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★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ 9.22~26 ★★★

★男子決勝第1戦 9.22
[八一熔盛重工 3-2 山東魯能・路安集団]

○王皓 -9、3、6、-9、4 朱世赫
○侯英超 10、8、6 張継科
 閻安/柳洋 -5、-6、-3 方博/張超○
 王皓 -7、2、-4、5、-5 張継科○
○閻安 7、-9、-8、6、7 張超
(江蘇省南通体育会展センター)

 ★男子決勝第2戦 9.25
[山東魯能・路安集団 3-1 八一熔盛重工]

○張継科 8、9、9 徐克
 張超 -7、-11、-8 王皓○
○方博/張超 -10、6、11、-6、5 閻安/徐克
○張継科 -5、13、6、11 王皓
(山東省済南市体育館)

★男子決勝第3戦 9.26
[山東魯能・路安集団 3-2 八一熔盛重工]

 張超 -5、-7、-7 王皓○
○張継科 5、4、7 徐克
○方博/張超 -10、9、3、7 閻安/徐克
 張継科 -9、-8、-8 王皓○
○朱世赫 -9、8、-8、10、8 侯英超
(山東省済南市体育館)

 超級リーグ男子第2ステージは、第3戦の5番の最終ゲームまでもつれ込む大熱戦の結果、山東魯能・路安集団に凱歌。馬琳や劉国正を擁してリーグを制した2002年以来、2回目の優勝を決めた。すでに優勝を決めた女子とともに、今シーズンは山東魯能のアベック優勝だ。

 第1戦で侯英超の変化カットに張継科が敗れる番狂わせ、ラスト閻安の頑張りもあって八一熔盛重工が先制すれば、第2戦では気合いを入れ直した張継科が王皓を破って決勝点を挙げ、1-1のタイに戻す。第3戦も、勝負の行方は最後までわからなかった。山東が2-1のリードで4番張継科につないだものの、張継科は第1・2戦で連勝していた王皓にストレートで完敗。張継科も王皓も、この決勝を通じて絶対的なエースとしての存在感を発揮できず。王冠の行方は、韓国からの助っ人選手である朱世赫と、すでに国家チームの第一線を退いている侯英超。ふたりのカットマンの手にゆだねられた。

 バック面が表ソフト(侯英超)とツブ高(朱世赫)という違いはあるが、守備範囲の広いカットからの反撃と強烈な3球目攻撃というスタイルはともに同じ。互いにパワードライブで相手のカットを攻め、返球されたらツッツキでラリーを作り直すという展開が続く。侯英超がゲームカウント2-1でリードした第4ゲーム、侯英超6-4のリードで山東ベンチがタイムアウト。しかし、侯英超が連続強打でリードを広げ、ついに10-6でチャンピオンシップポイント。
 ところが朱世赫、ここからカットと強打に全くミスがでない。侯英超の飛び込みざまの台上バック強打もカットで返球し、10-9まで挽回。さすがの朱世赫も思い切った強打はできないが、ここはひたすら粘る我慢のカット打ちで、ついに10-10。侯英超はこれで切れたか、強打のミスを連発して、ついに朱世赫が逆転で第4ゲームを奪う。場内の応援団からは「朱世赫!純爺們(男の中の男)!」の大合唱がわき起こった。

 最終ゲームも中盤まで6-6とスコアこそ競ったものの、侯英超はこの競り合いで我慢ができなくなり、再び強打にミス。攻撃型顔負けの強打が売りの両選手だが、勝敗を分けたのはやはりカットとドライブの正確性だった。朱世赫10-8のマッチポイントでも、侯英超の強打がネットを弾いてオーバーし、奇跡の大逆転で山東魯能が優勝! 山東の選手たちはフェンスを飛び越えて朱世赫のもとに駆け込み、紙吹雪が舞う中で歓喜に酔いしれた!

