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ロンドン五輪

中国は出足から気合い十分。日本も全力で戦ったが、中国は一枚も上だった。しかし、日本の最後まであきらめない戦いに会場は大きな拍手を送った。

●女子団体決勝
   中国  3−0  日本
○李暁霞   6、−9、2,5    福原
○丁寧    3,10、4      石川
○李暁霞/郭躍 6,3、−9、5 石川/平野

写真はトップで戦った福原と李暁霞
 女子団体決勝に先立ち、銅メダルを決める3位4位決定戦が行われ、シンガポールをストレートで韓国を下し銅メダルを獲得した。

●女子団体銅メダル決定戦
○馮天薇     9,8、−4、11   金璟娥
○リ・ジャウエイ 5,8、−6、8   石賀浄
○王越古/リ・ジャウェイ 9,6,−6、5 唐汭序/石賀浄
 男子団体準決勝の韓国対香港は、柳承敏が2点取り、韓国が決勝進出を決めた。

●男子団体準決勝
    韓国   3−0    香港
○柳承敏  −7、4、6、−8、9   唐鵬
○朱世赫  3、6、8        江天一
○呉尚垠/柳承敏 −5、6、2、−11、9  江天一/梁柱恩

写真は柳承敏と朱世赫
 
 中国男子はオフチャロフとボルを擁するドイツを3−1で破った。トップでオフチャロフが馬龍と3ゲーム目まで競り合いの末に敗れたが、2番でボルがシングルス金メダリストの張継科を破り、もしダブルスをドイツが取ればラストでオフチャロフが王皓と対戦し、勝負の行方はわからなかったが、張継科と王皓のダブルスがボルとシュテガーのダブルスを封じて、勝負は決した。

●男子団体準決勝
    中国  3−1   ドイツ
○馬龍  10、−5、9、1    オフチャロフ
 張継科 8、−8、−9、−8        ボル○
○王皓/張継科 −10、8、5、5 ボル/シュテガー
○馬龍  3、5、7       シュテガー 
 準決勝で見せた中国女子の気合い。施之皓監督はこの五輪を最後に監督を終えると言われているが、必ず金メダルを獲るという決意の大きさがベンチの表情でも見て取れる。選手も理解し、集中する。一本たりとも油断しないすごさだ。
 日本女子の決勝の相手は中国に決まった。現地の10時から準決勝が行われ、中国が韓国に1ゲームも与えずに完勝した。スタートから中国の選手もベンチも気迫十分。金メダルにかけるすさまじい執念を感じた。
●女子団体準決勝
    中国  3−0   韓国
○李暁霞   6、6、10     石賀浄
○丁寧    8、7、7      金璟娥
○李暁霞/郭躍 6、5、8 唐汭序/石賀浄

写真はトップで勝った李暁霞と2番の丁寧。シングルスの金・銀メダリストはやはり強かった
 現地、8月5日は日本にとって歓喜と明暗、まさに天国と地獄の日だった。
 まず午前中の男子準々決勝で日本男子が香港に負けた。試合前に速報したように、香港は油断できない相手だった。結果論かもしれないが、日本のオーダーには疑問が残った。初出場でハイリスクな卓球をする丹羽をラストに持ってきた。今大会、岸川が好調だから前半で使い、ラストには回さない、3−1のオーダーだったのか。しかし岸川は前半で当たった唐鵬には分が悪い。オーダーの読み違いか。「1番と2番のオーダーは逆にすべきだった。ダブルスは変えられないんだから。自分たちはメダルを狙っていた、第3シードだから。自分たちはよくプレーしたけど、相手はもっと良かった」と水谷。
「監督が決めたオーダーだし、そこで自分がしっかりできなかった。どの場所に出ても自分はプレーする必要はあるけど、相手の方が良かった」とラストで敗れた丹羽。「自分ができることはすべてやった」と岸川。
 中国に次ぐ強化予算を持っていると言われる日本。それが登録者の登録費が使われている面も考えて、しっかりとした敗戦の分析と責任のとり方を考えてほしいとも思う。日本女子の歓喜にかき消されないようにしてほしい。選手が死にものぐるいで頑張ったのは誰もが認める。しかし、そこまでの課程や、指導体制がメダルを獲るにふさわしいものだったのか。しっかりとした総括を求めたい。
 一方、女子は選手や監督の思いの強さが伝わってくるような試合ぶりだった。各選手の精神的な準備も相当なものだった。特に北京で敗れた福原と平野の思いの強さも伝わった。石川は世界的な実力を十分に発揮した。また監督の采配も考え尽くされたものだった。4年前からの戦略と個人の頑張り。男子と違うのは、3人の母体、および所属スポンサーが全面的なバックアップで選手をサポートしている点だ。ややもすると分解しそうになるナショナルチームを村上監督はまとめあげた。
 競技スポーツある限り、結果にはこだわらなければいけない。勝っても負けても冷静で正しい分析と総括をするべきだろう。
 決勝進出を決めた瞬間、日本ベンチは涙が止まらなかった。確かに中国と韓国との準決勝はまだ終わっていない。決勝はおそらく中国だろうが、今の日本に感動に浸ることを許してほしい。4年前の北京五輪では平野と福原はメダルを前に悔し涙に暮れた。しかし、今回はうれし涙。知将と言っていいだろう、村上監督の大きな目が真っ赤になっていた。
 3番は平野と石川のダブルス。今大会前はほとんど組んでいないダブルスだが、4番でリ・ジャウエイに福原をぶつけるための村上監督の采配は見事に当たった。その監督の期待に応えて、元全日本チャンピオンペアの平野、石川のペアはシンガポールを圧倒する。石川のあたりはそのままに、平野も強打を連発、体がボールに見事に反応する。
 これでストレートで日本の決勝進出を決めた。勝った瞬間、二人は抱き合い、涙が止まらない状態になった。
 福原が先勝すれば、今大会シングルスで準決勝に進んだ石川が続いた。シングルスでも勝っている王越古に付けいる隙を与えなかった。相手のボールを完全に読み切り、世界トップクラスのボールを打ち込んだ。そしてダブルスでもそのあたりは止まらなかった。このオリンピックでさらに一段上の力を身につけた感じがした。