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平成28年度全日本選手権速報

■男子シングルス
優勝:水谷隼(beacon.LAB)
2位:吉村和弘(愛知工業大)
3位:平野友樹(協和発酵キリン)
3位:吉田海偉(Global Athlete Project)

■女子シングルス
優勝:平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)
2位:石川佳純(全農)
3位:橋本帆乃香(四天王寺高)
3位:佐藤瞳(ミキハウス)

■男子ダブルス
優勝:丹羽孝希/酒井明日翔(明治大)
2位:藤村友也/吉村和弘(愛知工業大)
3位:水谷隼/吉田雅己(beacon.LAB/愛知工業大)
3位:松山祐季/木造勇人(愛工大名電高)

■女子ダブルス
優勝:平田有貴/永尾尭子(アスモ)
2位:土田美佳/宋恵佳(中国電力)
3位:若宮三紗子/森さくら(日本生命)
3位:山本怜/明神佑実(中央大)

■混合ダブルス
優勝:田添健汰/前田美優(専修大/日本生命)
2位:吉村真晴/石川佳純(名古屋ダイハツ/全農)
3位:時吉佑一/藤井優子(ZEOS/愛媛銀行)
3位:横山輝/土田美佳(原田鋼業/中国電力)

■ジュニア男子
優勝:木造勇人(愛工大名電高)
2位:宮本春樹(愛工大名電高)
3位:沼村斉弥(野田学園高)
3位:高見真己(愛工大名電高)

■ジュニア女子
優勝:笹尾明日香(横浜隼人高)
2位:長崎美柚(JOCエリートアカデミー)
3位:加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)
3位:早田ひな(希望が丘高)

これで全日本速報は終了します。
詳しい模様は、本誌卓球王国4月号(2月21日発売)に掲載します。お楽しみに!
 表彰式後、会見場で行われたチャンピオンふたりの優勝者会見は下記のとおり。

★平野美宇の優勝会見

「本当に優勝できてうれしい。今回優勝しないと最年少優勝はできなかった。いろいろな方々の支えのおかげです。
(優勝した後に涙がありましたが?)今まで勝って嬉し涙を流したことはなかったけど、去年リオ五輪の代表から落ちて悔しかったので、この優勝がうれしかった。石川さんは3連覇中だし、去年は負けている相手だったから、思い切っていこう、今年は絶対勝ってやろうと思っていました。
 第5ゲームは(8ー2になって)ちょっと優勝を意識したけど、プレー自体はそんなに悪くなかった。また気持ちを切り替えようと思ったし、気持ちがひるむことはなかった。相手がすごい選手だとか、そういうことを考えていたら戦えない。今日は優勝できて100%の力が出せたと思います。去年は出足が悪かったので、その反省点を生かしました。

 今回は初めて優勝できて、すごい自信になりましたし、良いスタートが切れました。今年は世界選手権もあるし、国際大会でも全日本チャンピオンにふさわしい成績を残したい」

★水谷隼の優勝会見

「想像以上に厳しい決勝戦で、終わって放心状態ですね。最後までうまくサービスをコントロールできて、最後まで積極的にプレーできたことが良かった。たくさんの観客の方が来て下さったし、リードされるたびに「水谷頑張れ!」という声援も聞こえてきて、それを聞くたびに「ここから、ここから」と自分に言い聞かせた。それも勝てた要因だと思います。
 
 まだまだ日本には、安定してものすごく強い選手というのはいない。ぼくが引退した後に、まだ昔みたいに弱い日本になってしまったらこまるので、ひとりでも多く強い選手がでてきてほしい。

 準決勝でゲームカウント0ー2の1ー4になった時は、かなり負けを覚悟しましたね。あの場面で、さすがにここからの挽回は厳しいんじゃないかと思いました。相手のプレーが出来が良すぎて、これはぼくにも止められないというのは感じたし、相手にラッキーポイントも多かった。ただ、相手がラッキーなまま試合が終わることはないと思っていたし、我慢だと思ってプレーしました。

