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全中国運動会・速報2017

 黒龍江省と四川省という、予想外の2チームが決勝に勝ち上がった女子団体。
 今大会の各チームの顔ぶれを見ていると、エースと2番手以下の実力差が例年になく大きい。前回の山東省の李暁霞・陳夢、北京市の丁寧・郭炎のように、国家1軍チームの主力クラスを2人揃えた「2枚看板」のチームがない。09年大会で張怡寧・郭炎・丁寧の3人を揃えて抜群の強さを誇った北京市は、今大会では丁寧の孤軍奮闘という戦いぶりだったし、その北京市を破った四川省にしても、朱雨玲がひとりで支えている印象が強い。

 そういう意味では、国家1軍チームのトップクラスに食い込みつつある王曼昱と、中堅クラスの車暁㬢がいる黒龍江省は、スーパーエースが不在とはいえ一番バランスの取れたチームだ。3番手の大ベテラン・王シュアンも渋い働きを見せている。今年の2月で30歳、05年に江蘇省で行われた第10回全中国運動会を経験している選手は、女子では彼女くらいではないだろうか。準決勝の3番では13歳も年下の孫芸禎に敗れた後、湖北省ベンチに握手に行き、湖北省チームの饒静文監督と楽しそうに話していた。国家チームでは同世代でプレーしたふたりだ。
 
 国家チームでは中堅クラスで、模倣(コピー)選手として主力メンバーを支えた王シュアン。国家チームを引退し、結婚を経てなおコートに立ち続ける彼女は、「本当に卓球が好きなんだな」と感じさせてくれる。

 黒龍江省と四川省が相まみえる女子団体決勝。2014年の全中国選手権・団体決勝でも両チームは対戦しており、王曼昱が朱雨玲をストレートで破った黒龍江省が、全国大会では29年ぶりの団体優勝を飾った。地味な対戦カードと言うなかれ(地味ですけど)、なかなか興味深い対戦だ。
  • 恐らく女子では大会最年長の王シュアン

  • 3番で確実に勝利を重ねる四川省の范思琦

●男子団体準決勝
〈上海市 3ー2 解放軍〉
 許シン 11、ー5、7、ー11、ー8 樊振東○
○尚坤 11、ー10、8、8 周雨
○趙子豪 8、ー3、ー3、4、6 徐晨皓
 尚坤 ー5、ー9、ー7 樊振東○
○許シン ー8、ー7、5、8、3 周雨

試合時間3時間55分、もつれた男子団体準決勝のもうひと試合は、何とも拍子抜けの結末が待っていた……。

5番ラストで周雨に2ゲームを連取されながら、ロングサービスと打球点を落とした変化の激しいドライブで2ー2に追いついた許シン。最終ゲームも中盤で5ー2から10ー2と一気に離してマッチポイント。
さらに10ー3で迎えた2回目のマッチポイント。許シンが後陣からやっとつないだボールを、周雨がフォアスマッシュ。これが決まり、10ー4。まだ許シンのマッチポイントはたくさんあるな……と思ったところで、なぜかカウントは11ー3。自分の失点だと思っていた許シンが主審に(洒落じゃないです)確認に行き、場内のオーロラビジョンにリプレイが出た。

……なんと周雨のスマッシュは、自分のコートでバウンドしていたのだ。このリプレイに沸く上海市の応援団と、「どうなってんの?」と手を広げながらチームメイトの祝福を受ける許シン。勝利のガッツポーズを出すタイミングを失ってしまったが、見事な逆転勝ちだった。
それにしても周雨、自分ではミスをしたことは十分わかっていたと思うが……。女性ファンの黄色い声援が飛んでいただけに、彼にとってはバツの悪い結末だった。

1959・1965年の第1・2回大会を連覇して以来、男子団体での優勝がない上海市チームだが、実に52年ぶりの優勝へ舞台は整った。ただ、気になるのは許シンの左肩の状態。周雨戦の中盤からかなり痛そうな表情を見せ、試合後も入念にアイシングをしていた。2番手の尚坤、3番手の趙子豪がきっちりサポートしたい。
  • 3番で勝利した上海市の趙子豪

  • 樊振東、トップでは4ゲーム目にマッチポイントを奪われながら勝利

  • ブロックの精度が格段に増した周雨だが、結果的には2失点

  • 「スマッシュ、自分のコートにバウンドしたでしょ?」

  • 半分苦笑いの許シンにチームメイトが駆け寄った

  • アイシングしながら、秦志ジェン監督にお小言をいただく許シン

●男子団体準決勝
〈四川省 3ー1 広東省〉
○許鋭鋒 8、ー7、ー6、9、2 林高遠
 朱霖峰 7、9、ー5、ー9、12 周啓豪○
○厳昇 3、10、ー9、8 張超
○朱霖峰 ー8、6、8、7 林高遠

男子団体準決勝、昨日北京市を破って勝ち上がった広東省を、四川省が沈めた!

