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中国リポート

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☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第3節 5.25 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一冀中能源 3ー1 大連海昌〉
○劉曦 ー7、7、9、9 文佳
 木子 ー9、ー7、7、3、4ー7 陳幸同○
○郭躍/曹臻 5、10 常晨晨/李佳イ
○木子 9、9、4 文佳
(山東東平体育会展センター)

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー0 広東二沙〉
○朱雨玲 ー9、6、13、9 張遅
○ユ・モンユ 5、8、6 童海苗
○趙岩/朱朝暉 6、4 張遅/李予冬
(エジンホロ旗全民活動センター)

〈秋林格瓦斯・吉中州 3ー2 金華銀行〉
 陳可 ー8、ー8、ー12 劉ジン○
○袁雪ジャオ 8、8、12 胡麗梅
○姚俊羽/袁雪ジャオ 8、8 周シントン/劉ジン
 陳可 ー6、ー6、ー7 胡麗梅○
○王曼昱 3、9 周シントン
(金華市体育センター)

〈微山湖 3ー2 山東魯能〉
○リ・ミョンスン 9、8、ー6、8 陳夢
 丁寧 ー6、ー12、ー7 李暁霞○
○丁寧/盛丹丹 6、ー10、7ー5 陳夢/顧玉ティン
 リ・ミョンスン ー5、ー11、ー6 李暁霞○
○盛丹丹 ー9、12、8ー6 王シュアン
(済南奥体センター東荷体育館)

〈大土河・華東理工 3ー1 大同金地砿業〉
○馮亜蘭 5、ー5、12、2 劉高陽
○劉詩ウェン 14、7、7 李暁丹
 馮亜蘭/江越 ー7、ー5 武楊/郭奕宸○
○劉詩ウェン ー8、4、ー10、8、7ー1 劉高陽
(大同大学体育館)

 超級リーグの女子第3節の結果は上記のとおり。
 金華銀行を接戦で破り、超級リーグ初勝利を上げたのは秋林格瓦斯・吉中州。袁雪ジャオ(ユエン・シュエジャオ)と姚俊羽(ヤオ・ジュンユ)という河南省チームのシェークドライブ型ふたりで2点を取り、ここまで3勝1敗と好調の王曼昱(ワン・マンユ)がラストを締めた。この身長170cmクラスの長身トリオはなかなか強力。姚俊羽は今シーズン、日本リーグのアスモでもプレーするので、そのヨーロッパスタイルのパワープレーは一見の価値ありだ。

 そして第3節最大の注目カードは、微山湖(北京市女子チーム)と山東魯能の一戦。微山湖はエース丁寧をダブルスに下げ、カットのリ・ミョンスン(北朝鮮)を2点起用する思い切ったオーダー。そしてリ・ミョンスンはトップで陳夢を破り、見事に期待に応えた。山東は今シーズン初めて2点起用された李暁霞が、期待どおり2勝を挙げたものの、ラストで「元・愛ちゃんのコピー選手」王シュアンが盛丹丹に競り負け、熱戦は微山湖に軍配。微山湖はこれで開幕から3連勝。「都落ち」が良い薬になったのか、これまで頼りなかった2番手の盛丹丹が勝ち星を稼げるようになってきた。

下写真:ルックスも似ている河南省女子チームのふたり。左が袁雪ジャオ、右が姚俊羽。(写真は13年全中国運動会)
 5月24日、江蘇省南通市のホテルで、2000年シドニー五輪女子複銀メダリストの李菊(リ・ジュ)が結婚式を挙げた。
 新郎の劉生恵氏は河南省出身で、北京市在住の投資家。昨年6月に北京市の財界人を通じて知り合ったとのこと。最近では、李菊は劉氏の手ほどきでゴルフも嗜(たしな)んでいる。年齢は明らかにされていないが、明らかに今年38歳の李菊よりは年上。王楠や張怡寧、リ・ジャウェイと同じく年上の資産家とのゴールイン。……それだけ卓球選手のステータスも高いということか。

 結婚式には元中国女子チーム監督の陸元盛や、同じ江蘇省出身でともに世界で活躍した楊影、さらに丁松、牛剣鋒、王輝といった元中国代表選手たちも出席。「菊迷」と言われた李菊のファンの中からも、8名が招待された。

