★倉嶋洋介監督・決勝後のコメント
「中国選手のドライブは、慣れるのに時間がかかってしまう。それに対応できなかった。あのドライブの対策はしんどいですね。水谷も相手ボールに慣れるまで時間がかかった。どこに打ってもカウンターされていたので、台上勝負で優位に立つとか、自分で先手を取って厳しいボールを送ることができなければ、先に打たれたら苦しい、つないだボールを打たれると苦しい。
水谷は前でブロックできないので、後ろでしのいで打ち合うしかないけど、後ろでも難しかった。中国選手を崩すにはサービス・レシーブで先手を取ったり、優位に立たないといけない。ラリーだけでは難しい。
吉村はああいう歓声に慣れていないので、集中しきれない部分があったし、音がうるさすぎてサービスのタイミングがわからなかった。相手は世界チャンピオンなので、どこまでできるか期待したけど、思うように試合をさせてくれない。相手が素晴らしかった。
大島はいつもあのくらいの試合はする。準決勝から決勝まで自分をコントロールして試合ができたので、そこは評価したい。吉村、大島は普段はこういう経験はできないので、これをきっかけに大きく飛躍してほしい。オーダーは選手と相談しながら決めました。
39年ぶりの決勝進出は非常に素晴らしいし、選手は頑張ってくれました。でも、今は試合が終わったばかりで、悔しい気持ちと、中国に対して「今後どのようにやっていったらいいんだろう」という複雑な気持ちです。もっとタフな試合を経験していかなければいけない。あとは中国のドライブ対策と、カウンターを打たれるので、それをブロックするのか、もう一回それをカウンターするのかという高い技術力は要求されますね」
★水谷隼・決勝後のコメント
「試合前は緊張しましたが、試合に入れば、もうやるしかないのですから。ただ、中国の声援がいろんなところから飛んでくるし、今まで経験したことのない雰囲気でした。結構自分から先に仕掛けたけど、そのボールを狙い打たれて、それに最後まで対応できなかったのが敗因。そのカウンターを1本でも返していればラリーに持ち込めたと思うけど、そのボールに対応できなかった。
台上でのチキータなど、いつもよりアグレッシブに攻めたけど、その攻めたボールを倍くらいの力で返してきた。普段の自分と違うプレーをした分、それを返された時に対応できなかった。ああいうプレーをもっとしなければ勝てない。もっとアグレッシブにプレーしなければ勝てない。最初から最後まで無駄のないプレーで、つけいる隙がなかった。最初からリードされて追いつくような展開だったので、最初にリードしたかった。
全体的には、正直自分のプレーができなかった。全部出し切れなかった。持っている3割くらいしか出せなかった。結果もそうだし、自分もそうだけど。環境に慣れるのは難しい。みんな条件は同じだけど、最後まで対応できなかった。
大会前には、決勝に行き、銀メダル以上ならばオリンピックでのメダルの可能性もあると思っていた。負けたポルトガル戦と中国戦、それに香港戦や準決勝のイングランド戦は良い部分もあれば、悪い部分もある。そこを見直してひとつひとつ改善していきたい」