スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第8節 6.21 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3−1 山東魯能〉
○閻安 −11、8、5、12 ボル
 馬龍 −9、−9、2、−9 張継科○
○閻安/林高遠 6、9 張継科/ハオ帥
○馬龍 11、11、7 ボル
(済南奥体センター東荷体育館)

〈八一大商 3−1 上海均瑶〉
 樊振東 −7、9、−4、−10 尚坤○
○周雨 7、−6、10、7 許シン
○徐晨皓/周雨 9、−9、7−5 趙子豪/尚坤
○樊振東 11、7、11 許シン
(上海青浦体育館)

〈山東魏橋創業集団 3−1 江蘇中超電纜・紫砂〉
 張煜東 10、−8、−8、−5 オフチャロフ○
○馬琳 4、5、−11、3 崔慶磊
○馬琳/江天一 2、−12、8−6 張超/林晨
○張煜東 −4、8、−3、5、7−5 崔慶磊
(山東濱州市体育センター)

〈四川長虹 3−2 天津豪安〉
○鄭培鋒 9、10、8 馬特
○朱霖峰 −7、−5、10、11、7−2 孔令軒
 鄭培鋒/陳㬢 1、−8、6−8 孔令軒/李平○
 朱霖峰 7、9、−4、−9、5−7 馬特○
○陳㬢 10、−5、7−4 李平
(四川什ファン体育馆)

〈広東陳静 3−1 覇州海潤〉
○劉吉康 6、9、9 程靖チィ
○尹航 3、8、−11、7 范勝鵬
 劉亜楠/尹航 8、−4、2−7 ジャイ超/程靖チィ○
○劉吉康 −4、11、6、6 范勝鵬
(英東体育館)

★男子総合順位(第8節終了時点)
1   寧波海天       8勝0敗
2   山東魯能       6勝2敗
3   江蘇中超電纜・紫砂  6勝2敗
4   八一大商       6勝2敗
5   上海均瑶       4勝4敗
6   山東魏橋創業集団   3勝5敗
7   四川長虹       2勝6敗
8   天津豪安       2勝6敗
9   覇州海潤       2勝6敗
10  広東陳静       1勝7敗

 超級リーグ男子の第8節は、首位を争う馬龍の寧波海天と、張継科の山東魯能が激突。張継科が馬龍を破ったものの、山東のティモ・ボルが2失点を喫し、3−1で寧波に軍配が上がった。寧波は男子では唯一の開幕8連勝となった。
 超級リーグでの張継科と馬龍の「科龍大戦」は、意外にも12年シーズンの開幕戦以来。この時は張継科がゲームオール7−5で勝利したものの、その後の寧波戦では張継科は閻安に2敗、欠場が1回と散々の内容。今回は首位を争う天王山で、久々に存在感を見せたが、チームの勝利には結びつかなかった。

 今シーズンから甲Aリーグとの入れ替え制が復活。10位チームが甲Aリーグ優勝チームと入れ替え、9位チームが甲Aリーグ2位チームとの入れ替え戦を行う超級リーグ。下位チーム同士の戦いもなかなか熱い。入れ替えの当落線上にいる四川と天津の一戦は、大接戦の末に四川が勝利。2番で朱霖峰が、孔令軒との「左腕パワーヒッター対決」を制した。広東はエースの劉吉康(右シェークドライブ型)が2点を奪い、今季初勝利を挙げている。
 8月17〜23日に中国・南京の五台山体育センターで行われる第2回ユース五輪・卓球競技。開催国の中国からは、男子は世界ランキング3位の樊振東、女子は世界ランキング35位の劉高陽が出場する。
 14〜18歳のアスリートに出場資格のあるユース五輪。前回の第1回シンガポール大会で、中国は男子にエントリーした尹航(イン・ハン)が故障のために出場できず。中国は女子代表の顧玉ティンが女子シングルスを制したものの、男女ひとりずつの選手で組む混合団体ではチュニジアのハマムと組んで出場することになり、準決勝で日本に敗れて銅メダル。日本は男子シングルスの丹羽孝希の金メダルと合わせて、3種目中2種目を制した。