 リオ五輪でメダルを獲って、勝つことが当たり前だと思われているし、ある意味「ハイリスク・ノーリターン」ですよね。勝っても自分の中で盛り上がるものがないし、負けたら「五輪後に練習していなかったから」とか「テレビにたくさん出ていたから」と言われる。それでも勝たなければいけないけど、今まで以上の喜びというのはないですね」
 男子決勝は王者・水谷隼と吉村和弘の対決。
 準決勝で吉田海偉を打ち崩した吉村の勢いは落ちていない。1ゲーム目を11-9で吉村が取った。チキータが冴えている。
 2ゲーム目は、水谷はサービスの組み立てを変え、自分のペースに持ち込み、11-7で取り返した。ここからが本当の勝負だろう。
 3ゲーム目、水谷はレシーブから完全に吉村を崩している。5-4から8-5、9-7、ラリーを制し10-7とゲームポイント。11-8で水谷が連取し、ゲームカウントを2-1とした。徹底してストップレシーブを使い、台上からの展開に持ち込んでいる。

 4ゲーム目、5-7から7-7に水谷が追いつき、8-7で逆転、8-8から吉村のスーパープレーが出て、9-8と吉村リードするが、チキータを水谷がカウンターで狙い、9-9で吉村がタイムアウト。10-10とジュースになり、ここで水谷がサービスミスするも11-11に持ち込む。13-11で水谷が取り、史上最多の9度目の優勝に近づいた。

 5ゲーム目、1本目からエンジン全開の水谷。2-2から5-2と離す。6-4、7-5と優勝に近づく。7-6、8-6、10-6とマッチポイント。最後はドライブを決め、9度目の優勝。史上最多の優勝記録を塗り替えた。
「リオでメダルを獲った重圧が強かったけど、最終的に優勝できて良かった。初優勝した時からこの記録は狙っていました。11年という長い道のりでした。いつか東京体育館が満員になってほしいと思ってました。そこでプレーができて幸せです。吉村君のチキータはすごかった。そこを封じることができた。もっともっと若い選手が強くなって、ぼくから優勝を奪い取ってほしい。死ぬ気でこのタイトルを守ってきた。まだ世界卓球でメダルを獲っていないので、そこで中国を倒してメダルを獲りたい」と試合後のコメント。

★吉村 試合後のコメント 
 実力は水谷さんは凄く上なので、立ち向かっていくだけだったが、悔しい。
 レシーブから積極的にチキータでしかけて、できるだけラリーにしないような戦術で取り組んだ。(第4ゲームは)プレッシャーを与えられたが、7-3のチャンスを逃してしまった。相手は徹底的に自分のフォア前を攻めてきて、そこをうまく攻略できなかったところが一番大きいと思う。
 今大会、1試合1試合全力で集中力高く戦えて、精神的なところでのレベルアップが一番大きい。課題は、フォア前に多く攻められるので、台上でのプレーの幅を広げていくこと。
 (兄・真晴が五輪でメダル獲得について)オリンピックでメダルをとったことは凄く嬉しいが、やはり兄弟としては同じ卓球選手なので、今回は兄を超えるという強い気持ちで臨んだ。今年1年良いスタートが切れた。プレッシャーもかかるが、世界で通用できる選手になりたい。


●男子シングルス決勝
水谷隼(beacon.LAB) -9、7、8、11、6 吉村和弘(愛知工業大)
 女子の決勝、石川対平野。2年連続の同一カード、1ゲーム目はいきなり4-0と平野がリード。6-2、6-4、7-5、9-5、次々と平野のバッククロスのカウンターが決まる。10-5、11-6で平野が先取した。平野の積極的な両ハンドが石川を攻める。

 2ゲーム目、3-3から5-3と平野がリード、6-4、7-5、攻め続ける平野と攻め返す石川、8-7、8-8となったが、9-8と平野が取ると、また石川のカウンターで9-9。平野がフリックレシーブで10-9でゲームポイント。10-10と石川もゆずらないが、12-10で平野がゲームを連取する。

