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ジャパンオープン・荻村杯2013

●女子ダブルス準々決勝
鄭怡静/黄怡樺(チャイニーズタイペイ) 8、9、6 鄭先知/陳思羽(チャイニーズタイペイ)
姜華君/李皓晴(香港) 8、5、-13、9 シャン・シャオナー/ジルベライゼン(ドイツ)
田志希/李恩姫(韓国) 7、-7、3、-13、9 ユ・モンユ/周一涵(シンガポール)
顧玉ティン/周シントン(中国) 4、-9、5、-9、3 石川/森薗

 ベスト4進出は果たせなかった石川/森薗ペア。周の粒高でのコースを突いたプッシュから、顧の強烈なフォアドライブに苦戦するも、2ゲームを奪い最終ゲームへ。しかし、最終ゲームは出足から左右に振られ9連続ポイントを許し、万事休す。

★試合後の記者会見でのコメント★
石川「シングルスで負けてしまったので、ダブルスでは何としてでも4に入りたかったのに、とても残念です。今大会は世界戦よりも内容がよくなかった。しかし、逆に失うものはもう無くなったので、気持ちを切り替えてしっかり頑張りたいです」
森薗「昨日のダブルスでは、いい形で中国ペアに勝利できたのですが、負けてしまいとても残念です。相手は1軍の選手ではないのにこれだけ強い、改めて層の厚さを感じました」
 大会4日もいよいよ大詰め。今大会、日本勢は厳しい戦いを強いられているが、まだ勝ち残っている選手たちの活躍に期待しよう。

 10時からは女子ダブルスがスタート。日本では石川佳純/森薗美咲ペアがベスト4進出をかけて中国の顧玉ティン/周シントンペアと対戦。また、女子ダブルス終了後には松平健太/丹羽孝希ペアがロシアのリウェンツォフ/パイコフペアと、上田仁/吉村真晴ペアがインドのデサイ/ゴーシュペアとの対戦となる。

 男子シングルスでは、水谷準、丹羽孝希、大矢英俊、塩野真人、森薗政崇が、女子シングルスでは福原愛と若宮三紗子が登場だ。
  • クロアチアのエース・ガチーナと対戦する水谷

  • 日本選手の優勝がまだないジャパンオープン。福原愛、初優勝なるか?

 ゲームカウント3−0から驚異の粘りを見せ、第5ゲームで2回、第6ゲームで1回のマッチポイントをしのぎ、さらに最終ゲームは6−9からの5点連取で大逆転。まさにチョッパーの本領発揮だった塩野。荘智淵と松平健太を連破した彼は、間違いなく6月21日の「マン・オブ・ザ・デイ」。
 バックカットの守備範囲と安定性は驚異で、松平の緩急をつけた攻めに苦しみながら、最後まで屈することはなかった。「4ゲーム目を取って、ちょっといけるかもと思った。普段やり慣れているので、自分から戦術を変えていこうと思っていました。自分のほうがランクが低いので、挑戦者として向かっていく気持ちだった」(塩野)。明日の対戦相手は03年世界ジュニア王者の李虎(シンガポール)。台風の目はどこまで勝ち上がるのか?
●男子シングルス2回戦
塩野 -4、-6、-2、6、11、10、9 松平健
丹羽 11、8、7、-3、7 カイナット(スロバキア)
大矢 3、5、8、-7、-8、7 クリサン(ルーマニア)
水谷 4、6、10、8 丁祥恩(韓国)
唐鵬(香港) 17、8、-5、5、6 町
王励勤(中国) 5、-10、10、6、-11、8 松平賢
森薗 4、-7、-10、10、9、-9、9 オーケストレム(スウェーデン)

 大会2連覇を狙う水谷は、危なげない試合運びを見せた。水谷は明日、ベスト8進出をかけてガチーナ(クロアチア)と対戦する。
 松平賢は王励勤に対し、第5ゲームにマッチポイントを奪われながら逆転する粘りを見せたが、中陣でのラリー戦での安定性で及ばず。しかし、元世界王者を追い詰めたプレーは、観客から惜しみない拍手が送られていた。

★試合後に行われた水谷の記者会見のコメント
「やはりパリの初戦敗戦が心に残っていたので、今日はしっかりと準備をして試合に臨みました。地元での大会だし、観客も僕の2連覇を期待していると思う。パリの分まで頑張っていいプレーをしたいですね」
●女子シングルス1回戦
福原 1、2、ー13、1、6 ジョ・ユジン(韓国)

 福原はきっちり1回戦を突破。福原をよく研究している韓国選手との対戦で、苦戦も予想されたが、序盤から集中力が高く、一方的なスコアで2ゲーム連取。3ゲーム目を逆転されて落としても、最後まで攻撃の手をゆるめなかった。
 「パリ大会でああいう負け方をしてしまったので、その反省を生かした練習をしてきた。今大会はパリ大会での負けを忘れてもらえるくらい、良い試合がしたい」(福原)
●女子シングルス1回戦
シャン・シャオナ(ドイツ) ー12、7、9、6、ー6、7 石川
文玄晶(韓国) 9、10、4、7 加藤
田志希(韓国) 8、4、ー5、ー7、11、ー8、8 松平
若宮 8、ー7、ー6、10、8、ー4、5 李恩姫(韓国)

