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世界卓球クアラルンプール大会速報

★3月4日のタイムテーブル(チャンピオンシップディビジョン・決勝トーナメント)

10:00〜(日本時間11:00〜) 女子準々決勝 香港対チャイニーズタイペイ

13:00〜(日本時間14:00~) 女子準々決勝 シンガポール対北朝鮮
13:00〜(日本時間14:00~) 男子準々決勝 韓国対ポルトガル

16:30〜(日本時間17:30~) 男子準々決勝 日本対香港
16:30〜(日本時間17:30~) 男子準々決勝 中国対スウェーデン

19:30〜(日本時間20:30~) 女子準決勝 日本対シンガポール/北朝鮮戦の勝者
19:30〜(日本時間20:30~) 男子準々決勝 フランス対イングランド

 大会もはや第6日目。今日は日本時間17時30分から、男子準々決勝で日本と香港が対戦。今大会、目を見張るプレーを見せている香港のエース黄鎮廷に対し、日本は水谷と吉村の2点使いか。香港は唐鵬を3番に下げ、左腕の何鈞傑を2点起用してくる可能性もあり、倉嶋監督のオーダーに注目。

 一方、女子はシンガポールと北朝鮮の勝者と、夜の準決勝で対戦する。どちらが勝ち上がってきても、今の日本女子なら勝算は十分に立つ。昨日、「オーダーは好調な順番に1・2・3番に出した」と語った村上監督。この準決勝でも伊藤のトップ起用があるかもしれない。
●女子準々決勝
 〈中国 3ー0 オランダ〉
○劉詩ウェン ー8、7、7、1 リー・ジャオ
○李暁霞 4、7、ー3、6 エーラント
○丁寧 6、ー7、13、ー9、10 リー・ジエ

 日本女子対ドイツ戦の隣のコートで、地元観衆の注目を大いに集めた女子準々決勝のもうひと試合、中国対オランダ。
 中国が3ー0で勝利したが、トップのリー・ジャオは第1ゲームの出足で1ー6まで離されてから、壁のようなバックショートとフォアのカウンターで逆転し、第2ゲームも中盤までリード。2番エーラントと李暁霞の、長身選手同士のゴツゴツしたラリー戦も見応えがあった。

 そして3番丁寧を追い詰め、拍手喝采を浴びたのがリー・ジエ。台から下がると丁寧の広角ドライブで攻められるため、中盤からかなり台に近い位置で切り下ろすフォアカットを連発。何本でも丁寧のパワードライブを返球し、ミスを誘う。第5ゲーム10ー9とマッチポイントを握り、勝利まであと一歩だった。勇敢な敗者、オランダには惜しみない拍手が送られた。
  • 前陣カットで斬りまくったリー・ジエ

  • リー・ジャオは相変わらずの鉄壁の守り

  • 勝利するも、丁寧に笑顔はなかった

 ドイツとの再戦を制した日本女子。ゾルヤとのエース対決に勝利した石川、3番で締めた福原はさすが。しかし、殊勲者を挙げるとすれば、トップに出場し、出足から猛攻を仕掛けてドイツの勢いを止めた伊藤美誠ではないか。15歳、初出場の世界選手権団体戦で、切り込み隊長としての役割を十二分に果たしてくれた。

 「予想は韓国が来ると思ったけど、ドイツが3ー0で勝って、すごく良い調子だなとわかった。思い切ってやろうと思いました。緊張は昨日よりもなかった。楽しく思い切ってできました。
 一番での起用は今日の練習中に聞きました。ゾルヤと最初に当たる確率もあったけど、ジルベライゼンと当たると思って練習をしていた。ヴィンターの映像は見ていなかった。昨日のノートをしっかり見直して練習に臨めました。
 チームで獲ったメダルは5倍うれしいです。この結果で満足せずに、明日からしっかりもっと上を目指して頑張りたいです」(伊藤)。

 ヴィンター戦は中盤で強打のミスが多くなり、勝利目前だった第3ゲームを落として、第4ゲームも7ー10とゲームポイントを握られた。最終ゲームに持ち込まれたら、完全に流れはヴィンターだっただろう。ここでサービスエースを3連発したサービスの素晴らしい切れ味。11ー10のマッチポイントで、ヴィンターのレシーブはまっすぐネットに突き刺さった。この試合、ヴィンターは最初から最後まで、15歳の少女の掌(てのひら)の上にいたのかもしれない。