 中国男子代表の樊振東は、来年開催される世界選手権(個人戦)蘇州大会でも優勝候補の一角を占める。さすがに地元開催の大会では、中国もベストの人選で臨んできた。女子の劉高陽も、まだ一般クラスでは目立った戦績がないものの、同世代では際立ったボールセンスの持ち主で、左腕から放つフォアドライブは切れ味抜群。日本から出場する村松雄斗(JOCエリートアカデミー/帝京)と加藤美優(JOCエリートアカデミー)は、この最大の強敵にいかにして立ち向かうのか。

 最後に、現在のところユース五輪への出場が決まっている有力選手もお伝えしておこう。中国リポート担当も8月に南京に飛び、若者たちのスポーツの祭典を密着取材します。

★男子
スーディ(ハンガリー)
オルト(ドイツ)
楊恒韋(チャイニーズタイペイ)
チェン・ディオゴ(ポルトガル)
カルデラノ(ブラジル)
金民赫(韓国)
アファナドル(プエルトリコ)
☆女子
杜凱琹(香港)
ディアコヌ(ルーマニア)
邱嗣華(チャイニーズタイペイ)
ミッテルハム(ドイツ)
リリー・チャン(アメリカ)
フェルマース(オランダ)
S.ムケルジ(インド)
ルオ・アンチー(カナダ)
ラコバチ(クロアチア)
  • 樊振東、最大の敵は地元開催のプレッシャーか(写真は14年世界卓球)

  • 個人的に「陳静2世」と呼んでます、劉高陽(写真は13年世界ジュニア)

☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第7節 6.18 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一冀中能源 3−1 大土河・華東理工〉
○木子 −11、8、8、−4、7−3 馮亜蘭
 劉曦 −8、−3、−7 劉詩ウェン○
○郭躍/劉曦 12、13 馮亜蘭/江越
○木子 9、5、7 劉詩ウェン
(山東東平体育会展センター)

〈北京首鋼 3−2 大同金地砿業〉
 盛丹丹 −9、−4、−4 武楊○
○丁寧 6、3、7 劉高陽
 盛丹丹/李佳原 5、−6、0−7 李暁丹/劉高陽○
○丁寧 9、6、4 武楊
○リ・ミョンスン 2、9 李暁丹
(北京首鋼バスケットボールセンター)

〈山東魯能 3−0 金華銀行〉
○陳夢 4、7、3 劉ジン
○李暁霞 5、4、5 アリエル・シン
○陳夢/顧玉ティン 2、7 楊楊/斯文
(金華市体育センター)

〈鄂尓多斯東方路橋 3−2 秋林格瓦斯・吉中州〉
 張薔 −6、−9、7、−7 王曼昱○
 朱雨玲 −9、−8、−8 趙雪○
○朱朝暉/趙岩 7、6 陳可/姚俊羽
○朱雨玲 4、7、9 王曼昱
○趙岩 3、6 陳可
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈大連海昌 3−0 広東二沙〉
○文佳 8、9、9 張遅
○李佳イ 5、6、7 童海苗
○常晨晨/李佳イ 4、6 張遅/劉韵慈
(大連大学体育館)

 アップが遅れて申し訳ありません。超級リーグ女子第7節の結果は上記のとおり。引き続き、週末に行われた第8節の結果もお伝えします。

 ここまで6戦全勝の北京首鋼は、難敵・大同金地砿業に逆転勝ちして7連勝。エース丁寧はシングルス通算11勝2敗でリーグ最多勝。そして、この大同戦でもラストを締めた北朝鮮のリ・ミョンスンは6勝1敗と、「外援(助っ人外国人選手)」としては申し分ない働きを見せている。閻永国監督も「リ・ミョンスンがここまで良いプレーをしてくれるとは、正直思わなかった。試合を重ねるごとに良くなっている」と第4節終了時にコメントしている。チームメイトとのコミュニケーションもうまくいっているようだ。着々と勝ち星を重ねている北京だが、チームの総合力から言うと、ひとつ負けるとガタガタ崩れる危険性もある。「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」というところか。

