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 ITTF(国際卓球連盟)は2014年7月1日から導入が予定されているプラスティックボールに対し初の認可をくだしたことを2月6日に公式ホームページで発表した。

 検査は1月24日(金)に実施され、ITTFの11項目すべての検査に合格。セルロイド球に代わる新しいプラスティックボールの誕生となった。
 今回認可されたブランドはDHS40+(中国・紅双喜)、Double Fish 40+(中国・双魚)、Xushaofa(中国・許招発)で、紅双喜と 双魚 のボールは継ぎ目(シーム)のあるもので、 許招発のボールは継ぎ目なし(シームレス)のボールだ。「made in JAPAN」の高品質プラスティックボールとして期待されているニッタク製のボールも公認申請中で、近いうちに発表されると予想されている。

 現在使用されているボールと区別できるよう、プラスティックボールには『40+』の印字がされるという。

ITTF Articles:
New Plastic Balls Approved by International Table Tennis Federation
http://www.ittf.com/_front_page/ittf_full_story1.asp?ID=34232&Category=General&Competition_ID=&
 昨年のジャパンオープン優勝した後のインタビューで「全日本で負けてから変わった。それまでは好きなだけ食べてランニングも苦手。今はランニングなどの有酸素運動を取り入れたトレーニングをやりつつ、好きな揚げ物もやめました」と語った塩野真人選手(東京アート)。その時に3カ月間で6、7kg痩せたとのことだった。

 実は今年6月のジャパンオープンのポスターを卓球王国が作るに当たり、代表ウエアの塩野選手の写真を探したら2012年のジャパンオープンの写真しかなかった(優勝した2013年の時は東京アートのウエア)。それをポスターに使い、ほぼ完成していたのだが、協会から「今の塩野と違いすぎる。写真の差し替えをしてください」と依頼された。
 急遽、今年1月のワールドツアー・グランドファイナルの写真に変えた。確かに全然違う選手のようだ。

 塩野真人、27歳。
 最盛期は70kgで、現在は61kgという変わりよう。その差、「9kgの鉄アレイ」を持ってカットプレーをしていたことになる。
 「体が軽くなったので、動きも良くなったと言われます。それに負担が減った分、疲れにくくなり、ケガをしにくい体になったと思います」(塩野)。
 昔の顔と違うという意味での「秘密兵器」ではない。動きも格段に良くなった、世界でも勝てるカットマン——塩野真人は大会期間中に28歳を迎えつつ、「世界卓球」で世界デビューする。
  • 塩野ビフォー2011年3月(当時約70kg)

  • 塩野アフター2014年1月(現在61kg)

 先週から味の素ナショナルトレーニングセンターで全日本男子の合宿が行われている。男子はブンデスリーガ参戦の丹羽孝希以外の世界代表が元気に練習をしていた。これから4月28日の本番まで間断なく合宿と海外遠征が続くスケジュールになっている。
 昨日、2月4日午後はゲーム練習を行っていたが、世界代表のメンバーから相手を指名。エースの水谷隼選手は「健太でお願いします」と一人目の相手に松平健太を指名。世界13位と16位の世界レベルの練習。ゲーム練習とはいえ、二人の真剣勝負が続いた。
 
 また、女子の石川佳純選手も男子に混じって練習、そしてトレーニングを繰り返していた。昨年から男子の練習に混じっている石川選手は、その効果をはっきり語っている(詳しくは2月21日発売号で)。
 1977年以来の世界選手権決勝進出を狙う日本男子。世界卓球開幕まであと82日となった。
  • 男子に混じり汗を流す石川佳純

  • 松平健太と水谷の世界レベルの練習

  • マイペース調整のベテラン(?)岸川

  • 全日本チャンピオンの水谷も万全な練習

  • 日本の秘密兵器(!)塩野

  • 水谷の胸を借りて練習に励む松平健太

 その月の世界で行われている大会のハイライトシーンとニュースを収録した「ITTF Monthly Pongcast」(ITTF・マンスリー・ポンキャスト)の1月分がITTFのYou Tubeチャンネルに公開となった。

 1月分はワールドツアーグランドファイナル、ジュニアサーキットファイナル、『2013ITTFスターアワード』の授賞式の模様などが収録。塩野真人選手も登場します。ぜひ、ご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=UJDbrqBDAKI
  • グランドファイナルで準々決勝まで勝ち上がった塩野

  • グランドファイナル男子決勝、許シンvs馬龍

 昨日、3年ぶりの全日本チャンピオンに返り咲いた水谷隼選手のインタビューを行った。11月以来、じっくり話し合った。2時間を超えた。
 奇しくも、12月発売号の特集は水谷隼選手「水谷隼の逆襲」であり、1月発売号の特集は丹羽孝希選手「異才丹羽孝希の腕」だった。その二人のチャンピオンは、全日本選手権で明暗を分けた。
 水谷は王座に返り咲き、丹羽はタイトルを守れず、ベスト8にも入らなかった。この二人の天才のインタビューは対照的だ。

