2月末から3月初旬にかけて、ヨーロッパ各国は国内選手権のシーズンを迎えている。欧州リポートでもこれからその結果をお伝えしていきますが、まず最大のサプライズが起こったフランス選手権の結果から。
3月2日に閉幕したフランス選手権。男子シングルス優勝はマテネでもルベッソンでもサリフでもなく、20歳のステファン・ウェシュ(Stephane OUAICHE)。長身の左シェークドライブ型で、世界ランキングはなんと242位。2回戦でサリフ、準々決勝でマテネ、準決勝でゴーズィとフランス男子チームの主力クラスを連破した。ゴーズィ戦は第6ゲーム9ー10、第7ゲーム9ー10と2回のマッチポイントを奪われながらしのぎ切り、決勝では大ベテランである40歳のレグーを4ー2で破って歓喜の優勝を果たした。
ウェシュはチキータや前陣でのカウンターなども駆使するが、プレー領域は中・後陣が主体で、コート狭しと動いてしのぎまくる。ルベッソンをより荒削りに、パワフルにした感じのプレーヤーだ。ただし、いかんせん攻めが遅い印象はぬぐえない。映像で観る限りの印象では、ここ数年のフランス選手権は、まるで時代が逆戻りしたかのような中・後陣でのラリー戦ばかり。観る分には非常に面白いのだが……。論より証拠、男子シングルス準決勝・決勝の映像はこちらをご参照ください。
●男子シングルス準決勝/ウェシュ対ゴーズィ
http://www.youtube.com/watch?v=FPXpGiqsWOA●男子シングルス決勝/ウェシュ対レグー
http://www.youtube.com/watch?v=NkGTKjDXhQc ちなみに女子シングルス優勝はカットのリー・シュエ。準決勝でベルジェを4ー1、決勝でデッサンを4ー1と危なげなく退けての優勝。男子ダブルスはマルチネス/レグー、女子ダブルスはグルンディッシュ/ガスニエが制している。