 2ゲームを連取された石川。3ゲーム目、4-4、6-4、で石川が意地を見せる。9-8で石川がタイムアウト。11-8で石川が取り返した。平野の強打を1本しのいで、カウンターにつなげていくようになっている。

 4ゲーム目、4-4から5-5、8-8と両者譲らず、10-8と平野リードから10-9、最後は石川のドライブがオーバーミスして11-9で平野が取り、3-1とゲームをリードして優勝に王手を掛けた。
 
 5ゲーム目、平野が思い切りの良いフォアハンドで攻め込む。6-2と平野が優勝に一歩一歩近づく。8-2、8-3、8-4、8-5と石川が追い上げてきたところで、平野がタイムアウト。石川のサービスエースで8-6、次はレシーブ強打で8-7。そして8-8と追いついた。
 7本連取で9-8と石川リード。9-9になったあと、石川が10-9と先にゲームポイント。ここで平野がサービスミスをして11-9と石川が取り返し、ゲームカウントが3-2となった。

 6ゲーム目、平野はまたもや5-1とリード。6-1から6-4、6-5、7-5、7-6、8-6、9-6と平野はまたもや優勝へ近づく。10-6とマッチポイントは平野。最後も強打で決め、平野が史上最年少の優勝を決めた。
 それにしても最初の1本目から最後の1本まで攻め続けた平野美宇は素晴らしかった。若きチャンピオンの誕生となった。
●女子シングルス決勝

平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園) 6、10、-8、9、-9、6  石川佳純(全農) 


 4連覇を狙う石川佳純を破ったのは高校1年の平野美宇。
 以下は、試合直後のインタビューから。
「リオ(五輪)に出られなくてとても悔しかったので、絶対優勝したいと思っていました。今年優勝しないと史上最年少にはならないので、今年は優勝を狙っていました。とくに昨年の決勝で負けていた石川(佳純)さんに勝てて優勝できたのはとてもうれしいです。5ゲーム目を落とした時は少し焦りましたが、自分から攻める卓球を心がけてきたので、最後まで貫きました。そういう卓球を教えてくださったコーチや周りの方々に感謝したいです。
 この大会で優勝すると世界選手権に選んでもらえると思うので、出て、中国選手を倒したいです!」
 往年のフットワーク、強烈な3球目パワードライブは少なくなったとはいえ、現代卓球の最新型のような吉村のプレーに老かいなテクニックと試合運びで対抗した吉田海偉。ペンホルダーの意地を見せ、コート高く舞い上がるロビングからの逆襲で大いに観客を沸かせた。以下は試合後のコメント。

「惜しかったけど、あとちょっとが一番難しい。今大会8試合目で、疲れも正直ありましたけど、水谷とやりたくて頑張りました。対戦相手は若い選手ばかりで、自分はオールフォアなのでキツいですけど、それが好きなのでしっかり体力トレーニングして、また来年頑張りたい。
大観衆の中でやれるこの雰囲気は大好きで、試合後にも拍手を送ってもらってありがたかった。年齢は35歳だけど気持ちは25歳。歳をとっても全然気にしないし、40歳までやりたい。普通の人には負けないです」(吉田)
 もうひとつの男子準決勝は吉村和弘(愛知工大)と吉田海偉(Global Athlete Project)の対戦。吉村は、吉村真晴の弟で、現在ブンデスリーガ2部の『ケーニヒスホーフェン』で9勝1敗の成績を上げている。一方の、吉田はポーランドの『グルジョンツ』でプレーしている。

 第1ゲームは吉村は11-4で圧倒する。吉村の強打が次々決まる。2ゲーム目、3-1で吉田リード。6-6と吉村が追いつく。7-6で吉田のロビングを吉村が空振りで8-6。9-6でまたロビングでしのぎ10-6。10-8と追い上げる吉村。11-8で吉田が取り返した。

 3ゲーム目、吉田が中盤でリードを奪い、11-8で取り、4ゲーム目は11-6で吉田。決勝進出に王手を掛けた。
 5ゲーム目、4-0で吉村が出足でリード。11-7で吉村が取り返した。ゲームは3-2で吉田。
 6ゲーム目、出足から吉田のロビングが吉村を苦しめる。4-2と吉田がリードするも吉村が6-5と逆転。11-7と吉村が取り、3-3とゲームタイとなり、最終ゲームへもつれこんだ。
 
