速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

2017世界卓球デュッセルドルフ大会速報

 会場のメッセ・デュッセルドルフに隣接した屋根付きのサッカー場「エスプリ・アリーナ」で、大会の開会式と男女シングルスの第1〜16シードのドローが行われた。男女シングルスの第1〜64シードのドローは下記のとおり。

 昨日以降に行われる男女シングルス予選ラウンドの終了後、予選を通過した64名が再びドローを行い、男女シングルスの本選に出場する128名が決定する。

 男子シングルスは水谷隼と張本智和が2回戦で当たる組み合わせ。また、松平健太は4年前のパリ大会で準々決勝で対戦し、惜敗した許シン(中国)と4回戦で当たるが、まずは2回戦の林高遠戦が大きなヤマだ。
 村松は2回戦でモンテイロ、3回戦で荘智淵というあまりカット打ちが得意ではない選手と当たるが、4回戦まで進めば第1シードの馬龍(中国)と当たる。そして丹羽は、4回戦でオフチャロフ、準々決勝で樊振東と対戦する組み合わせだ。

 一方、女子シングルスは佐藤と石川が4回戦で当たる組み合わせ。また、平野は第4シードの馮天薇の下に入り、準決勝まで中国選手と当たらない絶好のドローだが、陳思羽や杜凱琹ら強敵も多い。
 伊藤は順当ならば4回戦で朱雨玲、準々決勝で陳夢との対戦。加藤は4回戦で鄭怡静、準々決勝で劉詩ウェンと当たる。ただ、女子は前回3位の木子が予選リーグからの出場となるため、どこに入ってくるかわからないという怖さはあるだろう。

 午前10時からサブアリーナで練習していた日本チームは、午前11時からメインアリーナで練習を行った。
 男子チームは水谷・丹羽・村松の3選手はメインアリーナでは練習せず、松平健太、張本智和、大島/森薗のダブルスなどがメインアリーナで汗を流した。男子ダブルスの第1シードとなった大島/森薗は、相手のストップレシーブからの展開などを入念にチェック。逆モーションの台上フリックなど、相変わらずのテクニックを披露していた松平は「照明も見づらいとは感じないし、会場のやりにくさは特にないですね」とプレー環境へのストレスはないようだ。

 一方、日本女子も調整は順調な様子。ただ、今大会の紅双喜の卓球台は、従来のアーチ型の足のサイドにドイツ国旗をモチーフにした覆いがついているのだが、サウスポーの石川がダブルスのレシーブで足を前に踏み込むと、この覆いの部分に足が当たる。「めっちゃ当たる!」とちょっとプレーしにくそうだった。これまでの卓球台のデザインをちょっと変えただけなので、もうひと工夫ほしかったかな……。
  • ダブルスの練習を行う石川/平野

  • この足がちょっと気になる……

  • 自己新記録のベスト4以上を狙う松平

 午前11時にメイン会場に現れた中国チーム。馬龍、樊振東、許昕、張継科のビッグ4を筆頭に、各コートで快音を鳴らしていた。1本1本、2本2本のフットワーク練習など、内容はごくごく一般的だが、ボールの質は別格。常に最適な打球点を逃さずに、強烈で正確な打球を放っていた。

 その中でも丁寧だけは武楊を相手に1時間ぶっ通しでカット打ち。アジア選手権では平野美宇に敗れたが、本来は対カットに不安を残す丁寧。近年は克服したかと思われたが、昨年の世界選手権のオランダ戦でリー・ジエに敗戦の瀬戸際まで追い込まれて、再び対カットに不安を残している。総合力がなければ世界チャンピオンにはなれない。今回、丁寧が優勝すれば王楠(99・01・03年)以来となる世界選手権3度目の優勝となるだけに、不安要素は少しでも払拭する構えだ。
  • ひたすら武楊のカットを打っていた丁寧

