カテゴリー別アーカイブ: 未分類

天才

彼(彼女)は生まれながらにして才能がある。

あの人は天才ですから。

 

よく、超一流とよばれるアスリートだとかアーティスト、すばらしい実績をのこしてきた人達に対してぼくたちは、

こんな表現をしていたりするんじゃないかなあと思います。

 

たぶん多くの場合はその人たちに対する感嘆の念と一緒に

『とてもじゃないけど自分たちには真似できないよアハハ~』

的な想いも入りまじっているんじゃないかなぁと思ってはいるんですが、

この『才能』というやつは、後天的に身につけることはできないんだろうか

ということが昔からずっと疑問だったんですね。

 

で、実はその「『天才』とか『才能』の類は後天的につくることはできるのか」みたいなことが書いてある本に、こないだたまたま出会うことができたので

今日はその内容について、ぼちぼち書いていけたらなと思っています。

 

で、で、この本に書かれている結論をいいますと、ちゃんとやることやれば、

後天的に得られないものは「ない」ということらしいのです。わーお。

 

スポーツでいえばテクニック、筋力、戦術、フィギュアスケートなどでいう表現力とかね、

そういうものはいくらでも後天的に伸ばしていくことが可能なんだということなのであります。

(ただ、歳をとるごとに骨格とかはどうしても固まってしまうので、そういう身体的なところはしょうがないらしいです。)

 

これはもう「OMG(オーマイゴッド)」以外のなにものでもありません。

 

で、で、で、よく天才が生まれる音楽とか芸術の世界では、

才能うんぬんよりもいかに練習をデザインできるかが肝心なようですね。

 

あ、そういえば、張本くんはナショナルチームの合宿では誰よりも多く練習しているんだという話を、

同じ合宿に参加した後輩に聞いたことがあります。

 

昼休みになってみんなが休憩に入っても、

彼だけは1人残ってお父さんとマンツーで多球練習をひたすらこなしているらしいのです。

それが終わってから昼休みに入ると。

 

そういう日々の練習の積み重ねが、彼という天才をつくったんですね。

 

で、で、で、で、その本では『いかに練習するか』『いかに限界的練習を作ることができるか』みたいなことが、

超一流をつくりだすカギなんだと結論付けていたわけでありますが、

きっと大事なことは『いかに限界に挑み続けられるか』ということと、

そうすることで超一流(天才)はつくれる『かもしれない』ということですよね。

 

よくPractice makes perfectともいわれますけど、

その練習もただ漠然とやればいいってもんでもないみたいで。

 

特に「練習の目的を明確に意識してやる」のか「漫然と練習する」のかでは大きく違うそうです。

 

何かに挑戦するのは大変だし失敗もしまくると思うんですけどね、

超一流といわれる人たちに共通する特徴が、「限界に挑むこと」とか「一日何時間は練習するぞ」という日課的なものが、

すでに生活に組み込まれていることなんだと思います。

 

どんなに超人的で変態的な技能をもっているひとでも、

見えないところにたくさんの頑張りがあってのことなんだなあと。

このことは、覚えておこうと思った次第であります。

負けずぎらい

子供に卓球を教えてると思うんです。当たり前だけど、最初は試合なんか出ても負けばっかりですやんか。

試合に出るたび負ける。出ていきなり優勝なんてなかなかない。まれですよね、ホントにまれ。

 

あ、それと、子育てしててしょっちゅう思うんですけどね、子供ってめっちゃ負けず嫌いですやんか。(うちの子だけなのかしら。)

じゃんけんひとつでも、自分が負けたくないからってへいきでルールを変えるんです。

じゃんけんのルールを変えるんですよ。チョキで負けたら『ぼくのチョキはグーより強いから、ぼくの勝ちね。』とか言って。

 

なめてない?