 驚異的なスイングスピードから繰り出されるカミソリドライブで、一世を風靡(ふうび)した李菊。シドニー五輪の直前から、原因不明の体調不良や皮膚病などに悩まされ、01年に自ら国家チームを引退。しかし、02年のアジア競技大会で中国女子が優勝を逃したことから、再び国家チームに招集され、03年世界選手権では3位入賞。そのプレーはいまだに鮮烈な印象を残している。中国リポート担当も彼女のプレーが大好きでした。「恭喜恭喜(おめでとう)!」。
★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第3節 5.24 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3ー1 広東陳静〉
 閻安 ー9、8、ー7、9、3ー7 劉吉康○
○馬龍 5、2、4 ワン・ヤン
○閻安/呂翔 6、8 ワン・ヤン/劉偉恒
○馬龍 9、8、8 劉吉康
(安吉龍山体育センター)

〈覇州海潤 3ー2 四川長虹〉
○程靖チィ 11、ー3、10、8 鄭培鋒
 范勝鵬 ー7、10、4、ー9、1-7 朱霖峰○
 ジャイ超/程靖チィ ー7、ー8 朱霖峰/許鋭鋒○
○范勝鵬 10、ー4、ー3、10、7ー2 鄭培鋒
○ジャイ超 10、8 許鋭鋒
(覇州市卓球館)

〈山東魏橋創業集団 3ー1 天津豪安〉
○劉イ 5、9、3 荘智淵
 任浩 4、ー4、ー8、ー10 馬特○
○馬琳/于子洋 ー6、4、9ー7 李平/孔令軒
○任浩 7、ー8、8、ー9、7ー4 荘智淵
(天津財経大学体育館)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3ー0 上海均瑶〉
○張超 ー6、ー7、6、5、7ー5 許シン
○崔慶磊 10、ー4、5、ー7、8ー6 尚坤
○張超/林晨 9、7 尚坤/趙子豪
(上海青浦体育館)

〈山東魯能 3ー2 八一大商〉
 方博 7、ー6、ー7、ー11 樊振東○
○張継科 7、13、15 徐晨皓
 方博/ハオ帥 ー8、ー6 王皓/周雨○
○張継科 7、3、1 樊振東
○ハオ帥 6、2 周雨
(済南奥体センター東荷体育館)

 超級リーグ男子第3節は、上海均瑶と八一大商という強豪チームがともに敗れる意外な結果となった。
 八一大商は山東魯能との大一番に敗れた。勝負の大きな分かれ目となったのは、4番の張継科対樊振東。ここ1年ほどの対戦成績は五分に近い両者だが、この試合は張継科が完勝。敗れた樊振東は「完璧にペースを握られて、まったくノーチャンスだった。常にスコアを離されて打つ手がなかった」(出典:『半島晨報』)と完敗を認めるコメント。一方、勝利した張継科は、試合後に樊振東に歩み寄ってアドバイスを与えている。「(樊振東の)今日の敗因は、重要な場面で冷静にプレーできなかったことだ。そういう場面ほど、まず冷静であること、次に正確であること、そして積極的であることが重要だ」(張継科/出典『大連日報』)。

 今シーズンはハオ帥とボル(ドイツ)という二大補強を敢行した山東魯能。助っ人のボルは、6月8日にドイツ・ブンデスリーガ男子1部のプレーオフ決勝(ボルシア・デュッセルドルフ対フルダ・マーバーツェル)が控えているため、参戦はしばらく後になるが、ハオ帥の獲得は大きい。相手チームのスーパーエースに勝つのは厳しいが、3番手以下にはそうそう負けない。3〜4名の選手でオーダーを組むこの4単1複の団体戦では、ポイントゲッターとして最も重宝するタイプだ。

 第3節を終え、男子は山東魯能と寧波海天の2チームが3戦全勝。一方、四川長虹、天津豪安、広東陳静の3チームはまだ勝ち星がない。
  • 先輩の貫禄を見せた張継科(写真は2014世界卓球)

  • 大器はまだまだ発展途上、樊振東(写真は2014世界卓球)

☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第2節 5.21 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一冀中能源 3−0 広東二沙〉
○木子 6、4、4 童海苗
○劉曦 8、7、8 張遅
○郭躍/曹臻 5、8 張遅/楊采穎
(広東体育館)

〈大連海昌 3−2 秋林格瓦斯・吉中州〉
○文佳 6、4、ー8、10 劉斐
 李佳イ ー6、8、3、ー9、6ー8 王曼昱○
○常晨晨/李佳イ 6、6 袁雪チャオ
 文佳 ー9、11、ー9、12、4ー7 王曼昱○
○常晨晨 5、ー10、7ー2 姚俊羽
(大連体育新城体育館)

〈鄂尓多斯東方路橋 3−0 山東魯能〉
○朱雨玲 9、9、ー4、ー11、7ー3 顧玉ティン
○張薔 13、6、ー7、5 陳夢
○趙岩/朱朝暉 5、9 顧玉ティン/李暁霞
(済南奥体体育センター東荷体育館)

〈大同金地砿業 3−1 金華銀行〉
○武楊 9、8、6 胡麗梅
○劉高陽 5、8、6 周シントン
 武楊/郭奕宸 ー8、ー6 周シントン/劉ジン○
○劉高陽 6、9、ー7、ー7、9ー7 胡麗梅
(金華市体育センター)

〈微山湖 3−0 大土河・華東理工〉
○盛丹丹 13、6、10 劉詩ウェン
○丁寧 8、5、4 車暁曦
○盛丹丹/李佳原 3、10 江越/車暁曦
(山東省微山県体育センター体育館)

 超級リーグ女子第2節は波乱に満ちた結果となった。
 まず、優勝候補の山東魯能が鄂尓多斯(オルドス)にホームで完敗。世界卓球閉幕からまだ2週間あまりで、エース李暁霞がダブルスで戦列に復帰したが、ストレート負け。2番では陳夢が右ペンドライブ型の張薔に敗れている。
 また、大土河・華東理工も絶対的な主力である劉詩ウェンも、小柄ながらパワーのある盛丹丹に敗れた。これまでは超級リーグでも、調子の上がらない世界代表の主力クラスを置き去りにして、序盤からスイスイと勝ち星を重ねてきた劉詩ウェンだが、今回の世界卓球は心身ともに切り替えが必要かもしれない。一方、微山湖は開幕から2連勝。エースの丁寧は「練習環境も衣食住の環境もとてもいい。北京にいるのと変わらずに練習ができている」と語る。

 その他の試合では、毎シーズン渋い活躍を見せる大同金地砿業が、金華銀行に勝利。武楊と胡麗梅のカット対決は武楊がストレート勝ち。昨年の「直通パリ」で対戦した時も武楊が完勝しており、「中国女子最強チョッパー」の称号は譲らない。この第2節では、他にも広東二沙の童海苗、秋林格瓦斯・吉中州の劉斐という2人のチョッパーが出場している。全10チーム中6チームがカット主戦型の選手を抱えており、超級女子を勝ち抜く上ではカット対策が欠かせないのだ。
  • 相変わらずの強さを見せる武楊

  • 小柄ながらパワードライブが強烈な盛丹丹

★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第2節 5.20 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3−2 四川長虹〉
 閻安 −4、5、−10、−8 許鋭鋒○
 馬龍 −7、7、−4、−9 鄭培鋒○
○閻安/林高遠 7、9 朱霖峰/頼佳新
○馬龍 9、8、−8、7 許鋭鋒
○朱世爀 7、3 朱霖峰
(四川什ファン体育館)

〈山東魏橋創業集団 3ー0 広東陳静〉
○任浩 −9、8、9、9 劉吉康
○江天一 −2、8、9、12 尹航
○馬琳/于子洋 −7、6、7−3 劉亜楠/尹航
(英東体育館)

〈上海均瑶 3−0 覇州海潤〉
○尚坤 −4、5、6、6 范勝鵬
○許シン 2、4、4 ジャイ超
○尚坤/趙子豪 4、−4、7−2 ジャイ超/程靖チィ
(上海青浦体育館)