Photo上:大逆転勝ちで山東の優勝を決めた朱世赫
Photo中:侯英超、あと一本があまりに遠かった
Photo下:張超とのダブルスで3戦3勝、優勝に貢献した方博
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ 9.25 ★★★

★男子8~9位決定戦・第2戦
[四川郵儲・先鋒汽車 3-1 錦州銀行]

○邱貽可 -11、8、10、-9、6 徐輝
○許鋭鋒 9、10、14 雷振華
 水谷/許鋭鋒 9、-6、-5、-3 徐輝/ジャイ一鳴○
○邱貽可 -9、10、-9、9、6 雷振華
(錦州万通卓球館)

 水谷隼(明治大・スヴェンソン)の所属する四川郵儲・先鋒汽車が、超級リーグの舞台に辛うじて踏みとどまった。8~9位決定戦の第2戦で錦州銀行を破り、甲Aリーグとの入替戦に回ることが決定。邱貽可が相手チームのツインエース、徐輝と雷振華をともにゲームオール6点で破る活躍を見せた。
 水谷はこれまで結果の出ていない金義雄とのペアではなく、初めて許鋭鋒とペアを組んで出場。幸先良く1ゲームを先取したが、今シーズンすでに11勝を挙げている徐輝/ジャイ一鳴ペアを相手に、第2ゲーム以降は勝機をつかめず。チーム唯一のサウスポーということもあり、今シーズンはダブルス中心の起用となった水谷だが、限定的なスポット参戦ではやはり勝ち星が伸びなかった。

 甲Aリーグへの降格が決まった錦州銀行は、遼寧省男子チームのみで構成されたクラブ。トップ選手のドラフトで札束を叩き合うこともなく、海外から大物選手を呼ぶこともなく、堅実に超級リーグの中位に定着していたが、痛恨の降格となった。「我々のチームは地元選手ばかり、どの試合でも強力な相手チームのエースからプレッシャーを受け続けてきた。降格という結果はある程度覚悟していたよ、競技スポーツは実力と結果がすべてだからね」(錦州銀行・于沈潼監督/出典:『錦州新聞網』)。8~9位決定戦では、エースの雷振華が2試合連続で2失点を喫する大誤算。来シーズンは甲Aリーグでの戦いとなるが、主力の雷振華や徐輝は超級リーグの他のチームに加入する可能性もある。

 即降格というピンチからは脱した四川だが、まだ降格の危機は続いている。明日28日午後、北京市の国家体育総局卓球訓練館で、甲Aリーグ1位の天津華明との入替戦が行われる予定だ。かつての名門・天津市チーム復活を狙う天津華明は、監督の馬文革(92年五輪銅メダリスト)を中心に、超級リーグ復帰へ気合い十分。エースの李平は「四川チームで最も警戒すべきは水谷隼。彼はビッグゲームでの経験が豊富だし、サウスポーでサービスも分かりづらい。まだ彼とは対戦したことがないので、短い期間でもしっかり準備したい」(出典:『北方網』)とコメント。水谷との対決が実現すれば興味深い。

 続けて、観客を熱狂させた超級リーグ男子決勝の結果もお伝えします!

Photo上:なかなか「本気」が出ない邱貽可だが、第2ステージで火がついたか
Photo下:超級リーグ通算100勝まであと4勝としていた雷振華、急ブレーキ
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ 9.22 ★★★

★男子8~9位決定戦・第1戦
[四川郵儲・先鋒汽車 3-2 錦州銀行]

 邱貽可 7、-6、-9、-7 徐輝○
○許鋭鋒 10、-7、7、-3、9 雷振華
 水谷/金義雄 -9、8、-8、-7 徐輝/ジャイ一鳴○
○邱貽可 10、-8、-9、9、10 雷振華
○水谷 7、-1、9、9 ジャイ一鳴
(成都市成飛体育館)

 超級リーグ残留に望みをつなぐか、それとも甲Aリーグ降格か。9月22日15時30分から、四川郵儲・先鋒汽車のホームである成都市成飛体育館で、超級リーグ男子8~9位決定戦の第1戦が開催。4時間に迫る熱戦を四川が制し、先に1勝を挙げた。
 四川郵儲・先鋒汽車の水谷隼(明治大・スヴェンソン)はダブルスで錦州銀行ペアに敗れたが、5番シングルスでジャイ(曜の右側)一鳴に3-1で勝利。強烈なパワードライブを放つ右シェークドライブ型のジャイに対し、2ゲーム目は1-11で落としながらも競り勝った。四川の陳宏宇監督は「もし水谷が第1ステージでもっと出場していたら、我々は何も降格の瀬戸際まで落ち込むことはなかったはずだよ」と賛辞とも恨み節ともつかないコメント。中国の国民の祝日である「中秋節」に当たり、三連休の初日となったこの日はたくさんの地元ファンが成飛体育館に来場。夜の7時を過ぎても席を立つことなく、大きな声援を送った。