 

いや、世の中を。

そんな勝つことばっかりじゃないのさって思うのです。

負けることがあるから勝ちがうれしいんでしょうよ。っていう。

 

負ることがあるから勝つために頑張るわけだしさ、だからねたまには負けたっていいんだよって、しょっちゅう言ってるんだけどなかなか分かってくれないんです。

いっつも『でもしゃあ(でもさあ)』からはじまる言い訳がずらずら出てくるんですよ。

 

ここではなしは少し飛躍するんですが、あの百獣の王ライオンさんがですね、実はあまり狩りがうまくないのだということを最近知ったのですよ。

どうやら、狩りの成功率はだいたい20%くらいらしいのです。

 

狩りのとき、相手が大きいヤツだと吹っ飛ばされて、小さいヤツだとちょこまか逃げられたりと、わりとね、失敗ばっかりらしいのですよ。

それでも狩をやめないのは、食べられないと、死ぬから。

狩りで勝たないと、生きていけないからですよね。

 

勝負の世界でも、勝たないと生き残れないんですよね。勝てば生き残れるけど、負けたら死ぬんです。

 

勝負の世界に生きているトップアスリート達は、そんな世界で生きているのね。今さらだけど思い出した、しんどかったけど楽しかった。と思う。

あれ、ぼくはトップアスリートだったんだっけ?っていう疑問は、この際置いておいて。

 

先日引退されたイチローさんも、ヒットの数の倍の数、失敗してるんですもんね。

それでも勝ちに行こうと挑戦してた姿は、やっぱりカッコよかったですね。どんだけ上から目線なんワタシ。

 

永遠に勝ち続けるのはムリだけど、そのために頑張る姿は、やっぱりカッコいいものですね。

アストロズで頑張る子供たちも(アストロズの人だけとは言わず)、そういう姿を見るとなんだか凄いなあって思うし、自分もがんばらないといけないなあと、最近自分勝手に思ってみたりしてます。

 

思ったんです。

ダーウィンの進化論をすごくわかりやすく言うと

 

「進化しないんだったら、消えてください。」

 

ということになりますよね。

中国女子の卓球は今や『プレーの男性化』でさえも時代遅れだと言われているような時代ですから、ほんとに大変な時代ですよねえ。

 

それで、今日はもりした何を書くのかなというとね、『チキータ』という技術についてです。

 

これ、実はぼくが現役のころはほとんど誰もやってなくて、けっこう珍しかったのね。

だけども今となってはトップ選手全てが当たり前のように使っていて、

『ほほう。最近の卓球は進化しとりますなあ。』などと感心するばかりなのであります。

 

世界トップクラスのチキータなんて、もうスピードが光の速さに近いというか

やられた方は軽くパニックになっちゃうくらいの速さになっちゃってるわけで、暴れん坊将軍なわけで、もはや。

 

僕が引退したのは確か2012年の冬なんですけどね

その頃チキータをうまく使う選手というのは、身近な人だとシチズン時計の軽部くんぐらいだった気がするんです。

 

だから個人的に、あいつはスゲースゲー言ってたんだけど、

今となってはトップ選手のほぼ全員が使えてるので、

『いやー今の若者はスゴイね。後世恐るべしだね』

とか偉そうに言っている昨今なのです。

 

それでこないだね、たまたま現役の子と練習する機会があって、

まーいっちょチキータをとってみようかということで、

はりきってチキータを打たせてみたんですよね。

 

華麗に打ち返してやろうと、なんなら軽くカウンターくらいしてやるぜくらいに思ってたんだけどさ

球が身体に突き刺さるんじゃねーかってくらいのスピードで、

しかも磁石でも入ってんじゃねえかってくらいの曲がり具合でボクの身体めがけて突っ込んできまして、結局

 

 

謎のストリートダンスみたいな動きしかできませんでした。

 

 

現役引退から約7年くらいたって、卓球はここまで変わってるのかとしみじみ思いましたけどね、

同時に過去の技術とか理論とか常識みたいなものって、ことごとく通用しなくなっていくんだなあと、

あらためて学んだのであります。

正しい身体操作

一時期、ぼくがトレーニングとか理学療法とか東洋医学とかについてやたらとマニアックにしていたのはほんのごく一部の人しか知らないことだと思うんですが、

これはぼく自身が「チョー健康になりたいっ!」とか「結果にコミットして2ヶ月で自分史上最高のカラダを手に入れたいっ!」とか、そういう理由でやってたわけじゃないんですよね。

