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世界卓球クアラルンプール大会速報

●女子グループB・第4戦
〈日本 3ー0 タイ〉
○福原 6、1、ー9、9 サウェータブット
○伊藤 ー8、5、3、ー4、5 コムウォン
○浜本 9、6、ー8、5 ケートクエン

日本女子、タイを破ってグループリーグ4連勝を決めた!

 3ー0での勝利とはいえ、タイは決して楽な相手ではなかった。低く伸びてくる球威のあるフォアドライブを放つサウェータブット。36歳という年齢ながら、高い身体能力でフォアクロスにキレのあるドライブを打ち込むコムウォン。バック対バックに強く、巧みなミドル処理を見せたケートクエンと粒揃い。日本は3試合ともストレートで決着をつけることはできなかった。

 しかし、日本は崩れない。トップ福原は強打をファインプレーで返されても、しっかり戻ってブロックでつなぎ、ラリーで再び攻勢に出る。まさに心が途切れない「残心(ざんしん)」のプレー。第2ゲームを9ー0まで離して11ー1で取り、次のゲームを落とす難しい試合展開になったが、最後まで集中力の高いプレーを見せた。2番伊藤もフォアにボールを集められ、台から離される場面もあったが、前陣を死守してゲームオールの接戦を乗り切った。

 3番浜本は、ケートクエンとバック対バックからミドルを突き、決定打はフォアでフォアストレートを狙うよく似たプレー。しかし、より回転量の多い浜本のバックドライブが、ケートクエンのミスを誘った。まだまだ硬さはあるが、そのプレーは少しずつ自信を増してきているように見える。
 日本女子、明日はグループリーグ最終戦のドイツ戦。しっかり勝って全勝での1位通過だ!
  • トップ福原が先制点!

  • 伊藤美誠、接戦を制して3番浜本につなぐ

  • 浜本、勝利にも控えめな笑顔

  • まだまだ強かったコムウォン。伊藤を苦しめた

 昨日、フランスに敗れた男子グループBのドイツは、今日の第4戦でイングランドと対戦。ボルは出場せず、シュテガーとカットのフィルス、3番にフランチスカを配するオーダーで臨んだが、イングランドにまさかの敗戦。15年世界選手権ベスト8のフランチスカが、3番でウォーカーに1ー3で敗れ、4番シュテガーがピチフォードの快速球に屈した。

 グループBの首位決戦、スウェーデン対フランスはラストまでもつれ込んだが、ルベッソンが右シェークフォア表のM.カールソンをゲームオールで破り、フランスが勝利。これでフランスの1位通過が確定した。一方、ドイツはスウェーデンが勝利していたら、イングランドがマレーシアに負けない限り、決勝トーナメントに進めないところだったが、首の皮一枚つながった。最終戦のスウェーデン戦に決勝トーナメント進出を懸けて臨む。

●男子グループB・第4戦
〈イングランド 3ー1 ドイツ〉
○ドリンコール ー6、5、7、ー2、8 シュテガー
 ピチフォード ー4、3、ー5、ー10 フィルス○
○ウォーカー 6、5、ー12、4 フランチスカ
○ピチフォード 8、7、ー4、8 シュテガー

〈フランス 3ー2 スウェーデン〉
○ルベッソン ー9、4、ー7、5、10 シェルベリ
 ゴーズィ 7、ー8、ー7、5、ー9 M.カールソン○
 フロール ー5、5、ー8、ー4 Jon.パーソン
○ゴーズィ 8、5、7 シェルベリ
○ルベッソン 4、ー10、8、ー5、6 M.カールソン
  • ピチフォード、シュテガーを破る!

  • 傷心のシュテガー、ドイツの行く手に暗雲

  • フランス、スウェーデンとの激闘を制す

 ただいま会場では日本女子対タイ戦がスタート!
 速報は後ほどお伝えします。その前に、今日の女子チャンピオンシップディビジョンでコンノ編集長&渡辺トモが撮影した、美しき女子選手たちをご紹介しましょう。ひとり、ちょっとコミカルなリー・ジャオさんがいますが……。
 今大会、チャンピオンシップディビジョンはメインアリーナで行われるが、セカンドディビジョン以下はテントのような第2会場で行われている。外は真夏の暑さ。放っておくとテント内もものすごい暑さになりそうだが、空調がガンガン効いているので肌寒いくらいだ。

