美誠。今回のクアラルンプール大会では、屋内競技の卓球でも「光」や「風」が日本選手を悩ませそうだ。

 メインアリーナに9台のコートを設置する予選リーグでは、日本男女はすべてテレビ東京が撮影用のセッティングをしている第3コートでプレー。コートによる環境の違いがないのは有利な点だが、環境そのものが日本とは大きく違う。明後日、2月29日の北朝鮮戦ではカットのリ・ミョンスン、キム・ソンイと相まみえる日本だが、伊藤は「カットマンとやると、ボールがぶれて飛ぶ時がある」とコメントしている。もちろん、台から離れるカットマンにとってもプレーしにくい環境ではあるわけだが、大いに注意すべき点ではある。

 会場の外は、後ろの荷台にクーラーボックスを積んだアイス売りのおじさんがたくさんいる。蒸し暑く、大きな入道雲が空に躍る光景は日本の夏そのもの。日なたを歩き続けていると、首筋が熱くなってクラクラしてくる。「日本の寒さとのギャップがすごすぎる。昼の太陽の強さがハンパないですね」と石川。練習会場は、空調はあるもののテントのような建物なので、相当に暑い。
  • 日本選手を悩ませる会場の照明は、少々旧式

  • メディア入口そばのプレハブ、その扉には……

  • なんと「ITTF CEO」の文字。空調はあるそうですが……

メインホールでの練習は各国タイムスケジュールが決められており、日本男子の練習後、中国男子、女子がコートに入った。

女子は選手同士の乱打やコーチによる球出しのレシーブ練習など、細かく調整。しかし男子は乱打が終わってすぐに試合に入る独特の調整法。

ここで気になったのは、試合内容よりも選手のラケットだ。
馬龍、張継科、劉詩ウェンなど、メインラケットとサブラケットを交互に……

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 バイカート会長、馬龍などを含めた記者会見が急遽中止になったが、日本の福原愛キャプテンが囲み取材に答えてくれた。

「しっかりと明日のイメージを作りながら練習しました。マットが紫で、紫と赤が基調で会場はお洒落。もっと熱いと思っていたけど、室内も暑くなく、外もすごい暑いわけではないので快適だし、ご飯もおいしいです。
 チームみんなで練習したけど、一人ひとりが心も体も準備ができています。今回は日本からたくさんの練習相手も来ているので、良い練習ができています。いよいよ開幕する、ドキドキとワクワクする気持ちです。チームとしてはグループリーグを1位通過することを第一の目標にしています」
会場の外にある、白いテントの中にメーカーブースを発見。
まだまだ商品も並んでおらず(そもそも届いてもいなさそう)、かなり準備が遅れている感があるが、急ピッチで明日に間に合わせるのだろう。

オープンしたら、改めてその模様を速報にアップします!
  • かなり広いメーカーブーステント

  • バタフライは契約選手がズラリ!

  • ヨーラはすでに準備万端

  • 記念撮影をしている現地の方々

明日の開幕をひかえて、会場となるマワラティスタジアムでは、日本女子、中国チームの選手たちが練習中。

石川は、トレーナーの王子とカット打ちのあと、浜本とオールでの練習を行った。
  • メインホールの様子。台は9台設置

  • カット打ちをする石川(右)

  • 会場外観。外は恐ろしく暑いです

  • こちらはサブの練習ホール

 2月17日、ドイツの主要新聞『フランクフルター・アルゲマイナ』のWEB版と紙版でドイツのレジェンド、ティモ・ボルがインタビューでブースター問題を語った記事はドイツ国内でも波紋を呼んでいる。卓球王国のドイツ特派員、マンフレッド・シリング氏によれば……。
「いきなり、という感じでボルの記事が掲載されたことに、ドイツの卓球関係者、卓球協会は驚いている。なぜ今このタイミングで彼がコメントしたのか誰……

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 日本男子は前日の深夜の3時過ぎにホテルに到着。日本を夕方5時過ぎに出発。マレーシアのクアラルンプールに12時過ぎに着いてから、バス移動だった。昨日は午後に軽めの練習を済ませ、明日からの本戦を控え、今日は現地時間の9時半からメイン会場で汗を流した。
 日本チームのコートはいわゆる「テレビコート」。テレビ東京の放送があるために日本チームはメイン会場の端のコートを常に使う。そのコートで男子選手は練習となった。