 女子の第1シード、石川が右ペン表速攻のシャンに敗れ、まさかの初戦敗退。
 シャン・シャオナ(単暁娜)はドイツ・ブンデスリーガでプレーしてきた30歳の帰化選手。フォアのハイトスサービスから、威力のある連続フォア強打を見せた。石川はレシーブが定まらず、ラリー戦になっても先にオーバーミスが出るラリーが多かった。

 試合後、しばらく時間を置いてミックスゾーンに現れた石川は、「凡ミスばかりだった。レシーブができなかったし、入れに行ったボールをことごとく狙われてしまった」と落胆を隠せず。「世界選手権もカットに負けたし、(今回はペン表に負けて)もっと変化卓球への対応力をつけないといけない」(石川)。
 すぐれた「卓球脳」を持つ石川なら、もっと回転と緩急をいかした攻めができるはずだ。
 U-21男子シングルス準々決勝、森薗政崇対徐晨皓(シュ・チェンハオ/中国)。森薗はフットワークを駆使してよく動き、よく打ったが、徐のコース取りは頭脳的だった。森薗を広角に揺さぶって自分のバックサイドへボールを誘導し、強烈なカウンターのバックドライブで、大きく空いた森薗のフォアを何本も打ち抜いた。

 大男ではあるが、意外に「総身に知恵が回りかね…」という感じではない。バックハンドは台上から中陣まで、非常に強いので、これでフォアに打球点の早さと厳しさがでてくれば、面白い存在。現世界ジュニア王者の樊振東とともに、王皓がエースの八一解放軍チームで鍛えられている。

●U-21男子シングルス準々決勝(日本選手関係)
神 5、9、9、5 龍崎
徐晨皓(中国) 6、9、-8、8、7 森薗
吉田 ー5、ー7、8、11、5、9 李佳陞(チャイニーズタイペイ)
 男子シングルス1回戦、中国のジュニアクラスで頭角を現しつつあるカットの馬特と対戦した松平賢二。馬のフォアドライブは賢二とフォアクロスで打ち勝つほど威力と安定性があり、バックへのあまいストップは一発のバックドライブで打ち抜く。賢二は第1ゲームを先取しながら、馬の攻撃的なプレーに押されて1ー3と追い詰められたが、渾身の連続フォアドライブで逆転。最終ゲームは4ー3の競り合いから一気に6点を連取して、試合を決めた。
 賢二、今夜行われる2回戦では王励勤と対戦する。

●男子シングルス1回戦
李俊霖(チャイニーズタイペイ) 5、6、ー5、7、ー6、ー6、9 高木和
森薗 8、9、6、5 ヤン・ツー(シンガポール)
李佳陞(チャイニーズタイペイ) ー6、9、ー6、ー7、9、9、5 張
アチャンタ(インド) 9、ー3、ー6、10、9、8 上田
町 9、14、ー4、7、ー5、8 コルベル(チェコ)
松平賢 9、ー6、ー5、ー8、9、4、4 馬特(中国)
王励勤 5、8、5、8 森本
  • 賢二、全力プレーで接戦を制す

  • 最後は根負けした感のある馬特

  • 森本を落ち着いて下した王励勤。守備力が抜群

  • 町に敗れるも、元気な姿を見せたコルベル

●男子シングルス1回戦
松平健 5、6、7、ー11、9 金志奐(韓国)
カイナット(スロバキア) 9、11、7、ー11、8 軽部
丹羽 6、2、ー9、0、9 廖振珽(チャイニーズタイペイ)
大矢 10、ー3、ー9、5、10、ー4、10 リヴェンツォフ(ロシア)
ゴーシュ(インド) 14、7、8、ー12、ー9、ー5、10 吉村
丁祥恩(韓国) ー8、8、8、8、9 笠原
水谷 6、5、8、ー10、呉家驥(中国)

 実に15名もの日本選手が出場する男子シングルス1回戦。松平健、丹羽、水谷らの世界代表組は快調に勝ち上がったが、吉村がインドのゴーシュに苦杯を喫した。

 先週行われた前期日本リーグの前に、腰を傷めたという吉村は、試合前に痛み止めを飲みながらのプレー。試合後、「それほどプレーには影響はなかった」と語ったが、やはり状態は万全とは言えなかった。ゴーシュは上背はないが、正確なボールタッチで何本でも相手の強打を返球するラリー志向の選手。「(ゴーシュは)今まで何回かやって、何回か負けている相手。自分はなるべく早く勝負をつけるタイプだけど、ラリー型の相手のペースにはまった。最後の最後で勝ち急いでしまった」(吉村)。
  • 吉村、本来の力を出し切れず

  • リヴェンツォフを破った大矢火山、大噴火!

●男子シングルス1回戦
塩野 7、8、ー11、7、ー4、7 荘智淵(チャイニーズタイペイ)

 チョッパー塩野が文体で舞った!世界ランキング6位の荘智淵に勝った!

 驚異的なバックカットの守備範囲と、機を見ての鋭い反撃で、序盤からペースを握った塩野。安定性のあるフォアドライブでつなぐものの、なかなか決定打が打てず、緩急をつけた攻めもない荘智淵は与(くみ)しやすい相手だった。対攻撃にはピカイチの強さを見せる荘智淵、まだ対カットという課題は克服されていない。

 勝利の瞬間、歓喜を噛みしめるように大きなガッツポーズを決めた塩野。おめでとう!
  • バックカットの守備は完璧だった塩野

  • やはりカットが鬼門だった荘智淵

  • 塩野、歓喜のガッツポーズ!