 5試合で先に3勝を挙げたチームが8位となる、この8~9位決定戦。第1ステージの両チームの対戦成績(1勝1敗)が持ち越されるため、これで四川が2勝1敗とした。25・26日に錦州銀行のホームである錦州市万通卓球館で第2・3戦が行われ、四川はあと1勝すれば8位が確定する。両チームともオーダーはほぼ固定されており、総力戦になれば再びラストで水谷が出場する可能性が高い。水谷には古豪・四川チームを救う活躍が期待される。

 なお、来シーズンの超級リーグは1チーム減の8チームで行われる予定となっている。四川は8~9位決定戦で勝利した場合、甲Aリーグ1位の天津華明と対戦することになる。天津は今シーズン、松平健太(早稲田大)が所属しているチーム。その他に09年世界混合複優勝の李平、10年スロベニアオープン優勝の李尚洙(韓国)らも籍を置く強豪チームで、四川は超級リーグ残留に向け、まだまだ気の抜けない戦いが続く。

Photo上・中:ラストで激突した水谷(上)とジャイ一鳴(下)
Photo下:4番で雷振華をゲームオールデュースで下した邱貽可
(写真は水谷が10年世界選手権、他2枚は09年全中国運動会)
 9月18日、シンガポール女子チームの一員であるスン・ベイベイが、シンガポールの都心を流れるシンガポール川の川辺で結婚式を挙げた。お相手の男性はスン・ベイベイより6歳年上の32歳で、シンガポールで働いている中国人男性。本人の意向により名前は明らかにされていない。6年前、スン・ベイベイがシンガポールにやって来たばかりの頃に知り合って交際がスタート。意外にも(失礼)旦那さんのひと目惚れだったそうだ。

 シンガポールの中国語新聞『聯合早報』の取材に対し、「友人たちの祝福の中で挙式することができて、本当に幸せです。これからも努力して、より良い成績を残していきたい」と語ったスン・ベイベイ。ふたりの仲人となったシンガポール卓球協会のリー・ベーワ(李美花)会長も、「私たちは大きな家族のようなものだし、こうして彼女の結婚の証人になることができて興奮している。自分の娘が嫁いだような気持ちです」とコメントしている。シンガポールは第19回コモンウェルスゲームス(英連邦競技大会:10月3~14日/インド・デリー)という4年に1度のビッグゲームを間近に控えており、スン・ベイベイも活躍が期待されている。

 なお、シンガポール女子チームでは王越古もすでに婚約中。今年は前述のコモンウェルスゲームスやアジア競技大会など重要な大会が多いため、来年の挙式を希望しているとのこと。リ・ジャウェイの出産にモスクワ大会での快挙、慶事が続くシンガポール女子チームだ。

Photo:山東省出身のスン・ベイベイ。スンは孫、ベイベイは[草冠+倍]×2です
(写真は10年世界選手権)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子決勝 9.15(第1戦)/9.18(第2戦) ☆☆☆

☆女子決勝第1戦
[山東魯能 3-1 大同雲崗-金地砿業]

 彭陸洋 -8、-9、-4 武楊○
○李暁霞 7、-9、12、8 李暁丹
○彭陸洋/李茜 11、-3、8、10 李暁丹/劉娟
○李暁霞 -9、4、3、8 武楊
(山東省済南市体育館)

☆女子決勝第2戦
[山東魯能 3-1 大同雲崗-金地砿業]

 彭陸洋 -9、-9、4、7、-7 武楊○
○李暁霞 7、6、-9、6 李暁丹
○彭陸洋/李茜 9、5、8 李暁丹/劉娟
○李暁霞 8、5、-6、4 武楊
(山西省大同大学体育館)

※山東魯能が3回目の優勝!