 

この時ぼくが考えていたことというのは、どうにかこうにかこの知識うんぬんを卓球とかコンディションづくりに活かせないものなぁという、まぁそれなりにありきたりなことだったりするわけです。

実はこういう心境になったのにはワケがありましてですね、少し前にアストロズで子供達を教えていた時、台上プレーがやたらとできない子がいたんです。

 

相手のコートに入れるだけならまだなんとかできるんですが、何度やっても鋭い球が出ない。

たぶんその球じゃ何球打っても一撃でぶち抜かれますけどっていうような球しか出ないんです。

 

ぼくはラケットの動かし方もしっかり見本を見せていたし、その子はイメージだってしっかり頭に描けていたはずなんです。

でも、何度やらせても正直言ってうまくなっていく気が全くしなかったんですよ。

 

ただ、練習の後に彼と何気ない会話をしていてわかったことなのですが、彼は手首がふつうの人と比べて尋常じゃないくらい硬かったのです。

手首を持って反対側に反らすストレッチをしても、多くの人であれば大体90度くらいまで曲げられるところ、彼はほんのちょっとしか曲げられなくて、最初「ふざけてやってるのかな。」って思いました。いやいやいやと。それはないと。なんでやねんと。

 

とにかくそんな状態だったものですからね、まずは手首を柔らかくする為のストレッチとか手首を強くする為のトレーニングを教えて少し続けさせたとことろ、 これまたビックリするくらいいいボールが出始めたんですよ。

多分ですけど、あの手首の状態だったらどんなに沢山台上技術の練習をしても、ざるに水をドバドバいれてるのにちっとも水が溜まらないんですけどって言ってるようなもので、何年たっても威力のあるネットプレーは身につかなかったと思うんです。

 

その事がきっかけで、『ああ、技術を身につけるためにはある程度身体も正しい状態にしとかなきゃいけないんだな』って思うようになったんです。

そのできごとが、まーきっかけでした。

 

それでね、やっぱり何か複雑な動きをする為には基本的な動きがちゃんとできていなきゃいけないわけです。

例えば走ることと歩くことのどっちが方が基本的な動きですかって言ったらそれはもちろん「歩く」です。

ただボールを投げる動作とイチローのレーザービームのように ボールを投げる動作だったら、当然「ただボールを投げる動作」の方が基本的な動きです。

普通の呼吸と、腹圧を最大限に高めるような呼吸とでは、前者の方が基本的な動きになります。

ノーベル文学賞を取るような文章を書くことと、ひらがなが読み書きできることで言えば、後者が基本的な動きです。

微分積分を問題なくできることと、九九を暗唱できることで言えば、やっぱり後者が基本的な動きになります。

 

ほとんど全てのことにおいて、基本的な動きが「先に」あって、それがちゃんとできて初めて特殊な動きができるようになるというわけですよね。

 

 

これをかいつまんで言うと基本的な動きができなかったら、特殊な動作はもっとできない。

 

っていうことになるわけですね、当たり前のこと言ってますけど。

 

だからまずは基本的な動きのレベルをある程度のものにしとかなきゃいかんなあと思ったわけなのですはい。

卓球の技術だけじゃなくて、身体も、その身体をつくる食事なんかのことも、勉強していかなきゃなぁと思ったわけであります。

 

ということで、引き続き卓球の技術だけじゃなくて体の動かし方とかメンテナンスとか、トレーニングとかそういうことも、勉強していきたいなあと思っているんですの。

そんなわけで、最近は書店でよさげな本を見つけては手にとって、見つけては手にとってをくり返しています。

 

