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フォルクスワーゲンオープン

 大会第4日目は立見券が発売されるなど、例年になく盛況だった今年の荻村杯も無事終了。神奈川県卓球協会のボランティアスタッフの方々によって、迅速な撤収作業が行われている。その組織力は「さすが」のひと言。きっと09年世界個人戦・横浜大会でも、大会を成功させる大きな原動力になるはずだ。

 シングルスの表彰式終了後、会場では北京五輪・日本代表選手団の激励会が行われた。2・3階席の観客もすべてフロアに下りて、選手たちとの交流イベントを楽しんだ。中高生の元気な子が多かったのは嬉しいことだ。
 また、福原愛選手が選手団を代表して、改めて四川大地震への義援金を呼びかけ、たくさんの観客が選手たちの抱えた義援金箱に義援金を入れていた。選手たちとの距離が近い、一体感のあるイベントだった(下写真3枚は激励会の様子)。

 荻村杯の速報は、これで終了いたします。
 大会の模様は卓球王国8月号(6月発売号)で詳しくお届けします。どうかご期待ください!
 ありがとうございました!
 中国国家チームでは、ともに呉敬平コーチの指導を受ける王皓と馬琳。その手の内はすべて知り尽くしているだろう2人の対戦。

 馬琳は以前よりもバックサイドで裏面ドライブを多用するようになり、この決勝でも王皓に匹敵するほどの攻撃力を見せた。これは馬琳、王皓、どちらにも言えることだが、裏面ではドライブだけでなく、手首を使わないナックル性のドライブを織り交ぜる。かつてワルドナーが得意にしていたバックハンドのナックルドライブだが、このドライブはしっかり回転をかけて返球しないとネットにかかってしまう。

 馬琳はゲームカウント2-1で迎えた第4ゲーム、12-11のゲームポイントで、裏面ドライブを強振するがミス。13-12でタイムアウトを取るものの、そこから王皓に3ポイント連取されてこのゲームを落とす。またしても馬琳、勝利を意識したのかと思われたが、第5ゲームも出足から回り込み強打を連発するなど、積極性は変わらなかった。
 馬琳が3-2で勝利に王手をかけた第6ゲーム、9-6という大詰めの場面で、馬琳が王皓のフォアを独特の弾道の低いループドライブで攻める。王皓、これをフォアのカットで返球。馬琳、このカットに目にも留まらぬ速さで回り込むと、バッククロスへフルスイングのフォアドライブ。この強烈な一本で勝負がついた。次の一本、王皓のドライブがオーバーしてゲームセット。

 07年世界個人戦ザグレブ大会では、ゲームカウント3-1の7-1から優勝を逸した馬琳。しかし、今大会決勝で最後に見せたフルスイングには、チャンピオンにふさわしい迫力があった。
 15時30分スタートの女子シングルス決勝。対戦する張怡寧と李暁霞の、ここ4年間の国際大会での対戦成績は張怡寧の12勝、李暁霞の2勝。しかし、昨年12月に行われたITTFプロツアー・グランドファイナル準決勝では李暁霞が4-2で勝利しており、実際に決勝全体を見てもタイプの違いこそあれ、技術力の差はほとんど感じられなかった。
 プレースタイルでは、張怡寧が前陣を死守するのに対し、李暁霞はやや台から下がって、回転量のあるドライブで攻める。特に準決勝で郭躍を崩したバックドライブの威力と安定感は特筆ものだ。

 試合はゲームカウント2-2となった第5ゲーム、張怡寧が10-5でゲームポイントを握り、10-8まで追い上げられたところで張怡寧がタイムアウト。ここを勝負所と見たのか、次の一本を確実に取って勝利に王手をかける。第6ゲーム、張怡寧が7-4から自らのミスを申告してカウントを訂正、7-5から7-8と逆転されるが、3本連取して10-8でマッチポイント。しかし、李暁霞の打球がエッジについて、10-10となる。ここから荻村杯の歴史に残るようなデュースの連続。14-13でゲームポイントの李暁霞がタイムアウト。しかし決めきれず、試合の流れはどちらともなく漂う。決着がついたのは李暁霞21-19張怡寧。張怡寧は実に5度のマッチポイントを逃す。

 しかし、ここで崩れないのが女王。最終ゲーム5-2とリードしてチェンジエンドすると、回転量のあるドライブを浅く落として李暁霞のミスを誘い、7-2とする。8-5からもうまく緩急をつけたドライブで李暁霞のミスを誘った張怡寧、最後は李暁霞のバックを厳しく切るフリックを李が返球できず、張怡寧の優勝が決まった!