四川省は3番に右シェークドライブ型の頼佳新を置くのかと思いきや、ここで思い切った隠し玉を出してきた。右ペン表ソフト速攻型で、中国女子チームの合宿に「仮想シャン・シャオナ」のトレーナーとして呼ばれた経験がある厳昇。変化が分かりにくいサービスと思い切りの良いフォアフリック、そして強烈なフォアスマッシュで、張超に競り勝ち、値千金の1勝を挙げた。

そして4番では、ユニバーシアードの男子団体決勝で日本の吉田雅己を破り、先制点を挙げた朱霖峰が林高遠との左腕対決を制した。2番の周啓豪戦ではあと一歩で詰めのあまさが出たが、フォアストレートに振り抜くフォアのパワードライブは朱霖峰ならではの一撃。最後までフォアドライブを打ちまくり、林高遠をノックアウトした。

昨日の北京市戦では馬龍を破り、さらなる飛躍を予感させた林高遠だが、まさか準決勝で2敗を喫するとは……。勝負の世界は恐ろしい。
  • 快速ドライブが冴えた朱霖峰

  • 厳昇が3番で大仕事!

  • 勝利を決めた朱霖峰を中心に、歓喜の輪ができた

  • 2番で勝利し、一矢を報いた周啓豪

  • 林高遠、「天国から地獄」の男子団体だった

●女子団体準決勝
〈四川省 3ー2 北京市〉
○朱雨玲 5、8、ー8、4 盛丹丹
 郭艶 ー9、ー7、ー4 丁寧○
○范思琦 ー9、9、ー8、3、3 李佳原
 朱雨玲 ー3、6、9、ー5、ー5 丁寧○
○郭艶 6、ー7、9、9 盛丹丹 

 女子団体準決勝、丁寧の2点取りもむなしく、北京市敗れる……!
 01・05・09年と女子団体3連覇、3連覇を果たした09年大会では張怡寧・郭炎・丁寧という強力なトリオを擁した北京市。しかし、その09年大会を最後に張怡寧が去り、13年大会で郭炎が去り……、残るは丁寧のみ。五輪・世界チャンピオンを持ってしても、2番手以下の力不足はいかんともしがたかった。

 四川省は3番で、銀髪の范思琦が鋭いバック連打で李佳原を制し、4番で朱雨玲が丁寧とのエース対決に敗れたものの、ラストで郭艶が勝利。焦りの見える盛丹丹に対し、やや台から距離を取り、粘り強い守りでミスを誘った。

 これで女子団体決勝は四川省対黒龍江省。この対戦カードは誰も予想できなかっただろう。どちらのチームが勝っても初優勝だ。
  • 3番で勝利した四川省チームの范思琦

  • 2点取りした丁寧だが、しゃがみ込みサービスにミスが多く、修正が必要か

  • ラストを締めた郭艶を迎える四川省ベンチ

  • 「よくやった!」「疲れました〜」

  • ベンチで悔しさを噛みしめる盛丹丹

●女子団体準決勝
〈黒龍江省 3ー2 湖北省〉
 車暁㬢 ー8、9、ー7、ー10 馮亜蘭○
○王曼昱 9、ー6、3、3 張瑞
 王シュアン ー8、ー7、9、ー14 孫芸禎○
○王曼昱 8、5、8 馮亜蘭
○車暁㬢 7、4、9 張瑞

 女子団体決勝、まず決勝進出を決めたのは黒龍江省!
 3番で王シュアンが敗れ、先に湖北省に王手をかけられたが、4・5番で鮮やかなストレート勝ち。4番王曼昱は、バックハンドにも進境を見せる馮亜蘭を回転量の多いバックドライブで手玉に取った。要所でバックストレートに放つバックドライブが抜群の決定率だった。そしてラストの車暁㬢は、チームメイトに同じ異質の王シュアンがいるからか、ロングサービスを巧みに交える異質攻略を見せた。ベンチの声援も押せ押せのムードになり、最後は湖北省を一気に呑み込んだ。