  • 樊振東のバックハンドの打球点は驚異的に早い

  • 今大会に復活を期す張継科

  • 新たに担当コーチとなった劉国正が、張継科を見守る

 ドイツでは戦前の2回を加えると8回目の開催となる。2000年以降は、2006年ブレーメン、2012年ドルトムント、そしてデュッセルドルフが3回目となる。
 デュッセルドルフは人口約61万人の町で、日本の銀行や企業の拠点となっており、ヨーロッパではロンドン、パリに次いで日本人が多く住む町である。
 デュッセルドルフでの世界選手権の開催は初めてだが、デュッセルドルフには名門『ボルシア・デュッセルドルフ』があり、ドイツのナショナルチームの練習拠点にもなっており、卓球の聖地とも言える場所だ。

 今回の世界選手権ではすでにチケットは5万枚以上売れており、後半3日間は発売後すぐに売れ切れになるなど、世界選手権人気は上々で、町にいたるところに大会のバナー広告が張り出されている。
 今大会の予算は700万ユーロ(約8.8億円)。郊外の大きな展示会会場「メッセ・デュッセルドルフ」に設営されているが、正面入り口からメインアリーナまでは10分ほど歩く大きさ。この規模で大会を開催できるのはヨーロッパではドイツかフランスしかないだろう。
 昨日の27日に、4台しかないメインアリーナで練習していた地元ドイツ男子チーム。オフチャロフにフランチスカ、メンゲルなど180㎝を優に超える巨漢揃い。ボルはまだ練習をしていなかった。

 ドイツ選手同士で打ち合う中、ただひとり韓国の李尚洙と打ち合っていたのがオフチャロフ。前回の蘇州大会で敗れた相手で、完全に対アジアに照準を絞っているということか。フォアドライブの威力もさることながら、前陣で叩きつけるようなカウンターのバックドライブは素晴らしい破壊力。使用球となるニッタクボールとの相性も良さそうで、これまでなぜか成績が伸びなかった世界選手権で、自己新記録を更新しそうだ。
  • 強打を連発していたオフチャロフ

  • 練習相手は韓国の李尚洙

  • デカすぎてそのデカさが伝わりにくいメンゲル

  • 遠目に見るとボルにちょっと似ているデュダは、サービスの名手

 まだまだ日差しが強い午後7時から、旧市街のアルトシュタットで行われたTTXのイベント。16年リオ五輪の時に初めてお目見えした全天候型の卓球で、風が強くてもプレーできるようにボールが大きく、あまり回転のかからないラケットで打ち合う。会場にはITTF(国際卓球連盟)のヴァイカート会長(写真左上)も訪れ、その腕前を披露していた。

 下写真は、イベントに参加した有名選手たち。上写真の2枚は、強い日差しをカキーンと跳ね返していたルーマニアのスッチ。下写真左は元オランダ代表で、現在は地元クラブのボルシア・デュッセルドルフでコーチを務めているダニー・ハイスター。このハイスターとトリンコ・ケーンがいた頃のオランダは、ヨーロッパのトップチームでした。下写真右の空軍のパイロットのような方は、インドのアチャンタ。確実に相手コートにボールを返すテクニックは、TTXでも健在でした。
  • フリーハンドでスッチだと見抜けたら、かなりのマニア

  • ハイスターはちゃんとオレンジを着ていました

  • アチャンタはTTXでもスマートなプレー

  • ピンクでキメたヴァイカート会長

オープニングセレモニーは明日ですが、一足早く会場に到着した王国取材班。決戦の舞台となるメッセ・デュッセルドルフは、17ものホールからなる巨大な展示会場。入り口からメディアセンターまで歩いて10分以上もかかり、その広大さにビックリしています。

メインホールや練習会場などは設営が完了していますが、ミックスゾーンやメーカーブースなどはまだ完成しておらず、まだまだ作業中。
明後日の大会開始にはギリギリ間に合うか・・・という感じです。

日本選手団は夜19時からメイン会場で練習を予定。
卓球台もフェンスも黒で統一されたコートは、特別違和感はない。ハイライトのような照明は選手と台を明るく照らしている。
大会後半のチケットはすでに完売。いよいよ始まるぞ、世界卓球!
  • メイン会場には4台