 両者ともバックの守りが固く、無理に攻めると厳しいブロックからカウンターに結びつけられる。前陣での接近戦でありながら、「互いに洗面器に顔をつけて、どちらが先に顔を上げるか」というような、我慢比べの決勝だった。最終ゲームで見せた張怡寧の巧みな緩急が、わずかな勝敗の差となったのか。
●男子シングルス決勝
馬琳(中国) 9、-5、10、-13、9、6 王皓(中国)

 馬琳が王皓を振り切った! 勝利へのプレッシャーがかかった第6ゲームも、思い切りの良い強打をバッククロスに決めた。初出場から10年目で悲願の初優勝だ!

 男女シングルス決勝、熱戦の詳報はのちほどたーっぷりとお届けします!
 どうぞお楽しみに!
 
●女子シングルス決勝
張怡寧(中国) 5、-9、-5、7、8、-19、5 李暁霞(中国)

 張怡寧が05年大会以来3度目の優勝!
 女子シングルス決勝はついにゲームオールにもつれた。両者、前陣で我慢比べのようなラリーが続き、第6ゲームはなんと21-19で李暁霞が取った。最終ゲームは、現在張怡寧が4-1でリード!
 15時半スタートの女子シングルス決勝を前に、しばし休憩中の会場。練習台ではまもなく決勝を戦う張怡寧と李暁霞が、なごやかムードで練習している。アツい決勝にしてくれよ、と念じています。
 入り口すぐのフロアでは、すごい人だかり。石川佳純ちゃんの即席サイン会が行われているのだ。ちなみに群衆の中には速報担当も紛れ込んでます。もちろんサインを貰いに行ったわけではありません。
●男子シングルス準決勝
馬琳(中国) 4、-5、9、7、8 王励勤(中国)

 男子シングルス準決勝第2試合、世界ランク2位の馬琳と3位の王励勤、宿命のライバル対決が実現。

 お互いの手の内を知り尽くしているふたりだけに、試合は華々しい打ち合いというよりも、むしろ台上の虚々実々の駆け引きという印象。安易に強打に行けば、カウンターの餌食になることを良く知っている。馬琳が第1ゲームを先取するが、第2ゲームは王励勤が小さく低いバックフリックを馬琳のバックに集め、中盤でリードを奪ってゲームカウント1-1とする。ここまでの準決勝3試合はすべて片方の選手がゲームカウント3-0としていただけに、初めて接戦の予感。

 しかし、第3ゲームからは王励勤に台上処理とバックハンドでらしからぬミスが出て、競り合いながらも馬琳が3-1とリード。第5ゲームになって、ようやく大きなラリーが続くようになり、馬琳7-6のリードで王励勤がネットインをかろうじて拾い、馬琳のパワードライブをバックブロック、ここからスーパーラリーが展開されて7-7のタイとなる。観客も興奮、みんなもっともっとこの試合を見たいはずだ。
 8-9から王励勤のレシーブがネットにかかって馬琳のマッチポイント。馬琳が後ろに下げられ、バックのロビングでしのぐ。4球、6球と続いて固唾(かたず)を飲む観客。王励勤のドライブがついにオーバー!
 竜虎対決を制した馬琳、これでここ4年間の国際大会16試合での対戦成績は、馬琳の8勝、王励勤の8勝とまったくのタイとなった。
●男子シングルス準決勝第1試合
王皓(中国) 10、8、10、8 馬龍(中国)

 男子シングルス準決勝第1試合は王皓vs.馬龍。昨年のジャパンオープン決勝のカードが早くも実現した。安定感では王皓に歯が立たない馬龍は、ボールの威力を武器に王皓を台から下げてラリー戦に持ち込みたいが、ペンホルダー裏面を操る王皓の巧みな台上技術に翻弄され、満足にドライブを打てない状態。なんとかラリーの展開になってもやっと五分といった感もあり、完敗といってもいい内容だった。
●女子シングルス準決勝
李暁霞(中国) 8、1、3、-4、8 郭躍(中国)

 国内では李暁霞のほうが分が良いというふたりの対戦は、李暁霞が郭躍に4-1で勝利。バックドライブとカウンターのバックブロックは打球点・威力ともにバツグンで、第2ゲームは10-0でリードを奪うなど、現世界チャンピオンを圧倒した。