 9月15日、18日に2010超級リーグ女子決勝の2試合が行われ、山東魯能がともに3-1で大同雲崗-金地砿業に勝利。2005・2007年シーズンに続く3回目の優勝を飾った。
 第1ステージの第10節から破竹の10連勝を飾り、決勝に勝ち上がった大同の前に立ちはだかったのは、長く不振が続いていた山東のエース李暁霞だった。プレーオフ準決勝の遼寧戦に続き、この決勝でもシングルス4戦全勝。エースとして圧倒的な存在感を示した。「2008年以降、国家チームで成績が残せず、病気やノングルーの影響もあって調子を落としていた。何度もあきらめようとしたけれど、李隼コーチは私を見捨てることなく指導してくれた。この2年間の経験は一生忘れられない」(李暁霞:出典『華奥星空』)。8月18~22日に行われた中国オープンでの優勝が、彼女にとって大きな自信になったという。今年11月のアジア競技大会、そして来年5月の世界選手権個人戦でも、復活した李暁霞の活躍に注目だ。

 李暁霞の活躍とともに、もうひとつ山東の優勝のポイントになったのはダブルス。ラストまで回ると不利な山東魯能だったが、このダブルスで2戦とも勝利して一気に優勝を引き寄せた。前陣での両ハンド速攻が武器の彭陸洋と、サウスポーから重いドライブを繰り出す李茜のペアリングで、シーズンを通じて14勝6敗の成績は見事。2003年の第1回世界ジュニア選手権優勝という実績を持つ李茜だが、この時の準決勝の対戦相手が現在のチームメイトである李暁霞。決勝の相手もやはりチームメイトの彭陸洋だった。なんとも数奇な運命を感じる。

 驚異のダークホースとして、今シーズンの超級リーグ女子を大いに盛り上げてくれた大同雲崗-金地砿業は惜しくも準優勝。昨シーズン最下位で甲Aリーグに降格するところだったのを、参戦権を譲り受けるというウルトラCで超級リーグに残留していたのだから、準優勝という成績は上出来すぎるくらいだ。「どのメンバーも今シーズンのプレーはすばらしかったよ。彼女たちの頑張りには、我々コーチ陣も心を打たれた」と大同の卜幇民監督。決勝では、第2戦トップで武楊が1時間を超える熱戦の末に彭陸洋を下すなど、2試合とも先制点を挙げたのだが、ダブルスが敗れて勝機を逸した。

Photo上:プレーオフでシングルス8連勝と大活躍した李暁霞
Photo中:決勝で彭陸洋に2連勝した武楊
Photo下:彭陸洋とのダブルスで優勝に貢献した李茜
(写真はすべて09年全中国運動会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ 9.16 ★★★

★準決勝第2戦
[山東魯能・路安集団 3-2 寧波海天塑機]

 張継科 -8、10、-3、-11 呉ハオ○
○朱世赫 5、9、1 馬琳
 方博/張超 9、6、-7、-11、-4 呉ハオ/唐鵬○
○張継科 キケン 馬琳
○張超 5、4、10 唐鵬
(山東省済南体育館)

★準決勝第2戦
[八一熔盛重工 3-2 浙商銀行]

 閻安 -9、-6、-11 馬龍○
○王皓 -8、4、9、-6、6 呉尚垠
 閻安/柳洋 -8、7、-9、-8 呉尚垠/ハオ帥○
○王皓 -10、8、-6、3、10 馬龍
○侯英超 11、6、-10、7 ハオ帥
(浙江省桐郷巨石集団体育センター)