 その北京を星ひとつの差で追走するのは鄂尓多斯(オルドス)東方路橋。右シェークドライブ型の趙岩と、左シェークドライブ型の朱朝暉の大型ダブルスがここまで6勝1敗。チームの確実な得点源になっている。趙岩はラストでも、韓国オープンで石川佳純(全農)を破った陳可に完勝。国家女子チームでも指折りのフィジカルの持ち主だけに、自信をつければさらに飛躍する可能性を秘めている。
  • 中国全土を転戦するリ・ミョンスン(写真は14年世界卓球)

  • 堂々たる体躯を誇る趙岩(写真は13年全中国運動会)

★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第7節 6.17 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3−1 八一大商〉
 朱世爀 8、−8、8、−13、7−9 樊振東○
○馬龍 4、−9、6、−9、7−4 周雨
○閻安/林高遠 9、9 王皓/周雨
○馬龍 7、−10、−13、8、7−1 樊振東
(温州市体育センター体育館)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3−1 山東魯能〉
 オフチャロフ −9、−5、9、−8 ハオ帥○
○張超 −2、9、−6、3、7−4 張継科
○張超/ハオ帥 −7、5、7−5 林晨/方博
○オフチャロフ −4、7、−9、8、7−5 張継科
(常州市武進体育館)

〈上海均瑶 3−1 天津豪安〉
○許シン 8、−8、5、5 孔令軒
○尚坤 −10、5、4、9 荘智淵
 尚坤/趙子豪 −11、−2 李平/孔令軒○
○許シン 11、10、−9、6 荘智淵
(天津財経大学体育館)

〈覇州海潤 3−2 山東魏橋創業集団〉
○程靖チィ −7、12、7、−6、7−5 馬琳
 范勝鵬 −9、−12、8、−12 江天一○
 ジャイ超/程靖チィ −9、6、7−9 江天一/任浩○
○范勝鵬 7、−9、10、−9、7−5 馬琳
○ジャイ超 −9、11、7−1 任浩
(覇州市卓球館)

〈四川長虹 3−2 広東陳静〉
○許鋭鋒 11、4、−5、8 劉吉康
 朱霖峰 −3、−9、8、10、3−7 尹航○
 陳儀/朱霖峰 −7、−6 劉吉康/劉亜楠○
○許鋭鋒 −7、5、−9、10、8−6 尹航
○陳曦 −8、5、7−5 劉亜楠
(英東体育館)

 また結果をため込まないように、超級リーグ男子第7節を続けてお伝えします。

  この第7節の最大のサプライズは、ここまで6戦全勝の山東魯能が、エース張継科の2失点で江蘇に敗れたこと。第8節での寧波海天との大一番を前に、伏兵に足元をすくわれる形となった。「この43日間でオフチャロフに2敗。このままじゃ本当に危ないぞ、張継科」(新浪体育)、「張継科、目を覚ます時だ!」(捜狐体育)等々、中国でもセンセーショナルに取り上げられている。昨シーズンまでのチームメイト、張超には手の内を知られている部分もあるが、外国選手のオフチャロフに2回続けて敗れるというのは、中国選手にとっては許されない。こうやって超級リーグやワールドツアーでポロポロ負けるのは、張継科にとって「厄落とし」のようなものかもしれないが……。

 一方のオフチャロフは、自身のフェイスブックで次のように語っている。「3000人という信じられないような大観衆の前で、ハオ帥には負けたけれど、オリンピック王者の張継科に大接戦の末に勝つことができた。中国でティモにまた会えて最高の気分だったよ。チームはこの勝利でリーグ2位。ここでのプレーは最高に楽しい!」。中国にも帯同していた婚約者のジェニー・メルストレムさん(元スウェーデン代表)は、結婚式の準備のため試合後にドイツに帰国したそうだが、この勢いは止まりそうにない。
  • 公私ともに充実のオフチャロフ(写真は14年世界卓球)