〈山東魯能 3−2 天津豪安〉
○張継科 8、−4、5、8 馬特
○ハオ帥 8、−10、3、10 李平
 張継科/方博 −6、−5 李平/孔令軒○
 ハオ帥 −8、3、−7、−12 馬特○
○方博 9、−7、7−2 孔令軒
(東局子体育館)

〈八一大商 3ー0 江蘇中超電纜・紫砂〉
○樊振東 6、−10、11、3 崔慶磊
○徐晨皓 5、7、6 張超
○樊振東/周雨 11、9 張超/林晨
(淮安市淮陰体育館)

 超級リーグ男子第2節は、寧波海天や山東魯能という強豪クラブが接戦に持ち込まれ、ヒヤリとさせられる展開となった。
 まず寧波海天は、馬龍と閻安という2枚看板が前半で2失点を喫する誤算。馬龍を破った鄭培鋒は11年世界ジュニア3位の右ペンドライブ型で、テクニシャンというよりは力勝負を挑むタイプ。馬龍にとってはトップ閻安の敗戦と、第2ゲームにラバーが切れ、ラケットの交換を余儀なくされたことが影響したようだ。それでも2−2に持ち込み、ラストで勝負できるのが寧波の強み。朱世爀が左シェークドライブ型の強打者・朱霖峰を下し、事なきを得ている。

 一方、前半で2−0とリードしながら、ラストまで持ち込まれたのが山東魯能。張継科/方博のダブルスで勝負に出たが、李平/孔令軒に完敗。ラストで方博が踏ん張ったが、危ないところだった。考えてみると、張継科という選手はシングルスではビッグタイトルを総ナメにしているが、ダブルスでは世界選手権で一度もタイトルを獲っていない「一匹狼」なのだ。
 山東魏橋は広東陳静を破り、超級リーグ初勝利。江蘇を破った八一大商のメンバーは、第2節に先がけ、スポンサーの大商集団が経営する大連・新瑪特ショッピングモールで「一日店員」を体験。王皓や樊振東が店員の名札を胸につけ、洋服売り場で接客や展示品の整列をしている。徐晨皓クンあたりだと、卓球選手だと気づいて貰えない可能性が大だが……。
  • 閻安に先輩の意地を見せた許鋭鋒。国家チームを引退したばかり

  • あの郭躍華も期待を寄せていた鄭培鋒

 5月18日の超級リーグ女子開幕戦で、金華銀行に3−2で競り勝った微山湖チーム(北京市女子チーム)。ラストでリ・ミョンスン(北朝鮮)が右ペン粒高攻守のカットキラー、周シントンを破る殊勲の星を挙げたのは、昨日お伝えしたとおり。彼女にはコーチと北朝鮮大使館から派遣されたスタッフの2名が帯同するということだったが、帯同するコーチが意外な人物であることが判明した。01年世界選手権大阪大会・女子単3位のキム・ユンミだ。

 キム・ユンミはフォア面に裏ソフト、裏面に粒高ラバーを貼る中国式ペン攻守型。粒高での「裏面ショート」は卓球界に衝撃を与えた。01年世界選手権で李菊(中国)らを破ったプレーも語り草だが、中国では02年アジア競技大会決勝の中国対北朝鮮戦で、3番で李楠を破り、北朝鮮の優勝に貢献したことがよく知られている。このアジア競技大会決勝のビデオを見たことのある丁寧が、「ビデオに映っていた人じゃないの?」とすぐに見抜いたという。

 05年シーズンには甲Aリーグの吉林省チームに加入し、現在でも簡単な中国語での会話はできるというキム・ユンミ。微山湖の閻永国監督はカタコトの中国語で、キム・ユンミを通じて周シントンの特長をリ・ミョンスンに伝えた。もちろん、キム・ユンミからも「ペン粒高によるカット攻略」のセオリーと対策がリ・ミョンスンに伝えられたに違いない。そうでなければ、カット打ちに驚異的な安定感を誇る周シントンを、初対戦で破るというのは考えにくい。それくらい周シントンのカット打ちはうまい。
 超級リーグでベンチに入る資格がないため、観客席からリ・ミョンスンのプレーを見守るキム・ユンミ。あの裏面ショート、エキシビションでいいからもう一度観たいものだ。
  • 大変古い写真で恐縮ですが、キム・ユンミをご存じない方のために(01年世界選手権時)