 3番で敗れたとはいえ、寡黙な車暁㬢と王曼昱を声援で盛り上げているのが王シュアン。団体戦を盛り上げる姿勢のみならず、なんとなく声質も福原愛選手に似ているような気も……。快挙と言える決勝進出。2番手の車暁㬢のプレー次第では、頂点に手が届くかもしれない。
  • 豪腕・車暁㬢がチームを決勝へ導いた

  • 3番で勝利した湖北の孫芸禎。第二の丁寧になれるか

  • 王シュアン(右から2番目)、応援はノリノリです

  • 殊勲の車暁㬢を迎える黒龍江省ベンチ

  • 王曼昱もこんなに笑うんですよ

 昨日、男子団体準々決勝の解放軍と山東省の試合が終わった時、時計は午後11時を過ぎていた。会場の外には大量の張継科ガールズが集まり、張継科のバスに向かって大声援を送っていた。道ばたに座り込んで泣いている子もいた。こうなるともう、スポーツの大会というより何かアイドルのイベントのようだ。
 6月のジャパンオープンの際、「全中国運動会も見に行きます!」と言っていた日本の張継科ファン、馬龍ファンの方がいた。果たして無事にチケットを取れたのだろうか……。張継科ガールズに押されて、馬龍のファンの一団などは北京市対広東省の試合をはるか遠くから応援していた。

 張継科ガールズでごった返す入り口周辺。「タクシーを呼んでもこれじゃわかりそうにないし、待ってたら空車のタクシーが来るかな」と思っていたら、たまに空車のタクシーが来ても、すぐにガールズたちがつかまえてしまう。「まあしょうがないね、遅いから気をつけて帰ってね」と思いながら、自転車レーンを爆走。午前中に歩いて35分かかった、3キロちょっとの道のりを、20分で帰ってきました。

 ホテルの玄関に大汗をかいて着いた時、ほぼ同時に赤いアウディがホテルに到着。お金を持ってそうな女の子たちが、男性にエスコートされて出てきました。その肩にかけられていたのは、あの張継科タオル。ガクッとなりました。
  • ファンの声援や悲鳴の中、退場する張継科

  • こちらはノリノリ、応援団にポーズを決める王涛将軍

  • 照れる樊振東の巻。笑うとかわいいです

●男子団体準々決勝
〈解放軍 3ー2 山東省〉
 周雨 6、ー6、10、ー3、ー8 方博○
○樊振東 14、ー6、6、12 張継科
 徐晨皓 7、ー6、ー6、9、ー6 劉丁碩○
○樊振東 4、8、5 方博
○周雨 8、7、ー5、8 張継科

〈四川省 3ー2 河南省〉
○朱霖峰 5、ー8、6、9 夏易正
 許鋭鋒 ー9、8、ー12、ー5 任浩○
 頼佳新 ー9、ー11、ー11 于何一○
○朱霖峰 ー13、9、6、5 任浩
○許鋭鋒 ー9、6、ー5、8、4 夏易正

解放軍と山東省という、男子準々決勝でも屈指の好カードは、ラストまでもつれながらも解放軍が勝利!

山東省は張継科が大声援を背に全力でプレー。2番の樊振東戦の終盤では声を出して戦っていた。回転量の多いチキータからの強烈なバックドライブなど、バック系の技術は健在だが、やはりフォアドライブの威力とフットワークのキレには、往年の面影はない。攻めの速い樊振東との試合では、フォアドライブの写真を撮るチャンスがなかなかなかったくらいだ。それでもチームメイトは、トップ方博が周雨を破り、3番で15年世界ジュニアチャンプの劉丁碩が徐晨皓に競り勝って、ラストまで回すお膳立てをしてくれた。

5番の張継科対周雨。1ゲーム目、8ー6のリードから5本連取されて落とした張継科は、第2ゲームも5ー2と序盤でリードしながら終盤で逆転される。周雨はこれまで課題だったストップ、ブロックでの守備力が向上し、張継科のフォア前にピタッと止めるストップでミスを誘っていた。しかし、張継科も3ゲーム目は4ー5から7点連取と意地を見せ、1ゲームを返す。