  • 四川に今季初勝利をもたらした許鋭鋒(写真は13年全中国運動会)

☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第6節 6.14 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈山東魯能 3─0 八一冀中能源〉
○李暁霞 8、4、7 木子
○陳夢 6、─8、3、7 劉曦
○陳夢/顧玉ティン 6、7 木子/曹臻
(山東東平体育会展センター)

〈大同金地砿業 3─0 秋林格瓦斯・吉中州〉
○劉高陽 7、6、6 劉斐
○武楊 5、4、8 袁雪ジャオ
○李暁丹/劉高陽 3、─5、7─2 袁雪ジャオ/趙雪
(大同大学体育館)

〈大土河・華東理工 3─0 広東二沙〉
○車暁曦 5、8、7 張遅
○劉詩ウェン 9、4、3 楊采穎
○馮亜蘭/江越 3、4 楊采穎/劉韵慈
(大土河体育館)

〈北京首鋼 3─0 大連海昌〉
○丁寧 6、7、─9、9 文佳
○リ・ミョンスン 12、6、10 李佳イ
○丁寧/盛丹丹 9、7 常晨晨/李佳イ
(北京首鋼バスケットボールセンター)

〈鄂尓多斯東方路橋 3─0 金華銀行〉
○朱雨玲 5、─8、8、4 周シントン
○張薔 11、─8、─2、7、7─3 胡麗梅
○趙岩/朱朝暉 ─3、5、7─4 周シントン/劉ジン
(金華市体育センター)

 超級リーグ女子第6節は、微山湖改め「北京首鋼」がホームの北京首鋼バスケットボールセンターに初登場。大連海昌を危なげなく退けて、開幕から土つかずの6連勝を飾った。エースの丁寧は「北京に戻って来られてとても幸せ。今日は新しいホームでの初戦で、沢たくさんのファンが来てくれたし、自分の実力を発揮することができたのでうれしいです」とコメントした(出典:『華奥星空』)。CBA(中国・プロバスケットボールリーグ)の北京首鋼は、ここ3シーズンで2回優勝の強豪。丁寧は「男子チームと同じような成績を残したい。でも超級リーグは実力が接近しているので、これからも1試合ずつしっかりプレーするだけ」と語っている。丁寧はここまで、超級女子ではトップとなる9勝(2敗)をマーク。助っ人のリ・ミョンスン(北朝鮮)も5勝1敗と予想以上の好成績でチームを支えている。

 秋林格瓦斯はチームのポイントゲッター・王曼昱が韓国オープンに出場したため、戦力が半減して大同に完敗。鄂尓多斯(オルドス)はエース朱雨玲の安定感と、2番手の右ペンドライブ型・張薔の活躍で快進撃を続けている。鄂尓多斯に敗れた金華銀行は、広東とともに開幕から6連敗。エースの胡麗梅、右ペン粒高攻守の周シントンがかなり慣れられてきた感がある。金華銀行の第7節の対戦相手は山東魯能。……初勝利はまだ先か。
  • 充実のシーズンを過ごしている丁寧(写真は13年全中国運動会)

  • 鄂尓多斯の絶対的エース、朱雨玲(写真は13年全中国運動会)

★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第6節 6.14 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3−2 上海均瑶〉
 閻安 −12、9、−5、−8 尚坤○
○馬龍 7、6、9 趙子豪
○閻安/林高遠 3、9 趙子豪/陳志陽
 馬龍 −10、9、6、−13、7−9 尚坤○
○朱世爀 5、2 陳志陽
(温州市体育センター体育館)

〈山東魯能 3−1 山東魏橋創業集団〉
○張継科 6、−7、5、4 任浩
 ボル −6、−6、5、−10 馬琳○
○張継科/ハオ帥 10、10 馬琳/江天一
○ボル 5、8、−9、−5、7−2 任浩
(山東大学体育館)