ご応募につきまして

どもども。

すみません今日はご連絡だけ。

こないだユーチューブのLili Ping Pong Channelさんの動画でお話をさせて頂きました

株式会社三英さんからの人材募集につきましてですね、

現在かなりの数のご応募を頂いておりまして、本日19:30をもちまして受付終了とさせていただきます。

これ⇒https://www.youtube.com/watch?v=MDIPHOkbmUI

 

 

三英の専務の三浦さんもボクも「こんな短期間でこんなに応募来るんかい!!」と驚きましたが

ほんとうに、みなさんご連絡・ご応募ありがとうございます。

 

ざんねんながら今回はご縁が結ばれなかった方もいらっしゃいますが

ひきつづき、三英さんからの人材募集はホームページとかその他何かしらのところから

情報発信されると思いますので、またチャレンジしてほしいなあと思います。

 

 

今回本当にたくさん応募をいただきまして

みなさんの「卓球界でがんばりたい!」という気持ちに触りまして

熱烈なお言葉もいただきまして

それについて際限なく語りたいような気持ちもありますが、煎じ詰めれば「ありがとうございます」だと思います。

 

また、なにかあれば情報、はっしんしますね。

 

ぼくも卓球界のためにできることをしていきますので

おたがいに、がんばりましょうね。

 

ではでは。

エスプレッソと卓球

こないだ妻とカフェにいきまして、ぼくは先に注文して席についていたのですが

席で待っていたところ、ちょっとあとから妻が身体を上下にくねくねさせて爆笑しながらこっちにむかって歩いてきたんです。

 

正直その姿がホントに気持ち悪くて若干引いちゃったのですが、まずは、まずはね、彼女が席に座って落ち着いて、ちゃんと話ができそうになるまで待ってたんですのよ。そしたら

『ねえ、見て?』

って笑いながら持ってるカップの中身を見せてくれたんです。

そしたら普通の大きさのカップに対して中身が

 

これだけしか入ってなかったんですけど、それをぼくに見せながら

『こんなことって、ある?』

って、ゲラゲラ笑いなから言うんですよ。

 

どうやら、彼女はエスプレッソを頼んだみたいなんですが、この姿のエスプレッソは今まで見たことがなかったらしく、やたらツボってたんですね。

たまにあるじゃないですか、この『ギューって凝縮されてる苦いエスプレッソ』。

 

きっとコンビニとかによくある、あのカップのエスプレッソを想像して頼んだんだろうなあ。

それなのに、注文したらあんな姿のものが出てきちゃったもんだからおかしくなっちゃったんだろうなあ。

 

まあ、でもほら、見た目はこんなだけど美味しいかどうかは飲んでみなけりゃわからないじゃないかと。もしかしたらすごくおいしいかもしれないじゃないかと。妻はそう思ってそれを一口ごくりと飲んでみたところ、すごい顔をしながら

『にっが。』

って呟いていました。

 

結局彼女はそのあとそのエスプレッソを店員さんに持っていって

『これにお湯、入れてくれませんか。』

ってお願いしてたんですが、そのとてつもなく苦い液体にお湯を加えて薄めた飲みものは、普通に美味しかったみたいです。

ぼくもそれを飲んでみたんですが、普通に美味しかったです。
というか普通のコーヒーでした。

 

彼女はきちんとした(失礼)カフェでエスプレッソを頼んだのは初めてだったらしいのですが、こういう姿のエスプレッソがあるということを、今回頼んでみて初めて知ったんだそうです。

で、これって卓球もそうだなって思ったんです。

 

 

かつて荻村伊智朗さんはこんなことを言っていたそうですよ。

『たとえその技術や戦術自体を人に教えることができたとしても、それを使う人の気持ちまでを理解できる人は少ない。』

 

例えば9-9でフォアにロングサーブを出せばいいとわかってはいても、それを出すのがどれだけ怖いか。

団体戦のラスト、セットオール10-10のレシーブをフリックすればいいとわかってはいても、それをするのがどれだけ勇気のいることか。

いくら中国代表の球質が異常だと聞いていても、どれくらい異次元なボールなのか。

それらは、やっぱり実際に経験したことのある人じゃないとわからないわけです。

 