 超級リーグ男子準決勝・第2戦の2試合が行われ、山東魯能・路安集団と八一熔盛重工が2連勝で決勝進出を決めた。
 第1戦で馬琳が腰を傷め、第2戦の出場が危ぶまれた山東vs寧波。登録メンバー4人のうち、王建軍が欧州から戻って来られない寧波は、エース馬琳が故障をおして出場。そして、まるで第1戦のリプレイのように朱世赫戦の第3ゲームで途中棄権し、4番の張継科戦も棄権。サウスポー呉ハオが張継科を破るなど単複2点を奪う健闘もむなしく、山東魯能・路安集団に屈した。
 「選手は身体が第一、我々も馬琳に出場を無理強いすることはできない。ただ、試合を棄権するわけにはいかないから、登録するしかなかった」と試合後にコメントした寧波の劉国棟監督。メンバーは3人ギリギリ、馬琳の強行出場は避けられない状況で、棄権を覚悟で馬琳を送り出したということか。ダブルスと5番で起用し、4番までに決着をつけるという選択肢もあったかもしれないが、馬琳がフル回転で引っ張ってきたこのチーム。『馬琳と心中』というオーダーで準決勝で散った。

 そして準決勝のもうひと試合は、優勝候補の大本命だった浙商銀行が八一熔盛重工にまさかの2連敗。ダブルスで勝利した浙商銀行が試合を優位に進めたが、4番で王皓が馬龍にゲームオールデュースで勝利。第5ゲーム王皓8-4のリードから、馬龍が逆転して王皓9-10馬龍でマッチポイントを握ったが、王皓がしのぎ切った。「あれほどすばらしい試合を観たのは久しぶり。間違いなく世界のトップクラス、昨年の全中国運動会決勝を思い出した」とコメントを残した八一の范長茂監督、「王皓は完全復活だよ」とエースに太鼓判だ。
 そしてラストで、チョッパー侯英超が世界ランキング15位のハオ帥に劇的勝利。侯英超は第1ゲーム1-6のビハインドから逆転して13-11で取り、第3ゲームも10-5でマッチポイント。ベンチから飛び出す準備をしていた八一のメンバーの目の前で、ここからハオ帥がなんと7点連取で逆転。試合の行方は一気にわからなくなったが、第4ゲームは我慢のプレーを貫いた侯英超が11-7で取り、熱戦に終止符を打った。

 超級リーグ男子決勝、山東魯能・路安集団vs.八一熔盛重工は9月22日に第1戦が行われる。選手層の厚さでは山東に軍配が上がるが、八一のエース王皓も復活の気配。張継科とのエース対決が楽しみだ。

★6~9位決定戦第2戦
[上海浦宏神木 3-1 錦州銀行]

○王励勤 2、-6、12、5 徐輝
 尚坤 -10、-8、6、14、-3 雷振華○
○尚坤/張洋 9、8、-9、10 徐輝/ジャイ一鳴
○王励勤 10、10、5 雷振華
(上海上外体育館センター)
※通算成績は1勝1敗のタイ/2勝を挙げたチームが7~8位決定戦へ

Photo上:苦しいチーム状況で奮闘した寧波の呉ハオ
Photo中:王皓、プレーオフで馬龍に2連勝
Photo下:ラストで大仕事、超級リーグ通算30勝目を挙げた侯英超
※(写真はすべて09年全中国運動会)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ 9.13 ★★★

★準決勝第1戦
[山東魯能・路安集団 3-1 寧波海天塑機]

○張継科 7、-9、9、8 呉ハオ
○朱世赫 -7、8、-7、キケン 馬琳
 方博/張超 -8、3、-9、5、-11 呉ハオ/唐鵬○
○張継科 キケン 馬琳
(寧波北侖華芸センター)

★準決勝第1戦
[八一熔盛重工 3-1 浙商銀行]

○王皓 7、7、-11、10 呉尚垠
○閻安 -5、5、10、7 馬龍
 閻安/柳洋 -9、-6、-12 ハオ帥/呉尚垠○
○王皓 5、-7、5、-7、9 馬龍
(江蘇省蘇州相成区体育館)