 最終7ゲーム目、5-3で吉村リードでチェンジエンド。6-5から吉村は中陣から強烈なバックハンド。7-5から吉田は2本連続サービスミスで9-5。10-6で吉村マッチポイント。吉田のサービスエースで10-7、最後はバックハンドで決め11-7で吉村が逆転勝ちした。

●男子シングルス準決勝
吉村和弘(愛知工業大) 4、-8、-8、-6、7 、7、7 吉田海偉(Global Athlete Project)
●男子シングルス準決勝
水谷隼(beacon.LAB) -9、-3、7、8、6、11 平野友樹(協和発酵キリン)


男子の準決勝は水谷隼(beacon.LAB)対平野友樹(協和発酵キリン)の対決。
 1ゲーム目、平野が6-4とリードする。7-5、8-6、8-7、9-7、平野が10-9でゲームポイント、サービスエースで11-9で平野が先取した。

 2ゲーム目、2-2から5-2と平野がリード。7-3とリードを広げる。11-3で平野が一方的な展開。平野のカウンターがt次々に決まっていく。

 3ゲーム目も出足から平野の攻撃が決まり、3-1。4-1で水谷がタイムアウト。4-4に追いつく水谷。平野の連続攻撃で6-4と再びリード。6-6とまた水谷が追いつく。サービスからの展開で8-6と水谷がリード。レシーブを攻撃、ストップと10-6と水谷がゲームポイント。11-7と水谷が取り返し、ゲームカウントは水谷の1-2となった。

 4ゲーム目、平野は攻め続け、3-0、4-1とリード。5-3、5-4、5-5と水谷が追いつく。水谷がロングサービスでサービスエースで6-5に逆転、7-5、7-6、8-6で水谷のサービス。3球目攻撃を決め、9-6とリードを広げる水谷。ラリー戦を制し10-6と水谷がゲームポイント。10-8と平野が追い上げる。最後は11-8で水谷が取り、2-2にゲームを戻した。

 5ゲーム目、出足から平野は飛ばしていく。2-0、激しいラリーの応酬を水谷が制し、2-2。3-3、4-4と一進一退の展開。6-4と平野がリード。サービスから得点できない水谷は流れをつかめない。6-6と追いつく水谷。7-6と水谷が逆転。フォア前に上回転を出し、フロックさせたボールを狙う水谷が8-6、ストップレシーブで9-6、10-6と水谷がゲームポイント。11-6と水谷が取り、3-2とゲームを逆転した。

 6ゲーム目、水谷が3-0とリードで平野がタイムアウト。3-3と平野が追いつく。水谷が3球目ドライブで4-3、4-4、5-4、6-4、6-6と平野が追いつく。水谷がストップレシーブからの攻撃で8-6とまた引き離す。
 9-7から9-8、9-9と平野がまた追いつく。激しい戦いとなった。先にゲームポイント奪ったのは平野。10-10から浮いたボールを水谷が空振りで、11-10と平野、ここで水谷がバックハンド強打で11-11。12-11で水谷がマッチポイント。最後は3球目の台上バックハンドで13-11で、水谷が激闘を制した。

 苦しい試合を振り返った水谷のコメント。「1ゲーム目取られてから頭が真っ白になってしまって、どんどん相手のペースになってしまった。最後は何とか気持ちで勝つことができた。3ゲーム目のタイムアウトからなんとか挽回することができた。相手のサービスが良くて、それに対応できなかった。11回目の決勝なので勝ち方はわかっている。自分に負けないように最高の試合をしたいです」
 チキータを封印して、台上はすべてストップレシーブから展開。また予想以上に平野の攻撃もよく、王者水谷は苦しんだ。決勝の相手は吉村か吉田か。史上最多の9度目の優勝に挑む。



