スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

第6回世界ジュニア選手権大会

ヨーロッパジュニアチャンピオンのイングランドのドリンコールのダブルスを日本の藤本/森本組が0-2から逆転勝ちした。
● 女子ダブルス2回戦
石川/藤井  3,6,4   鄭先知/崔寶文(チャイニーズ・タイペイ)
森薗/谷岡  5,5,10  ボニラ/ロドリゲス(スペイン)
●男子ダブルス2回戦
藤本/森本  -8、-10、4,6,9 ドリンコール/ナイト(イングランド)
松平/丹羽  4,8,6  フランク/パウエル(オーストラリア)

外務省所轄のJICAから海外シニアボランティアとして南米のチリで卓球を指導している大岡多津子さんがチリのコーチとしてスペインに来ている。1月から大岡さんはチリのサンチアゴで活動している。大岡さんは長く夫妻で宮城の秀光中高等学校の卓球部のコーチをしていた。
「元もと外国に興味があった。最初はスペイン語に苦労しました。ただ卓球だと手取り足取り、体とかでも説明できる。練習がうまく行かないとき、チリの底冷えのする冬の時には日本に帰りたいと思うときがあるけど、そういうときはテレビの日本語放送のテレビの音量を上げ、バスタブに入りながら聞いてストレス解消しています。チリの子どもたちでも教えれば教えるほど技術を吸収していき、一生懸命。明るい民族性だけど、自己主張も強い。練習も夕方5時まで言ってもみんな理由をつけて4時くらいで帰って行く子がいるのは驚いた。
仙台育英の子どもたちは教える方が楽ですね。ある程度のレベルの子が入ってきますから。チリでは自由に生きてきた子が来るから、こちらの言っていることが理解できるか不安だった」。
「チリでは生活がシンプルなんです。そのシンプルさが心地よいです」と語る大岡さん。今回の世界ジュニアの女子団体の初戦が日本戦だった。「戦意が高まらないし、主人のチームとやるのだけは嫌だったのに、まさか初戦で当たるとか・・」と苦笑いする大岡さん。
 地球の反対側で、卓球を通して交流を深める人がいる。

 昨日の最後の女子シングルスの試合で、日本の谷岡は事前のラケットコントロールでラバーの厚さが4ミリを越えたということでスペアラケットを使うことになった。そのスペアもカットマンの谷岡は台にぶつけたりしているために、板がめくれ、厚さ、もしくはラバー表面の平坦さに問題があるということで、勝利したあとに審判長が検査した。何とかぎりぎりセーフになったが、冷や汗もの。あわてて、バタフライの売店で同じラケットを調達した。今大会では機械を使って、ラバーの厚さ、平坦さは相当厳しくおこなわれている。今後、国際大会に出る選手は注意が必要だ。スペアラケットは当然必要で、しかも1本ではなく2本は必要だ。
もし日本の全日本選手権などでも厳しく行われる場合、ラバーの貼り方によっては表面がでこぼこになることもあるので、注意とスペアラケットは必ず必要になる。
 
 さて、11日の午前中でとんだハプニング。混合ダブルスで森本・谷岡組がチャイニーズ・タイペイペアにゲームオール8本で勝った。ところがITTFのWEBの記録ページではタイペイ組が勝ったことになっていた。審判席で確認したところ、実物のスコアシートでタイペイが勝ったことになっていた。審判長はすぐに当該審判に聞いた。そうしたら何と審判まで「これはタイペイの勝ちよ」と応えるではないか。抗議する日本選手団。「タイペイに確認してくれ」と。審判長がタイペイに確認して、もちろん負けを認めたので、記録の間違いということで訂正。国際大会では思わぬハプニングが起きるものだ。

写真はラケットコントロールで冷や汗をかいた谷岡
● 混合ダブルス2回戦
松平/石川 7,9,4  ドナド/デュブコワ(スペイン/ベラルーシ)
丹羽/森薗 3,9,1  フランジスカ/バラゾワ(ドイツ/スロバキア)
藤本/藤井 8,4,6 チュン・ヤフン/ヌグ・ウインナン(香港)
森本/谷岡 6,-7,-10,7,8 葉致緯/鄭先知(チャイニーズ・タイペイ)
●男子シングルスグループリーグ
藤本  7,-11、2,6 シャッファー(ハンガリー)
森本  8,5,8   フランク(オーストラリア)
丹羽  7,5,5   セリアルト(カナダ)

11日の午前中の試合が終わった。韓国のエース、徐賢徳のグループに入った藤本。1勝1敗で3人が並んだが、徐に2-3で敗れ、シャッファーに3-1で勝った藤本が1位通過した。
写真は藤本と同じく1位通過した森本
● 男子シングルスグループリーグ
コバチ(クロアチア)-6,-8、7,9,9 丹羽
●女子シングルスグループリーグ
谷岡   3-0    ナセール(エジプト)
森薗  5,2,5   チェン(アメリカ)

