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第6回世界ジュニア選手権大会

女子シングルスは決勝で曹麗思がゾルヤの変化をものともせずに攻守で崩れずに完勝し、4冠の全タイトルを奪った。男子シングルスはタイペイの陳建安がドリンコールを果敢に攻め快勝し、タイペイ初の金メダルを獲得した。
● 女子ダブルス決勝
曹麗思/王大琴(中国)4,13,6,5 金敏姫/李炫(韓国)
● 男子ダブルス決勝
宋鴻遠/閻安(中国)4,8,-9,10,-7,-6,6徐賢徳/李尚洙(韓国)
● 女子シングルス決勝
曹麗思(中国) 12,6,7,4 A.ゾルヤ(ドイツ)
● 男子シングルス決勝
陳建安(チャイニーズ・タイペイ)8,-3,12,8,5ドリンコール(イングランド)

● 男子シングルス準決勝
ドリンコール(イングランド)-8,-10,10,10,8,8 李尚洙(韓国)

ドリンコールが2ゲーム先取されながらも3ゲーム目以降の競り合いをものにして逆転勝ち。決勝はタイペイの陳建安と対戦。どちらの選手が優勝しても、イングランドとタイペイから初のチャンピオンの誕生となる。
 男子シングルスではエジプトのアサールがベスト16に入った。長身でフォアハンドに威力のある選手で、日本の森本を4-3で破った。ジュニアサーキットファイナルでも決勝まで進むなど、今まで世界で活躍のなかった国、協会の選手が上位に食い込む健闘を見せた。続く試合でもイングランドのドリンコールと大接戦。惜しくもベスト8は逃したが、注目を集めた。
 女子では谷岡に敗れた香港のヌグ・ウィンナン。香港と言えば、シニアの代表選手がほとんど中国からの移住選手。このヌグは香港で育った選手で、本国の熊欣錫を4-3で破って、ベスト16に入った。

 男子ではシングルスベスト4に入った国が中国独占ではなく、中国、チャイニーズ・タイペイ、イングランド、韓国の4協会に分かれ、女子シングルスも日本、ドイツ、中国の3協会に分かれた。
 さらに男子ではイラン、エジプトと言った今までトップの方には来なかった協会の選手が頑張ったのは特筆すべきことで、ITTFのプロジェクトとして世界に広く強化の手を差し伸べてきた成果と言えるだろう。
 特に優勝候補の松平健太に勝ったイランのアラミヤンの活躍には関係者は一様に驚いた。ボールのスピードはさほどないが、両ハンドでの安定した攻撃と守備、そして中国選手もミスを連発した松平のしゃがみ込みサービスも苦にしなかった。「イランの卓球のレベルというのは他のアジアの国よりも低いと思う。でも、今回の試合でイランの選手も強い選手に勝つことができるということを証明できた」と語るアラミヤン。今回はコーチなしで、英語も十分に話せない彼が単身でスペインの地に来た。唯一、イラン人の審判がいるだけという心細い状況の中で、予選リーグでも韓国選手に勝つなど、まぐれではない強さを見せた。非常にタフなメンタルを持った選手だった。
男子シングルス準決勝で、松平がいない中での優勝候補筆頭だった閻安が敗れ、中国勢はコートから姿を消した。
タイペイの陳建安が2ゲームを先取されながらもあきらめずに、攻撃の手をゆるめなかった。2ゲーム目、大量リードした閻安は無理なボールを打ちにいって、余裕の笑みを中国応援団に向けるなど余裕を見せたが、それが油断となり、3ゲーム目から流れは陳建安に向いた。試合の怖さを見せつけた。
● 女子シングルス準決勝
曹麗思(中国) 7,-9,5,5,7 王大琴(中国)
● 男子シングルス準決勝
陳建安(チャイニーズ・タイペイ)-4,-4,6,-9,10,10,6閻安(中国)

写真は左から敗れた閻安と決勝進出した陳建安

● 女子シングルス準決勝
A. ゾルヤ(ドイツ) -8,-6,4,12,10,9 谷岡

谷岡が決勝進出の道を絶たれた。相手はドイツの変則選手、前回3位のA.ゾルヤ。中国の陳夢をストレートで下し、続く藤井にも勝ったゾルヤ。前半は谷岡の試合だった。2ゲームを連取しスタート。3ゲーム目を落としたものの、4ゲームは長いラリーが続き、ジュースの末に谷岡が落とした。このゲームがキーゲームだった。「ゾルヤとは去年1回やっているけど、その時はツブ高でもっとやりにくくてもっと変化があった。今回はアンチに変えていて、やりやすかったけど、ここまで粘られると思っていなかった。想像以上に強かった。ジュースに入って相手のミスを待ったり、弱気になった。リードした時は攻めていけたけど・・。カットと攻撃がどっちもできる選手になりたい。他の人ができないカットマンになりたい」(谷岡)。
 銅メダルに終わったが、日本選手唯一のシングルスのメダル。貴重なカットマンとして期待できる逸材である。

●男子ダブルス準決勝
李尚洙/徐賢徳(韓国) -10、14,-9,8,7,8 松平/丹羽
宋鴻遠/閻安(中国)  -10,7,7,8,-2,-8,6鄭榮植/金珉錫(韓国)  

日本ペアは明らかに疲れからか、動きが遅くなり、闘争心に火がつかなかった。男子もスタミナ不足は明らかだった。
● 女子ダブルス準決勝
曹麗思/王大琴(中国) 8,5,6,4 石川/藤井
金敏姫/李炫(韓国)-9,5,6,-10,3,10森薗/谷岡

男女とも日本勢はこの日、混合、ダブルス、シングルスと3種目で相当の試合数をこなしている。動きが落ちてきている感じがする。中国、韓国はまだ体力の余力があり、基礎体力の違いを感じさせた。

● 男子シングルス準々決勝
陳建安(チャイニーズ・タイペイ) 8,4,3,-7,3 アラミヤン(イラン) 
閻安(中国)-6,10,4,-8,6,-8,5金珉錫(韓国)  
李尚洙(韓国) 5,7,5,-9,10 藤本   
ドリンコール(イングランド)3,3,-6,6,7 鄭榮植(韓国) 

男子シングルスでは今大会で急成長した藤本が韓国の李尚洙に敗れた。しかし、鍛え方では世界でも活躍できる選手であることを証明した。バックハンドドライブが良くなり、台上の流し打ちフリック、前・中陣でのドライブもよく決まった。
男子シングルスのメダルは4カ国で分け合う形となり、中国も1個のみ。よい傾向と言えよう。

女子シングルスで4人が準々決勝に進んだ日本。谷岡が唯一勝ち、メダルを確定した。
● 女子シングルス準々決勝
谷岡 5,6,7,7  ヌグ(香港)
A. ゾルヤ(ドイツ) -11、10,-9、5,9,8 藤井
曹麗思(中国) 1,14,9,7 森薗
王大琴(中国) 4,4,-8,6,-6,-9、7 石川

写真はメダルを確定した中学2年の谷岡、中国に敗れたエースの石川、そして森薗