★平野コメント
 相手がチャンピオンというのは関係なく、勝てそうな試合で勝てなかったのが悔しい。
 サービスに苦しまなかったので良い展開になった。水谷さん相手にフォアで勝負するのは厳しく、バックを途中まで振れたが、最終的にバックをつぶされた。最初は台上からフォアに来ていて、そこから大きいラリーになってバックを振れたが、途中は台上からバックに来られて苦しくなった。
 水谷さんは大事な場面でミスが少なく、かけひきがうまい。リードしていても追い詰められている感じがして、全てにおいて凄いの一言。攻めても攻めている気がしない。
 3ゲーム目、4ゲーム目も前半まで流れがあったと思ったが、台上のかけひきで足が止まってしまい、自分の特長を封じられた。駆け引きの場面で最後思い切りが足りなかった。3ゲーム目もトントン行っていたらもっと勝ちに近い試合ができたかな。
 長い手足から変幻自在のカットと攻撃を繰り出す橋本帆乃香。変化の激しいバックサービス、ラケットをラリー中に頻繁に反転させるカットプレー、前陣に出てクロス・ストレートに打ち分ける両ハンドの攻撃と、対戦相手は安心してカットが打てない。ダブルスを組む佐藤瞳も「橋本さんは私にないものを持っている。攻撃へ持ち込む展開などがすごく参考になる」と語る。
 平野のミドル攻めに屈したが、カットで世界を狙える逸材であることは間違いない。何よりカットが非常に低く、基礎レベルが抜群に高い。以下は試合後の橋本のコメント。

「自分の持っているものを全部出し切ってやるしかないと思っていた。0-4で負けたけど、取りあえず自分の力は出せた。今の試合でもらった課題を生かしたい。自分が攻められて、入れるしかなくなったので、サービスから3球目や、攻撃の精度や比率を上げ、もっと攻撃的なプレーを増やしたい。

 平野さんは中国にいってプレーしたからか、威力が増し、メンタル面も崩れなかった。プレー全体は変わっていなかったとしても、安定感がすごく増していたのが印象に残った。ミドルとか、取りにくいところに攻められていると感じた。(平野戦を想定して)相手の3球目が威力があると思っていたので、それを取る練習や、短くとめられてから次を狙われた時の、前から後ろのパターンを練習してきた。

 今回の全日本はここまで来られると思わなかったし、120%の力が出せた。来年いろんな選手が向かってくると思うので、負けないだけの精神力で臨みたい。カットしてから前に出てバックで打つのが得意だけど、今後、カットしながら後ろから攻撃するパターンも身につけたいと思います」(橋本)
 平野美宇(JOCエリートアカデミー)対橋本帆乃香(四天王寺高)の高校生同士の準決勝。
 1ゲーム目、平野が9-3とリード。10-4から10-7、そして11-7で平野が先取した。平野も低めのドライブ、対する橋本も低いカットで応酬し、攻撃対カットのラリーでありながら早いテンポで進んでいった。

 2ゲーム目、平野0-2、2-2、5-6から7-6。9-7、10-8と進み、11-8で平野が連取した。要所で橋本の攻撃も決まったが、平野の攻撃もミスがない。ここまでの試合の流れは平野が握っている。

 3ゲーム目、3-0、6-5、7-7、9-7、9-8、10-8、11-9。最後まで平野はリードを保ち、連取した。橋本の鋭いカットに対してミスがない平野。

 4ゲーム目、5-4、6-5、8-5、8-6、9-6、9-7、10-7からの長いラリーではスマッシュをしのいだ橋本がバックハンドスマッシュの逆襲で意地を見せた。10-8で平野はタイムアウト。最後は平野のボールがネットインをしてエッジをかすめ、4-0のストレートで勝負は決まった。

「カット打ちはあまりやっていない。なるべく早く試合を終わらせようと思っていた」と試合後に平野はコメントを残した。
 平野は手強い相手と思われた橋本に完勝。自力をつけているのは間違いない。
 決勝は石川対平野の2年連続の対決となった。

●女子シングルス準決勝
平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園) 7、8、9、8 橋本帆乃香(四天王寺高)