 超級リーグ男子第2ステージ、準決勝第1戦の2試合は「二馬」に悲運が待っていた。
 まず、寧波海天塑機のエースとして準決勝に臨んだ馬琳だ。9月上旬、昨年全中国運動会が行われた山東省青島市の国信体育館で、今月末に行われるワールドチームカップクラシックに備えた短期集合訓練を行った国家男子1軍チーム。この集合訓練で、馬琳は腰を傷めた。集合訓練の最後に行われた公開部内試合では王皓を3-1で破っていたが、この準決勝の“ブツ切りチョッパー”朱世赫戦で腰の故障が再発。ひたすら粘る朱世赫のカットの前に、ゲームカウント2-1とリードしながら、第4ゲーム途中で無念のドクターストップ。第4試合の張継科戦も棄権し、寧波海天塑機は1-3で敗れた。
 寧波海天塑機の登録メンバーは、馬琳・唐鵬・呉ハオ・王建軍の4人。ベルギーの名門シャルロワのメンバーでもある王建軍は、第1ステージが終了した時点で欧州に戻ってしまい、メンバーは試合を戦える3人ギリギリしかいない。馬琳が出場できないとなれば、チームは準決勝第2戦を戦わずして終戦、という可能性もある。

 もうひとりの「馬」、馬龍率いる優勝候補の大本命、浙商銀行は八一熔盛重工に苦杯。2番でエース馬龍が第1ステージに続いて、北京市チームのチームメイトであるガッツマン・閻安に敗れた。馬龍が同じシーズンに、同じ相手に二度敗れるというのは考えられないことだ。4番でも王皓に対し最終ゲーム1-7から8-8まで追いついたが、結局9-11で敗れた。ラストまで回れば、ハオ帥(浙商)が侯英超(八一)を破っていた可能性が高いだけに、悔やみ切れない敗戦となった。
「我々のチームには団結力があるし、第2戦でも全力で食らいつくよ。負けてもともと、勝ったら儲けものだ」と八一の范長茂監督。両チームの戦力差は明らかだが、短期決戦では勢いのあるチームが勝つ。第2戦の行方に注目だ。

Photo上:腰を傷めた馬琳(上)と、馬琳の腰を痛めつけた朱世赫(中)。写真は10年世界選手権より
Photo下:たたみかけるフォア強打が武器の閻安(写真は09年世界ジュニア)
★★★ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2ステージ 9.13 ★★★

★6~9位決定戦・第1戦
[廊坊銀行海潤 3-2 四川郵儲・先鋒汽車]

 ジャイ超 -8、-3、11、-5 邱貽可○
 許シン 11、3、-8、-9、-8 許鋭鋒○
○崔慶磊/張ユク -9、-9、7、4、11 水谷/金義雄
○許シン 8、-10、7、-9、8 邱貽可
○崔慶磊 -4、9、-9、6、8 水谷
(四川省成都成飛体育館)

★6~9位決定戦・第1戦
[錦州銀行 3-2 上海浦宏神木]

 雷振華 8、-11、-5、-3 尚坤○
 徐輝 -7、9、-6、-6 王励勤○
○徐輝/ジャイ一鳴 10、-8、-10、10、7 尚坤/張洋
○雷振華 -4、-17、6、7、9 王励勤
○ジャイ一鳴 2、8、2 張洋
(遼寧省錦州万通卓球館)

 超級リーグ男子第2ステージ、まずは順位決定戦の結果から。前半で2-0とリードし、ダブルスでも勝利へあと1ゲームとした四川と上海が、痛恨の逆転負けを喫した。

 水谷隼(明治大)が所属する四川郵儲・先鋒汽車は、ホームの成飛体育館で許シンを擁する廊坊銀行海潤と対戦。下位の順位決定戦では、第1ステージの成績がそのまま持ち越される。第1ステージで廊坊が2勝0敗としているため、廊坊に2勝のアドバンテージが与えられ、四川としては3連勝しないと6~7位決定戦へ勝ち抜けない苦しい戦いとなった。(前回は第1ステージの2勝分で1勝のアドバンテージと表記していました、スミマセン)
 絶好のスタートを切ったのは四川。2番で許鋭鋒(07年世界ジュニア2位)が、トップを外してきた相手エースの許シンに0-2から逆転勝利。3番で水谷/金義雄のダブルスが2-0と勝利に王手をかけ、四川がまずは1勝を返すかと思われた。しかし、ここから水谷ペアは3ゲームを連取され、ゲームオール11点でまさかの逆転負け。「四川ペアは突然“シャットダウン”してしまった。ふたり(水谷/金義雄)はコンビネーションが悪く、連続失点が多かった。加えて言葉の問題から、試合中にコミュニケーションを取る場面もほとんど見られなかった」(出典『成都晩報』)。