  • 黒い台に黒いフェンス。会場では金キョン娥が練習中

  • サブ会場も広く、ゆったり使えている

  • メーカーブースは現在設営中

 今日のデュッセルドルフは気温30℃、完全に真夏の暑さ。街を行く人はみんな半袖に短パン、サングラス。王国取材班が泊まっているメディア用のホテル「リラクサホテル・エアポート・デュッセルドルフ」には冷房がないので、窓を少し開けていても結構暑い。大会が始まれば昼間は会場なので、大した問題ではありませんが。

 今日は午後遅くなってから会場に行き、取材用のIDなどを受け取り、午後7時から旧市街のアルトシュタットで行われる屋外型の卓球「TTX」のイベントへ向かう予定。それまで少し時間があるので、街までタクシーを飛ばしてみたら、「TTX」のイベント会場ではすでにたくさんの人たちが卓球を楽しんでいた。1球打つごとに次の人と交替して、ラリー回数を競うゲームも行われ、大いに盛り上がっていた。

 代表ウェアを着た、見るからに少々マニアックな卓球人がいたり、腕に覚えのありそうなお父さんが息子と打ち合っているのは、日本と変わらない風景。「TTX」のイベントが行われる午後7時は、こちらではまだ日差しはギンギン。いろいろな意味でアツいイベントになりそう。
 4月のアジア選手権での衝撃的な優勝以来、中国では平野美宇選手についての報道が爆発的に増えた。平野選手に限らず、昨年のリオ五輪の男子団体決勝で日本が中国を大いに苦しめたあたりから、日本の卓球界に関するニュースが一気に増えてきた印象だ。中国のメディアとしても、中国の一人勝ちよりは日本というライバルがいてくれたほうが話題は増える。

 ただ、中国でネットで流れているニュースというのは情報源があやふやだったり、個人のブログの引用だったりして、内容が杜撰(ずさん)なものが少なくない。

 中国が王曼昱(14・15年世界ジュニア2連覇)ほか4人の若手選手に平野選手の「コピー選手」を担当させているということについて、中国の一部の報道では、平野選手が「私はありふれたタイプの選手じゃないし、昔から自分のスタイルは特別なものだと思っていた」と言ったことになっている。しかし、実際には5月17日の公開練習後の囲み会見ではこう語っている。「私、よくいる卓球じゃないですか。昔から『あるある卓球』だなと思ってます。右の裏裏なんていっぱいいるし、美誠ちゃんみたいに特徴がないと思っていた」。コメントの内容が正反対なので、さすがにあきれてしまった。強引に「ビッグマウス」な選手に仕立てようとしているニュースが、他にもちらほらある。それだけ無視できない存在ということか。

 日本選手団は間もなく、最終合宿を行っていたグレンツァオからデュッセルドルフに入る。日本とは7時間の時差があるが、どの選手も海外リーグでのプレー、国際大会への遠征の経験は豊富。しっかり本大会に調子を合わせられるはず。明日は会場での練習の模様などもお伝えします。
  • 17日の公開練習での平野選手。ものはハッキリ言いますが、失礼なことは言いません

 デュッセルドルフの旧市街・アルトシュタット。その中でも最も賑わうライン川沿いの広場で、世界選手権の開幕に先駆け、明日5月27日に「TTX」のイベントが行われる。
 16年リオ五輪でその全容が明らかにされた「TTX」は、通常より大きいボールと回転のかかりにくいラケットを使用する、屋外でのプレーに適した新しいスタイルの卓球のこと。イベント会場では強い日差しが照りつける中、準備が進められていた。

 街を歩いていても、派手で目を引くというほどではないけれど、あちこちで世界選手権の告知のバナーやポスターを目にする。目の肥えたデュッセルドルフの卓球ファンが、大会をどこまで盛り上げてくれるか楽しみだ。……ちょっと真面目なレポートもしてみました。
  • TTXのイベント用の卓球台

  • TTXのバナーが張られた二階建てバス。果たしてどのような演出?

  • ちょっと見にくいですが、世界選手権のバナー

  • デパートでも世界選手権を告知