 丹羽は、プレー同様、話しぶりにも外連味(けれんみ)がない。迷いがなく、言葉をストレートに放つ。ストレートゆえにそれが自信のようにも見えるし、肝っ玉の太さを感じる。物事に動揺せず、細かいところは気にしない。言い方を変えれば「怖いもの知らず」の少年。極度に緊張や興奮をすることも少ないタイプで、大舞台での興奮度も低いものだ。
 しかし、超クールなこの19歳の心の奥に燃えるものがしまいこまれている。この奥の中にある熱い部分に点火されるのは多くはない。しかも、その点火スイッチを丹羽は制御できていない気がする。試合状況や緊張感や自分の調子などで急にスイッチが入るのではないか。

 一方、水谷は卓球の怖さを知る男だ。全日本決勝で負けた2回の決勝の悔しさを持続させ、負けることの怖さゆえにロシアリーグに挑戦した。怖さゆえに自分をストイックに管理するようになっている。11月の時よりさらに顔は締まっていた。
 怖さと不安を抱く水谷は他人と交わることなく自分が信じる正しい方向へ突き進んでいる。
 
 丹羽孝希の肝の太さ、度胸というメンタルの強さが、時に、あきらめてしまうという弱さにもつながっている気がする。
 水谷もメンタルが強いと言われるが、チャンピオンでありながら見えないものにおびえる弱さや不安が、この男を勝利に駆り立てていることも事実だ。
 二人の明暗は、負けることを恐れない19歳と、負けることを恐れる24歳の差になって表れたのかもしれない。
 帰ってきた王者のインタビューは2月21日発売号で紹介する。  (今野)
 1月29日〜2月1日にハンガリー・ソンバトヘイで開催されたITTFワールドツアー・ハンガリーオープン。日本からは松平志穂(四天王寺高)と酒井春香(ミキハウス)の2選手が参加し、女子アンダー21で松平が準優勝を遂げた。

 女子シングルスとアンダー21の2種目に出場した松平。女子シングルスではヴィンター(ドイツ)に2-4で敗れ3回戦敗退となったが、アンダー21では決勝へ進出。決勝ではポルカノバ(オーストリア)にゲームオールで惜しくも敗れたが準優勝を果たした。
 酒井は女子シングルス3回戦でガポノワ(ウクライナ)に勝利し準々決勝へ進出。ゲームオールの接戦となったポシュトアカ(ルーマニア)戦では、最終ゲーム8点で惜敗。準決勝進出ならず、ベスト8に終わった。
女子シングルスの優勝はリュウ・ジャ(オーストリア)。ポータとのゲームオールジュースの接戦を制し勝利。男子はメンゲル(ドイツ)を破ったハベソーン(オーストリア)が優勝を果たした。

各種目の優勝記録は以下のとおり。

● ハンガリーオープン優勝記録
男子シングルス:ハベソーン(オーストリア)
女子シングルス:リュウ・ジャ(オーストリア)
男子アンダー21:ロレンツ(フランス)
女子アンダー21:ポルカノバ(オーストリア) ※2位:松平志穂
 1月31日、日本オリンピック委員会(JOC)は、「2014年JOCネクストシンボルアスリート」9名を決定したことを発表した。その9名のひとりとして、13年インターハイ優勝、12月の世界ジュニア選手権では男子シングルスで3位に入賞した森薗政崇選手(青森山田高3年)が選出された。森薗選手は新規契約となり、今後、JOCのオリンピック・ムーブメント推進事業やマーケティング活動に協力することとなる。
 2014年に新たに契約となった選手は4名。森薗選手のほかには、フィギュアスケートの田中刑事・宮原知子選手、レスリングの登坂絵莉選手が新規契約。

参照:日本オリンピック委員会(JOC)ウェブサイト
http://www.joc.or.jp/news/detail.html?id=4840
 全日本選手権シングルスベスト8および日本卓球協会の推薦者を加えた、男女12名ずつの選手によって争われる大林カップジャパントップ12。今年は3月1日(土)に、国立代々木競技場第二体育館で行われる。そして本日、出場選手と組み合わせが決定した。組み合わせは以下の通り(各グループ1名が決勝トーナメント進出)。

●男子
★Aグループ
水谷隼(DIOジャパン・東京)
坪井勇磨(青森山田高・青森)
吉村和弘(野田学園高・山口)
★Bグループ
上田仁(青森大・青森)
高木和卓(東京アート・東京)
丹羽孝希(明治大・東京)
★Cグループ
吉田海偉(DIOジャパン・埼玉)
吉田雅己(愛知工業大・愛知)
松平健太(早稲田大・東京)
★Dグループ
町飛鳥(明治大・東京)
岸川聖也(ファースト・千葉)
酒井明日翔(JOCエリートアカデミー/帝京・東京)

●女子
★Aグループ
石川佳純(全農・山口)
土井みなみ(中国電力・広島)
阿部愛莉(四天王寺高・大阪)
★Bグループ
若宮三紗子(日本生命・大阪)
加藤杏華(県立岐阜商業高・岐阜)
平野美宇(JOCエリートアカデミー・東京)
★Cグループ
平野早矢香(ミキハウス・大阪)
加藤美優(JOCエリートアカデミー・東京)
芝田沙季(四天王寺高・大阪)
★Dグループ
森さくら(昇陽高・大阪)
田代早紀(日本生命・大阪)
浜本由惟(JOCエリートアカデミー・東京)