 準決勝・決勝でも、トップは伊藤で決まりか。そう思わせるほど、冷静かつ剛胆なプレーだった。
 3番のジルベライゼン戦の勝利直後は涙、そしてベンチに戻って最高の笑顔を見せた福原愛。「3番はジルベライゼンが来ると予想していた」と試合後に語り、相手に3番起用を読まれたオーダーにも動揺はなかった。
 「昨日は自分に負けてしまったので、今日は自分に負けないようにした。昨日は試合前に1点取れば1位通過ということを知ってしまった。相手は逆に思い切ってやるだけという気持ちで戦ってきた」(福原)。

 一夜明けて今日の決勝トーナメント1回戦、韓国を粉砕したドイツの勢いは本物だったが、やはり準々決勝はプレッシャーが段違いだったか。トップのヴィンター、2番のゾルヤはともに凡ミスが多く、ジルベライゼンも昨夜ほどの思い切りの良さはなかった。2ー0で回ってきた時点で、福原は「ドイツのほうがよりプレッシャーがかかる」と感じていた。

 「本当に勝ったというか、やったというか、ホッとしたというか、一瞬で力が抜けてしまいました。昨日2点落として、ビデオを見て反省した。全然攻めの姿勢がなくて守ってばかりだったので、今日は攻めていこうと思いました。相手も昨日よりも緊張していたと思います。今までは1、2番で起用されることが多かったけど、3番はとても大事。3番で決めれば、良い流れにできる大事なポイントなので、しっかりと準備をしました。

 昨日浜本さんから長いメールをいただいて、若宮さんもずっと励ましてくれた。浜本さんは、このチームで戦うことができてすごくうれしい、負けてしまったけどプレーを見て感動した、と言ってくれて、もっと頑張らなければいけないし、後輩に心配をかけているようじゃダメだなと思いました。あとは平野(早矢香)さん、藤井さんからもメールをいただきました。
 今日の苦しい試合を乗り越えたので、どのチームが来たとしても自信を持って戦いたいと思います」(福原)。

 明日19時30分(日本時間20時30分)スタートの女子準決勝、対戦相手はシンガポール対北朝鮮戦の勝者だ。
 〈日本 3ー0 ドイツ〉
○伊藤 3、7、ー7、10 ヴィンター
○石川 7、9、ー9、7 ゾルヤ
○福原 6、5、ー6、8 ジルベライゼン

 日本、3番福原もジルベライゼンに昨夜のリベンジ!
 日本が3ー0で勝利し、準決勝に進出してメダルが確定!

 3番福原は、昨日手痛い目に遭ったジルベライゼンのバックを怖がらず、先にバックハンドで仕掛けて、バック対バックで押し込み、優位な展開を作る。ジルベライゼンもやはり硬い。一方の福原は昨日よりも動きが軽快だ。
 第1ゲーム3ー0、6ー1のスタートダッシュから11ー5。第2ゲームは3ー4から一気の5点連取で8ー4、11ー5。前半でプレーしたふたりの思いが乗り移ったような、福原のプレー。しかし、ジルベライゼンの強打もすごい。福原のブロックをサイドを切る連続攻撃で仕留める。第3ゲームは11ー6でジルベライゼン。

 第4ゲームに入ってからも、深いツッツキをバックで持ち上げさせて狙ってくるジルベライゼンに、福原は苦しい展開。それでも必死のブロックで、3ー5から6ー5と逆転。ここでドイツがタイムアウト。福原、3球目バックハンドを次々に決め、10ー8でマッチポイント。そしてバックハンドからフォアクロスへドライブで打ち抜き、ゲームセット!

