11月16~17日、黒龍江省七台河市の七台河職業学院体育館で「2009七台河 国際男子卓球争覇賽」が開催された。
今大会の出場選手はモンテイロ(ポルトガル)、クリサン(ルーマニア)、韓陽(日本)、プリモラッツ(クロアチア)、朱世赫(韓国)、呉尚垠(韓国)、王皓(中国)、馬琳(中国)の8選手。観戦チケットは一番高い「特甲票」が1280元(約16,700円)、一番安い乙票でも680元(約8,800円)となかなかの高額チケットだが、観客の入りは上々だったようだ。決勝戦の模様は中国中央電視台(CCTV)でも生中継されている。
大会の結果は以下のとおりだ。
★2009七台河国際男子卓球争覇賽・結果 11.16~17/七台河職業学院体育館
[優勝]馬琳
[2位]呉尚垠
[3位]朱世赫
[4位]王皓
[ベスト8]韓陽、プリモラッツ、クリサン、モンテイロ
決勝で相まみえたのは、馬琳と呉尚垠。馬琳は初戦でクリサンを相手にゲームカウント0-3の大ピンチから逆転、続く準決勝で朱世赫を4-0で一蹴して勝ち上がった。一方の呉尚垠はプリモラッツ、そして王皓を撃破。10月の男子ワールドカップでも馬龍(中国)を破っており、中国にとって最も危険なライバルとなっている。決勝は馬琳が2-0とゲームをリードした後、呉尚垠が2-2に追いつく接戦となったが、第5・6ゲームともに6-6から得意の変化サービスで突き放した馬琳が勝利。離婚スキャンダルにもめげず(?)、05年度大会以来の優勝を果たした。
現世界チャンピオンの王皓は、初戦でモンテイロを苦しみながらも破ったが、準決勝で呉尚垠、3位決定戦で朱世赫にともに3-4で惜敗。11月10~11日にトルコ・イスタンブールで行われた「2009アジア・ヨーロッパチャレンジ」でもボル(ドイツ)に0-3で敗れており、「王皓の対外的な強さはすでに過去のものだ」という記事が早くも現れはじめている。スケジュールはあまりにハードだが、言い訳ができないのがチャンピオンだ。日本から参戦した韓陽は08年世界団体戦で勝っている朱世赫に敗れ、準決勝進出はならなかった。
ちなみに「2009七台河 国際男子卓球争覇賽」の前身は、黒龍江電視台の主催で2005年から2007年まで行われていた「“龍”世界男子卓球争覇賽」。湖南省の湖南衛視が主催していた「国球大典」(06年からITTFトーナメント・オブ・チャンピオンズとして開催)と並び、中国国内で行われる数少ない国際大会のひとつだった。戦いの舞台は、広さが2800平方メートルもある黒龍江電視台の巨大スタジオ。プレーの環境としてはあまり良くないのだろうが、中国ではテレビ局の主催する大会が、テレビ局の大きなスタジオやホールで行われるケースは少なくない。
「“龍”世界男子卓球争覇賽」の歴代チャンピオンは、05年度大会は決勝でパーソン(スウェーデン)を破った馬琳(中国)、06年度大会はボル(ドイツ)を破った王皓(中国)。そして07年度大会は、馬琳から大金星を挙げたロスコフ(ドイツ)を決勝で破ったダークホース、ケーン(オランダ)が優勝。日本からも松下浩二(06年度)、時吉佑一(07年度)らが出場している。
Photo上:ゲーム終盤での強さを見せた馬琳。離婚の調停次第では、まだまだ稼がねばなりません…
Photo下:呉尚垠、32歳になってもまだまだパワーは健在