〈八一大商 3−1 四川長虹〉
○樊振東 9、−6、−9、10、7−2 朱霖峰
○徐晨皓 8、−8、−10、11、7−2 許鋭鋒
 王皓/周雨 −9、9、5−7 朱霖峰/陳曦○
○樊振東 5、9、9 許鋭鋒
(大連理工大学体育館)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3−1 広東陳静〉
○オフチャロフ 4、6、9 劉亜楠
 崔慶磊 −9、−10、−9 尹航○
○張超/崔慶磊 11、8 劉吉康/劉亜楠
○オフチャロフ 5、8、9 尹航
(常州市武進体育館)

〈天津豪安 3−0 覇州海潤〉
○荘智淵 7、7、−11、3 程靖チィ
○馬特 −8、6、−7、7、7−5 梁靖崑
○李平/孔令軒 3、−9、7−5 ジャイ超/程靖チィ
(東局子体育館)

 超級リーグ男子第6節は大きな波乱はなし。上位チームが順当に勝ち星を伸ばした。寧波と並んで首位の山東魯能は、山東魏橋創業集団との「山東ダービー」でドイツのティモ・ボルが今季初出場。前節の四川戦ではフライトが遅れ、試合開始直前に到着したために欠場していたボル。2番で馬琳との往年の「黄金カード」を接戦で落としたが、4番では売り出し中の若手・任浩を破ってチームに勝利をもたらした。

 ボルがチームに合流したのは、ボルシア・デュッセルドルフに歓喜の優勝をもたらした、ブンデスリーガ・プレーオフ決勝(6月8日)からわずか2日後。多くのヨーロッパ選手がオフをゆっくり過ごす中、世界最強の超級リーグでチームに帯同し、長時間の移動とタフなゲームをこなすボルとオフチャロフ。ふたりが欧州のトップに君臨する理由がよくわかる。この第6節では江蘇のオフチャロフもシングルス2勝を挙げ、好調をキープしている。

 その他の試合では、エース許シンが韓国オープン出場のために欠場した上海が、寧波と接戦を展開。サウスポー・尚坤が閻安と馬龍を連破する活躍を見せたが、孤軍奮闘の感あり。ベテランの王皓をダブルスに配するオーダーが続く八一大商は、四川長虹を破って通算成績を5勝1敗としている。
  • ボル、休む間もなく超級へ参戦(写真は14年世界卓球)

  • 当たると強いパワフル左腕・尚坤(写真は13年全中国運動会)

☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第5節 6.11 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一冀中能源 3ー1 金華銀行〉
○郭躍 10、ー9、ー10、6、7ー3 胡麗梅
○木子 7、ー6、9、4 アリエル・シン
 郭躍/劉曦 ー7、7、3ー7 周シントン/劉ジン○
○木子 9、6、7 胡麗梅
(山東東平体育会展センター)

〈微山湖 3ー0 鄂尓多斯東方路橋〉
○リ・ミョンスン 10、8、8 朱朝暉
○丁寧 ー6、1、5、6 朱雨玲
○丁寧/盛丹丹 5、ー5、10 朱朝暉/趙岩
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈大連海昌 3ー2 大土河・華東理工〉
○文佳 ー9、9、9、4 馮亜蘭
 李佳イ ー2、ー6、ー6 劉詩ウェン○
○常晨晨/李佳イ 5、4 馮亜蘭/車暁曦
 文佳 ー7、ー7、ー5 劉詩ウェン○
○常晨晨 10、9 車暁曦
(大連体育新城体育館)

〈大同金地砿業 3ー1 広東二沙〉
 郭奕宸 ー7、ー8、ー9 楊采穎○
○武楊 6、2、5 張遅
○李暁丹/劉高陽 7、7 張遅/劉韵慈
○武楊 7、5、3 楊采穎
(広東体育館)

〈山東魯能 3ー0 秋林格瓦斯・吉中州〉
○陳夢 3、6、5 劉斐
○李暁霞 ー4、ー10、9、4、7ー2 袁雪ジャオ
○陳夢/顧玉ティン 10、13 袁雪ジャオ/趙雪
(東北師範大学体育館)