☆☆☆ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 女子第1節 5.18 ☆☆☆
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈八一冀中能源 3ー1 秋林格瓦斯・吉中州〉
 郭躍 10、−9、9、−8、3−7 王曼昱○
○木子 7、7、5 劉斐
○郭躍/劉曦 7、ー9、8ー6 陳可/袁雪チャオ
○木子 5、−9、−6、2、7−3 王曼昱
(東北師範大学体育館)

〈山東魯能 3ー0 広東二沙〉
○顧若辰 7、−5、9、13 童海苗
○陳夢 9、−7、8、−8、7−3 張遅
○顧玉ティン/王シュアン 6、2 張遅/楊采穎
(広東体育館)

〈大同金地砿業 3ー1 大連海昌〉
○武楊 3、4、7 陳幸同
○李暁丹 −5、8、9、4 文佳
 李暁丹/劉高陽 −8、8、1-7 常晨晨/李佳イ○
○武楊 9、9、−6、12 文佳
(大連体育新城体育館)

〈鄂尓多斯東方路橋 3ー1 大土河・華東理工〉
○朱雨玲 8、−9、9、−8、7−4 車暁曦
 趙岩 −4、−11、7、−7 劉詩ウェン○
○趙岩/朱朝暉 8、−8、7−5 江越/車暁曦
○朱雨玲 9、11、−7、4 劉詩ウェン
(大土河体育館)

〈微山湖 3−2 金華銀行〉
 盛丹丹 −11、9、−9、−6 胡麗梅○
○丁寧 7、5、2 楊楊
○盛丹丹 −5、6、7−3 周シントン/劉ジン
 丁寧 5、−10、3、−9、−5 胡麗梅○
○リ・ミョンスン 5、11 周シントン
(山東省微山県体育センター体育館)

 超級リーグ女子も開幕戦が行われ、全5試合が開催された。
 強豪チームが「トップ4」を形成している男子に比べ、女子は実力伯仲(はくちゅう)。李暁霞と陳夢の2枚看板が揃う山東魯能や、八一冀中能源、大同金地砿業などが優勝候補だが、劉詩ウェン(大土河・華東理工)、丁寧(微山湖)、朱雨玲(鄂尓多斯東方路橋)、胡麗梅(金華銀行)など各チームにスーパーエースが在籍し、番狂わせを狙う。ただひとり置いてけぼりを食っているのが広東二沙。劉詩ウェンが抜けてから、2シーズン連続で全敗(14連敗&16連敗)という有り様で、今シーズンも残念ながら最下位は免(まぬが)れないだろう。

 開幕戦の注目選手は、八一冀中能源戦トップで郭躍を破った秋林格瓦斯・吉中州の王曼昱(ワン・マンユ)。昨年の世界ジュニアで見た時は、まだ体の線が細く、ラケットに振り回されている感もあったが、時折見せる長身から突き刺す強打に「末恐ろしい子だな」と感じたのを覚えている。今シーズンで好成績を残し、より練習環境の整ったクラブへステップアップしたい。ちなみにチーム名の秋林格瓦斯(チュウリン・クワス)は、事前情報でもお伝えしたとおり、ビールに似た微アルコール性の清涼飲料「クワス」を作るメーカー。

 もうひとりの注目選手は、北京市女子チームを母体とする「微山湖」の助っ人選手、リ・ミョンスン(北朝鮮)。金華銀行戦ラストで、対カットに抜群に強いペン粒攻守型・周シントンを撃破。チームに大きな大きな開幕戦での勝利をもたらした。北京市にある北朝鮮大使館経由で契約交渉を行い、超級リーグでの戦いにも北朝鮮のコーチや、大使館派遣のスタッフが随行するというリ・ミョンスン。移動や食事は他のメンバーたちと一緒で、約3カ月のシーズンで支払われる給料は5万元(約81万円)だそうだ。
  • 昨年の世界ジュニアでの王曼昱のプレー

  • リ・ミョンスンはラストで見事な勝利(写真は14年世界卓球)

