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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

 全日本選手権の男子シングルスチャンピオン・水谷隼(青森山田高)が会場で記者会見を開いた。水谷は今年3月の北京五輪アジア大陸予選に出場し、4月には明治大に進学する。
 会見の内容は以下のとおりだ。

水谷:去年はチャレンジャーでしたが、今年はマークされていると思う。しかし、準備はしてきたので優勝する自信はあります。初戦から強敵なので、みんなライバルのつもりで一戦一戦頑張りたい。

-4月から明治大に通うことになりましたが?
水谷:明治大はいろいろサポートしてくれるし、世界で戦う良い環境が揃っている大学だと思います。今シーズンのブンデスリーガが終わったら日本に帰ってきて、いろいろやってみたいこともある。関東学生リーグにも出るかもしれません。

-全日本でのライバルは誰ですか?
水谷:初戦は一番大事なので、集中してやりたい。ベスト8決定戦で坪口さん(道和/青森大)と当たるので、そこを乗り越えれば優勝が見えてくると思います。

-オリンピック予選はどうですか?
水谷:格下の相手と戦うことになると思いますが、気を抜かずに向かっていって、全力を出し切れば通過できると思う。オリンピックに出場できたら、団体戦・個人戦ともに頑張りたい。

-ノングルーになってどうですか?
水谷:今はノングルーでプレーしているけど、オリンピック予選はグルーが使えるので、どうしようか迷っています。今大会が初のノングルーの大会なので、今大会で良いプレーができれば、このままでいくかもしれません。ノングルーは回転が落ちるし、クセ球がなくなるのでみんなやりやすくなる。40ミリボールの時は小学生だったのであまり気にしなかったけど、今度は小さなところでミスが出てしまうので、用具の調整が難しいと思います。

-ドイツでの生活は?
水谷:生活も結構大変だったし、練習も相手が世界で戦うクラスなので気が抜けなかった。でも、ドイツにいったことでたくましさが身についたと思う。チームメイトのズースやコルベルとは、毎日のように「どうやったら五輪に出られるのか」、話をしていました。
 今大会の一般男子シングルス、最年少は中学2年生の松下海輝(かいき)選手。1993年10月8日生まれの14歳だ。お父さんは元全日本ダブルスチャンピオンの松下雄二さん、お母さんは元インターハイチャンピオン、世界選手権代表の松下(旧姓:下長)智子さん、叔父に松下浩二さんという熊本の卓球一家。
 
 松下雄二さんがベンチに入った男子シングルス1回戦では、こちらもお父さんが元全日本マスターズ優勝の芦間雄太選手(日本体育大)。右シェーク攻撃型同士の華々しい打ち合い。海輝選手は体格が昨年よりグッとたくましくなり、フォアクロスの打ち合いには強さを見せていた。第1・3ゲームを奪ってゲームカウント2-1とリードしたが、最終ゲームはやや堅さが出てゲームオール9点で惜敗。ベンチにいるお父さんを振り返る場面もたびたびあったが、迫力あるプレーを見せてくれた。来年はもっと大きく、強くなって戻ってきてくれるだろう。

●男子シングルス1回戦
芦間(日本体育大) -12、6、-10、7、9 松下(城山ひのくにジュニア)
 東京大学卓球部出身で、王国編集部小川や高部の後輩である藤井孝一(坂出卓研)が、なんと男子シングルス1回戦を突破! 対戦相手の吉田広平(駒澤大)は現役学生選手だけに、ボールのスピードでは負けていたが、確実にボールを入れていくプレーでストレート勝利。「まさか勝てると思っていなかった」と本人もびっくり。
 もちろん実績などない、草の根プレーヤーの藤井。しかし一時期は1日9時間(!)の練習を重ね、仲間内では「藤井プロ」と呼ばれていたピンキチが、苦節十年、晴れの全日本の舞台で初勝利を挙げた。
 おめでとう、藤井プロ!
 男子シングルス1回戦、斎藤清(埼玉県教職員卓連)は、右シェークドライブ型の池口直也(近畿大)と対戦。
 今年は明らかに昨年よりも体が絞れており、積極的な回り込み攻撃と巧みなバックショートでペースを握った。第3ゲームを落とし、第4ゲーム5-8のビハインドとなって最終ゲームにもつれると苦しかったが、8-8に追いつき、10-9とマッチポイント。ここで斎藤のボールがネットイン。池口、懸命に拾ってロビングでしのいだが、斎藤が打ち切って大会通算97勝目を決めた。

「まだ体の隅々まで力が伝わっていない感じ。今年は練習はやってきた。ランニングなどもして、体重も2キロくらい落としてきた。体が動くうちにひとつでも勝っておかないとね。いったん勝てなくなったらもう勝てなくなるから(斎藤)」
 ベンチには名伯楽、“辻"説法の辻歓則先生が入った。次の対戦相手は大塚裕貴(明治大)だ。