 勝利の瞬間、台の前にしゃがみ込み、涙した福原。まさにニッポンの底力を見せてくれた。
  • 福原、涙のリベンジ

  • 笑顔が咲いた日本ベンチ

 〈日本 2ー0 ドイツ〉
○伊藤 3、7、ー7、10 ヴィンター
○石川 7、9、ー9、7 ゾルヤ
福原 対 ジルベライゼン
伊藤 対 ゾルヤ
石川 対 ヴィンター

 日本、2番石川がゾルヤに昨日のリベンジ!
 大きな2勝目!

 不用意に仕掛けて、両ハンドのラリー戦に持ち込まれると不利になると、石川は台上では徹底してストップ、相手のストップにもひたすらストップで返し、ゾルヤの焦りを誘う。プレッシャーが増したのか、ゾルヤも先ほどの韓国戦に比べると明らかに動きが硬く、凡ミスを連発。バックハンドでも強打ではなく、ミドルに緩急をつけて送球する我慢、我慢のラリー展開で、石川が2ゲームを連取する。

 流れが変わったのは第3ゲーム6ー1の場面。石川はミドルへのロングサービスから、回り込み強打がオーバーミス。これでゾルヤが息を吹き返し、8ー4から8ー9と逆転され、このゲームを落とす。
 しかし、第4ゲーム2ー5の場面で、再び流れは変わる。勢いを増してきたゾルヤが、ラリーからフォアドライブをイージーミス。この1本で流れがまた石川に傾き、石川が7ー5と逆転。9ー7、10ー7でマッチポイントを握り、11ー7で勝利。

 勝利の瞬間、二度、三度と飛び跳ねた石川。これで日本、勝利に王手!
  • 石川、同じ相手に二度は負けない!

  • 今度はゾルヤがプレッシャーを感じる番だった

  • 日本選手団からも大きな声援が送られた

 〈日本 1ー0 ドイツ〉
○伊藤 3、7、ー7、10 ヴィンター
石川 対 ゾルヤ
福原 対 ジルベライゼン
伊藤 対 ゾルヤ
石川 対 ヴィンター

 日本、トップバッター伊藤が大きな先制点!
 
 伊藤は第1ゲームの0ー0で、いきなり3球目の台上バックハンドで打ち抜き、ガッツポーズ。ここから7ー0まで一気にリードして、あっという間に第1ゲームを先取する。バック表ソフトでの横回転ショート、ナックル、弾き打つバックハンドにドライブと多彩な球種の使い分けでヴィンターを翻弄する。緊張感は微塵もない。

 第3ゲーム、6ー4のリードからスマッシュにややミスが増え、7ー6でのサービスミスから逆転されて7ー11で落としたが、こういう劣勢を引きずらないのが伊藤。第4ゲーム、5ー1から7ー10と逆転されながら、ブツ切りの下回転サービスでなんと3本のサービスエース。ケロッと逆転して12ー10で勝負をつけた。まさに怪物、伊藤美誠の本領発揮だ。
 〈日本 対 ドイツ〉
伊藤 対 ヴィンター
石川 対 ゾルヤ
福原 対 ジルベライゼン
伊藤 対 ゾルヤ
石川 対 ヴィンター

 日本対ドイツの準々決勝、村上恭和監督は昨日3番で起用した伊藤をトップに抜擢。15歳の伊藤をエース起用する思い切ったオーダーを組んできた。一方、ドイツのショップ監督もヴィンターを3番からトップに持って来た。このトップの一戦が勝敗を大きく左右しそうだ。

 そして3番では、昨日ラストの再戦、福原対ジルベライゼン。さあ、試合開始まであと15分だ。
●男子決勝トーナメント1回戦
 〈ポルトガル 3ー0 北朝鮮〉
○モンテイロ 10、ー8、ー9、9、6 パク・シンヒョク
○フレイタス ー8、ー10、5、8、8 チェ・イル
○アポローニャ 12、9、4 カン・ウィフン

 〈イングランド 3ー2 ポーランド〉
○ドリンコール 7、ー9、8、7 ワン・ツォンイ
○ピチフォード 8、7、ー10、ー9、9 ディヤス
 ウォーカー ー14、ー13、6、6、ー4 ゴラク○
 ピチフォード ー9、5、ー10、ー7 ワン・ツォンイ○
○ドリンコール ー11、6、12、11 ディヤス
 