世界のトップにながいこと君臨し続けている、あの水谷くんでさえ『国際大会初出場』という時代があったんだろうし、

そしてそういう『はじめての経験』から失敗やら痛いことやら、もちろんうまくいったことやらもろもろを重ねてようやく今あの場所に立っているのだと思います。

その1つ1つの経験が、失敗と成功が、悩みや葛藤が、苦悩や努力の全てが、エスプレッソみたいに濃く凝縮されて彼の強さをささえ、彼に結果をもたらしいているのではないだろうかと。

 

そんなことをあの日、苦いコーヒーを飲みながら考えていたんです。

 

・・・だんだん何書いてるかわかんなくなってきました。

 

どうやらだいぶ疲れがたまっているようですね。

ことばの難しさ

第40代大統領をつとめたロナルド・レーガンのあまりにも有名な言葉で、

『私はアメリカ大統領としての資質をすべて備えている。第一に抜群の記憶力、第二に…えーっと、何だったかな…』

というのがありますが、こういう『なんだかよくわからないんだけどおもしろいこと』を全日本の優勝インタビューの第一声とかでぶっ放せたら、たぶんものすごい人気ものになれるんじゃないだろうか。そんなことを、最近1人でずっと妄想してます。

 

むかし、当時無敵の強さを誇っていた偉関晴光さんが、全日本の優勝インタビューでの第一声、涙を流しながら

『勝ったイセキ強かった。』

という一瞬耳を疑うような言葉をおっしゃってたかと思うんですが、

そういう言葉って、ものすごくインパクトあるし頭に残るんですよね。

そして、これまた偉関さんがとってもいい人なので、それがまた余計にその言葉にブースターをかけたというか、『この人が言うんだから、なんかいいよね』っていう感じになってるんでしょうね。

というかなっとるんだわ、実際。

 

この言葉以降、これだけインパクトのある優勝インタビューは聞いていない気がします。

 

やっぱり言葉って、すごい力を持ってると思うんですよ。

ベンチでアドバイスするときだって、戦術を言ったほうがいいのか、

そういうの自分で考えたいタイプだから言わないほうがいいのか、

技術的なことを言ってほしいタイプなのか、もう『雑談』で終わらせてほしいタイプなのか、

そういうのって人によって全然違うんで、こちとらそういうのメッチャ気にするわけです。

だって、ベンチからかける言葉次第で、選手は時にひらめきだったり、時に戦術のヒントだったりを得るわけじゃないですか。

 

いや、もちろん倉島さんとか村上さんとか馬場さんとか、ああいういわゆる達人の領域にいる人たちは

そんなことはいちはやくパッと掴み取って、選手に的確な言葉を送れていると思うのですが、ボクみたいな凡百の人間は何を言おうものかとものすごい悩むのであります。

しかも、一度口からついて出たものは取り消せないですしね。

ほんと、言葉って難しいんだなぁと最近つくづく思うのです。

 

あ、そうそう、なんだかこれ書いてて思い出したんですけどね、いつの七夕だったか忘れたんですが、保育園に飾られた短冊に

 

『いっぱいけっこんしたい』

 

ってのが書いてあって、この言葉になんだかずいぶん癒されたのを覚えています。

 

 

限界突破のススメ

最近あまり卓球ができていなくて、というか運動自体ができていないんですけど、でもそれって身体にとってはやっぱり良い事ではないわけじゃないですか。

というわけで、久しぶりにランニングをしてみたんです。だけど、思いのほか走れなかった。

もう、すぐにしんどくなってしまいまして。

 

その時、ふと『限界』というものについて考えたことがありまして、まあせっかくなので現役の頃を思い出しながらここにつらつらと色々と書いておこうかなぁと思ったわけであります。

 

よく肉体的な限界の前には心理的な限界が訪れるといいますけど、これは実際の肉体的な限界よりも随分と手前にあるのだなぁと高校生の時から感じてはいたのですが、その考えは今でもあまり変わっていません。