★★★ 2014中国卓球クラブ超級リーグ 男子第1節 5.17 ★★★
※3番ダブルスと5番シングルスは3ゲームズマッチ。1・2・4番の第5ゲームおよび3・5番の第3ゲームはすべて7点先取で行うため、「7−4」「9−7(ジュースの場合)」と表示

〈寧波海天 3−0 山東魏橋創業集団〉
○馬龍 3、6、3 馬琳
○閻安 −8、11、4、9 劉イ(火×4)
○閻安/林高遠 8、−9、7−4 馬琳/江天一
(山東省濱州市体育センター)

〈上海均瑶 3−0 四川長虹〉
○許シン 9、12、−9、−7 7−2 朱霖峰
○尚坤 −8、10、9、−5、7−5 鄭培鋒
 尚坤/趙子豪 −6、−10 朱霖峰/許鋭鋒○
○許シン −9、4、11、11 鄭培鋒
(四川什ファン体育館)

〈山東魯能 3−0 広東陳静〉
○ハオ帥 −5、3、−10、10、7−4 尹航
○張継科 8、9、−8、9 劉吉康
○ハオ帥/方博 10、−6、7−5 劉吉康/劉亜楠
(英東体育館)

〈八一大商 3−1 覇州海潤〉
○樊振東 −9、10、−9、8、9−7 程靖チィ
○周雨  8、10、6 范勝鵬
 王皓/周雨 11、−6、2−7 程靖チィ/ジャイ超○
○樊振東 7、5、7 范勝鵬
(大連理工大学体育館)

〈江蘇中超電纜・紫砂 3−0 天津豪安〉
○崔慶磊 2、6、8 孔令軒
○張超 4、8、−9、5 馬特
○張超/林晨 3、8 孔令軒/李平
(淮安市淮陰体育館)

 聞き慣れない名前は昨シーズンの甲Aリーグ1位、山東魏橋創業集団くらいか。その他、「上海金邁馳→上海均瑶」「八一熔盛重工→八一大商」「渤海銀行・天津→天津豪安」というように冠スポンサーが変わっている。「八一」は人民解放軍の卓球チームだが、今年からデパートや大型スーパーを展開する大商集団がスポンサーになった。ホームグラウンドも昨年までの江蘇省南通市から、大商集団の本社がある遼寧省大連市へと大移動。このあたりも日本のプロ野球やJリーグとは感覚が違う。

 この2シーズンは入れ替え戦がなく(昇格のみ)、一昨年の8チームから2シーズンをかけて10チームまでチーム数を増やした。今シーズンからは甲Aリーグとの入れ替え戦も復活する。リーグ全体を見渡すと、寧波海天、上海均瑶、山東魯能、八一大商の4チームが「トップ4」を形成。この4チームに対してサプライズを起こすことができるのは、オフチャロフが加入する江蘇中超電纜・紫砂くらいかもしれない。

 寧波海天対山東魏橋という、昨シーズンの優勝チームと昇格チームの一戦は、寧波海天が快勝。トップの馬龍対馬琳は「新旧・優勝請負人対決」。馬琳は試合前に「地元のファンに何を見せられるかが重要だし、成績はあくまでその一部。プロ根性というものを見せなければいけない」(出典:『寧波晩報』)と語っていたが、結果は完敗。今シーズンは茨(いばら)の道になりそうだ。

Photo:先輩・馬琳をノックアウトした馬龍
(写真は14年JA全農世界卓球)
 開幕前に知っておきたい超級リーグの直前情報TOP8。後編では1〜4位をご紹介しましょう。今シーズンは男女とも週に2回ずつ試合を行い、グイグイ進行。中国リポートも乗り遅れないよう気をつけます……。

Rank 1 馬琳が昇格チームのエースとしてプレー

・先日、国家チームからの引退記念式典に出席した馬琳。国際大会の第一線からは身を退いたが、超級リーグでは今年もプレー続行。甲Aリーグから昇格した山東魏橋の1番手としてプレーする。
 国家チームを引退後、早くも顔つきがふっくらしてきた馬琳だが、どこまでモチベーションを保てるのか。カットの劉イ、香港の江天一らがチームメイトだ。ちなみにライバルだった王励勤はプレーはせず、上海均瑶の監督として登録されている。