●男子シングルス1回戦
斎藤(埼玉県教職員卓連) 6、8、-7、9 池口(近畿大)
大会3日目にベスト16が決まるジュニア男子シングルスは、昨日までの3回戦で有力選手が相次いで敗れる波乱含みの展開になっている。
一昨年の全中チャンピオン・野邑大陽(青森山田中)が谷村直樹(関商工高)にストレートで敗れたのをはじめ、昨年ベスト16に入った山本直哉(秀光中等教育)、咋夏のインターハイでランク(ベスト16)に入った、岩崎栄光(鶴岡東高)、篠原哲郎(愛工大名電高)も初戦で姿を消した。
大本命・松平健太(靑森山田高)がケガのためキケンした今大会の男子ジュニアを制するのは誰か。明日チャンピオンが決まる。
 来月24日にスタートする世界卓球選手権広州大会(団体戦)。今回もテレビ東京では日本チームの戦いの模様をバッチリ中継してくれる。今回は男子チームの放映も予定されているということで、期待大。昨日、植草アナや大橋アナも会場を訪れ、選手たちのプレーに熱い視線を送っていた。
 編集Sは大橋アナ(下写真左から2番目)に気がつかず、編集部に戻ってから歯ぎしりをして悔しがった、とか。
 東京都心に初雪が舞った夜が明けて、寒い寒い大会第3日目となった。今日、1月17日は阪神大震災から13年。現在でも、被災者が入居した復興住宅では孤独死が相次いでいるという。亡くなった方々に、慎んで哀悼の意を表したい。

 今日はいよいよ男女シングルス1~2回戦がスタート。大会最年長、そして大会最多勝の通算96勝を挙げているキング・キヨシ、斎藤清(埼玉県教職員卓連)がいきなり10時に登場。初戦の対戦相手は池口(近畿大)。スーパーシードの坪口(青森大)に勝てば通算100勝を達成するが、果たして…?
 女子シングルスは中学1年生の谷岡あゆか(秀光中等教育)、大会最年少の小学5年生・前田美優(高瀬クラブ)ら、将来を嘱望される選手たちのプレーに注目だ。

 そして、混合ダブルスでは準々決勝から決勝が行われ、今年度最初のチャンピオンが決定する。注目はここまで圧倒的な強さを見せている田勢邦史/田勢美貴江(協和発酵/十六銀行)。美貴江選手は奇しくも今日が誕生日ということで、両選手とも初優勝に期する思いは強いはずだ。坂本竜介/福原愛(協和発酵/ANA)、渡辺将人/四元奈生美(シチズン/東京アート)がどこまで迫れるか。

 男子ジュニアではベスト16、女子ジュニアではベスト32が決定する。会場では早くも男女シングルス1回戦がスタートした!
 明徳義塾中の主力として活躍する天野優選手。女子ジュニアで3回戦進出、明日の戦いぶりはいかに?
ジュニア男子3回戦、全中チャンピオンの平野友樹(秀光中等教育)は、加藤悠二(秋田商業高)と対戦。幸先良く2ゲーム先取し、3ゲーム目も10-8とマッチポイントを握ったが、そこから逆転を許すと、4ゲーム目も奪われ、勝負は最終ゲームへ。最終ゲームも8-4から追いつかれジュースにもつれ込んだ。ともにマッチポイントを握る白熱の試合は、最後は平野の中陣からのドライブが決まり、勝負あり。
薄氷を踏む勝利で4回戦進出を決めた。

●男子ジュニア3回戦
平野(秀光中等教育) 9、9、-11、-4、12 加藤(秋田商業高)

Photo:全中チャンプ平野、歓喜の大ジャーンプ!
●混合ダブルス4回戦
阿部/阿部(リコー/青山学院大) 7、5、6 石田/西田(秋田卓球会館/秋田銀行)
熊田/湯原(日産自動車/東京富士大同好会) -10、-6、4、4、1 荻原/荻原史(JR北海道)
田勢/田勢(協和発酵/十六銀行) 6、8、4 山岸/小林(専修大)
下山/坂巻(早稲田大/東京富士大) -10、6、7、5 大迫/加登(徳島銀行)
水野/梶本(明治大/早稲田大) 6、7、7 村守/森薗(青森大・青森山田中)
谷口/大橋(シチズン/サンリツ) -8、11、7、-8、8 中矢/平田(旭ファースト/愛媛銀行)

Photo:圧倒的な強さでベスト8進出を決めた田勢/田勢ペア。邦史の台上処理で美貴江が決める。理想的な夫婦、いやダブルスだ。