そして4ゲーム目、張継科が6ー3とリードしたところで、威力あるフォアのパワードライブを決める。しかし、そのボールを思い切りコートの外に打ち出した張継科。「ボールが割れている」と申告し、このラリーはレットになって6ー3のまま。周雨がここから逆転し、10ー7でマッチポイントを握り、11ー8で勝利。ボールが割れず、7ー3になっていたら最終ゲームまでもつれたかもしれない。4時間9分の大熱戦が終わった。

四川省対河南省も3時間超えの大激戦。ラストで07年世界ジュニア2位のベテラン、許鋭鋒が勝利した四川省がベスト4に勝ち上がった。台上はストップ主体でチキータは持ち上げるスイング、ラリーになっても若手のような威力はない許鋭鋒だが、緩急と巧みなコース取りで得点を稼いだ。河南省はエース任浩の知的なプレーが光った。
  • 張継科、2敗を喫すも惜しい内容だった

  • 2番で樊振東に敗れ、ベンチでこの表情

  • 張継科の足。度重なる故障でやはり筋肉が落ちた

  • ラストでの勝利に周雨は安堵の表情

  • 四川省チームのベテラン・許鋭鋒

  • スーパーリーグでは大物も食う任浩だが、2点取りならず

  • 解放軍チーム、観客席の大応援団に感謝の挨拶

  • 観客席も大盛り上がり!

 大会第3日目の19時からスタートした男子団体準々決勝。フロアに入った途端、四方をぐるりと囲む「張継科ガールズ」の数に圧倒された。張継科が登場する山東省対解放軍戦のコートの周囲は、張継科ガールズの応援団ががっちり占拠。観戦の邪魔になるからか、最前列の1列は空席のまま空けているが、その席のチケットも購入済みということだろう。恐るべき組織力だ。

 一方で、少し離れたところに陣取るのは、マッチョな解放軍の若者たち。野太い声援が響き渡り、ゲームの合間に解放軍の歌を大合唱して、「他の試合もあるんだから」と審判長に注意されていた。6月に樊振東にインタビューした時、彼は「張継科ガールズはうらやましいとは思わない、張継科はそれだけのことをしてきているから」と言っていたが、、、これでもまだうらやましくないのだろうか。

 ちなみに張継科ガールズ、日頃から張継科が観戦のマナーについて、苦言を呈することが多いからか、うるさいながらも結構規律の取れた応援をする。解放軍ボーイズが下手なタイミングで声援を飛ばすと、「シーーッ!」という大合唱が張継科ガールズ側から響き渡り、解放軍の男の子たちが悔しそうな表情を見せるひと幕も。小学校のホームルームみたいですね。とにもかくにも、耳をつんざくような大声援、すごいです。
  • チャンジィカ〜、ジャーヨー!

  • ファンクラブ特製の、黄色いパネルを掲げてらっしゃいます

  • タオル派もいる。ちょっと欲しくなりますね

  • こちら、応援の音頭をとる解放軍のボーイズたち

  • 歌の声量もすごい……!

  • とにかく、みんな楽しそうです!

●男子団体準々決勝
〈広東省 3ー1 北京市〉
○林高遠 7、4、10 王楚欽
 周啓豪 ー8、ー9、ー9 馬龍○
○張超 4、ー10、6、10 閻安
○林高遠 9、ー10、ー5、12、4 馬龍

〈上海市 3ー0 江蘇省〉
○許シン 9、7、6 朱誠
○尚坤 11、3、ー2、6 張煜東
○趙子豪 9、7、7 孫聞

馬龍がまさかの苦杯……! 北京市が準々決勝で姿を消した!