丹羽はクロアチアのコバチに逆転負け。明日の午前に残り1試合があり、そこで勝てば2位通過となる。
シングルス予選リーグの途中経過。各グループから2位までが決勝トーナメントに進出できる。
女子の谷岡はスウェーデンのペターソンに敗れた。男子は松平が中国の程靖淇に勝ち、団体を通して中国に3戦全勝。藤本は韓国の徐賢徳に惜しい試合をしながら敗れた。

●女子シングルスグループリーグ
石川  8,3,10  アムール(エジプト)
石川  7,7,11  セベ(ルーマニア)
藤井  5,7,3   デュラン(チリ)
藤井  6,-8、4,4 ブルーネ(フランス)
谷岡  5,5,4   ロドリゲス(スペイン)
ペターソン(スウェーデン)12,6、-8、-3、9 谷岡  
森薗  3,8,3   シャクン(ベラルーシ)
森薗  7,7,-12,8 A.ドスピナ(ルーマニア)


●男子シングルスグループリーグ
松平  7,8,7   ソーダールンド(スウェーデン)
松平  13,8,5   程靖淇(中国)
徐賢徳(韓国) 13、-10,-10、8,5 藤本
丹羽  4,1,4   フラグコーリス(ギリシャ)
森本  7,-12、3,9  シェン(カナダ)

写真は松平と藤本

 混合ダブルスがスタート。予選トーナメント、決勝トーナメント1回戦が行われた。日本勢は決勝トーナメントからの参戦で、危なげなく全組2回戦へと駒を進めた。昨年は兄の松平賢二と組み、見事3位に輝いた石川佳純。今回は弟の松平健太と組みどこまで勝ち上がるか。個人戦がスタートし、団体戦でのメダル獲得の勢いそのままに快進撃を見せて欲しい。各試合のスコアは以下の通り。

●混合ダブルス決勝トーナメント1回戦(日本勢のスコアのみ)
松平/石川 9、7、5 ピニョ/シャオ(ポルトガル)
森本/谷岡 6、3、9 エルソブキ/アムル(エジプト)
丹羽/森薗 12、8、0 ロレンツ/アバ(フランス)
藤本/藤井 6、9、6 M.カールソン/クアチ(スウェーデン)
日本はまず団体で、女子の銀メダルと男子の銅メダルを獲得。特に男子はパワー卓球の韓国が中国の巧さの前に1点も取れずに沈んだが、日本はほとんど勝ちかけていた。もし決勝に日本が出ていたら・・・と思わずにはいられないが、この無念は個人戦で晴らしてもらおう。中国戦で2点取った松平に期待がかかる。が、予選リーグの中に中国の程靖淇がいるので要注意だ。女子では前回ベスト8の石川のメダル獲得に期待しよう。
写真は団体決勝で中国の前に散った韓国。随所で韓国らしいパワフルなプレーを発揮した。そして日本男女の記念写真
男子団体決勝
   中国  3-0  韓国
○閻安  -8,-8、8,6,8 李尚洙
○方博  -13、7,8,11  徐賢徳
○程靖淇 6,-7,7,8   鄭榮植

中国がストレートで韓国を完封した。トップの閻安対李尚洙で、李が2ゲームを連取し、3ゲーム目も4-0とリード。完全に流れは韓国だったが、ここで中国がタイムアウト。ここから李がミスが出る。台上をうまく攻められ、崩れた。終わってみれば、この4-0からの展開がこの試合の流れを変えた。中国の戦術と技術の巧さが光った決勝だった。
写真は左から中国のエースの閻安、3番で優勝を決めた程靖淇
女子団体決勝
  日本  0-3  中国
 石川  -6,-6,-7   陳夢○
 森薗  -6,-6,-10 曹麗思○
 藤井  -1、-3、-10 王大琴○

決勝に進んだ日本は、中国の前に完敗。まさに手も足も出ない試合ぶりで悔しい敗戦となった。しかし、決勝までの戦いは見事で、決勝以外の戦いは十分に評価に値する。
大岡監督「3つの問題点があって、ひとつは日本は決勝で戦術がうまくできなかった。中国はいろんな技術と戦い方ができている。日本もフランスやドイツ戦ではそれができていたが、決勝ではできなかった。もうひとつは日本の得点は中国のミスがほとんどなので、あと1点取ればゲームを取れたというチャンスはなかった。3つ目は中国は韓国とあれだけ競るのに、日本には簡単に勝つ。日本は韓国とやったら勝てるかもしれないのに、中国には完敗したことをもう一度考えたい。日本が目指しているのが中国と同じ方向だからかもしれない。中国の良いところを取り入れているけど、逆に日本は日本の良いところを取り入れていない。中国と似た卓球だと中国はやりやすいのかもしれない。決勝に進んでうれしいけど、その辺が残念です。決勝までの戦い方は日本は素晴らしかった。石川もカウンターが一発入るとか、待ち伏せするとか、そういうチャンスが中国戦では少なかった」
写真は石川に完勝した陳夢、日本ベンチと石川