 4番で邱貽可が健闘するも許シンに競り負け、2-2のラストへもつれ込んだこの試合。水谷の対戦相手はパワーのある右シェークドライブ型・崔慶磊。09年ユニバーシアードの男子単で4-3、さらにさかのぼると07年アジアジュニア選手権団体戦の準決勝で3-1で水谷を破っている。試合はシーソーゲームとなり、この試合でなんと4度目のゲームオールに突入。第5ゲームは崔慶磊3-0のリードから、水谷が5点連取で5-3としてチェンジエンドとなったが、結局崔慶磊が11-8で熱戦を制した。
 「今日のプレーの出来は25%、この結果には落胆している」とコメントを残した水谷だが、まずは9月22日から行われる8~9位決定戦を制し、甲Aリーグとの入れ替え戦に臨みたい。7~9位決定戦のもうひと試合は、錦州銀行がこちらも逆転で上海浦宏神木に勝利。四川はどちらのチームとも第1ステージ1勝1敗なので、8~9位決定戦では同じ土俵で戦うことができる。

 超級リーグ男子第2ステージ、準決勝2試合の結果も続けてお伝えします!

Photo上:水谷、8~9位決定戦で巻き返しを図る(写真は10年世界選手権)
Photo中:水谷とペアを組んだ金義雄(写真は09年全中国運動会)
Photo下:ラストを締めた崔慶磊(写真は09年全中国運動会)
☆☆☆ 2010中国卓球クラブ超級リーグ 女子第2ステージ 9.12 ☆☆☆

☆準決勝第2戦
[山東魯能 3-1 遼寧鞍山城投房産]

○李暁霞 -9、9、10、-5、6 郭躍
 彭陸洋 -7、5、-8、-8 文佳○
○彭陸洋/李茜 -5、8、8、4 郭躍/侯暁旭
○李暁霞 9、4、11 文佳
(遼寧省鞍山体育センター)

☆準決勝第2戦
[大同雲崗-金地砿業 3-2 山西大土河華東理工]

 李暁丹 -9、-9、-8 范瑛○
 武楊 -9、-8、-11 郭炎○
○李暁丹/劉娟 9、8、-7、11 帖雅娜/饒静文
○武楊 9、10、8 范瑛
○馮天薇 6、8、9 饒静文
(大同大学体育館)

※山東魯能、大同雲崗-金地砿業が決勝進出

 2010超級リーグ女子・プレーオフの準決勝第2戦、山東魯能と大同雲崗-金地砿業がともに2連勝で決勝進出を決めた。
 山東vs.遼寧の一戦は、トップのエース対決で郭躍が李暁霞に敗れた時点で、遼寧の命運は尽きたか。第1ゲームは李暁霞7-3のリードから郭躍が逆転、第2ゲームは郭躍5-1のリードから李暁霞が逆転と、ともに地元・鞍山市出身のライバル同士が激戦を展開したが、最後は李暁霞に軍配。「李暁霞は今日の試合ではメンタルがぶれなかった。動きのキレは以前よりやや落ちているが、プレッシャーに耐え抜いた」(山東・于国鵬監督)。
 大同vs山西は、山西があっさり2-0とリードしながら、大同が逆転勝ち。「前半2点を落とすことはある程度覚悟していたが、ダブルスの勝利に賭けていた。そこで勝てば、4番の武楊は范瑛に対して勝率が高いし、ラストの馮天薇は表ソフト(饒静文)を恐れないからね」(大同・周樹森コーチ)。周樹森コーチの用兵術はまさに変幻自在、各チームの戦力とオーダーの傾向を見事に読み切っている。李暁霞という絶対的エースを擁する山東との決勝についてはは、「戦況は不利だが、まあ0-2で負けるわけにはいかないね」(周樹森)。
 女子プレーオフ決勝は15日に第1戦が行われる。

☆6~9位決定戦第2戦
[北京控股 3-2 内蒙古銀行]