広東省と北京市の一戦は、トップで林高遠が先制した広東省が試合を優位に進めた。北京市の王楚欽はボールセンスは素晴らしいものがあるが、まだ自分が何をやるかで精一杯で、相手の嫌がるプレーが少ない。ループドライブの緩急と、中陣での粘り強さがある林高遠に軽くあしらわれてしまった。そして互いに確実に1点を取りに来た3番で、ベテランの張超が会心のプレー。すでに32歳、中国選手としては大ベテランの部類だが、ハンマーのように振り回すフォアドライブとカウンターのバックハンドは健在だ。

そして4番、林高遠と馬龍のエース対決。馬龍は1ゲーム目の9ー10、4ゲーム目の12ー12など、ゲーム終盤の重要な場面でサービスがあまくなり、林高遠にレシーブからドライブで攻められた。これは今大会採用された、『729』のシームレスボールが大きく関係しているのだろう。カウンターで空振りして台を見つめる場面もあり、プレーの完成度が高いゆえにボールにアジャストできない印象があった。第4ゲームに一度はマッチポイントを握りながら逆転され、最終ゲームは林高遠が8ー1と大量リード。そのまま決着をつけた。世界ジュニアでは「シルバーコレクター」だった林高遠が、ここまで伸びるとは……。本当に驚きだ。

上海市と江蘇省の一戦は、上海市が1ゲームしか落とさずに快勝。面白いことに上海市の許シンは江蘇省徐州市、趙子豪は江蘇省南京市の出身で、ともに上海の曹燕華卓球学校に入学してから急成長した選手。そのふたりが江蘇省チームから勝ち星を挙げた。期待の右ペンドライブ型・趙子豪の裏面チキータは安定感があるが、やはりペンドライブ型であるからには、もう少しフォアドライブの迫力が欲しい。
  • 林高遠、あまいサービスは見逃さなかった

  • 馬龍、苦戦にベンチでの表情も曇りがち

  • 林高遠の金星に沸く広東省ベンチ

  • 上海市の勝利を決めた趙子豪。髪型は微妙

  • 江蘇省チームを引っ張ってきた張煜東だが、尚坤に敗れる

●女子団体準々決勝
〈黒龍江省 3ー0 河北省〉
○王曼昱 10、ー8、7、ー7、9 何卓佳
○車暁㬢 7、ー9、ー5、8、6 孫穎莎
○王シュアン 9、ー8、9、ー7、11 張文静
〈湖北省 3ー2 解放軍〉
○馮亜蘭 11、4、ー10、5 胡麗梅
 張瑞 ー9、8、6、ー5、ー3 木子○
○孫芸禎 8、10、ー3、ー9、6 劉㬢
 馮亜蘭 ー9、14、ー3、4、ー7 木子○
○張瑞 7、ー2、4、ー7、7 胡麗梅

14時にスタートした試合が、終わった時には18時を回っていた。4時間15分の激闘の末、湖北省が解放軍に勝利!

3番で長身のサウスポー・孫芸禎(16年世界ジュニア代表)が金星を挙げた湖北省、ラストを締めたのもやはり若手の張瑞。張瑞というと、遼寧省から香港へ移籍した右ペンドライブ型の選手を思い出すが、もちろん別人。若い張瑞は右シェーク異質攻撃型で、世界選手権デュッセルドルフ大会前の合宿では、日本の伊藤美誠選手の仮想選手(コピー選手)を務めていた。
胡麗梅のカットは非常にミスが少なかったが、張瑞は厳しいカットにはバック表ソフトのストップでラリーをリセットし、柔らかいスイングのフォアドライブ連打で得点を重ねた。元世界代表の胡麗梅とは大きな経験の差があるが、最終ゲームの出足で6ー1と一気に離したのは見事だった。解放軍チームには、軍服に身を固めた青年たちの大声援が送られたが、一歩及ばず。

一方、女子団体のダークホースと見られた河北省は、黒龍江省にまさかの完敗。2番で若きエース孫穎莎が、車暁㬢に敗れたのがあまりにも痛かった。パワーなら中国女子でもトップクラスの車暁㬢に中陣からパワーボールを打ち込まれた。
そして3番で勝利を決めたのは、黒龍江省のベテラン王シュアン。しつこい張文静のカットに打ちミスが出ながらも、バック表ソフトでの粘りの返球とフォアスマッシュで対抗。最終ゲーム、8ー10とマッチポイントを握られながら逆転し、12ー11で迎えた2回目のマッチポイントで、張文静が痛恨のサービスミス。まさかの結末だったが、王シュアンは解放されたように大きく咆哮した。
  • 張瑞、チームのメダルを決めた!

  • ヘアバンドで気合いを入れた胡麗梅だが、無念の2失点

  • 王シュアン、サービスミスでの決着でもこのガッツポーズ。苦しかった!

  • 孫穎莎は個人戦で巻き返したい