 超級リーグの女子第5節は、微山湖と鄂尓多斯(オルドス)の全勝対決が行われ、トップでリ・ミョンスン(北朝鮮)が快勝した微山湖が勢いに乗り、難敵を一蹴した。
 これで開幕から5連勝の微山湖。すでに3試合が行われたホームの微山県体育館は、5500名を収容できる観客席が超満員。ちょっとした「超級ブーム」を巻き起こしていたが、なんと次節の第6節からはチーム名もホームグラウンドも変わり、「北京首鋼」クラブとして再出発することになった。シーズン中の「身売り」は超級リーグでも異例だが、新たにホームとなるのは北京市の西の郊外、石景山区にある北京首鋼バスケットボールセンター。CBA(中国プロバスケットボール)の北京首鋼のホームでもある。これで勝ち運が逃げなければ良いのだが……。

 また、これまで4連敗中の金華銀行から、アメリカ代表のアリエル・シンが超級デビュー。その実力以上に、愛らしいルックスと、「ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットと毎年卓球をしている」ことが注目を集めている。実力はまだ甲Aクラスで、超級リーグではひとつ、ふたつ勝てれば大健闘だが、クラブの目論見(もくろみ)どおり話題性は十分。「金華という地名を聞いた時、人々が金華火腿(金華ハム)ではなく、アリエル・シンを獲得した金華銀行を連想する日がやって来るかもしれない」(出典:『捜狐体育』)。アメリカでは学業に練習にと忙しいアリエル・シンも、中国全土の都市を回る超級リーグでの日々を、結構楽しんでいるようだ。
  • 超級リーグでも強さを見せつけるリ・ミョンスン(写真は14年世界卓球)

  • プリンストン大学で学ぶ才媛、アリエル・シン(写真は13年世界ジュニア)

★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第5節 6.10 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3ー1 天津豪安〉
○馬龍 9、3、2 孔令軒
○閻安 4、9、10 馬特
 閻安/林高遠 8、ー6、1ー7 李平/荘智淵○
○馬龍 7、6、ー9、4 馬特
(安吉龍山体育センター)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3ー1 覇州海潤〉
○崔慶磊 ー6、ー14、6、9、9 范勝鵬
 オフチャロフ ー5、6、ー6、ー7 梁靖崑○
○張超/林晨 ー6、8、7ー4 ジャイ超/程靖チィ
○オフチャロフ 10、8、9 范勝鵬
(覇州市卓球館)

〈八一大商 3ー0 広東陳静〉
○周雨 9、9、ー10、5 尹航
○樊振東 ー9、9、8、10 劉吉康
○樊振東/徐晨皓 9、9 尹航/劉亜楠
(英東体育館)

〈山東魯能 3ー0 四川長虹〉
○張継科 6、2、ー8、6 許鋭鋒
○ハオ帥 3、6、9 鄭培鋒
○張継科/呉ハオ ー6、9、7ー5 朱霖峰/陳㬢
(四川什邡体育館)

〈上海均瑶 3ー1 山東魏橋創業集団〉
○許シン ー9、8、ー3、9、7ー3 任浩
○尚坤 8、ー5、ー6、8、7ー2 劉イ
 尚坤/趙子豪 ー9、ー7 馬琳/江天一○
○許シン 2、8、11 劉イ
(山東省濱州市体育センター)

 ITTFワールドツアー・中国オープンでの中断を挟んで、再開された中国超級リーグ。ここからは8月初旬のプレーオフまでノンストップだ。この第5節では、オフチャロフ(ドイツ)が今シーズンの所属クラブである江蘇からデビュー。覇州戦の2番で梁靖崑とのパワー対決に敗れたものの、4番では右ペンドライブ型の范勝鵬に完勝。チームに勝利をもたらしている。

  江蘇はオフチャロフをチームにフィットさせるため、四川省男子チームの元監督で、ドイツ・ブンデスリーガでのプレー経験が長い陳宏宇(チェン・ホンユ)をコーチ陣に加えた。食事の面でも、クラブのボスである楊飛・董事長は自信満々。「食事のメニューは豊富、中華料理でも西洋料理でも何でも揃っている。少なくともオフチャロフに腹ペコでプレーさせることはないと保証するよ」(出典『金陵晩報』)。