 なお、今年度の全日本選手権女子シングルスでベスト4に入賞した福原愛(ANA)だが、昨年11月の欧州遠征時に左足を故障し、しばらくの期間は大事をとって安静にするため今大会はキャンセルした。
  • 前回大会男子優勝の松平健太

  • おなじく女子優勝の石川佳純

 少し前の話になるが、12月16日にドイツの卓球ブランド「アンドロ」からインフォメーションが届いた。それは「長年、アドバイザリースタッフだったクリスチャン・ズース選手(ドイツ)との契約終了」のお知らせだった。要は、今までスポンサーだった同選手との契約を打ち切る情報なのだが、この手のお知らせがメーカーから来ることは珍しい。ズースは05年に世界選手権でダブルス銀メダルを獲得し、ヨーロッパ選手権ではダブルスで優勝した元ドイツ代表。

 ヨーロッパには現在、卓球メーカーがイメージキャラクターにできる選手が少なくなっている。せいぜいティモ・ボル(バタフライ)とドミトリー・オフチャロフ(ドニック)くらいだ。以前は、ワルドナー、パーソン、セイブ、ガシアン、プリモラッツなどの看板選手が目白押しだったが、ヨーロッパ卓球の低迷に伴い、広告塔になる選手は激減しているのが現状だ。

 数少ないトップ選手、しかもヨーロッパ最大の卓球市場ドイツの選手だったズースは貴重な選手だった。ところが、この2シーズンほど故障でほとんどプレーができていないズースにとってのスポンサーからの最後通告となった。メーカーとしてもプレーができない選手にお金を支払うのは辛いことで、苦しい選択であっただろうことは想像できる。

 こういったプロ選手の行く末はどうなるのだろう。ドイツにおいては、プロ選手として卓球を仕事として活躍できる人は決して多くない。ブンデスリーガ1部リーグ10チームの中でもドイツ選手はわずか数名だ。それ以外は、ヨーロッパやアジアからの助っ人選手。1部リーグに所属する選手はプロフェッショナルとして卓球で生活はできるが、将来の保障は全くない。2部リーグの選手に至っては自活するのは難しい。

 しかも、こういったプロ選手はほとんどが日本で言う義務教育(中学まで)を終え、高校に行かずにプロになっているケースが多く。卓球をやめて学校教育を受けるにしてももう一度高校から教育を受けることになるので、大きな企業に再就職することは難しく、プロコーチになったり、卓球ショップなどの仕事に従事することが多いと聞く。
 まさに体ひとつで生きていくことになるが、成功すればそれなりのリッチな生活もできるが、リスクもあるプロ選手。
 彼らが、 選手を終えた後に、会社に残れる日本の企業スポーツの話をするとうらやましがるのも無理はない。
 かつては、ブンデスリーガでプレーしながら、歯医者の資格を取得した、弁護士になったという話も聞いたが、実際には学業とプロ選手の両立は難しい。
 28歳のズースは故障を治してプロ選手として復活できるのか、それとも第二の人生を歩むのか、未だその情報は入ってこない。
  • 故障で試合に出場していない元ドイツ代表のズース

 2013-2014男子ECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)・準々決勝でフランスのエンヌボンを2戦合計5-3で破り、準決勝進出を決めたロシアのUMMC。チームのスーパーエース、水谷隼(DIOジャパン)が2試合で3勝を挙げ、UMMCを準決勝に導いたのは、先日「欧州リポート」でお伝えしたとおり。
 実はそのUMMC対エンヌボン戦の第1戦ラストで、驚くべき事態が発生していた。UMMCはロシアの強打者シバエフ、エンヌボンはバックドライブの切れ味鋭いプロコプツォフ(チェコ)の対戦。そのスコアを見ると、シバエフが「7-11、7-11、0-11」で敗れたことになっている。第3ゲームが「0-11」?

 チャンスボールのミスが続き、先に2ゲームを落としたシバエフは、第3ゲームにまさかの行動に出た。ヨーロッパのクラブチームが最も重要な試合と位置づける、ECLの舞台で……。その詳細は、会場で一部始終を目撃した水谷選手の軽妙なブログをぜひご一読ください。皆さんは決して真似してはいけません。日本人でこんなことをする人、まずいないと思いますが。

★水谷隼オフィシャルブログ「Single Mindedly Table Tennis〜卓球一筋」
2014-01-26『前代未聞』

http://ameblo.jp/mizutani-jun-blog/entry-11758265442.html

※こちらの記事の後半に、衝撃の現場の映像も
http://ameblo.jp/mizutani-jun-blog/entry-11759401448.html

★欧州リポート(2014/01/29)「水谷隼所属のUMMC、ECLで準決勝進出」
http://www.world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=3&pg=HEAD&page=TOP&rpcdno=375#375
  • 写真は12年ジャパンオープンでのシバエフ。水谷選手によれば「人柄は非常に良い」とか