Rank 2 ボル&オフチャロフ、今シーズンも超級リーグでプレー

・ティモ・ボル(ドイツ)は昨シーズンに所属した江蘇中超電纜・利永紫砂から山東魯能に移籍。張継科、ハオ帥らがチームメイトとなる。一方、江蘇中超電纜・利永紫砂には入れ替わる形で、広東陳静からオフチャロフが移籍している。昨シーズン、「外援(海外からの助っ人選手)」としては史上最高と言える成績を収めたふたり。JA全農世界卓球の男子決勝で張継科を破ったオフチャロフの知名度も上昇しており、戦力だけでなく集客力でも頼りになる存在。

Rank 3 プレーオフ決勝は8月10日。史上最短のシーズン?

・今年の超級リーグはプレーオフ準決勝が8月8・9日、決勝が8月10日に行われる予定。北京五輪開催のためにシーズンを短縮した08年シーズンなどを除くと、史上最短クラス。わずか3カ月にも満たない。ヨーロッパの国内リーグのシーズン開幕前にプレーオフを終了させ、ボルらヨーロッパ選手もフルで参戦できるようになった。

Rank 4 ハオ帥、地元・天津から山東魯能へ移籍

・天津渤海銀行のエース・ハオ帥が山東魯能に移籍。天津渤海銀行には荘智淵(チャイニーズタイペイ)や、昨年の世界ジュニア代表・孔令軒らが加わるが、今シーズンから復活する降格争いに巻き込まれそう。
 明日、5月17日にまず男子が開幕を迎える『2014中国卓球クラブ超級リーグ』。男女10チームのメンバー紹介をしたいところですが、いまだに不確定な部分もチラホラ。まずは知って得する事前情報、TOP8をお伝えしましょう。TOP10ではなくてTOP8なのは、中国では「8」のほうが縁起が良いからです…。
 まずは5〜8位からご紹介。

Rank 5 天才少女アリエル・シン、金華銀行に加入

・アメリカ女子チームのアリエル・シンが、今シーズンは金華銀行に加入。クラブの斯海代表は「彼女の高い人気と商業価値が、彼女と契約した最大の理由。成績はそれほど重視しない」と言いにくいことをはっきりコメント。在学するプリンストン大学の試験が5月25日にあるため、開幕戦には間に合わないとのこと。中国名の邢延華(シン・イェンホア)でプレーする。

Rank 6 北京市女子チーム、悲しい“都落ち”

・女子で昨シーズン5位の北京控股・燕京啤酒が、昨シーズンいっぱいで北京控股集団とのスポンサー契約が終了。北京市では新たなスポンサーを見つけることができず、山東省西部にある観光地・微山湖を抱える微山県が資金協力を申し出た。今シーズンのチーム名は「微山湖」。東京のクラブが、「浜名湖」や「諏訪湖」というクラブ名で出場するようなものか……。北京市チームの張雷総監督は、首都・北京での卓球人気の低迷を嘆く。

Rank 7 勝利の「美酒」には弱すぎる?

・今シーズン、女子超級リーグに参戦する「秋林格瓦斯」。冠スポンサーは黒龍江省ハルピン市にある飲料メーカーで、「格瓦斯(クワス)」は東欧からロシア一帯で飲まれているライ麦と麦芽を発酵させた微アルコール性飲料のこと。「勝利の美酒」というにはちょっとパンチ不足か。
 昨シーズン、甲Aリーグで優勝した河南大成集団房産が母体で、河南省女子チームの袁雪嬌や趙雪が在籍。監督は黒龍江省チームの総監督から、吉林省チームの総監督に転身した王永剛(吉富永剛)。スポンサーは黒龍江省で、選手は河南省と黒龍江省と江蘇省のミックス、吉林省をホームとして戦うという、混沌を極めたチームだ。

Rank 8 北朝鮮のスーパーエース、超級リーグでプレー

・13年世界選手権ベスト8のリ・ミョンスン(北朝鮮)が、超級リーグに参戦。微山湖チーム(北京市チーム)の一員としてプレーする。まだカット打ちが万全とは言えない丁寧のスパーリングパートナーでもある。鄭怡静(チャイニーズタイペイ)も微山湖チームに所属している。