 寧波と山東は、エースの馬龍と張継科が確実に勝ち星を挙げて5連勝。山東の張継科は、来週のジャパンオープン荻村杯に梁靖崑ら若手に混じってエントリーされているが、大会期間中の6月21日(土)に山東と寧波の大一番がある。張継科抜きだと、山東は相当厳しくなるが、果たしてすんなり出場するのだろうか?
  • 超級でも存在感を見せるオフチャロフ(写真は14年世界卓球)

  • 張継科は持病である右肩痛の状態も心配(写真は14年世界卓球)

☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第3節 5.25 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー0 八一冀中能源〉
○朱雨玲 6、4、9 劉曦
○張薔 ー10、8、ー8、9、10ー8 木子
○朱朝暉/趙岩 3、ー9、9ー7 郭躍/曹臻
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈大連海昌 3ー2 金華銀行〉
○文佳 10、2、ー7、9 劉ジン
 李佳イ ー9、7、ー10、ー1 胡麗梅○
○常晨晨/李佳イ 6、ー9、9ー7 周シントン/劉ジン
 文佳 ー9、ー4、6、ー8 胡麗梅○
○陳幸同 7、ー6、7ー5 楊揚
(金華市体育センター)

〈微山湖 3ー0 広東二沙〉
○リ・ミョンスン 2、7、7 童海苗
○丁寧 9、3、4 張遅
○丁寧/盛丹丹 4、7 童海苗/楊采穎
(山東省微山県体育センター体育館)

〈大土河・華東理工 3ー0 秋林格瓦斯・吉中州〉
○馮亜蘭 9、3、6 王曼昱
○劉詩ウェン 4、9、7 陳可
○馮亜蘭/江越 8、5 陳可/袁雪ジャオ
(大土河体育館)

〈山東魯能 3ー0 大同金地砿業〉
○陳夢 ー7、6、7、9 武楊
○李暁霞 9、ー9、4、5 劉高陽
○陳夢/顧玉ティン 5、5 李暁丹/劉高陽
(大同大学体育館)

☆超級リーグ女子総合順位(第4節終了時)
1  鄂尓多斯東方路橋   4勝0敗
2  微山湖        4勝0敗
3  八一冀中能源     3勝1敗
4  山東魯能       2勝2敗
5  大土河・華東理工   2勝2敗
6  大同金地砿業     2勝2敗
7  大連海昌       2勝2敗
8  秋林格瓦斯・吉中州  1勝3敗
9  広東二沙       0勝4敗
10 金華銀行       0勝4敗

 超級女子も第4節が終了。意外なチームが首位を走っている。内蒙古自治区の鄂尓多斯(オルドス)市に本拠地を置く鄂尓多斯東方路橋だ。エース朱雨玲の安定感に加え、右ペンホルダードライブ型の張薔(チャン・チャオ)が成長。第2節で陳夢、この第4節では木子と国家1軍チームの主力クラスを連破している。ハイトスサービスからの3球目フォアドライブと、少々不器用な感じの裏面ドライブで粘り強く得点を重ねるスタイルだ。ちなみにこの試合で鄂尓多斯が試合を行ったのは、今シーズンのホームグラウンドであるエジンホロ旗全民活動センター。「旗」は内蒙古自治区の行政区分で、人口は14万人なので日本だと市ぐらいの感覚か。

 北京市から山東省済寧市微山県に引っ越した微山湖(昨年のチーム名は北京控股・燕京啤酒)も、4連勝と絶好のスタートを切った。「華麗なる脱皮」と称したマスコミもある。ホームグラウンドは地元の観客で超満員になり、チームのムードも非常に良いという。「今シーズンは常に積極的な姿勢で、試合に臨むことができています。盛丹丹やリ・ミョンスンもとても良いプレーをしてくれている。ひとりだけの力に頼るのではなく、チーム全員で力を尽くす。これが団体戦の魅力です」(丁寧/出典『中国体育報』)。次節の第5節で、全勝の鄂尓多斯東方路橋と微山湖の全勝対決が実現する。
  • なんとも苦しそうにプレーする張薔(写真は13年全中国運動会)