 男子決勝トーナメント1回戦の2試合が行われ、ポルトガルとイングランド、ヨーロッパの2チームがベスト8に進出した。
 
 ドリンコールがトップとラストで2勝したイングランドは、ベスト4に入った83年東京大会以来、実に33年ぶりのベスト8。シェークバック粒高のプリーンや、黒人選手のダグラスが活躍していた頃だ。ドリンコールは強打で中陣に下げられてもよく粘り、ラストのディヤス戦は第4ゲーム12ー11からエッジボールをねじ込んで勝利をつかんだ。ここまで素晴らしい活躍を見せていたディヤスだが、最後は世界戦の厳しさを体感した形だ。
 
 北朝鮮をストレートで破ったポルトガルは、前回大会に続いてベスト8進出。ここまで精細を欠いていたエースのフレイタスが、第3ゲームからようやく中陣での動きの良さ、当たれば入るフォアハンドが戻ってきた。エースの復活で、ベンチも一気に活気づいてきた。

 準々決勝で、ポルトガルは韓国、イングランドはフランスと対戦する。どちらも好ゲームが期待できるだろう。
  • ドリンコール、最後まで集中力の高いプレー

  • フレイタス、ようやく片目が開いたか

  • 歓喜を分かち合うイングランドチーム

●女子決勝トーナメント1回戦
 〈オランダ 3ー2 オーストリア〉
 リー・ジエ ー9、ー2、ー10 リュウ・ジャ○
 リー・ジャオ ー6、ー7、ー3 リ・チャンビン○
○エーラント 10、6、ー10、7 ポルカノバ
○リー・ジャオ 10、7、8 リュウ・ジャ
○リー・ジエ 6、ー5、8、ー6、11 リ・チャンビン

 〈北朝鮮 3ー0 ルーマニア〉
○リ・ミョンスン 9、ー7、7、6 モンテイロ(ドデアン)
○キム・ソンイ 6、6、3 サマラ
○リ・ミギョン ー4、8、ー7、10、3 スッチ

 〈ドイツ 3ー0 韓国〉
○ヴィンター 5、6、ー7、ー2、6 徐孝元
○ゾルヤ 3、9、9 梁夏銀
○イバンチャン 8、3、ー2、11 朴英淑

 女子決勝トーナメント1回戦の3試合が行われ、日本女子の対戦相手を決めるドイツ対韓国の一戦は、ドイツがストレート勝ち。今夜、日本との再戦が実現する。

 ドイツはエースのゾルヤがカット打ちがまだ苦手。そこでトップに出してきた、対カットの秘密兵器がヴィンターだった。女子選手離れした、というより男子選手以上に男性的なスイングから放つパワードライブで、堅固な徐孝元のカットを次々に打ち砕いた。中盤ではやや弱気になり、ひじが上がってスイングが波打ち、ゲームオールに追いつかれたが、最終ゲーム0ー4のビハインドから一気に逆転。0ー4での徐孝元の3球目攻撃の打ちミスが、流れを変えてしまった。

 2番ゾルヤは梁夏銀を寄せつけず、第3ゲーム10ー9のマッチポイントでも、台上から強烈なフォアドライブをフォアクロスに打ち込み、勝利。
 そしてドイツは、昨日福原を破ったジルベライゼンを下げ、カットのイバンチャンを3番に起用した。対する韓国は朴英淑。昨年の世界選手権では徐孝元との同士討ちを制している左腕の朴英淑だが、イバンチャンの変化のあるバックサービスをうまくレシーブできず、プレーを乱されてカット打ちもミスを連発。ドイツの流れにのみ込まれた。恐るべきドイツの勢い、日本は果たしてどんな作戦を立てるのか??

 その他の2試合は、オランダと北朝鮮が勝利。オランダは0ー2からの大逆転。ラストでカットのリー・ジエが、最終ゲーム8ー8で促進ルールに入る大激戦の末に、リ・チャンビンとの帰化選手対決を制した。
  • 大砲ヴィンター、徐孝元を粉砕

  • 留まることを知らないゾルヤの勢い

  • 徐孝元、ゲームオールに持ち込むも敗れる

  • オランダ、歓喜の大逆転勝利