 彭雪 -1、-5、-5 馮亜蘭○
○丁寧 -10、3、4、4 顧玉ティン
○リ・ジャウェイ/彭雪 -8、8、7、8 顧玉ティン/陳夢
 丁寧 5、-7、-9、6、-9 馮亜蘭○
○リ・ジャウェイ 7、-4、-6、3、9 陳夢
(北京広安体育館)

☆6~9位決定戦第3戦
[内蒙古銀行 3-0 北京控股]

○姚彦 5、5、-4、4 彭雪
○馮亜蘭 11、9、7 丁寧
○馮亜蘭/陳夢 2、8、7 リ・ジャウェイ/彭雪
(北京広安体育館)

※八一・内蒙古は6~7位決定戦、北京・江蘇は8~9位決定戦へ

 超級リーグ女子の6~9位決定戦、昨年優勝の北京控股が内蒙古銀行に通算1-2で敗れ、8~9位決定戦へ回ることになった。北京のエース丁寧が、内蒙古の馮亜蘭にまさかの3連敗。「これまではチームの2番手、3番手だったし、下位の順位決定戦へ出るのはこれが初めて。経験のない事態に、確かにプレッシャーはあった」(丁寧)。モスクワ大会に続き、丁寧にとってはまさに試練の2010年。8~9位決定戦では、勝利すると甲Aリーグ2位の重慶康徳との入れ替え戦、敗れると甲Aリーグへ自動降格だ。
 なお、先日お伝えした八一冀中能源vs.江蘇中超電纜の一戦(八一が3-2で勝利)は、第1ステージの成績が八一の2勝0敗だったため、八一に2勝のアドバンテージが与えられていたようだ。お伝えせずに失礼しました。江蘇としては3連勝しなければ勝ち上がることができなかったが、初戦で八一が勝利し、八一の6~7位決定戦進出が決まっている。男子で水谷隼(明治大)が所属する四川郵儲・先鋒汽車も、6~9位決定戦で対戦する廊坊銀行海潤とは第1ステージで0勝2敗。勝ち上がるためには3連勝しなければならない。

Photo上:ラストで今季4戦4勝の馮天薇(写真は10年世界選手権)
Photo下:順位決定戦で大爆発した馮亜蘭(写真は09年全中国運動会)
 9月4日、北京市の首都体育館に作られたアイスリンクで、「2010氷上雅姿(アーティストリー・オン・アイス」が行われた。
 浅田真央選手(女子フィギュアスケート)らも登場したので、日本でも大きく取り上げられていたが、この「氷上雅姿」の目玉だったのが趙宏博と申雪の氷上結婚式。2010年バンクーバー五輪フィギュアスケート・ペア種目の金メダリストで、07年世界選手権での趙宏博のプロポーズでも話題になった。ふたりは07年5月にすでに入籍していたが、バンクーバー五輪を最後に現役を引退。今回、中国初のアイスショーという形で晴れて結婚式を挙げることになった。

 会場には中国スポーツ界からたくさんの招待客が来場。申雪が最も尊敬するスポーツ選手だというトウ亜萍も家族揃って来場したが、それ以上に注目を集めたのは、渋滞で少し遅れて会場入りした王楠。中国リポートでもお伝えしていなかったが、王楠は今年4月にはすでに「おめでた」が伝えられ、大きなお腹で会場に姿を見せた。「出産は来月の予定。まだ名前は良いのが思いつかないんだけど…」(王楠/出典『信息時報』)。今年5月に双子の女の子を出産した王瑾さん(劉国梁監督夫人)に続き、中国卓球界を吉報が駆け巡りそうだ。今年40歳になる旦那さんの郭斌さんも待ち遠しいのではないだろうか。

 また、韓国では女子チームの3番手として、団体戦の欠かせない戦力となっている唐イェ序も韓国国内で妊娠が伝えられている。今年11月に中国・広東省広州市でアジア競技大会が行われるが、唐イェ序は代表メンバーから外れる可能性が高い。

Photo上:現役最後の舞台、北京五輪の表彰で会心の笑顔。さすがにション・イェンフェイのように、出産後の現役復帰はなさそうだ。
Photo下:長くお蔵入りしていた秘蔵の(?)一枚。もちろん王楠です