  • 久々に充実のシーズンを送る丁寧(写真は14年世界卓球)

★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第4節 5.27 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3ー0 覇州海潤〉
○馬龍 8、7、3 程靖チィ
○閻安 9、8、7 范勝鵬
○閻安/林高遠 ー8、6、7ー1 ジャイ超/程靖チィ
(覇州市卓球館)

〈天津豪安 3ー2 広東陳静〉
○馬特 ー11、6、ー4、7、8ー6 ワン・ヤン
 荘智淵 ー6、8、ー7、ー9 劉吉康○
○孔令軒/李平 5、2 ワン・ヤン/劉偉恒
 馬特 ー14、ー2、ー8 劉吉康○
○李平 6、9 劉偉恒
(天津財経大学体育館)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3ー0 四川長虹〉
○崔慶磊 3、8、5 許鋭鋒
○張超 8、6、ー6、4 頼佳新
○張超/林晨 8、5 許鋭鋒/朱霖峰
(淮安市淮陰体育館)

〈八一大商 3ー0 山東魏橋創業集団〉
○王皓 ー9、7、9、8 任浩
○樊振東 10、8、ー4、7 張ユ東
○樊振東/周雨 4、10 馬琳/于子洋
(大連理工大学体育館)

〈山東魯能 3ー0 上海均瑶〉
○方博 ー5、2、8、9 許シン
○張継科 8、14、6 趙子豪
○方博/ハオ帥 7、6 尚坤/趙子豪
(済南奥体センター東荷体育館)

★男子総合順位(第4節終了時点)
1   山東魯能      4勝0敗
2   寧波海天      4勝0敗
3   江蘇中超電纜・紫砂 3勝1敗
4   八一大商      3勝1敗
5   上海均瑶      2勝2敗
6   山東魏橋創業集団  2勝2敗
7   天津豪安      1勝3敗
8   覇州海潤      1勝3敗
9   四川長虹      0勝4敗
10  広東陳静      0勝4敗

 超級リーグ男子は第4節が終了。まだ5月17日の開幕から2週間経っていないが、週に2回のペースでポンポン試合が進んでいく。6月4〜8日に四川省成都市でITTFワールドツアー・中国オープンが行われるため、男子の場合、次の第5節は6月10日の開催になるが、そこから8月2日の第18節まではノンストップで試合を消化。相当タフなスケジュールになっている。

 第4節を終え、全勝は山東と寧波の2チーム。張継科と馬龍というスーパーエースが、このスタートダッシュを支えているのは言うまでもない。例年はスロースターターの張継科も、開幕から順調に勝ち星を重ねている。ちなみに張継科、最近『南方人物周刊』という雑誌のインタビューに登場。さほどやる気を感じさせないやり取りの中で、こんなコメントをしている。「子どものことは遙かに先の話だけど、まず第一に、卓球というスポーツをやらせようとは思わない。ぼくはこのスポーツの難しさを、身を持って知っているからね」。父親から受けたスパルタ教育ゆえか?

 父と子、ということでは八一大商の王皓の子煩悩ぶりも話題になっている。5月17日の開幕戦では、まだ生後6カ月の息子、王睿庭(ワン・ルイティン)くんを会場に連れて来ている。「前は試合はすべて自分のためだったけど、今は家庭もあるし、息子もいる。責任感やコートに立つ心境というのは、やっぱり違うよね」(出典『捜狐体育』)。第4節の山東魏橋戦ではトップに出場し、「自分の期待しているレベルのプレーではなかった」と言いながらも、きっちり先制点を挙げている。
  • 王皓、若手主体のチームをけん引

  • ワン・ヤン(スロバキア)とのカット対決を制した馬特(天津豪安)