 その第2会場で、目に止まったのがイラン女子チームの大応援団。目の前では、サード(第3)ディビジョン・グループKの第4戦、イラン対フィリピン戦が行われていた。2ー0とリードしたイラン、3番は長身のサメット、対するフィリピンは小柄なハードパンチャー・ファドル。
 サメットが2ゲームを先取しながら、守りに入ったサメットはあと一本が取れず、最終ゲームにもつれ込む。ここでも何度もマッチポイントを取りながら、あと一本が決めきれないサメット。「あと一本!」と大声援を送るベンチと応援団。その声援に応え、必死のバックブロックで勝利をもぎ取った。ナーバスな心理状態が、手に取るように伝わってきました……。

 試合後、ベンチの大応援団と「3、2、1、スマイル!」。「夜の試合を撮影してほしいんだけど、どうしたら予約できるの?」と応援団のオバサマに声をかけられ、説明に少々の時間を要した速報担当・タローでした。
  • あと一本が遠い……、イランのサメット選手

  • 「一本よ〜!!」とベンチから熱い声援

  • 最終ゲーム、17ー15でついに決めた!

  • 笑顔で迎えるチームメイトたち

  • 応援団と選手たちで集合写真をパチリ

両ハンドドライブ全盛のヨーロッパ、しかもスウェーデンでひと際目立つフォア表の大男。
大きな体を前傾させて、鋭いスマッシュを打ち込む。
スウェーデンは今大会、イェレルが欠場し、K.カールソンと若手のシェルベリとともに主軸に抜擢された。
プラスチックボールになり、表ソフトにもチャンスがあると言われている。それを実証するかのように彼のスマッシュはとにかく速く、決定力がある。

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 昨日の日本男子の試合。午前のシンガポール戦で出番のなかった水谷隼。「ガオ・ニンが出ないことがわかったので出る予定だった水谷を外した」と倉嶋洋介監督。
 しかし、トップで丹羽孝希が敗れ、2番の大島祐哉も先に2ゲームを取られ、勝ったものの、3番の吉村真晴はゲームオール9本、4番の丹羽も最終ゲームまでもつれ込む試合だった。相手エースがいなかったものの思わぬ苦戦をした日本。
 ベンチにいる水……

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●男子グループB・第3戦
〈フランス 3ー1 ドイツ〉
○ゴーズィ 8、6、ー7、ー10、3 メンゲル
○ルベッソン 7、7、8 ボル
 ブロシエ ー5、ー6、ー2 フィルス○
○ゴーズィ 13、ー4、5、ー9、8 ボル

 現地時間の深夜22時を過ぎた会場で、ドイツとフランスが熱戦を展開。第2シードのドイツだが、オフチャロフを欠き、代わりにエントリーしたメンゲルが期待どおりの働きを見せられていない。この試合でもトップでゴーズィに惜敗し、チームに流れを引き寄せることができなかった。

 そして、風邪からの病み上がりであるボルは、ひざの手術のブランクもあり、かなり動きが落ちている。下半身の筋力が落ち、広いスタンスでボールの下に潜り込むような動きから放つ、強烈なスピンのドライブが影を潜めている。ルベッソンとゴーズィに2点を献上するというのは、ベストの状態のボルならば考えにくいことだ。

 ボルとの熱戦を制したゴーズィは、勝利の瞬間に派手なアクションを見せるのかと思いきや、頭を抱えたまましばらく動かなかった。それだけ真剣に欲していた勝利ということだろう。グループBはこれでフランス、そしてスウェーデンが3連勝。ドイツが1位通過できない場合、準々決勝などで日本と当たる可能性も出てくる。
  • ボル越えを果たしたゴーズィは、頭を抱えて動かず

  • そして歓喜をかみしめた

  • ボルは明らかにフットワークが落ちている

  • 傷ついた帝王のプライド。ここからどう奮起するか

 ポーランド戦を3ー0で押し切った日本。初戦のベラルーシ戦ではサムソノフ、シンガポール戦ではガオ・ニンと対戦チームのエースが欠場したが、このポーランド戦も相手のオーダーにはやや拍子抜け。これまでの試合でスマッシュをガンガン打ち込んでいた右ペン表のワン・ツォンイが出ず、2番手のゴラクも3番に下がった。勢いのあるディヤスのトップ起用は分かるが、2番ザトウカの起用に勝利への意志は感じられない。