 

つまりこの時僕が『これ以上走れない』『これ以上バーベルは上げられない』『これ以上勉強できない』『もう疲れたよパトラッシュ』などと思ったその瞬間に訪れているその『限界』は、まさしく心理的限界なのではないだろうか、というお話です。

 

ここで少し話が飛躍するんですが、目標を立てて何かを目指したことのある人なら経験があるはずなのですが、

例えばスポーツで県チャンピオンを目指しても、県チャンピオンにはなれなかったはずなんですね。

県チャンピオンを狙ってやっとベスト8〜ベスト4くらいかな。僕はそう思っています。

 

もちろん、『それはお前が不器用で頭も悪くて運動神経も皆無だったからでしょ?』と言われる可能性も大いにあるのですが、それはあまり考えたくないので、ほとんどの人はそうなのだということにしましょう。

ともあれ、県チャンピオンを目指すと、なかなか県チャンピオンにはなれないのですね。

 

これはスポーツに限らず勉強でもなんでも、目標に向かって一生懸命努力するんだけれども、なかなか目標を達成することができない人が大勢いるということをうまいこと説明してくれている気がするんです。

 

 

どうやら普通の人間というのは、目標を目指したら、そこには到達できないようにできているみたいなのです。

 

 

なんだか身も蓋もないこと言ってる気がしますけど。ただ、この事に気づいてその現実に正面から向き合った瞬間に、多くの人は目標達成への階段をようやく登り始めることができると僕は確信しています。

どういうことか。

あの、つまりですね、その事実を知った瞬間から、人はトチ狂ったかのように常軌を逸した努力をしだすのです。

 

県チャンピオンを目指してベスト8だったその日から、大衆の3倍くらいの努力を開始するのです。

あいつバカなんじゃねえの。

と言われるくらいの。
それくらいの努力を毎日毎日積み重ねて、ようやく県チャンピオンに近づける。

僕、今これさらっと言ってますけど、しかしこれは極めて大事なことだと思うんです。

 

よくスポーツの世界では人の3倍努力しなさいと言われることがあるけれど、しかしながらここで大事なのは人の3倍の努力がどうということではなくて、『目標に向かうその極めて平凡な努力では、きっと目標は達成できないよ』という悲しい事実の方です。

 

これを理解することなく3倍努力しまひょー。と言ったところで、それはただのスローガン以上ものにはならない。

 

時折、中々強くなれなくて(結果が出なくて)、どうすればいいでしょうか的な質問を色々されることがありますが、実は解決策は簡単なのかもしれないわけです。

今僕が書いてきた理屈に従えば、県チャンピオンの3倍くらいやれば、県チャンピオンくらいにはなれる。(もちろん、ちゃんと頭を使った努力でないと結果は出ません。)

 

僕は一度、国体で敗戦した次の日に朝4時から坂道ダッシュしている日本のトップ選手を見つけて絶望したことがあります。

すでに日本のトップにいる選手がこれほどまでのことをしている。

日本のトップには到底届かない自分がこの程度のことしかしていなくて、どうして彼らに近づくことができるのか、と。

あまりにショッキングな出来事に、僕はその場でホテルの庭に腰を下ろし30分ほど天を仰ぐことになりました。

 

その日から、月並みな言葉ですが心を入れ替えて猛烈に頑張りだしたのを覚えています。

今思えば、ぼくはこうやって色々な人に助けられてきたのかもしれませんね。

 

ともあれ、どうせ頑張るなら少しだけ常軌を逸した事をしてみても面白いよ、なーんてことを言ってみたりして。

その経験は、卓球以外のところでもきっと活きますからネ。

 

動画が出ました。

あの、なんかすみません、この記事自体書こうかどうかすごく悩んだんですけど、結局書きました。

 

ぼくみたいなもんが動画って言ってもDVDとかそういうのじゃなくてですね、YouTubeでございます。

東京神楽坂にある卓球場LiliさんのYouTubeチャンネルに、

ゲストとして出演させていただきました。

 