以下は日本のエース水谷隼のコメント

 今日初めてメイン会場に見ましたが思ったより狭くてびっくりしています。
 卓球台にライトが反射してまぶしくて見づらいので直してもらうように言いましたが、もし直らなくても条件は同じですから、その条件で戦います。
 チームはみんなすごく気合いが入っていて誰が出ても勝ってくれると期待しています。初戦のベラルーシ戦で、誰がサムソノフと当たるかわからないけど、もしドルトムントの時のように最初に自分が彼と対戦するかもしれない。そうなったら勝ってチームを勢いに乗せたい。甘いボールはどんどん攻めていけば勝てると思います。ロシアリーグでは彼に負けている時もあるけど、ロシアと世界大会では全く違うので、ロシアでの負けは全く気にしていません。
 オフチャロフがけがで棄権したのを聞いてすごくビックリしてます。それだけ厳しい練習をしていたんだろうと思います。
 精鋭4名から成る卓球王国取材班は、無事クアラルンプールに到着しました!

 貨物の積み込みの遅れにより、成田からの出発が30分ほど遅れ、そこから7時間ほどのフライト。深夜のクアラルンプールは、それでも気温28度。かなり蒸し暑いです。深夜にも関わらず、組織委員会のボランティアスタッフがバスを手配してくれ、乗り込んだまでは良かったのですが……。あちこちのホテルを回り、謎の停車時間もあり、午前1時半に空港を出てホテルに到着したのは3時半。最後の乗客となった我々を下ろすと、コワモテの運転手さんは猛スピードで走り去っていきました。

 明日は現地時間14時(日本時間15時)からプレスカンファレンス(記者会見)が行われ、我らが日本の福原愛、中国の馬龍や丁寧が会見に臨む予定。また、日本選手団の練習が行われるので、その模様もアップできればと思います。今はとりあえず……寝ます。ガクリ。
  • 空港にあったシャトルバスのデスク。深夜にお疲れさまです

  • 乗り込んだシャトルバス。手前はメーカーブースの数が少ないことを憂慮する用具マニア

 2月25日、日本選手団は成田空港から決戦の地・クアラルンプールへと出発した。

 今大会に向けて、選手団でも人一倍気合いが入っているのが福原愛(ANA)。前回、地元開催である東京大会を故障で欠場。「今回はリスタート。新しい気持ちで、大好きな団体戦でプレーしたい」と語る。

 アジア選手権で初めてチームのキャプテンに指名され、今回もキャプテンを務める福原。アジア選手権では団体戦デビューとなる伊藤美誠らを気遣い、「ふたを空けてみると、みんな伸び伸びと試合をしていた。ひとりで余計な心配をしてしまった感じです」と語ったが、今回は自然体で臨む構えだ。
 「私がチームをまとめる必要はないかなと思います。年齢の幅は広いけど、一人ひとりがしっかりしているし、個々の実力もある。監督やスタッフの方もいらっしゃるので、気負わずにみんなから刺激を受けて、実力以上のプレーが出せたらいいなと思います」(福原)。

 予選リーグのヤマ場・北朝鮮戦については、福原は次のように語っている。「エースのリ・ミョンスンとは2回試合をしていて、ある程度の情報はあるけど、もうひとりのカットマン(キム・ソンイ)は美誠しか試合をしたことがない。どんな球質のカットが返ってくるか、予測がつかないので、いろいろな(カット型の)選手のボールを打っています」。

 1月の全日本選手権では、勝利を目前にしたところから挽回され、プレーが攻撃に偏りすぎてよもやの逆転を許した。思い切りの良い両ハンドの強打を交えながら、時に相手が根負けするほどしつこく相手コートにボールを運び、寄り切るのが福原の真骨頂だ。世界選手権団体戦はこれが6大会目の出場。福原がチーム最年長というのは、時の流れを感じずにはいられないが、豊富な経験でチームを引っ張ってくれるはずだ。
  • 合宿でも入念にカット対策を行っていた福原

  • 張莉梓コーチが、真剣な表情で見守る