 水谷隼は試合後、「大島が良い流れで自分に回してくれた。彼も圧勝していたので、その点数よりも低く圧勝したかった」と語った。「他の国は『エースを使っても日本に勝てない』と思っている。日本の若い選手は、その自覚を持つべき。(午前中の)シンガポール戦は真っ向勝負というよりも、上から見下すような試合、まっすぐいきすぎた試合。単調になってしまうから、うまく格下をかわすような戦いを勉強すべきと思う」(水谷)。
 3番丹羽の試合中、最終ゲームになっても水谷はアップに行こうとしなかった。「ここで勝ってみせろ」という水谷流の叱咤(しった)か。最終戦のポルトガル戦を前に、選手の好不調が次第にはっきりしてくる中、明日はウクライナ戦。今日のベラルーシ戦でサムソノフに完勝した帰化選手のコウ・レイは、水谷以外だとかなりの苦戦を強いられるだろう。2番手のツムデンコも経験豊富で手強い。まだ松平健太を起用していない日本だが、明日はどのようなオーダーで臨むだろうか。
〈日本 3ー0 ポーランド〉
○大島 8、5、8 ディヤス
○水谷 1、7、2 ザトウカ
○丹羽 ー9、7、7、ー13、5 ゴラク

 日本男子、今日2試合目のポーランド戦は2番に水谷を起用し、余裕を持ってストレート勝ち!
 
 2番に若手のザトウカ(14年ユース五輪ベスト8)を起用したポーランドも、オーダーを落としてきた感あり。そのザトウカに対して、エースの貫禄を遺憾なく見せつけたのが水谷。ベンチの丹羽や吉村に見せつけるように、変化サービスと堅いブロック、ミスのない連続フォアドライブでザトウカを寄せつけない。第1ゲーム9ー0と大量リードを奪い、10ー1のマッチポイントでは、バックへ回り込んで思い切りフォア強打し、体がクルリと一回転。それくらい余裕のある一戦でもあった。

 やや状態が気がかりなのは3番丹羽。少しでも台から出るサービスは見逃さず、レシーブから連続フォアドライブで攻める大島に対し、丹羽はもうひとつプレーのリズムが良くない。連続得点と連続失点の繰り返しで、試合の要所を押さえきれない印象だ。大島に2番手の座を譲っている形の今大会。練習場では絶好調の呼び声も高いだけに、コートではもっとギアを上げていきたい。
  • やはり強い、エース水谷隼

  • 自信をつけてきた大島、ベンチでもご覧の男前

  • 丹羽の完全復調が待たれる

 北朝鮮に圧巻の勝利をおさめた日本女子。試合後、村上恭和監督もさすがに笑顔がのぞいた。「向こうのカット対日本の攻撃の勝負だった。カットのラバーの特性を練習で経験していたので、変化を見て攻め切れた。福原もカットの準備をしていたし、石川も左の選手の準備をしていた」と試合後のミックスゾーンでのコメント。「今までは石川はリ・ミョンスンのツッツキの変化がわからなかったけど、今回はそれがわかった。練習相手に同じラバーを貼ってもらって練習をしてきた。カット攻略がやればやるほど成果が出ることを実感した。でもまた当たる可能性もあるし、安心はしていない」(村上監督)。

 トップで流れを作った石川は、「北朝鮮の選手はいつも男子の選手と練習しているので強いボールには強い。だから、あえてボールに強弱の変化をつけました」とコメントした。

★福原愛・試合後のコメント
「初めて対戦する相手だったので、自分でもサービスがどれだけ効くかわからなかったけど、まずは自分の持っている技術を出し切ろうと思った。その結果として、サービスが効いたり、戦術も効いた。本当にすごく緊張していて、こんなに緊張したのはいつぶりだろうと思ったくらい。
 どういう場面で回ってきても落ち着いてやれるよう準備はしていた。それが1ー0で回ってきたので、この勢いをミマにつなげていきたいと思った。そうすることで、ミマも勝てるんじゃないかなと。本当に一人ひとり、試合に出る選手も出ない選手も支え合いながら戦っている。練習パートナーの方にもたくさん来ていただいて、すごく良い練習をして試合に入れている。チーム全体が緊張感のある中、ベストの練習ができているので、良い結果が出ています」

★伊藤美誠・試合後のコメント
「試合した台は、風向きですごいボールが止まる。私のドライブがすごく止まって、相手もやりづらそうだった。とにかく前陣にいようと思っていました。キム・ソンイ選手は回転のかかったロビングのようなボールが特徴的で、前回はそれをスマッシュでうまく打てなかったから、対策は立ててきた。
 北朝鮮はすごく大変な壁だと思っていたので、うれしいし、ホッとしている部分もありますけど、ここで満足してはいけない。予選のあと2試合、しっかりチームみんなで頑張っていきたい」