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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

 福原愛(ANA)が今年の全日本選手権に初めて登場。初戦は混合ダブルスの2回戦で、坂本竜介(協和発酵)との息もピッタリ合って、3-1で澤口・大野(朝日大・富田高)に危なげなく勝利した。
 速報席の目の前、第20コートでは、まもなく女子ダブルスで平野早矢香/石川佳純(ミキハウス/ミキハウスJSC)、続いて福原愛/照井萌美(ANA/早稲田大)が続けて登場。テレビカメラの陣取り合戦が行われている。

●混合ダブルス2回戦
坂本/福原(協和発酵/ANA) 6、-9、7、9 澤口/大野(朝日大/富田高)
 
 そのウェアへの注目度は、もはや全日本選手権の小林幸子?と言っても過言ではない四元奈生美。今年もバッチリ決めたヘアメイクに、コートを着込んでコート入り。周囲の期待がいやがうえにも高まる中、コートの下から現れたのはなんとノースリーブ。昨年の「肩出しウェア」もあるので少々のことでは驚かないが、鮮やかなマリンブルーが目を引くデザインだ。「渡辺さんはインナーを着るか迷っていたけど、勇気を出して袖なしにしてくれました」というパートナー・マサトの勇気にも拍手!
 昨年はベスト8に入ったペアだけに、1回戦はストレート勝ちであっという間に試合を終わらせた。
 「ウェアのテーマは“ジャンヌ・ダルク"。私自身のデザインで、イメージは半年以上前からありました。1年ぶりの大会出場で試合勘はまだまだですね(四元)」
 香川県から単複に出場している藤井孝一選手(下写真右/坂出卓研)。東京大学卓球部の出身で、卓球王国の創刊間もない通巻第5号「我らが東京大学卓球部」では現役部員として登場していた。それからもう10年、たゆまぬ情熱と豊富な練習量で、郷里の香川県から悲願の全日本出場を決めた。
 元全日本マスターズチャンピオンの旅田和彦選手と組んだダブルスでは、埼玉・川口総合高のカットペア、木村/菅原組に対し、徹底的に粘り抜く作戦。ストップを交えて揺さぶりながら辛抱強く攻略したが、浮いたボールに対しての決定打がやや足りなかったか、競り合いながらもストレートで敗れた。シングルスに初勝利を託す。
 斎藤美一/若宮万記子(愛知工業大)のベンチに入った愛知工業大卓球部監督の鬼頭明(下写真左/04年アテネ五輪ダブルス代表)。ダブルスの名手として知られただけに、選手にとっても頼もしいだろう。名コンビを組んだ同級生の今枝一郎(94年全日本チャンピオン)が愛工大名電高監督となり、ともに母校の強化に当たっている。
 下写真右は身長190センチオーバー、会場でも屈指の長身を誇る愛知工業大の斎藤美一選手。
 午後2時からスタートしたダブルス3種目。速報担当の耳はノングルー時代の到来を実感している。いつも競技がスタートすると、足を踏み込む音とグルーの金属音に支配されていたフロアが、今年は妙に静かなのだ。やはりノングルー時代は確実に訪れていた。男女とも打球音が軽く、スピードも確実にダウンしている。スピード補助剤が広まっているとはいえ、ラバーの厚さの問題なども考えると、まだフルに活用するわけにはいかないのか。
「男子のボールも女子に上から合わせられて、簡単にカウンターされてるよ」とくぼおやじこと編集・久保。なるほど、確かにそのとおりだ。

Photo:遊佐充裕(写真手前/南相馬市役所)はフットワークを生かし、豪快な回り込みドライブを決めていた。ペンドライブ型のフィジカルの強さが、ノングルー時代には大きな武器になりそう
 1時スタートの開会式は、今年もスタンドに各ブロックの選手たちが陣取り、オーロラビジョンに順々に映し出されていきます。
 司会のボンバー森尾氏が孤軍奮闘、「北の大地の勇者ァ~、北海道ブローック!」「王者のプライド! 東北ブローック!」と元気良く紹介していくのですが、選手たちは恥ずかしそうに手を振るばかり。
 「笛吹けど踊らずやナ」とはスタッフの方の弁。ボンバーさん、最終日も頑張って~。
 明日15日、東京体育館で平成19年度全日本卓球選手権がいよいよスタートする。出場する選手たちはすでに宿舎に入り、明朝、ぞくぞくと東京体育館へと集結する。卓球ファンの皆さんも、それぞれに優勝者を予想されていることだろう。卓球王国08年2月号P.30~の『全日本優勝大予想』もぜひ参考にしていただきたい。

 今年の全日本選手権では男女シングルスとも、昨年9月の「揮発性有機溶剤を含む接着剤の使用禁止」によるノングルー時代の到来、そして今年8月の北京五輪が、大会に微妙な陰影を与えることになりそうだ。

 ノングルー時代の中で迎える初めての全日本選手権となる今大会。スピード補助剤の登場で、回転はやや落ちると言われるものの、急激な打球のスピードダウンは避けられそう。しかし、全日本選手権の地方予選では、スピード補助剤の使用で、ラバーの厚さが規定の4mmを大きくオーバーした例も少なくない。本選では揮発性有機溶剤を含む接着剤を使用していないかチェックするとともに、ラバーの厚さに対してもこれまで以上に厳格なチェックが加えられる。選手たちも当然スペアラケットを用意するだろうが、失格となる選手が現れるような事態は避けてほしい。

 また、今年1月発表の世界ランキングで日本からは女子2名(福原愛・平野早矢香)、男子1名(韓陽)の五輪自動出場が決定。同時に水谷隼が、強化本部の設けた「2007年1~12月に、国際大会において世界ランキング30位以内の選手に4名以上勝利」という基準をクリアし、アジア大陸予選への出場が決定。アジア大陸予選に出場できる選手の枠は、男女とも強化本部推薦の1名ずつのみとなっている。
 その残り1つの枠を争うのが男子は吉田海偉と岸川聖也、女子は福岡春菜と金沢咲希。強化本部ではすでに推薦する1名を確定していると思われるが、これらの選手にとっては見えない鎖をつけられたような、なんとも言えないプレッシャーの中での大会になりそうだ。

 明日は午後1時からの開会式に続き、2時からダブルス3種目の1回戦がスタート。熱意と工夫、そして練習量で全日本出場を勝ち取った草の根プレーヤーも数多く出場する。彼らのハッスルプレーにも注目だ。
 今年も6日間、気合いでお届けする卓球王国の全日本速報をよろしくお願いします!