Liliの村田さんは気をつかって動画でぼくのことを『トップ選手』と言ってくれてますけども、

いやいや、そんなトップ選手といえるほどの何かを残せたわけでもないんですよ。

 

ぼくはけっこう中途半端な位置にいたんじゃないかなぁと思ってます。

ぼくは地上人ではなかったかもしれないけど、天上人にも決してなれなかったという

地上と天上の間の中途半端なところでフヨフヨ浮いてた人間なんでね。

 

でも、まあそんな中途半端だったぼくだからこそ、

初心者の視点にも、ある程度上級者の視点にも、

両方ともに立って伝えられることがあるんじゃなかろうかと。

や、そんなややこしい事はいいや、とにかくですね、

少しでも皆さんに楽しんでもらったりお役にたてることってできないかなあと思って

まあ、なんていうか、そんな心持ちで撮影してまいりました。

 

これです。

前編 : https://www.youtube.com/watch?v=Ec0gfYgzMyo

後編 : https://www.youtube.com/watch?v=EcIEDZ2CkEk

 

この動画はあくまでもぼくの感覚でお話ししてますので、

『これが正解です〜。』というものではないです。

 

すぐに効く処方箋みたいなものじゃないかもしれませんけど

自分の手でつかみとった技術を、自分のことばで飾らずに語ってみましたの。

 

ぜひぜひ、ご参考にして頂ければと。

少しでも楽しんでもらえたり良いきっかけにして頂けたら嬉しいです。

 

ぼくは、これから時間をかけていろんな方とお会いしてお話ししたり、

時には一緒にコラボレーションして何かをやっていったりもしたいなぁと思っています。

 

そういうことを通して、こういうものを見てくれている人たちも含めてみんなと一緒に

『いい時間』をつくっていけたらいいなぁと思ってます。

夏の大会

夏も、もうしっぽのほうですね。いや、もう秋かな。

夏はインターハイとかインカレとか全中とかホカバとか、あとユニバーシアードなんてのもあって、そりゃあもう熱い大会のオンパレードです。

もちろん、現役時代はぼくも夏の大会はたくさん経験してきたつもりなんですけど、

なんだかいろんな意味であつい想いをたくさんしてきたような気がするのです。

 

夏の大会もそうだけど、1年のうち何回かある全国大会は、たまにしか会えないような友達と、久しぶりに会える機会だったからさ、なんだかとても楽しみだったなあ。

 

そうそう、それでですね。そのあつい大会たちを今はYouTubeとかでいつでも見られる時代じゃないですか。

だからぼくも、この前のインターハイ決勝の動画をYouTubeで見てみたんですね。

そしたら、もう、なんだか信じられないくらい、攻めがめちゃくちゃ速かった気がしたわけです。

なんなら球一個分、いやいや、球半個分でも高かったり台から出てるもんなら全部一撃でもってかれてしまうような、なんだかそういう印象を受けました。

インターハイだと、とくに木造くんですね。何なんでしょう彼。

ちょっとビックリしすぎて顎が外れて白目むいてヨダレ垂れ流して気絶しそうになりました。

 

もちろん、甘い球がきたからって打ちまくればいいわけじゃないだろうな。

球一個分ネットから浮いても、相手が下がって待ってたら『やっぱやめた』っていって前に落とすことだってあるはずだしね。

だからきっと、どうやったら点が取れるかっていう答えみたいなものは、その相手とか、場面とか、気持ちとかで変わってくるはずで、答えは常に動いているんじゃないかって思うだけどね。

その動いてる答えの中で一番いいものを見つけてひょいっと掴み取ってこれるのが強い人であって、トップオブトップなんだなあとしみじみ思いました。

水谷くんとか、インターハイとかユニバーシアードとかの決勝あたりをよく見てみると、ああ、相手をよくみてるなぁなんて、そんな印象を受けましたね。

なんだか相手をよくみて相手のことをしっかり考えてあげるのは、卓球じゃなくても必要なことだったりしますよね。

Page 2 of 512345