本日、朝イチから会場を訪れ、男女シングルス1回戦をつぶさにその眼に収めたアルバイトの奈良くん。
ヨーロッパ卓球とクレアンガをこよなく愛する彼が注目したのは、オーストリア男子の3番手ガルドスだった。さすがに目の付け所が、違う。そんな奈良リポートを特別にお届けしましょう。
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男子シングルス1回戦、ガルドス(オーストリア)vs唐鵬(中国香港)。世界ランキングから見ても唐鵬が圧倒するかと思われたこの一戦だが、試合はもつれにもつれ、ゲームオールの決着となった。
試合がもつれた最大の原因は、ガルドスの特異なバック系技術。ヨーロッパ選手はアジア選手に比べるとバックハンドが強い傾向にあるが、その中でもガルドスはバック主戦型と言っても過言ではないスタイル。レシーブは、フォアサイドに来たボールまでもチキータ(横回転系フリック)。このバックサイドに来た横下回転系のチキータに対し、唐鵬はカウンターで合わせようとしてネットミスを連発。また、バックサイドを警戒するとフォアサイドを抜かれ、このチキータを辛うじて返しても、ガルドスのバックハンドが火を吹く。このバックハンドも曲(くせ)球で、チキータと同じような横回転系のドライブと、フラット系強打の二段構え。たまらずフォアへボールを送ると、決してスピードがあるわけではないが、これまた横回転系のドライブで曲げて大きく振られる。
このバックハンドに苦しめられた唐鵬は、まずはチキータを落ち着いて返球。早い展開で勝負するのをやめ、粘り強いラリー戦術に切り替え、総合力の高さで勝負。最終的にはフォアの威力で勝る唐鵬が辛くも勝利した。
シュラガー、陳衛星と二枚看板がいるオーストリアだが、このガルドスの成長で、さらに層の厚いチームになってくるだろう。
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下写真:「チキータマシーン」ことガルドスだ